明けない夜はないと人は言う。
陽はまた昇ると人は言う。
天に頂く広大なる夜を前に人は原初の記憶を思い出す。
すなわちそれは昏いモノに対する恐怖。
虚無に対峙する際に得る空虚。
されど、人は屈せず、人は退かず、前に進むことを選んだ。
流転こそ万物の象徴だと謡った詩人がいたという。
今はもう、それが誰かはわからない。
大地が鳴動し、大陸が鼓動して国境がなくなった時、
その大動乱を生き抜いたのは歯を食いしばって明日を夢見た若者たちだった。
希望を決して諦めず、夢を決して捨てず、両の足で踏ん張った人たちだった。
地球の海が干上がった時、人類は終わりだと嘆く人が群れたという。
しかし、遥かに広がる広大なる
「俺達にはまだあそこがあるど!」と。
無限に広がる大宇宙。
生まれ来る星もあれば、老いて死に逝く星もある。
そこを往く男たちをして儚い夢を追う無法者と呼ぶ者もあれば
その背に憧れ、その生き方を目指す者もあった。
人はそこを指さして昏い昏い死の広がる場所だという。
人はそこを名指して最後の
幾千幾万の輝きを放つ星々が浮くそこを、
何時しか人はこう呼ぶようになった。
『星の海』と。
残酷で冷たい、情のない世界だという人もいるけれど、
言いたいやつには言わせておけばいい。
ここは命の炎を燃やすところ。
この広い星の海をゆくすべての者が心の中に夢や希望や野望を抱いてゆく所。
儚い夢を追う愚か者と嗤う者もあるだろう。
嗤いたければ嗤わせておけばいい。
いつか、その者は知る事になる。
青春の日に己の全てをかけ、歯を食いしばった経験を持つ者だけが持つ魂の輝きを。
そこは、生けとし生ける者すべてが命の炎を燃やすところ。
そこを、人は野心と野望と希望、そしてささやかな良心を持って星の海と呼ぶのだ。
未来の事か、過去の事か、それすら分からぬいつかの事。
肩を揺らして笑い合うだろう。
互いに腕を組んで杯を交わす事もあるだろう。
「「ゴーラム!」」
そう言い合う日が、来ることもあるだろう。
誰もが明日を夢見て生きる場所。
誰もが希望の炎に身を焦がし、瞳の奥に何かを燃やして生きる場所。
無限に広がる大宇宙。
私たちは、いつかどこで、誰かと出会う。
その先にいるのが何であろうと、誰であろうと。
宇宙交響詩『英雄』
吟遊詩人の唄うどこかの誰かの物語。
宇宙交響詩『宿命』
吟遊詩人が奏でるどこかの誰かの物語。
君たちは知っているだろうか?
知っているならその灯を胸に歩くと良い。
君たちは知っているだろうか?
知らないならばその眼を前に向けて歩くと良い。
誰もがそうして生きている。
誰かの作った
物語を始めよう。
過去と未来と、そしてなにより
さあ、杯を掲げてくれ。
そこには何が満ちているだろうか?
願わくば希望を、そして夢を。
夢が時間を裏切らないのであれば、時間もまた夢を裏切りはすまい。
私たちの先行きに、ゴーラム!
運営様をはじめとした皆々様方には大変なご迷惑をおかけいたしまして、大変申し訳ありませんでした。
また、今回修正して公開させて頂いた本文は小説のプロローグとしてこの様な形に執筆いたしました。小説と言うよりかは詩に見えてしまうかもしれませんが、本作のプロローグとしてはこれがベストの形であると確信しております。
運営様にはその辺りどうかご配慮願えますよう宜しくお願い致します。
閑話休題
やっつけ仕事にならないように気を配ったつもりではありますが、松本先生風には巻物の中の散文詩みたいなものなので1000字に届かすために無理やり伸ばしたりもしたのでもしかすれば不自然に見えてしまうかもしれません。
ご指摘いただければ最大限修正致しますので厳しめにお願い致します。
次回はなるべく早くに投稿できるよう善処致します。
次回
前奏曲「La Andromeda Promethium」
序曲 1000年女王
副題は変わるかもしれませんが、兎に角早く書けるよう頑張ります。
オリジナルの方も並行して書いてはいますのでそちらも更新できるよう頑張ります。
それでは。
沖田十三郎
猛省を込めて