この作品は、機動武闘伝Gガンダムとウマ娘プリティーダービーのクロスオーバー的なモノです。競馬史に登場しないウマ娘やオリジナルウマ娘、TS要素が登場します(まあ、ウマ娘自体がある意味TS要素を含んでいますが)。
また、半ば勢いで書いたので、話の続きを描くかは現在未定となっております。それらを踏まえた上でお楽しみ下さい。
追記:有難い事に感想を頂きましたので、もう少し続きます。また、サブタイが次回予告風あらすじでストーカーさん(仮)が言っていたものと違うので、変更致しました。変更前のサブタイは、次話のサブタイになります。
凱旋門賞。それは、日本のウマ娘にとって越えられぬ壁として、いつか越えたい壁として長年君臨し続けていた。
だが今回、一番人気に選ばれたのは日本からの遠征バである。しかも2年連続、同じウマ娘である。
そのウマ娘とは――ワシこと、フウウンサイキだ。
更に言うなら。今年の二番人気ウマ娘も日本バ、しかもワシと深い縁のあるウマ娘だ。まったく、運命とは数奇なものだ……フッ。
(……思えば。前世含めて、真に
先にゲートインするため歩み出した彼女の横顔を見やり、感慨深くそう思う。
《ヒンヒン!》
《うむ、風雲再起も昂っておるようだな》
《ヒヒーン!》
人語ではないものの、意思は正確に伝わってくる。何故ならば、ワシと風雲再起は今、文字通りに人馬一体だからだ。
(人馬一体、か)
そうなった経緯を、久し振りに思い返す。まさか、あの時はこうなるとは、予想だにしておらんかったな…………
――――――――――
(……よくやった、ドモンよ。レイン女史と、末長く幸せにな)
死してから今まで、霊体となり、風雲再起に取り憑くような形でドモンを見守っていたが……デビルガンダムの完全沈黙を目撃し、自分の中のわだかまりのようなものが消えていくのを感じた。
それと同時、
パアア……
虚空より、光の階段が現れた。どうやら、天から招待されているようだ。
(……ワシがこの世界で出来る事は、もう何もない、ということか……)
憑いていた風雲再起から離れ、階段に足を乗せ、歩を進める。
「ヒヒーン!」
「どうした風雲再起? ……いや、俺にもわかった」
風雲再起が哀しげに嘶き、ドモンがこちらの方向を見上げる。目に見えてはいないが、遠ざかったワシの気配を感じ取ったのだろう。
背後にその気配を感じ取り、一時歩みを止め、待つ。
「ブルル……」
「……。ありがとうございました」
愛馬と愛弟子が、腕に抱いているレイン女史にギリギリ聞き取れない程度の声量でそう呟く。だが、ワシには何故か、ハッキリ聞こえた。
振り向きはしない。ただ握り拳を軽く上げて応える。
荒廃しながらも青く輝く美しい
ワシは歩みを少し早め、階段の先にある光り輝く空間へと踏み入った。
「ドモン……どうしたの?」
「……いや。さぁレイン、帰ろう。兄さんとシュバルツと、師匠達の愛した地球へ!」
「ええ……!」
「ガンダムファイトォ! レディー、ゴー!!」
……光に満たされたこの空間を、どのくらい歩いただろうか。数分にも数十分にも感じる……時間の感覚が曖昧だ、いや、霊体のワシは果たして自分の足で歩いていたと言えるのだろうか。
そんな事を考え出した矢先。唐突に、幾十もの気配が顕れた。
その中の中央、ワシの眼前に、光る空間の中にあってもなお輝く人影?が立っていた。その存在の側に、もう3つ程気配があるように感じるが……それはともかく。
ワシはその存在を、神のようなモノだと判断した。そう認識したワシは、自然と跪いていた。
「来たね、東方不敗マスターアジア」
ワシの名を呼ぶ柔らかな声に、自然と顔をあげる。相変わらず輝いていて正確には見えないが……その存在は、坊主頭の老人のように思えた。
「ぼくは、ガンダムの世界を創り上げたモノだよ」
「ガンダムの……神!」
その存在は、ワシの声に答えるように、だが答えていないかのように、一方的に話を続けた。
「ただね。ぼくとしては、「ガンダム」は失敗作だと思っているんだ。それでもみんなには人気があってね、仕方なく声に応えて時代を描き続けたんだけどねぇ。さすがにちょっと嫌気が差してきちゃってね」
……ああ、この方は「すでに自己完結していて、こちらの話を聞いてくれないタイプだな」と理解した。このタイプの性格の者に、安易に会話を試みようとしてはいけない。黙って最後まで気持ち良く話をさせるのだ。
「……そんな訳だからね。ぼくは「次のガンダムはプロレス以外やっちゃダメだからね!」って言って、彼に任せたんだ」
そこまで言い切って、側にいた存在に意識を向けるガンダムの創造神。となると、そこの方々がガンダムの世界を引き継いだ存在、次代のガンダムの神。
すなわち――ワシがいた世界。ガンダムでプロレスをする、ガンダムファイトのある世界の創造者、という事なのだろう。
そのガンダムファイトの神の1柱が、ワシに歩み寄った気配。
「要約するとね、東方不敗マスターアジア。彼は君に感謝しているんだ。これまでの「ガンダム」に着いていた「固定観念」を打ち破ってくれた、と」
ふむ。この方は、普通に会話が出来るタイプのようだ。ならば問おう。
「……なにゆえ、大罪人たるワシを、天の領域にお呼びになったので?」
「さっき言った通り、彼も俺も君に感謝しているからさ。ドモン君を導いた君にね」
「導いたなどと……ドモンと真に分かり合えたと言えるのは、ワシが最期を迎えた時。遅すぎるにも程があります」
「君がどう思おうと、こちらが感謝している事に変わりはない。そこに遅い早い、善悪は関係ない」
……会話にはなっているが、やはりこの方も神。考え方が人間とは少しズレている。ならば問答は不毛か。
「感謝と仰いますが、ワシに何をお望みで?」
「望んでいる、というより。感謝の意として、君の望みを叶えてあげようと思って呼んだんだ」
「……」
……後悔は当然あるが。叶えて欲しい望みと言えるものは、すでにない。というより、ドモンが叶えてくれた、と言ったところだ。
「欲のない顔をしているけれど。本当に、心残り1つないかい?」
「ふむ……そう言われましても……ああ、心残りと言うならば」
風雲再起。ワシの愛馬。ワシの死後はドモンを乗せて戦場を駆けていたが……風雲再起に取り憑き、魂に触れたから気付いたことだが。彼奴はドモンの事を新たな主人というより、弟弟子だから側にいてやろう、という感情で動いていた。
つまるところ。風雲再起にとって主人はあくまでワシのみ、という事。
「風雲再起より先に逝ってしまったのは、少々心残りではありますな。風雲再起は、自分はドモンの兄弟子だ、と考えていたようです。今後ドモンと共に生きるとしても対等な立場、主人とは見なさないように思います」
「それならば……また、風雲再起と共に歩みたいかい?」
「あえて望みを挙げるならば、ですが」
それ以外は、本当に何も思い付かない。叶えて貰わずとも良い、ささやかな想い。
……だが、それをささやかとは思わない神々がいた。
「そういうことなら子羊君!」
「馬を愛する私達の世界に」
「君の愛馬と共に来るのはどうだろうか」
「ふむ……最近生まれた方々ですね。なるほど、それはそれで面白いかもしれませんね。彼の意思次第ですが」
新たに顕れた3柱の神々は、明確に人の女の姿だった。話からして、新しい神ゆえ神としての位階が低く、他の方より威光が少ないゆえにワシにも認識出来るのだろう。
いや、人の姿とは言ったが、人とは違う部分がある……耳が、馬耳なのだ。まあ、馬を愛していると言っていたから、馬に関する神々ゆえだろう。
「どうだい、東方不敗マスターアジア。彼女達の世界なら、間違いなく風雲再起と最期まで共に生きる事が出来るよ。文明レベルは21世紀中期程で、ガンダムファイトの世界と違い自然も豊かだ」
「ええ、愛するウマちゃんがストレスなく生きられるように、自然環境保全には力を入れていますからね」
「それを第一にしているから、歴史上多少の戦争はあったが、世界大戦や大量殺戮兵器などは生まれていない」
「走る事を愛する馬の魂にとって、最適な環境を整えた自負が我らにはある」
「ほう、それはそれは……」
……その世界はワシにとって、とても魅力的に思えた。
「元よりワシには他に望みはありませぬ。その世界に風雲再起と共に生まれ変わらせて下さるというのならば、是非もなし。よろしくお願い致します」
「話は纏まったようだね」
坊主頭の神がそう言うと、彼を含めた多くの気配が消え、残ったのは馬耳の三女神のみ。
「では東方……いや、シュウジ・クロス」
「私達の世界へようこそ!」
「愛馬と共に、良きウマ娘生を」
「有難きご配慮……なんですと? 馬……娘?」
――その思考を最後に、ワシの意識は遠ざかり――
♡ ♡ ♡
(……どうしてこうなった)
こうしてワシは、ウマミミの人間、ウマ娘として新たな人生を送る事になった。
(まあ……ある意味で望みは叶った、とはいえるか)
《ヒヒーン!》
その身1つに、東方不敗マスターアジアの魂と風雲再起の魂を宿した、女子として。
Gガンダム30周年!
で、ニコ動にGガンが全話投稿されたので久し振りに視聴したのと、ウマ娘サービス3周年で「3」で被っているという事で、つい書いてしまいました。
一応、前からウマ娘フウウンサイキの物語を描きたいと思っていたのもありましたが、ほぼ勢いで書きました。