東西南北中央不敗フウウンサイキ   作:繭浮

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 みなさんお待ちかね!

 再び季節は流れて4月、入学式シーズンとなりました。

 先にメイクデビューした友人達は着実に実績を積み重ね、フウウンサイキ達も自身の本格化を感じ取り、それぞれの成長を噛み締めていました。

 そして、フウウンサイキが1番の親友であり最高のライバルと思っているあのウマ娘、ゴッドインパクトがついに入学してきました!

 しかし、フウウンサイキが友人達を紹介する中で、ゴッドインパクトは意外な一面を見せるのです。

ウマ娘プリティーダービー!
「ついに入学! ゴッドインパクト、猫になる」
に、レディー、ゴーッ!


ついに入学! ゴッドインパクト、猫になる

 更に季節は巡り、4月末。

 

 見込み通り、今年に入りワシ含め、ハナとマヤ以外の友人達も自身の本格化を感じ取り始めた。

 

 その間、先にデビューしていた友人3人は、順調に戦績を積み重ねていった。

 

 ハナは、G2チューリップ賞芝1600・1着7バ身差。

 

 そしてつい先日、トリプルティアラの1冠目であるG1桜花賞1600を1着5バ身の差を付け勝利し、ハナは文句なしの強さを見せつけた。

 念願のティアラ1冠目を獲ったハナは、瞳をウルウルさせて喜びながらも涙は溢さず、「まだ1冠目ですから」と言い、力強い声でオークスへの出走表明をした。

 

 マヤは、G2弥生賞芝2000・2着ハナ差。若干不調、というか気が乗らなかったようで、惜しくも1着には後一歩届かなかった。相変わらず自由で気分に左右されやすい、ある種の気性難なウマ娘じゃな。

 

 マヤの改善すべき点ではあるのだが……無理に矯正しようとするとマヤの持ち味を殺してしまいかねんからの。難しい所じゃ。

 

 だがまあ。G1であるホープフルを勝利し弥生賞で僅差2着なら、皐月賞は1番人気じゃろうな。後は、当日のマヤの調子をワシらが上手く調整してやれれば、勝機は十分ある。

 

 デジタルはG2ニュージーランドトロフィー芝1600・1着4バ身差。

 

 ジュニア期に出走したレースは全てダートだったので、多くの者は「アグネスデジタルはダート適性バ」と認識していたため、G2とはいえ芝をまぐれとは言えないバ身差で勝利した事に、ファンや関係者は大いに困惑したらしい。

 

 まあ、ワシはデジタルは芝も行けると見ていたので驚きはなかったが。予測は付くが、一応芝を走った理由を聞いてみたら、

 

「だってダートだけ走っていたら! 芝が主戦場のウマ娘ちゃん達のレース中の素敵なお顔をっ! 間近でご拝見出来ないじゃないですかぁっっ!!」

「……そうじゃな」

 

と力説された。まぁデジタルならそう言うとは思っとったわ。

 

 他には、ユニとゼロじゃな。

 

 シニア期に入ったユニは、大得意な中距離であるG1大阪杯芝2000にて、2着と10バ身差を付けての快勝をし、4月後半の天皇賞・春へ出走表明をしている。

 また、昨年クラシック期にシニア混合の宝塚記念にて3着だった事もあり、大阪・春天・宝塚の春シニア三冠を目指していると表明した。

 

 ゼロは、G2日経賞芝2500を1着2バ身差にて勝利し、ユニと同じく春天への出走表明をしており、更にその結果次第では宝塚記念にも出走予定だと表明した。

 

 再びユニとゼロの鎬削り合いが見れるかと思うと、心が躍るの!

 

 ……まぁそんなこんなで、4月の友人達のレースに心躍らせておる訳じゃが。4月という事は、入学式がある訳で。

 

「フキちゃあああああん!! 会いたかったよおおお!!」

「おっと! ふふ、ウマ娘たるもの、レースで惨敗した訳でもないのに何を泣き出す。そもそも、春休みに帰郷した時に会っておるではないか」

「学園でええぇっ! ふえぇぇええぇ!!」

「ああ、分かっておる分かっておる。全く、身長はワシを越えたというに泣き虫は治らんな、インは」

 

 入学式の見学を終え、友人達と共に三女神像噴水前で待っていると、イン——ゴッドインパクトが、号泣しながらワシに飛び付いて来た。

 

「あらあら。新入生代表挨拶では堂々としていたのに、ここまで泣きじゃくるなんて……かわいい♡」

「話には聞いてたけど、ほんとに泣き虫なのねぇ……身長はアタシより全然高いのに」

「あはは……フキさんとトレセン学園で会いたくて会いたくて、感極まっちゃったんですよ」

「……尊……」

「……やっぱり……ASEMした特異点と、かなりの差異がある……REVE……不思議、だね……」

 

 ワシらのやり取りを見て、集った友人達が口々に感想を述べる……またデジ子が立ったまま白目を剥いて鼻血を垂らしながら死んでおるが気にしない、すぐ生き返るしの。

 それと、通訳のゼロと「わかっちゃう」マヤがいないゆえ、ユニがまた意味深な事を何やら呟いているが、なんとなく程度しか分からん……まぁ、それも割といつもの事なので気にしない。

 

 ちなみに、マヤとゼロがいないのは、共に鍛錬に集中しているからだ。マヤは今週末に大事な三冠の最初・皐月賞のための最終追込み鍛錬中、ゼロも「今のユニさんを相手にするにはまだ足りない」と言って鍛錬に集中しておる。うむ、その意気やよし!

 

「……誰、この人達。3人は、見覚えあるけど……」

 

 ひとしきり泣いて冷静になったのか、ワシらを囲む様にして眺めていた友人達に対して警戒心を露わにするイン。一度ジロリと皆を見回してから、ワシに抱き付きつつ器用にくるりとワシの背後に回り、顔だけ覗かせて再びジロリと皆を睨む。猫かの?

 

「前から言っておったじゃろう、学園に入ってから出来た友人達じゃ」

 

 ワシが皆に視線を向けると、意図を理解してまずキンカが前に出る。

 

「キングカナニよ〜。マイルから中距離が得意かしら。フキちゃんからは、キンカって呼ばれてるわぁ。よろしくね、インちゃん♡」

「フーッ!」

 

 何故か無駄に色気を出しながらそう自己紹介するキンカ。インの警戒心が増した。何故じゃ?

 

「えー……この雰囲気で自己紹介するの? はぁ……アタシはスイープトウショウ。スイとかスイープとか呼ばれてるわね。アタシも、得意な距離はマイルから中距離ね。よろしく」

「フーッ! フカーッ!!」

「なんでよ!?」

 

 キンカの時以上に警戒心を強め、威嚇する。ここまで誰かを警戒するのもかなり珍しい、というか引っ込み思案すぎてクールな性格と間違われる事もあるインの、始めて見る姿じゃな。

 

「え、ええっと……に、ニシノフラワーです! 短距離からマイルが得意で、中距離もそれなりに走れます! フキさんからは、ハナ、と呼ばれてます。よろしくお願いします!」

「……ん、あなたは知ってる。よろしく、です」

「ちょっと、ハナとの対応違い過ぎない?」

「フーッ!」

「だからなんでよ!?」

「なんでじゃろなぁ」

 

 この感じは……嫉妬、かの? 後は、「メイクデビュー済みで実績がある者を認めている」、とかか?

 

「アグネスデジタルと申しますっ! フキさんとインさんの尊いやり取り、ご馳走様ですっ!」

「ご馳走様……は、よく分からないけど。ゴッドインパクトです、よろしくお願いします」

「……ネオユニヴァース……何故かゴッドになっているインパクト、よろしく……」

「貴女の事は、私もよく知っています。無敗の、とは行きませんでしたが……三冠達成、お見事でした。春シニア三冠も、応援しています……」

「これは……スフィーラ、だね……ん、MAZN……」

 

 ふむ。やはり、すでに実績を残している者には敬意を表している、で当たりのようじゃな。

 

「……なんか、対応の差に納得いかないんだけど」

「フカーッ!」

「せめて人語で返しなさいよっ!」

「貴女は直感的に言って大嫌いです」

「豪速球で来たわね!?」

「うふっ面白い子ねぇ。名前の通り、インパクトは抜群ね」

「貴女はなんとなく雰囲気が嫌いです」

「あらら、嫌われちゃった♡」

「なんで嬉しそうなのよ……はぁ、ただフキの幼馴染みと挨拶したかっただけなのに、妙に疲れたわ……」

「あはは……ドンマイです、スイさん」

 

 こうして、インと学園で出来た友人達との初邂逅は、騒がしくも無事?終了した。

 

 ちなみに、後日邂逅したマヤとゼロとの会話だが。

 

「マヤはぁ、マヤノトップガンだよ! よろしくねー、インちゃん!」

「はい、よろしくお願いします、マヤさん」

 

「ゼンノロブロイです。フキさんからはゼロ、と呼ばれています。よろしくお願いします、ゴッドインパクトさん」

「よろしくお願いします。あと、私の事はイン、で構いません」

 

 とまあ、至って普通に自己紹介して終わった。やはりキンカとスイは「自分の性格的に気が合わなそう」なのが、嫌う1番の理由かのぅ。

 

 まぁ、性格の不一致ばかりは致し方なし……それでも、2人共それぞれ良い所がある。あまり嫌わないで欲しいの。




 次週は諸事情によりお休みです。

 次回は再来週、8月4日夕方5時30分からお送りします(仮)


 ※追記
 体調不良で数日寝込んでいたため、無理をすればまぁ今日中に投稿出来なくもないのですが、他の予定もあるため今週はお休み致します。
 よって、次回は来週8月11日夕方5時からお送りします(半分くらいは描けているので、確定で投稿とします)
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