今年開催されるレースが全て終了し、学園も冬休みに入りまったりムードになっています。
それぞれ長期休みを満喫しているようですが、フウウンサイキとその友人達は、どのような休日を過ごしているでしょうか。
ウマ娘プリティーダービー。
「年末年始……選手達の休息」
今回は、ウマ娘の休日を覗き見てみましょう。
今年の有馬記念も終了し、今日は年末、大晦日。日中のトレーニングはワシ含め、友人全員お休みじゃ。朝のストレッチや学園の温室の一角を借りての瞑想等のモーニングルーティーンに、夕方湯上がり後の軽い筋トレとストレッチ以外は、運動と言える事はしない。
毎日のルーティーンは、流石にやらぬと身体が鈍るので行うが、休む日はシッカリガッツリ休む。それが超回復の秘訣の一つじゃ。
さて。ワシは瞑想前の数分、これまでの日々に起きた事を振り返る癖がある。今回は、友人達の打ち立てた記録や、友人達が発表した来年の出走予定について思い返していた。
ハナは、秋華賞が今年の最終レースであった。秋華賞を獲ってトリプルティアラウマ娘となったが、やはり中距離は少々無理をしていたらしく、今年いっぱいは休みとし次走は来年。来年の出走レースは、元から得意とする短距離〜マイルに主戦場を移すらしい。
そんなハナのシニア期上半期の出走予定は、
2月後半G2マイラーズカップ芝1600
3月後半G1高松宮記念芝1200
5月後半G1安田記念芝1600
と発表している。ワシもクラシック期に安田記念に出走予定と発表しているため、ハナと公式レースで初めてぶつかれるのは安田記念が初となる。今から楽しみじゃの。
マヤは、今年の有馬記念に出走してゼロとぶつかり、2着のマヤに約4バ身差を付けてゼロが1着、しかもレコードを更新しての圧勝だった。しかし、クラシックのマヤがシニアのゼロに喰らいついて2着なのだから、マヤの実力はシニア期で通用するくらいに仕上がっていると言えよう。
そして、マヤのシニア期上半期の出走予定は、
G2阪神大賞典芝3000
G1天皇賞春芝3200
G1宝塚記念芝2200
らしい。ハナと同じくG2を1戦、G1を2戦な訳じゃが、マヤとも宝塚記念にてぶつかれる。やはりクラシック期に入ってからが、ワシのトゥインクルシリーズが本格的に始まった感があるのう。キンカともぶつかれるしの。
次にデジタルじゃが。11月のG1マイルチャンピオンシップでレコード勝ちしたと思ったら、次走の年末G1東京大賞典ダート2000にて、レコード勝ちではないものの大差勝利した。
彼女のシニア期上半期出走予定は、
G1フェブラリーステークスダート1600
G1ヴィクトリアマイル芝1600
と、ダートと芝のマイルG1に出走予定だ。相変わらず変態的……もとい、戦場を選ばぬレース選びをしている。
しかし、どちらもシニア期ウマ娘しか出走出来ぬレース。ぶつかれぬのが残念じゃの。
さて、シニア期の友人の予定はこんなところじゃな。次は同期じゃが。
まず、スイはワシの出走予定とまったく被っておらぬようなので省略するとして……キンカじゃな。
年末のホープフルSをアタマ差という僅差でなんとか獲ったキンカの出走予定は、
G3京成杯芝2000
OPすみれステークス芝2200
と、今の所中距離を2戦予定。どちらかといえばマイルが得意な彼女だが、おそらくこの2戦の結果次第で皐月賞に出るかどうかを決めるのだと思われる。
京成杯にはワシも出走予定じゃからな、今から楽しみじゃ。
最後に、ついでみたいになってしまうし、友人と言えるかどうか微妙な間柄じゃが……ハーツスクリームじゃな。
彼女はワシらと同時期にデビュー戦に出走し続けて来たが、体内の気の流れ的に毎回不調気味だった。ゆえにか、気性難なのも相まってかなかなか勝てず、年末の未勝利戦にてようやく勝ち星を取れたのが現状じゃ。これでなんとかワシらとクラシック期を走れる、と安堵しておった。
年末にようやっと勝てた彼女の次走は、G3きさらぎ賞芝1800。
気性難ゆえデビューするのが遅めになったが、彼女が強きウマ娘である事は知っておる。きさらぎ賞にはワシも出ぬし、まず勝利をもぎ取れると見て良いじゃろう。是非皐月賞でぶつかりたい相手の1人じゃ。
……ふう。さて、考え事はこのくらいにして、そろそろ瞑想に入るとするかの。
⏰
1時間近く瞑想後。まだ瞑想を続けるつもりじゃったが、現在間近にある気配と吐息で気が散り始めたので、中断して目をカッ開く。
「うわっ!? 急に目をかっぴろげるんじゃないわよ!!」
「やはりスイの気配か……おはよう」
「え、あぁ、おはよ……」
「それで、何か用かの?」
ちなみに、温室内にはもう1人気配がある。外にて花壇にパンジーやビオラを植えていたハナが、温室内のデュランタに水やりをしていた。
「別に、用ってわけじゃないけど……毎日毎日、よく飽きないわね、て思って」
「ふむ。「綺麗な白毛ね」「まつ毛長いわね」。後は、「紅毛って超珍しいけど格好良——」」
「わーわーっっ!! あっアンタ起きてたの!?」
「瞑想とは、別に眠っている訳ではないぞ?」
「ッッ〜〜!!」
「ふふっ今日もお二人共、仲良しさんですねっ」
スイが赤面し、ハナが微笑まし気にそう呟く。まあ、割と良くある展開じゃな。
⏰
その後、昼から午後にかけて、同級生の友人達——要するに、いつものメンバーじゃな。
「やっぱり勝負服は〜、カワイイとカッコイイの両方が合わさってるのが、強いと思うんだよね〜!」
「あー、なんかわかるわぁ。私はそこに「大人っぽさ」も足すと、最強だと思うわ♡」
「……おぬしが言うと、「色っぽさ」に聞こえるんじゃが」
「ん、同感ね」
「あはは……私には、大人っぽさはまだ早いかなぁ……」
彼女達と外食やウィンドウショッピング、締めにゲームセンターで軽く遊んでから寮に帰宅した。
うむ。実に普通の女子らしく、姦しくもまったり過ごした日中であった。
⏰
夕方夕飯前のルーティーン、夕飯後の食休み後の寝る前のストレッチ等のルーティーンを同室のインと行い。いつもならこの後は、お互い布団に入ってから寝入るまで雑談するのじゃが……今日は大晦日。特別に、年明けの瞬間を同時に祝うため、ちょっとだけ夜更かしじゃ。
そういえば言っておらなんだが、ワシは一年生の時は2人部屋を1人で使っていた。今年にインが入学してからは、2人で寮部屋に寝泊まりしている。
……コレ、絶対に祖父の計らいじゃよなぁ……まぁ気のおけないイン相手だから、有り難くはあるのだが。
そんな訳で、少しとはいえ夜更かしするとなると、ウマ娘は燃費が悪いゆえ。
くぅー
インの可愛らしいお腹が、11時半頃に空腹を訴えて来た。
「おなか、すいちゃったなぁ……でもこんな時間に食べるのは……むー、背徳的……」
「こんな事もあろうかと。お湯で戻すだけですぐ食える生蕎麦を用意してある」
「フキちゃん悪いんだ。アスリートなのに、夜食食べる気満々だったなんて」
「なぁに、十割蕎麦なら低カロリーじゃ、大して問題はない。それに、年越し蕎麦はやはり食べたいじゃろう?」
「……フキちゃん、お夕飯に大盛り天ぷら蕎麦食べてたよね?」
「インと2人きりで食べるのが良いのだ、夕飯とはまた別の趣がある」
「もう、フキちゃんったら……ふふっ」
「で。食べるんじゃろう?」
くー
「……いただきます」
「ふふふ。インは可愛いのう」
「フキちゃんの方が可愛いよ」
拗ねたように赤面しつつ、手早く蕎麦を用意し手早く食べ終える。確か「年を跨ぐ前に蕎麦は食べきらなければ縁起が悪いのです」とか、フクキタ先輩殿が言っておったからの。
そうして食べ終えて数分後。
カチッ
置き時計の秒針が、深夜0時を告げたのと同時。
「「明けましておめでとう。今年もよろしく」」
「くすっ」
「ふふ」
一字一句同じ台詞を同時に発し、お互いに微笑み合う。
さぁて。ワシのジュニア期はこの瞬間終わりを告げ、ようやっとクラシック期に突入した。
「よぉし。今年も沢山レースに出て、最多全戦全勝記録を伸ばすぞ!」
「頑張ってね、フキちゃん!」
「インも今年のデビュー戦、恥をかかぬようにな」
お互いの健闘を祈り合い、しばらく雑談してから床に着いた。寝不足もよくないが、食べてすぐ寝るのもよろしくないからの。
《おっと……お主にも言わねばな。今年もよろしくの、風雲再起よ》
《ヒヒン》
※読み返したらなんか物足りなかったので、マヤとかキンカ達の台詞を加筆しました。
次回は、来週9月29日夕方5時30分からお送りします(仮)