IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~   作:シシカバブP

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サブタイ、敢えてカタカナにした理由はお察しですね。
そして若干ごり押し気味です。ユルシテ……


夏休み
第23話 夏休みの昼食~オヤコドン~


 臨海学校も終わり、IS学園では夏休みに突入しようとしていた。

 海外から日本に来ている生徒が多い学園では、大半の生徒がこの長期休暇を使って自国に帰っている。

 そんな中、専用機持ちの面々も各々自国に帰るために――

 

「か、帰りたくありませんわ……」

「うぅ……日本とフランスがこんなに遠いなんて……」

「やぁぁぁあぁぁぁ! ドイツに帰りたくないぃぃぃ!!!」

「あ、あははは……」

 

 本土に渡るための唯一の手段、海上モノレールのホームで、各国の専用機持ち達が帰国を拒否ッていた。鈴だけは平気そうな顔をしてるが。

 

「あたしはいいのよ。別に向こうに帰っても何もないし、もう少し日本に残って――」

「ここにいましたか、凰候補生」

「げぇ!? (ヤン)管理官!」

 

 俺と一緒に見送る側にいた鈴が、声の主を見て悲鳴をあげた。

 すごい切れ長の目と眼鏡をしたスーツ姿の女性近付いてくると、鈴の耳を摘まみ上げる。

 

「いたいたいいたぁぁぁい!!」

「代表候補生であれば、長期休暇中は軍施設で訓練を重ねて当然です。さぁ、帰国の準備を」

「た、助けて怜二ぃ!」

「いや、助けろって……」

「ふむ? 貴方が二人目の男性操縦者、吾妻怜二殿ですね。私、中国の代表候補生管理官の楊と申します」

「あ、これはどうも」

 

 二人してぺこりと頭を下げる。サラリーマン時代の名残で、頭を下げられるとつられて……

 

「それで、鈴を帰国させるの国の方針なんですよね?」

「はい。代表候補生は一部とはいえ国の権威です。ですから、その国の権威を保つためにもある程度の縛りは必要になります」

「なるほど……鈴」

「れ、怜二……」

「お国のためだ!」

「怜二ぃぃぃぃぃ!!」

「ご理解いただき、何よりです」

 

 そうして鈴は、帰国の荷造りをするため、管理官に首根っこを掴まれて引き摺られていった。

 

「それじゃあ清香、クロエ。セシリア達の引率は任せるな」

「出来る限り頑張ります」

「ま、任されたくないなぁ……。あっ、でも週末には怜二君の家にお泊りしにいくからよろしくね♪」

「きよかさぁぁぁん……」

「だから怖いってぇ!」

 

 清香とクロエに背中を押され、セシリア、シャル、ラウラが乗り込む。最後に二人も乗り込むと、モノレールのドアが閉まり、本土に向かって動き出していった。

 

「ダーリンは「ナターシャさん」おっといけない、怜二君は一緒に帰らなくて良かったの?」

 

 最後まで何も発さず俺の後ろに立っていたナタルさんが、モノレールが出発した途端聞いていた。頼むから、誰かが聞いてるかもしれない屋外で『ダーリン』はやめてくれ。

 

「いいんですよ。鈴じゃないですが、帰っても何もすることありませんし。ゆっくり帰る準備して、入学前と同じように家でのんびり過ごすだけですよ」

「そうなの……」

「さて、清香達も見送ったし、俺も戻りますよ」

「あっ、待ってよぉ!」

 

 あーもうっ! だから後ろから抱き締めるのをやめぃ!

 

 

――――――

―――

 

 

 というのが昨日の出来事。

 あの後俺は帰宅する準備を整え、翌日――つまり今日――我が家へ帰ってきたわけなんだが……。

 

「あ、れっきゅんおかえり~」

「……おう、ただいま」

 

 寮の部屋を出るのは俺の方が早かったはずなのに、鍵を掛けたはずの玄関のドアを開けて中に入れば、リビングで茶を飲んでる束がいた。……もうそれはいい。けど……

 

「どうして貴女がここにいるんですかねぇ……ナタルさん!」

「ほぇ?」

 

 束の向かい側で、ナタルさんが一緒に茶しばいてるのはどういうことかなぁ!?

 

「何を言ってるの? 愛するダーリンと一緒にいるのがおかしいことかしら?」

「うんうん♪」

「……何が言いたい?」

 

「「休み中はずっとエッチなことしよう(しましょう)!」」

 

「エロガキィ!!」

 

 お前達は盛りの付いた猿か! 一匹兎が混じってるけど。

 

「そうそう、マヤも学園での仕事が一段落着いたら合流するらしいわよ」

「あっ、そうなんだ。じゃあまーやんが合流するまで、れっきゅんと……ぐふふっ❤」

「おい馬鹿やめろ」

「そうねぇ、取り分が多い内に……ジュルリッ」

「本当にやめろ!」

 

 何俺食われるの? この二人に絞り尽くされるの? マジ誰か助けてくれぇ!

 

「というのは一旦置いといて」

「あら」

「あらじゃないが」

 

 束、俺お前が本気かどうか、マジで分からないんだけど……。

 

「臨海学校の時にりっちゃんが言ってたこと、覚えてるよね?」

「えっと?」

「ああ、"ゴタンダラン"だったかしら?」

「あ」

 

 意図的に忘れようとしてたことを、強制的に掘り起こされた。

 

 五反田蘭。一夏の小学校からのダチである五反田弾の妹で、一夏に好意を抱いてる人物なんだとか。

 ……つまり、『一夏に近寄る女を遠ざける』束との取引の範囲内ってことになる。

 

「りっちゃんからも言われてるでしょ。『夏休み中に堕としてくるように』って」

「可愛い子だといいわね」

「て、手籠めにするの確定なのかよ……」

 

 そりゃ、一夏云々関係なかったナタルさん堕とした時点で説得力ないけどよぉ……。

 

「れっきゅん、もう開き直りなよ。れっきゅんは催眠で女の子の○○をジュッポジュッポ(スパァァンッ!)いったーい!!」

「真昼間に何言い出すんだよバカタレ!」

「そうよタバネ。それじゃあ女の子は痛くてそれどころじゃないわ。もっと準備を念入りに」

「違うそうじゃない!」

 

 そのエロい発想から一旦離れろ!

 

「だ~か~ら~、れっきゅんが女の子に催眠掛けて気持ちよくしてお持ち帰りするのは天命なんだって」

「ま、前にも言われたなそれ……」

「あらそうなの? なら私にしたように、そのランって子もお持ち帰りしちゃいましょ♪」

 

 こいつら、言いたいこと言いやがってぇ……

 

 

『(悪魔)そうだよ。束の言った通り、俺が手籠めにした子を幸せに出来ればそれで』

『(天使)ダメだって! 相手の意思を無視した方法とか』

『(悪魔)そう言って、束を筆頭にもう何人だ? 今更一人や二人増えたところで一緒だろ』

『(天使)そ、そもそも! 幸せにするってどうする気なんだよ? お前、これだけの人数を養えるっていうのか?』

 

「ちなみにれっきゅん、金銭的な心配はしなくていいよ。れっきゅんは束さんと一緒に、R&Tカンパニーの共同経営者ってことになってるから、女の子の10人や20人、平気で養えるよ」

 

『(悪魔)(天使)ならいいじゃん』

 

 俺の中の大勢は決した。

 

 

 ……大勢が決しても、まずその五反田蘭とどう接点を持つのかって話なんだがな。

 そう考えてたら、ここで運命のいたずらが。

 

『怜二、昼飯一緒にどうだ? 五反田食堂ってところなんだけど』

 

 一夏から、まさかのお誘いだった。しかも場所がターゲットの実家。マジかよ……。

 

 

――――――

―――

 

 

「よぉ、時間ピッタリだな」

「何がピッタリだな、だ。せめて地図データを送れってんだよ」

 

 五反田食堂の前で待っていた一夏に、俺は開口一番悪態を付いた。個人経営でネットで調べてもなかなか出て来ないから、遅刻するかと思ったぞ。

 

「すまんすまん」

「まったく……」

「おーい一夏ぁ、待ち人は来たのか?」

「おう弾。今来たところだ」

 

 ガラガラと横開きのドアを開けて店から出てきたのは、赤いロン毛の男だった。

 

「吾妻怜二、でいいんだよな? 俺は五反田弾だ。よろしくな」

「ああ、よろしく。弾でいいか?」

「おう。俺も怜二って呼ばせてもらうぜ」

 

 ファーストコンタクトが普通に終わり、俺達3人は店の中へ入って空いている席に座った。

 

「それで、ここのおすすめって何だ?」

「『業火野菜炒め』が鉄板だな。二重の意味で」

「ああ、はいはい……」

 

 一夏のしょーもないギャグに、弾が呆れた顔で流す。ああ、そんな関係性なのな。

 すると、2階に続くと思われる階段の方から、ドカドカと足音が。

 

「お兄! なんで部屋にいないのよ! ずっと呼び続けてたじゃ――」

 

 そこから現れたのは、弾と同じ赤い髪を束ね、ショートパンツにタンクトっプとラフな格好の女の子。

 

「お、久しぶり蘭」

「いっ、一夏……さん!?」

 

 一夏が手を上げて挨拶すると、その女の子は顔を真っ赤にしてプルプルと震え出した。そうか、この子が五反田蘭か。

 

「妹さん?」

「ああ。騒がしい妹ですまんな」

「いやいや。(ところで……あの子と一夏の関係は?)」

「(おっ、分かるのか?)」

「(そりゃ、IS学園に入ってからつい最近まで、あいつの朴念仁ぶりには苦労したからな)」

「(そうだよなぁ……ちょっと待て、つい最近まで?)」

 

 わたわたしている蘭を宥める一夏の横で、俺とコソコソしていた弾が気付いた。

 

「(つまり、あいつもついに!?)」

「(ファースト幼馴染とな)」

「(マジかよ!? え、ということは鈴は)」

「(そういうことだ)」

「(そうか……)」

 

 どうやら弾は鈴のことを知ってるらしい。少し表情が硬くなったが、すぐにニヤけ顔になって

 

「なあ一夏。お前、鈴と……名前が出て来ねぇ、ファースト幼馴染と再会したんだって?」

「ああ、箒な」

「ホウキ……? 誰ですか?」

「ん? 俺のファースト幼馴染」

「そうそう! しかもお前、その箒とついに、だってな!」

「それも怜二から聞いたのかよ。ったく……」

「え……」

 

 蘭が急に立ち上がり、ガタンッと座っていた丸椅子が倒れる。

 

「ああ、あの……それって……」

「まあ、そういうことだな」

「……っ!」

「お、おい蘭!?」

 

 歯を食いしばりながら、蘭が店を駆け出していったのを、一夏は手を伸ばした状態で見送るしか出来なかった。

 

「蘭の奴、一体どうしたんだ?」

「まあ、色々あるんだよ」

「?」

 

 そこだけはまだ朴念仁が抜けていないのか、弾が言ったことが理解できずに首を傾げる。さて、ここから俺の出番か。

 

「ちょっと行ってくる」

「怜二?」

「いいのか?」

「一夏が行っても弾が行っても、結局一揉めしそうだからな。元々部外者の俺の方がマシかもしれないだろ?」

「そう、かもな。なら頼んだ」

「??」

 

 まだ理解できない一夏を放って、俺は調理場にいた人――弾の父親、にしては年がいってるから、おそらく祖父だろう――に謝ってから、蘭を追って店を出た。

 

 

 

 闇雲に探すのも……と思って不安だったが、幸い蘭ちゃんは近くの公園のベンチに座って項垂れていた。

 

「貴方は、確かお兄たちと一緒にいた……」

「吾妻怜二っていうんだ」

「吾妻さん……」

 

 一言断りを入れて、俺は蘭ちゃんの隣に座る。

 さて、こういう時って、何て言えばいいんだろう。こういう経験全く無いからなぁ……。ええいっ、こうなったら直球を投げてみるか。

 

「一夏の事、好きだったんだね」

「っ!……はい」

「そっか」

「……本当は、鈴さんにも負けないつもりだったんです。けど、一夏さんは別の人と……」

「辛い?」

「当たり前じゃないですか……痛い……胸が痛いですよ……っ!」

 

 今にも泣きだしそうな蘭ちゃんを見て、俺は

 

――パチンッ

 

「あ……」

 

 催眠を掛けた。

 

「蘭ちゃん。もう一度聞くけど、一夏のことは好きかい?」

「はい……一夏さん、好き……」

「そうか。そうだよな。……でも、もう一夏のことを好きになる必要はない」

「必要、ない……」

「これからは、今までの分を含めて、俺を、吾妻怜二を好きになればいい」

「わかり、ました……」

 

 NTRってこんな感じなのかなぁ。すっごい気が重いけど、このまま蘭ちゃんが潰れるよりは……

 

「蘭?」

「っ!?」

 

 見られた!?

 

――パチンッ

 

「ぁ……」

 

 思わず、条件反射で催眠を掛けてしまった。

 後ろを振り返ると、どことなく蘭ちゃんに似た女性が催眠特有の虚ろな状態で立っていた。

 

「えっと……名前を教えてください」

「名前……五反田(れん)、です……」

「五反田……もしかして、蘭ちゃんのお姉さん?」

「蘭……私の娘……」

「むすっ、母親ぁ!? 弾と蘭ちゃんの!?」

 

 みみみ、見えないから! どっからどう見ても二児の母には見えないから!

 

 

 その瞬間、俺の中の可能性の獣(淫獣)がまた暴れ出した。というか、蘭ちゃんに暗示を掛けた時点で檻は開いた状態だったのだ。だから、止めようがなかった。

 

 

「蓮さん、蘭ちゃんと一緒に俺の(もの)になってください」

 

 

――――――

―――

 

 

「それでこの結果かぁ。れっきゅんやるねぇ☆」

「さすがダーリン、手が早いわね♪」

 

「「怜二さん❤」」

 

 リビングのソファに座る俺の両サイドに座り、しな垂れかかる五反田母娘(おやこ)。そしてその光景を囃し立てる束とナタルさんに対して、俺は何も言い返せねぇ……。

 

「ささっ、二人とも、今日はれっきゅんと一緒にいるってご家族には連絡したんだよね?」

「はい❤ お兄もお爺ちゃんもOKしてくれました❤」

 

 そうね、何故か二人とも蘭ちゃんの言うことは全肯定だったよね。

 ちなみに一夏も

 

『無事ならよかったよかった』

 

 とすげぇ他人事のように喜んでたよ。……ちぇる~ん☆(現実逃避)

 

「うふふっ❤ こんなオバサンを求めてくれるなんて、年甲斐も無くときめいちゃったわ❤」

「んふふ~、いいねいいね~。それじゃあなーちゃん、束さん達は少し席を外しておこうか」

「そうね♪ それじゃあダーリン、また今夜相手してね♪」

「お、お前ら……」

 

 左右をがっちり掴まれている俺を置いて、束とナタルさんはリビングを出て行ってしまった。

 

「それじゃあ怜二さん」

「私達をご自分のものにした責任」

「「しっかり取ってくださいね❤」」

 

 ――ええいっ!! ままよ! こうなったら可能性の獣よ、今回だけは特別に全力解放だぁっ!! 後で後悔しそうだけど……

 

 

「きゃぁぁぁんっっ! 激しいぃぃ!❤ あっ、あぁぁぁ!!❤」

「あぁ……蘭……」

「蓮さんも、ほら」

「あっ……ひゃぁぁぁんっ❤ す、すごいぃぃぃ!❤ あぁんっ❤」

 

 

 

 ――蘭ちゃんはともかく、蓮さんに至っては完全なNTRだよな?

 そんな今更なことに気付いたのは、二人と致しまくって賢者タイムに入った直後だった。

 

「うふふ……れいじくぅん……❤」

「怜二さぁん……しゅきぃぃ❤」

「やっちまった……やっちまった……やっちまった……」

「ただいま――あ~、やっぱりこうなってたか」

「ダーリンってば、こういうところ、つくづくチキンハートね」

 

 とうとう人妻を寝取ってしまった現実に震えながら、俺は束にハグして精神崩壊を防いだのだった。

 

「いいわね~タバネ。羨ましいわ~」

「にゅふふ~❤ これが正妻の力ってね☆」

「ところで、この後どうするの? 二人ともIS学園の関係者じゃないから、夏休みが終わったらずっとお預けになるわ」

「う~ん、それは可哀想だね。それなら~(ごにょごにょ)」

「なるほど、それはいいわね。それじゃあ、マヤが合流したら相談しましょ」




さっそく前回の伏線を回収しました。
五反田蓮は絵がまったくないですが、原作で『28から歳をとってない』とのことなので、千冬級のプロポーションだと想像してます。

序盤でクエストクリアしたので、以降は禁断症状が出始めた専用機持ち達の話にしていこうと思います。
さあオリ主よ、愛に飢えたヒロイン達に、特効薬を注射してあげるのだ!(下ネタ)
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