IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~ 作:シシカバブP
五反田蓮さんに、人妻に手を出したことに震える俺のへたれマインドが再浮上したのは、あれから30分以上経ってからだった。
「どうしよう……蓮さんの旦那さんに、なんてお詫びすれば……」
「れっきゅん、お詫びしてどうこうなる問題じゃないと思うよ?」
「ぐはぁ!」
「タバネ、ダーリンにトドメを刺してどうするんですか」
ああ……俺、クズだとは思ってたけど、ここまでだったとは……
「あのー怜二君? そんな深刻に悩む必要は無いんですよ?」
「えっ?」
「お、お母さん、どういうこと?」
蓮さんの言葉に、俺どころか蘭ちゃんも疑問を口にした。悩む必要ないって、どゆこと?
「う~ん、あんまり蘭には知られたくなかったんだけど、この際仕方ないかしら」
「え、ええ?」
「実は……あの人と、あまりうまくいっていないの」
そう切り出すと、蓮さんはつらつらと話し始めた。
結婚当初、蓮さんと旦那さんは仲睦まじい夫婦だったそうだ。だが、弾と蘭が生まれた辺りから、まぁ……レスになって来て、最近では旦那さんが忙しいのもあるが、ほとんど顔を合わせることも無いという。
「確かに、お父さんが家に帰ってきたことの方が少ないけど……」
「そ、そうなのか」
「それに……」
「まだ何かあるんですか?」
「あの人……」
そこで言葉が詰まった蓮さんだったが、大きく深呼吸を一つ入れると
「あの人が、他の女性といるところを見てしまって……」
「っ!」
「え、ええ? う、嘘だよね? お母さん……」
つ、つまり旦那さんは、蓮さん以外の女性と浮気してた……いや、現在進行形で浮気してるってこと?
「それでも、弾や蘭が成人するまではって思って、見て見ぬ振りをしてきたの。だから、怜二君が今更あの人に罪悪感を持つこともないのよ。なにせお互い様なんだから。ふふ、ふふふ……」
「ええ~……」
蓮さんの笑い声から冷たいものを感じる……五反田家、闇が深い……。
「だから、何も遠慮することなく私と蘭をもらっていってちょうだい」
「わわ、私も!?」
「あら、蘭は怜二君のこと嫌い?」
「そ、そんなことない!」
「ならいいわよね」
「う、うん……」
それでいいのか五反田親子。というか、これはあまりにもご都合展開過ぎやしないだろうか……。
そこから話しあった結果、とりあえず二人は五反田家へ戻ることになった。
普段はお店の手伝いをしつつ、定期的にこっちへ来るそうだ。ほ、本当に大丈夫なんだろうか……。
「だいじょーぶだいじょーぶ♪ いざとなったら束さんが何とかしてあげるから☆」
「束~……」
「おっほ❤ れれ、れっきゅん! 顔を埋めて、そんなに束さんのおっぱいがいいのかな!?❤」
「うん」
「素直!? 本当に精神的にキてるんだね……」
こんなにも束から安心感を感じるなんて初めてかもしれない……。う~……
「もうダーリン! タバネばっかり構ってないで、私にもぉ!」
「なーちゃん、前後でサンドイッチとはやるねぇ!」
前からも後ろからもふにふにで、ふわぁ……。
結局、また復活するのに30分の時間がかかったのだった。
――――――
―――
「え~……さっきまでのことは忘れてくれ」
「無☆理☆」
「すっごく可愛かったわよ、ダーリン❤」
「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
不覚ッ! いくらガチ寝取りして動揺してたとは言え、あんなに束に甘えてしまうとはぁぁぁぁ!!
「……いいや、どうあっても束は可愛いし」
「~~っ!? ふ、不意打ち禁止ぃ!///」
「はぁ、私もダーリンにそう言われてみたいわぁ……」
ブー垂れるナタルさんと顔真っ赤な束は置いておく。ここで下手に突くと、藪から蛇よりヤバいもんが飛び出て来そうだからな。
――ピンポーン
「誰か来たな。はーい」
「お、お待たせしました~!」
「真耶さん?」
玄関からチャイムを鳴らすという正しい手順でやって来たのは、買い物袋を両手に持った真耶さんだった。すげぇ汗だくやん。
「一体どうしたんですかその袋。まあいいや、とりあえず入ってください」
「ありがとうございます~。ふぅ、今年の夏も暑いですね~」
「あ、まーやんだ。やっほー☆」
「マヤ、やっと仕事が片付いたのかしら」
「はい~。VTシステムの件とか、1学期にあった諸々がやっと片付きまして。よっこいしょっと」
束やナタルさんと話しながら、買い物袋をリビングのテーブルの上にドサッと置く。一体何を買ってきたんだ?
「ビールと酎ハイ、おつまみは乾き物がほとんどですけど、たこわさも入ってますよ」
「お~」
「タコ……」
「あの~、もしかして、ここで酒盛り始める気?」
「あれ? 束さん、伝えてなかったんですか?」
家主の知らぬ間に、リビングが酒宴の会場なっていたらしい。おい束。
「にゃはは~、メンゴメンゴ」
「……束、『感度30000倍になれ』」
「いやぁぁぁぁ! それはダメだってお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ!!❤」
「タ、タバネからトンデモナイ声が……」
「人って、あんな声が出せるんですね……」
「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛っ! いっそ気絶させてよぉぉぉあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!❤」
意識がプッチンする直前で止めて、快感が引いたらまた責める。このお仕置きが一番束に効くと分かったのは大きかったな。
ということを3,4回すると、束はピクピクと痙攣しながら床に倒れ伏した。
「束さん、大丈夫ですか?」
「むひぃぃぃ……れっきゅんひどいよぉ……可愛い束さんに、こんなことするなんてぇ」
「まったく……ところで真耶さん。買って来た飲み物は酒だけですか?」
「いえ、怜二君用にソフトドリンクも買って来てありますよ」
「それは上々。なら夜には少し早いですけど、酒盛りを始めちゃいましょうか」
確か入学前に、保存の効くものを冷凍庫に残していったはず……あったあった、これを解凍すればツマミになるだろ。
「カルパスの袋を開けてっと」
「ああ~! みんなして束さんを放置ぃ!? ひどいよぉぉぉぉ!!」
未だ立ち上がれない束を放置して、俺達3人は酒盛りの準備を進めるのだった。
――――――
―――
「それじゃ、音頭とか面倒だから乾杯!」
「「「かんぱ~い!」」」
缶同士がカツンとぶつかると、ゴクゴクと中身を飲む音がリビングに響き渡る。
「ぷはぁ! やっぱり仕事の後の一杯は格別です!」
「マヤってば、いい飲みっぷりねぇ」
「よっぽど仕事が大変だったみたいだね~」
さっそく顔がうっすらと赤くなる真耶さんに対し、ナタルさんと束はまだまだ素面だ。というか、束が酒で赤くなるところが想像出来んな。
「そういえば、マヤが来た時に言ってたVTシステムの件って?」
「ああ、なーちゃんはあの時いなかったもんね」
唯一話の流れを知らないナタルさんに、束と真耶さんが説明していく。
ドイツの専用機に、国際条約違反のVTシステムが秘密裏に入れられていたこと。学年別トーナメントでそれが発動して事件になったこと。そのシステムを研究していた施設を、束が潰したこと等。
「へぇ、あのラウラちゃんがねぇ。そんなにダーリンのことを憎んでたのに、今じゃ『にぃに❤』なのね」
「あれは、私達も驚きましたから」
「れっきゅん、見事にらーちゃんを壊しちゃったもんねぇ」
「あれは完全に俺の黒歴史だ」
「れっきゅん、IS学園入ってから黒歴史ばっかだよね? きよぴーやセッシーのことととか、りっちゃんのこととか」
「お、おごごごご……っ!」
い、言われてみれば確かにそうなんだが……!
真耶さん:口封じのためにおっぱい揉みました
セシリア:ムカついて衝動的にヤっちゃいました
清香:なんか良いと思っておっぱい揉みました
鈴:勢い余って自分を好きになるように暗示掛けました
シャル:束に嗾けられておっぱい揉みました
ラウラ:キレてエロ蹲踞+お漏らしさせました
お、終わってるよ俺……い、いや待て俺! もう過ぎた事だ! 開き直るんだ!
「おっ、れっきゅんがやっと開き直ることを覚えた!」
「やっとですか~?」
「あ、あら? マヤ?」
なんか真耶さんから辛辣なお言葉が。ナタルさんも少し驚いている。
「怜二さんは~、もっと積極的に行っていいと思います~」
「まーやん分かってるね~」
「んぐんぐ……ぷはぁ! ハーレムのあるじがぁ、そんなことでどうするんで~すかぁ!?」
「あの~、真耶さん?」
「あらあら、マヤってばもう出来上がっちゃってるの?」
「なにがですか~? んぐっ……ぷはぁ!」
カンッと空になったビールの缶がテーブルに叩きつけられる。いやいやペース早っ! それさっき開けたばっかでしょ!?
「れいじくん!」
「は、はい!」
「れいじくんはぁ、かっこいいおとこのこなんですからぁぁ、ひっく! もっとい~~~~っぱい、おんなのこにかこまれてしかるべきなんです~!」
「それはちょっと……」
「よく言ったまーやん! れっきゅんはもっと自分の欲望に忠実であるべきなんだよ!」
「そうですよねぇ!?」
もしかして束も酔ってね? 真耶さんとハイタッチまでし始めるし。
「ダーリンの周りって、こんな感じなのね」
「いえ、あの二人が急進過ぎるだけですから。清香達にはあんなこと言われたことは……」
「そんなことはないでしょ。現にリンからはランちゃんのこと言われてたんだし」
「そ、そうでした……」
それに清香達も、ハーレムが増えること自体に反対された覚えは……。
「だから、ダーリンはもっと好きにやっていいのよ?……寝取りは慎重にしなきゃだけど」
「もうしないってば……」
蓮さんのことは不可抗力かつ魔が差したんです許してくださいもうしませんから。
「そんなこと言って、今度はシャルロットちゃんの
「マジで勘弁してください!」
これ以上口撃されたら、俺マジで泣きそう。もうこれ以上精神的に追い込まれて、束に甘えたくない!
「れっきゅん、もっと束さんに甘えてもいいんだよ~?」
「怜二君、束さんに甘えたくないなら、私はどうですか?」
「ん?」「ん?」
――バチィッ
「こらこら二人とも、火花を散らさない」
「はいぃ……」
「ぶーぶー」
「ダーリンは私に甘えるべきなんだから」
――ガタンッ!
「ナターシャ・ファイルス! 表出ろぉい!!」
「今のは聞き捨てなりませんよぉ!?」
「はんっ、ここでダーリンへのラブを示してあげましょうか!?」
「やめろバカタレ共ぉぉぉぉっ!!」
3人ともガッツリ酔ってんじゃねぇかよクソがぁ!! また窓ガラス割るつもりかぁぁ!!
「んん……」
「すー……すー……」
「えへへ……」
その後、暴れ回った3人は余計に酔いが回ったのか、最後には揃ってリビングの床で寝てしまった。つ、疲れた……。
そして結局、最後まで素面だった俺だけが後片付けをすることになるのだった。そういえば、VTシステムの件とか何も聞けなかったな。
<今日の専用機持ち>
――セシリアの場合
「はぁ……怜二さん……」
「お嬢様、次の書類です」
「分かりましたわ。……日本に戻りたいですわぁ……」
――鈴の場合
「あ~もうっ! 何よこの訓練メニューは!?」
「凰候補生の甲龍は学園で十分な稼働データを取れませんでしたから、この夏休み中に頑張ってもらいます」
「ファッ!? 楊管理官、本気で言ってます!?」
――シャルロットの場合
「お嬢様、次のご予定の時間です」
「ジェイムズさん、お嬢様はやめてってば」
「いいえ、お嬢様はデュノア家の正統後継者なのですから、このようにお呼びするのが――」
(も~……普通に名前で呼んでくれる日本が、IS学園が恋しいよぉ……)
――ラウラとクロエの場合
「やだぁぁぁぁぁ! 日本に、にぃにのところに帰るぅぅぅぅぅ!!」
「た、隊長!? 一体どうなされたのですか!?」
「貴女、隊長に一体何が!?」
「えっと、その……」
(どうして私が、ラウラの説明をせねばならないのでしょう……本来なら、ラウラが私を彼女達に紹介するはずなのに……)
――清香の場合
「はっ!」
「どうかしたの清香?」
「お母さん! またハーレムが増える気配が!」
「はい?」
「まさか鈴が言ってた後輩ちゃんの!? それにしてはあまりにも早過ぎる……!」
「なあ母さん、清香は一体どうしたんだ?」
「あなた……IS学園で色々あったのかしら。今はそっとしておきましょう」
「そ、そうだな」
前回の寝取り要素に対する言い訳。
原作では五反田家の話は全然出て来ないので、ある意味オリジナル要素として夫婦不仲説をぶち込みました。だから寝取られはノーカン!(無謀)
オリ主、精神後退する。偶には正ヒロイン的な要素もと思っていたのですが、結局感度30000倍でお仕置きされてしまうという。
酒癖の悪い大人達。全く関係ありませんが、作者の周りは下戸と泣き上戸しかいません。