IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~ 作:シシカバブP
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オータムなる女を束に引き渡して教室に戻ると、みんなから憐みの目で見られるという謎現象が起こっていた。
「吾妻君、よく戻って来れたね」
「あれだけのシンデレラに襲われたのに……」
「なんか、通り魔に襲われて生還したみたいに言われてるんだが……というか、お前らは特別報酬って何に釣られたんだよ」
視線を横にズラせば、シンデレラからメイド服に戻ったセシリア達が、ギクッと肩を跳ね上げていた。
「そ、それはですね……!」
「き、気にしなくていいんじゃないかなぁ!?」
「……ラウラ、報酬って何だったんだ?(頭撫ぜ撫ぜ)」
「にぃにと二人っきりで温泉お泊り!」
「ちょ、ラウラぁ!?」
ラウラの覚醒モードが解いたらすぐにゲロった。そして視線を逸らすセシリアとシャル。う~んこの。
「それで、一夏は巻き込まれなかったのな」
「幸いな。のほほんさんと先に休憩してて助かった」
「えっへん! グリっちが近付く隙も与えなかったんだよ~」
「ぐぬぬ……っ! ずっと一夏と一緒ならぁ……!」
箒、ぐぬぬじゃないが。本音が一夏の守りについてたから、レッドラム先輩に取られずに済んだんだぞ? まあ何も知らされてないし、言う気も無いんだが。
というか本音、名前が"グリフィン"だからグリっちかよ。
「まあいいか。そんじゃ閉会まであと……2時間か。それまで頑張るぞー」
「おおっ!」
「それじゃ怜二君、さっそくで悪いんだけど、家庭科室まで行ってケーキの補充よろしく!」
「まあそうですよねー!」
午前の時点であれだけ売れたんだから、教室内に設置したクーラーボックスはほぼ空っぽだ。だから冷蔵庫のある家庭科室まで補充しに行く必要がある。そしてこういう力仕事は……俺ですね、はい。
「織斑君に執事服を任せてるんだから、ここが頑張り時だよ!」
「分かってるって! それじゃ篠ノ之、仕事中の一夏に迫ったりするなよ?」
「なぁ!?」
「さすがに箒だってそんなこと……しない、よな?」
なんでそこで疑問形なんだよ、と一夏にツッコミを入れつつ、俺はクーラーボックスを抱えて家庭科室までひとっ走りしたのだった。
――――――
―――
――シャルロットside――
生徒会の演劇が終わって、1年1組のご奉仕喫茶はまた大盛況になっていた。
けどそれも、午後5時を回るまで。学園祭終了とともに招待客は学園から本土に帰っていき、僕達生徒はボチボチと後片付けに入っていた。
「ふぅ、こんなものかな?」
「カーテンとか衣装は明日演劇部に返せばいいから、今日片付けなきゃいけない分は終わりだね」
鷹月さんが見回りながら、チェックリストに印をつけていく。そこに書かれている項目にほぼチェックが付いてるから、本当に必須な仕事は無いってことなんだろう。しっかり者の鷹月さんらしい。
「シャルロットさん、最後にこれ捨ててきてくれない?」
「うん、いいよ」
食器類の片づけをしていた谷本さんから、8分目ぐらいまで中身の入ったゴミ袋を手渡された。フォークとかスプーンはキチンと金属製だけど、ストローとか使い捨ての部分が0じゃないからね。
学園祭で出たゴミは所定の場所に置くことになってたはず。ここからだと、一度校舎を出た方が近いかな。
「ゴミ捨てて来るねー」
「分かったー」
「お願いねー」
谷本さん達に声を掛けて、僕は教室を出て校舎の外に。そしてゴミ置き場でゴミ袋を捨てて、教室に戻ろうとしたところで、ある人を見つけてしまった。
「えっと……グリフィン先輩?」
「あ……君は……」
そこには、ベンチに腰掛けて俯いているグリフィン・レッドラム先輩がいた。
以前は模擬戦の真っ最中で顔合わせ出来なかったけど、僕のこと自体は知ってるようだった。
「シャルロット・デュノアです」
「そう、だったね。フランスの代表候補生」
「はい。先輩は、どうしてここに? もう学園祭も終わって、みんな撤収準備をしてますよ」
「うん……そうなんだけどね……」
ははは……とから笑いした先輩が、また俯いてしまう。
「……一夏と接触できなかったからですか?」
「えっ!? ど、どうして……」
「だって先輩、あれだけ一夏に会いたそうにウチのクラスに来てたじゃないですか。分かっちゃいますよ」
「あ、あはは……」
先輩の隣に座ると、僕は思い切って聞いてみることにした。
「不躾なことをお聞きするんですが、先輩って孤児院の出身なんですよね?」
「誰から……って、ちょっと調べれば出てくるか。そうだよ」
「その孤児院の子達を説得するのに時間がかかって、今の時期に転入することになったって聞いてます」
「正解。ホント、可愛い子達なんだよ。たまーに悪ガキになったりするんだけどね♪」
孤児院の子達のことを話す時、先輩はすごくいい笑顔をする。ああ、だから……
「だから……その子達のために、一夏に近付いたんですね。ブラジル政府との取引で」
「っ!?」
ガタッと先輩が飛び跳ねるように立ち上げる。そして僕の方を見る目が、驚きと恐怖に変わる。
「な……なんで……」
「知ってるんです。孤児院が再開発の煽りで取り壊されることも、再建する費用が無いことも。その再建費用と引き換えに、先輩が一夏に迫るよう政府から圧力を掛けられていることも」
「あ、ああ……」
先輩の方を向いて告白すると、先輩は身体を震わせ、そして力なくまたベンチに座り込んだ。
「知られちゃってたんだ……ちなみに、それは君だけが?」
「いいえ。織斑先生達も承知しています」
「そっか……織斑先生にまで知られてたら、どう転んでもこの計画は失敗だね……」
再度俯く先輩の足元に、ポタリ、またポタリと水滴が落ちる。
「私だけが犠牲になればって、思ってたんだけどなぁ……そんな決意すら、最初から無意味だったんだね……ううっ……!」
「先輩……」
「分かってるよ。どう言い訳したって、悪いのはこっちだって。けど……けどっ、あの子達も悪くないんだ……っ!」
そう、悪くない。孤児院の子達に瑕疵があるわけないし、街の再開発自体が悪いわけでもない。それでも、その子達は巻き込まれた。理不尽ともいえる状況に。
そんな子達を助けるために、先輩はブラジル政府の言いなりになる道を選んだ。そしてその道は、すでに潰えている。
けどそこに、別の道があるとしたら。先輩からしたら、対象が変わるだけで酷さは変わらないのかもしれない。けど、僕はそれでも……
「先輩……もし、どうにかする方法があるとしたら、それに身を委ねる覚悟はありますか?」
――シャルロットside end――
――――――
―――
――バンッ
「怜二! グリフィン先輩を抱いてあげて!」
「「「「「「ぶふーっ!」」」」」」
シャル遅いなーって言いながら部屋でお茶飲んでたら、シャルの第一声で全員が茶を吹き出した。あの束ですら。
「げほっ、げほっ、しゃ、シャルロットさん? 突然何を言い出すんですの……」
「そうだよぉ。ていうか、そのグリフィン先輩をすでに連れてきてるのね……」
「シャルロット……マジでやったのね……」
「あ、あの……し、篠ノ之博士!?」
先輩も先輩で、俺達が同じ部屋で茶をしばいてることに驚きを隠せないようだ。そして一番奥に座っていた束を見つけ、さらに驚きの声を上げた。
「シャルるん、前に言ったこと、本当にやる気だったんだ?」
「はい。やっぱり僕は、グリフィン先輩を見捨てることは出来ません」
「う~ん、前にも言ったけど、そこはれっきゅん次第だよねぇ」
「怜二……」
シャル? そんなキラキラした目で見られても……。そんな犬猫飼うのとはわけが違うんだぞ。
「あの、状況がよく分からないんだけど……」
「それはですね、レッドラムさん。もし貴女が怜二君のハーレムに入れば、ハーレム筆頭の束さんと家族になります。そうなれば、束さんの手を借りて孤児院を助けることも可能です」
「そ、それは……!」
「いやあの真耶さん?」
なんか俺を置き去りにして、どんどん話が進んでってるような……。
「分かった……私、怜二君の女になる! だからみんなを、孤児院のみんなを……!」
「おいシャル。これ完全に俺が時代劇の悪役みたいになってるんだが?」
「そこをお願い! グリフィン先輩を助けると思って!」
過去の自分と境遇を重ねすぎぃ! 確かにシャルに似たような条件を突き付けたけどさぁ!
「いいじゃんれっきゅん。彼女、ストライクゾーンなんでしょ?」
「いや、そうなんだけど……でも……ああもうっ! これ以上増やしてどうするってんだよ! 今でさえこんな大所帯なのに!」
「怜二君、そんなこと気にしてたの? 一言言ってくれれば、学園の予算で部屋の拡張ぐらいするわよ?」
「私も寮監として見逃すぞ」
「私も寮長として」
「なんでこういう時だけ連携取れてんだよぉ!」
部屋の大きさは建前でだなぁ! ……もうなんていうかね、今の人数相手にするのでいっぱいいっぱいなの。これ以上増えたら俺、色々枯れちゃうかも……でもそんなこと口に出すのはちょっと……。
「束!」
「うん? 何?」
「確か俺ってR&Tカンパニーの共同経営者なんだよな? 役員報酬ってどうなってるんだ?」
「突然どうしたの? れっきゅん用の口座に振り込んであるけど」
「その金額と、ブラジルで孤児院を建てるのにかかる費用の差は?」
「場所にもよるけど、首都ブラジリアなら30万レアル、一千万円もあれば建てれるんじゃないかな? え゛、れっきゅん、もしかして……」
「全額先輩の孤児院に寄付だ!」
「「「「「「ええぇぇぇぇぇ!?」」」」」」
貯金空っぽで将来の心配は色々あるが、ここで俺がガス欠になる未来を遠ざけねばならない! だから、これは仕方のない犠牲なんだ……!
「束、今すぐ振り込んでくれ」
「え~……」
「明後日の束の番、飛ばすか」
「はーい、送金完了したよ~☆」
「よしよし。というわけで先輩、これで孤児院の心配は無くなりました。安心してお帰りください」
「え、ええ、あの?」
「れ、怜二?」
いいから帰りなさいって! シャル、元居た場所に返してきなさい!
「ところで束、お前に引き渡した
「あのスパイ女? 束さんが寮の地下に作った秘密の部屋で、れっきゅんの奴隷にするべく調教を――」
「ナニソレコワイ」
「そうだカタナン、はいこれ。あの女が持ってたISのコアね」
「ちょぉぉぉぉっ!? そんなお土産みたいに気軽に渡さないでくださいよぉぉ!」
――――――
―――
――グリフィンside――
何が何だか分からなかった。
シャルロットちゃんに言われて、怜二君のハーレムに入ると決めたのに、気付けば部屋を追い返されていた。しかも、今さっき院長先生から泣きながら連絡が来て、本当に孤児院に多額の寄付金が送られて来たそうだ。
「ホント、怜二ってばお人好しなんだから」
「お人好しって、それで片付けていいの……?」
「いいんですよ。でももし、先輩が気に病んでくれるなら、怜二の近くにいてください」
「怜二君の近くに?」
「はい」
シャルロットちゃん曰く、そのまま私が何事もなく生活していると、怜二君の優しさを利用しようとする輩が今後山のように現れるかもしれない。だから私が、彼に身売りしたように見せて欲しいというのだ。己の身を売って、孤児院の助命を頼んだと。
「本当は、女性に頼むことじゃないとは思うんですけど、ね」
「いいや、実際私は本当にそうしようと覚悟を決めてたんだ。フリぐらいどうってことないよ」
「良かったぁ。それと、さっき部屋にいた人達についても秘密で」
「分かってるよ。誰にも話さないって誓うよ。誰にも、ね」
そう言って部屋に戻ったシャルロットちゃんだったけど、少しして『ひぃぃぃぃん! 怜二許してってばぁぁぁ!』という叫び声が。……彼女の名誉のため、聞かなかったことにしよう。
「それにしても、吾妻怜二君、かぁ……」
最初は一夏君を狙っていたから全然見てなかったけど、シャルロットちゃんの言う通り、優しい面もあるんだね。
そもそもそうじゃなきゃ、あれだけの女の子達と一緒に(文字通り)一つ屋根の下で暮らすなんて、到底無理だろう。まさか、先生達や篠ノ之博士もいるとは思わなかったけど。
(私がもし、あの中に入ってたら……はっ、私一体何を考えてるのさ!?)
頭の中の妄想を振り払って、私は自分の部屋に戻るのだった。
怜二君……ああもうっ! 頭から離れないじゃんかぁ!///
――グリフィンside end――
<今日の一夏>
「えっと、箒、あ~ん」
「あ~ん❤ うむ、美味しい」
「あのこれ、一体いつまで続けるんだ? 部屋に戻ってからずっとなんだが……」
「私が満足するまでだ。具体的には、一夏が学祭中客にやった回数分」
「無理だって! 消灯時間過ぎて夜中になっちまうよ!」
「む~、仕方ない。なら……」
「お、おい箒! ズボンのチャックを開け……!」
「私を満足させたら、そこで終わりにしよう。な?❤」
「ほ、箒……」
「一夏……ちょうだい❤」
「箒ぃぃぃぃ!」
「あぁぁぁあっ!❤ 一夏っ! 一夏ぁぁぁぁ!❤」
シャルロット暴走。普段優等生なのが、時々ポンコツになるのっていいですよね。(オイ
グリ姉、取り込まず。最近考え直しました。今のハーレム維持するだけでいっぱいいっぱいになりそうだと。なので彼女には、このまま生殺しに遭ってもらうことにしました。(ゲス
でも、清香のようなモブなら足したいと思う今日この頃。(オイ
一夏は箒に捕食されるのが運命……
次からキャノンボール・ファストになりますが……まーた奴が出て来るのか……。