IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~   作:シシカバブP

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GWの思い出、寿司と焼肉食って実家の無線ルーター交換した。以上!
というわけで、リハビリがてらの更新です。


第39話 お前も(怜二の)○になるんだよ!

 キャノンボール・ファストの翌日。あれだけのことがあったのに休校にもならず、IS学園はいつも通り授業が行われていた。

 

「クラス対抗戦、学年別トーナメント、臨海学校……学園祭でも爆発があったって話だし、今年は一体何がどうなってるのよ……」

「部活の先輩にも聞いたけど、去年まではこんなこと無かったって」

「今年は織斑君や吾妻君がいるから、多少の混乱はあるって話だったけど……」

 

 ヒソヒソ話をするのはいいんだが、そんな本人に丸聞こえなヒソヒソ話ってあるか? せめて俺や一夏に聞こえないように言えって。それとも、もしかしてケンカ売ってる?

 

「はーい、授業中におしゃべりはダメですよ~!」

「お前達、顔は覚えたからな」

「「「ひぃぃぃぃぃっ!!」」」

 

 真耶さんの注意と千冬さんの威嚇で、ヒソヒソ話と言う名の嫌味を言っていた連中が怯えて黙り込む。まったく……正直俺自身もそれが原因かなぁとは思ってるけど。

 むしろ今回も箝口令が敷かれた状態で、この程度の陰口で済んでるのもすごいと言わざるを得ない。どんだけダンマリ決め込むつもりなんだよ政府は。

 

「なーんかみんな、ピリピリしてるねぇ」

「そりゃ、さっきの陰口の通りだろ。イベントがあるごとに襲撃や爆発騒ぎが起こってたら、誰だってそうなる」

「ん~……(私達がそうなってないのは、みんなより情報を持ってるからってことだね)」

「(そういうことだな)」

 

 特に臨海学校の件については、束主導で起こしたマッチポンプなわけだし。それ以外はドイツのやらかしと、残り3件は亡国機業か。

 

「(結局、清香が倒したエージェントとやらはどうなったんだろうな)」

「(だ~か~ら~! 私が倒したんじゃないんだってばぁ!)」

 

 小声で全力主張するという器用な真似をする清香は置いといて……千冬さんからは何も情報が降りてきてないし、今回はIS委員会に引き渡すんだろうか。

 

 

――――――

―――

 

 

――バンッ

 

「怜二! こいつを抱け!」

 

「「「「「ぶふーっ!」」」」」

 

 もはや天丼と化している流れで、茶を飲んでた全員が吹いた。もうさ、部屋で茶を飲んじゃダメなんじゃね?

 

「それで千冬さん、こいつってぇぇぇぇ!?」

「何々れっきゅん、そんな大声上げておぉぉぉぉぉ!?」

「「「ええ~!?」」」

 

 俺も束も、偶々いたシャル、グリフィン、乱の3人も、千冬さんが連れて来た奴の顔を見て驚きの声を上げた。

 

「千冬さんそっくり……」

「そっくりっていうか、もう本人? 背格好的に、"過去の千冬さん"って感じだけど」

 

 乱の言う通り、猿轡を噛まされてお米様抱っこで運ばれて来たのは、中学生時代の千冬さんというべき人間だった。

 織斑家って、千冬さんと一夏だけだったんじゃ?

 

「ははぁ、つまりこいつは、ちーちゃんのクローンってことだね?」

「そういうことだ」

「クローン!?」

「むぐぅぅ!」

「えっと、もしかして彼女が、昨日の襲撃者?」

「ああ」

 

 グリフィンの問いに千冬さんが頷く。これはIS委員会に引き渡せんわぁ。引き渡した途端、何が起こるか分かったもんじゃない。

 

「というわけで、こいつもオータムと同じように頼む」

「いやそんな、美容院で『前の髪型と同じで』みたいに言われても……」

「これと同じでいいの?」

「わふぅ……え、エム!?」

 

 おぉぉぉい! どうしてそこで隠し扉からオータム出して来た!? オータムもお米様も、お互いを見て驚いてるし。

 

「ふぐっ! ふぅぅぅっ!! ぷはっ! 何だオータム、その恰好は! 貴様はやはり飼い犬がお似合いのようだな!」

「うるさい! お前だって、こいつらに捕まってるじゃねぇか!」

「ふんっ、お前と違って、私ならすぐに逃げ出すことも――」

「というわけで怜二、『感度30000倍』で頼む」

「あ、はい。了解でーす」

「なぁ!?」

「あ、終わった」

 

 そんな堂々と脱走宣言するなら、千冬さんの注文通りにしましょうか。そしてこいつの行く末を察したオータムの顔が、チベットスナギツネになる。

 

「えーっと、エムだっけ? とりあえずお前は『感度30000倍』な」

「はっ! 貴様といい織斑千冬といい、何を訳が分からんことをぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?❤」

「あれ? 30000倍でも痛がってないんだけど」

 

 即席催眠で感度30000倍にして胸(まだペッタン)を揉んだものの、普通の喘ぎ声しか聞こえてこなかった。束にやった時は、むしろ苦痛の方が強かったのに。

 

「うっそぉ……そのチビちーちゃん、不感症なんじゃないの?」

「束やめろ。まるで私まで不感症みたいに聞こえるだろう」

「ふ、ふざけるなぁ……! こ、こんなセクハラ紛いの拷問をぉ……」

「う~ん、なら『感度300000倍にしようか』」

「れっきゅん、それは……」

 

 束がドン引きしてるが、仕方ないだろ、全然効いてないんだから。

 というわけで、TKBをキュッとな。

 

「あっ、あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!!」

 

「あ、これなら効いてるみたいだ」

「うわぁ、まるで電気ショックみたいにビクンビクン跳ねてる……」

「きゅ~ん……!」

「ああうん、大丈夫だよぉ。怜二君や束さんに逆らわなければ、ああならないから」

 

 怯えるオータムの頭を撫ぜるグリフィン。さすが孤児院で子供達を見てたってだけはあるな。

 

「それで束、オータムの時はどうやって調教したんだ?」

「お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

「まずは束さん達に逆らう気を起こさせないように、ちょっとキツ目の電気信号を送って……」

「ひぎあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」

「ちょっとうるさい(ペチンッ!)」

「あ゛がぁぁぁぁ!!」

 

 束の声が聞こえないからと少し強めに尻を叩いたら、白目剥いて気絶しちまった。

 

「……れっきゅん」

「仕方ない、千冬さんからの要請だから」

「いや待て!? 私もそこまでしろとは言ってないぞ!?」

「千冬さん……」

「いやシャルロット!? どうして私をそんな目で見る!?」

「ブリュンヒルデって言えば、アタシ達IS操縦者からは憧れの存在だったのに、まさかこんな……」

「おい乱音!?」

 

 シャルも乱も本気じゃないんだろうが、千冬さんを弄るとか結構無茶するなぁ。

 

「それで束、話の続きなんだが」

「いやれっきゅん、もうこれ、完全に調教完了してるんじゃない?」

「え?」

「だってこれ、らーちゃんと同じ流れになる気がするもん」

「らーちゃんって、ラウラと……?」

 

 それって……

 

「うっ、ううぅ……」

「あ、目が覚めた」

 

 のっそりを起き上がったエムが、俺の方を見る。その目は……いや、そんな無邪気そうな顔するっておかしいだろ。

 

「お兄ぃ!!」

 

「ラウラ化してるぅぅぅ!!」

「れ、怜二さんをお、お兄ぃって……」

「あらら、幼児退行しちゃったみたいだね」

「やっぱり束さんの予想通りだったね♪」

「おうふ……」

 

 どうやらラウラの時と同じように、精神の大事なところを吹っ飛ばしちまったようだ。マジかぁ……。

 

「ただいま……むっ!」

「あ、ラウラ……」

 

 そしてとっても間が悪いことに、エムが俺の足に抱き着いてるタイミングでラウラとクロエが部屋に。そしてラウラが状況を察したような顔で睨みを利かせ

 

「にぃにの独り占めは、めー!!」

 

 ものの見事に覚醒が解けた。そしてトテトテと近付いて、エムを引き剥がそうと背中を掴んで引っ張り始めた。

 

「やぁあ! お兄ぃともっとハグするぅ!」

「だめぇ!」

「……怜二」

「はいはい、俺が責任持って(以下略」

 

 オータムと同じペット枠になるかと思ったら、まさかの妹枠がもう一つ増えるとは……。そんで、ラウラとエムが暴れるもんだから、俺の体もシェイクされまくって……

 

「お、お前ら、一旦やめ……」

「うぅぅぅぅ!」

「むぅぅぅぅ!」

「ラウラ、あまり揺するとお兄様が……」

 

 いやホント、クロエは全力で止めてくれ。じゃないと、胃の中の茶が込み上げてきそうだから……

 

「賑やかだけど、何かあったぁぁぁぁぁ!?」

「鈴さん、そんな大声おぉぉぉぉぉぉぉ!?」

「怜二君、また妹枠が増えたの?」

「お、おう……」

 

 清香、セシリアや鈴の反応が普通だからな? どうしてお前は、千冬さんに瓜二つな奴を見てもそう冷静なのか。

 そしてその後ろから、五反田母娘も部屋に入ってきた。

 

「う、うわぁ、千冬さんに瓜二つ……」

 

 そうそう、蘭ちゃんみたいに驚くのが

 

「あらあら、また可愛い子ねぇ」

「むぎゅっ」

 

 え~っと……蓮さん? 初っ端からエムを抱き締めるのはどうなんです? というか、胸で窒息しそうなんですけど。

 

「あらあら、ごめんなさい。えーっと、名前は……」

「……マドカ」

「マドカちゃんね。それじゃあもう一度、ぎゅ~」

「あ、あうぅ……」

「わ~いいな~。蓮さーん、次私と交代で~」

「グリフィンちゃんもマドカちゃんを抱き締めたいのね。なら、私はオータムちゃんを構ってあげましょうか」

「きゅ~ん♪」

 

 ……蓮さんとグリフィン(母性特攻の二人)によって、マドカ(コードネームのエムって、そのまんまやんけ!)とオータムの二人組は完璧に飼い慣らされたようだ。なんだこれ。

 

「みなさ~ん、予算が降り……えっと、これは?」

 

 手に持った書類をピラピラさせながら入って来た真耶さんが、この状況に付いて行けずに固まる。その後ろから入って来た刀奈さんと虚さんも同様。

 

「えーっと、かくかくしかじかで……」

「先輩のクローンですか……」

「なんというか、もうここまで来たら何でもアリね。今更千冬さんのクローンとか言われても……」

「はい」

「すっごい反応薄いなぁ……ところでまーやん、さっき言ってた予算って、この部屋を拡張する?」

「はい。と言いますか、やはり1棟建て増しすることになりまして」

 

 えっちょっ! マジで言ってます? しかもそれって、虚さんが『そんな予算、学園からは出せない』て以前言ってたはずなんですが?

 

「とある篤志家の方が、全額寄付してくださったんですよ」

「寄付、ですか?」

「はい♪……頭にうさ耳のカチューシャを付けた、珍しい篤志家の方が」

「束ぇ?」

「~♪」

 

 へったくそな口笛だなぁ! しかもその工事、R&Tカンパニーが受注するんだろ? ポケットマネーが自社に流れただけじゃん。

 

「なので、完成次第お引越しになります」

「マジっすか……」

「それと、一応は建て増しってことなので、この棟と行き来が出来るようになる予定です。とはいえ、しばらくは怜二君達の部屋だけですが」

「そうなりますね」

「えっ、虚、私それ聞いてないんだけど……」

 

 またしても何も知らない更識刀奈さん(1●)。それでいいのか? 従者が主人に隠し事って。

 

「新棟と旧棟の間に寮監室と寮長室を移して、名目上は『怜二君達を隔離・監視する』ということにするらしいです」

「実際は、新棟に入り浸ると」

「はい! 怜二君とイチャイチャしちゃいます♪」

 

 そんな爽やかな笑顔で言われるとなー。

 

「それと、おそらく引っ越しの直後になると思いますが、急遽全学年合同のタッグマッチが行われることになりました」

「タッグマッチ?」

「えっ、何々?」

 

 するとマドカショックから復活した鈴が寄って来た。

 

「タッグマッチって、1学期にやった……というか、中止になったトーナメントみたいな?」

「はい。今回のキャノンボール・ファスト襲撃事件を踏まえて、各専用機持ちのレベルアップを図ろうってことになりまして」

「レベルアップはいいんですが……今度襲撃があるとしたら、亡国機業のボスが自ら乗り込んでくるパターンじゃないです?」

「怜二君の言う通り、ダリル・ケイシーに監視を付けている今となっては、動くとしたら実働部隊のリーダーだけね」

 

 オータムとマドカは陥落、スパイとして潜り込んでる3年のダリル先輩とやらは身動きがとれないはず。この状態で襲撃してくるなんて……いや、

 

「二人の奪還とか考えてそうですね」

「私やお嬢様も同じ見解です。なので相手がどう動くのか見極める意味でも、今回のタッグマッチを行うこととしました」

 

 もしかしたら、他の実働部隊とやらが出てくる可能性もあるしれない。それも踏まえて学園全体で網を張るそうだ。何も無ければそれでよし。何か掛かれば、そこからまた情報を搾り取ろうという魂胆だそうだ。

 

「ということなのですが、束さん、新棟の建設にどれぐらい掛かりますか?」

「時間のこと? そうだねぇ……」

 

 真耶さんに工期を聞かれた束が、腕を組みながらむむむとか言い出す。そして出て来た回答が

 

「この棟と同じサイズでいいなら、1日あれば出来るよ☆」

 

「「「「あっ、はい」」」」

 

 イカれた日数(けど束のことだから、絶対1日で建てられるんだろう)に、真耶さんを始めとした全員がそう返すしかなかった。

 頼むから束、震度0で崩れるような建物はやめてくれよぉ……。

 

「ちょっと怜二、なんであたしの方を見んのよ?」

「見てない見てない」

「むがー!」

 

 

――――――

―――

 

 

――???side――

 

「これもダメ……」

 

 学園の整備室で、私はもう何度目かも分からないため息をついた。

 さっきまで組んでいたプログラムじゃ、『山嵐』のマルチロックオン・システム――48基の独立稼動型誘導ミサイルを発射するためのシステム――として使えない。

 

「……また、次の行事も欠席かな……」

 

 代表候補生になって、専用機持ちになれると聞いて、やっとお姉ちゃんに近付けたと思っていたのに……。

 

『倉持技研としては、織斑一夏君の白式の解析を重視している。よって、君の打鉄弐式の開発は無期限凍結となった』

 

 たったそれだけ。たったそれだけで、私の専用機は開発中止になった。手を伸ばした先にあったはずの光は、消え失せた。

 それでも諦めきれずに、倉持技研からベースの打鉄だけを受け取って、こうやって毎日整備室で一人開発を続けている。

 けど、それも進捗は芳しくない。1学期の行事は全て欠席して、それでもまだ打鉄弐式は、私の専用機は完成の目途が立たない。

 

(けど、今更本音には頼れない……)

 

 手伝うと言ってくれた幼馴染の手を、私は一度振り払っている。

 お姉ちゃんは、一人で自分の専用機を組み上げた。だから私も……そんな理由で、私は誰の手も借りようとせず躍起になっていた。

 けど、こうやってジリジリと時間だけが過ぎていく中で、気付いてしまった。

 

 私はお姉ちゃんと対等になりたいのであって、専用機を一人で組むのが目的じゃない、と。

 

 とはいえ、それに気付いたところでもう遅い。今更本音に頭を下げても……

 

「……こうなったら、藁をも縋る、か……」

 

 訓練機の整備をしていた上級生の談笑を横から聞いていた話。ソースの信憑性もない、ただの噂。

 

 

『1年の吾妻君っているでしょ? 彼のハーレムに入ったら、願い事を叶えてくれるんだって』

『ええ~、何それ~』

『ほら、この前転入してきた人いたじゃん? えっと、ブラジルから来たっていう』

『レッドラムさん?』

『そうそう! 彼女、吾妻君と仲良くなってから良いことあったんだって。なんでも懇意にしていた孤児院の再建費用を、篤志家が全額寄付してくれたんだとか』

『その篤志家が吾妻君って? 眉唾~』

 

 

 本当に眉唾な話。それを差し引いても、彼の周りには各国の専用機持ちが集まっている。会って話をするだけでも、何か得られるものがあるかもしれない。

 

(明日の朝、1組に行ってみよう……織斑一夏には、出来れば会いたくないけど)

 

 逆恨みと分かってはいるけど、私の専用機が無い間接的な原因である彼とは極力会いたくない。思わず感情的になって、平手打ちなんかしたら目も当てられない。

 とにかく、吾妻君に会うことだけは心に決めて、私は整備用具を元の場所に戻して整備室を後にした。

 

――???side end――




3人目の妹爆誕。自分の中で、マドカがハーレム枠に入るのか疑問に感じたため、ラウラと同じ方針にしました。
まず無いですが、このまま妹枠が増えていったら……シ○プリ?

学生寮、増やします。とうとう建物1件まるまるハーレム部屋になるのかぁ(白目)
そして何も知らない刀奈さん。彼女はちーちゃんに並ぶ可哀想枠ですから。


次回から新章予定です。???sideとか書いてますけど、ほぼ誰だか丸分かりという
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