IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~   作:シシカバブP

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サブタイにもある通り、合同タッグマッチは複数回に分けてお送りします。

そして気付けばUAが30万を突破しとった……。
今後も頑張りますんで、引き続きご愛顧よろしくお願いいたします。


第45話 全学年合同タッグマッチ①

 全学年合同タッグマッチ当日。開会式を行うため、全校生徒が講堂に集められていた。いや、試合やるアリーナで開会式じゃダメだったのか?

 

「それでは、開会の挨拶を更識楯無生徒会長からしていただきます」

 

 虚さんが司会用のマイクスタンドから一歩下がると、代わりに刀奈さんが前に出る。

 

「今日は専用機持ちのタッグマッチトーナメントですが、試合内容は皆さんにとっても勉強になるはずです。しっかりと見ていてください」

 

 生徒会長らしい、しっかりとした口調で宣言してこちらを見回す。

 

「それはそれとして!」

 

 コロッと表情を変え、いつの間にか手に持っていた扇子には『博徒』の文字。この人、本当にシリアスが続かない人だなぁ。

 

「今日は生徒全員に楽しんでもらうために、生徒会である企画を用意しました。 名付けて『優勝ペア予想応援・食券争奪戦』!」

「「「「おおぉ~~!」」」」

 

 昨日刀奈さん本人から聞いてたけど、相変わらず食いつきがいいなIS学園の生徒は!

 

「って、それ賭けじゃないですか!」

「安心しなさい織斑君」

「え?」

「根回しはすでに終わっているから」

 

 にこっと笑みを浮かべる刀奈さん。一夏が教師陣の方を見るが、みんな一夏と目を合わそうとしない。つまり、そういうことだ。

 そしてワナワナと震える一夏の肩に、ポンと手を置いた。

 

「一夏」

「な、なんだよ怜二」

 

「俺も一口買った。だから……勝てよ」

「おいぃぃぃぃぃっ!!」

 

 ちなみに当たり前だが、一夏は箒とタッグになっている。オッズもそこそこだったから、当たればそれなりに儲かりそうだ。

 

「では、対戦表を発表しま~す!」

 

 そう言って大型の空中投影ディスプレイが、刀奈さんの後ろに現れる。

 

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 第1試合:吾妻怜二&凰鈴音 VS ダリル・ケイシー&フォルテ・サファイア

 第2試合:相川清香&セシリア・オルコット VS 更識簪&グリフィン・レッドラム

 第3試合:シャルロット・デュノア&ラウラ・ボーデヴィッヒ VS 更識楯無&凰乱音

 第4試合:織斑一夏&篠ノ之箒 VS 第3試合の勝者

 第5試合:第1試合の勝者 VS 第2試合の勝者

 決勝戦 :第4試合の勝者 VS 第5試合の勝者

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「私達はシードか」

「これは幸先がいいな」

「初戦のお相手は、簪さんとグリフィンさんですか……」

「最初から楯無さんが相手かぁ……」

「ふむ、誰が相手であろうと、全力を以て倒すだけだ」

 

 対戦表を見て、色々思うところはあるんだが。

 

「怜二、初っ端から当たったわね」

「だな」

 

 鈴に同意して視線を向ければ、腕組みをしてニヤリと笑う3年生と、その隣でジト目を向けてくる2年生(鈴並みに背が低い)が。

 

『今週の合同タッグマッチで、亡国機業がまた動き出すらしいの。それで、今まで泳がせてたダリル・ケイシーも動くみたい』

 

 前に、刀奈さんから言われたことを思い出す。

 合同タッグマッチの最中に、亡国機業からの襲撃がある。けれどそれは陽動で、学園内部が混乱したところをこのケイシー先輩が一夏に襲い掛かり、白式を奪取する計画なんだとか。

 

『だから当日、サクッと手籠めにしてちょうだい♪』

 

 なんて、トンデモナイ指示もされてたな。

 試合中にどうしろっていうんだよ。と心の中でツッコミを入れながら、試合会場であるアリーナへ移動するみんなの中に混ざる。とりあえず、襲撃があるまではちゃんと試合しよう。

 

 

――――――

―――

 

 

 アリーナのピットに着いてさっそく紫電を呼び出すと、簡単にステータスチェックを行う。というか、試合前じゃそれぐらいしかすることがない。

 

「それにしても、怜二の紫電って特徴が無いわよねぇ」

「こいつの出自が出自だからな」

 

 甲龍のチェックを終えてジロジロ見てくる鈴に、ため息まじりに応答する。

 元々紫電は束とやり取りをするために渡されたもんだからな。プライベート・チャネルさえ繋がれば、あとは割とどうでもよかったわけで。

 だからこいつは見た目こそ独特だ(プロトタイプゆえに、白式や紅椿と似ている)が、武装はブレードとアサルトライフルと、ほぼほぼ打鉄と変わらない。

 

「結局、強化してもらわなかったのね」

「正直、あんまり勝ち負けに興味ないし」

「もうちょっと頑張りなさいよぉ。……あたしのために」

 

 2組のクラス代表である鈴もクラスメイト達から期待されてるんだろうが、こればっかりは諦めてくれ。

 

「と、出番か」

「それじゃ、初戦から派手に暴れてやりましょうか!」

 

 

 

 アリーナに入ると、相変わらず腕組みをしたケイシー先輩と、ジト目のサファイア先輩がそれぞれの専用機に乗って待機していた。

 

「お前が2人目の男性操縦者(セカンドマン)だったか? まあ、それなりに楽しくやろうぜ」

「ダリル、下級生相手に血の気が多いっスよぉ」

「それはどうも。それで鈴、あちらさんの情報ってあるか?」

「一応ね。ダリル・ケイシーの『ヘル・ハウンド』からは火炎弾が飛んで来て、フォルテ・サファイアの『コールド・ブラッド』からは氷柱が飛んで来るわ」

「まるでオレ達の武装が飛び道具しかないみたいに言うな!?」

 

 申し訳ございませんが、当店ではお客様のクレーム等は受け付けておりません。

 なんてやってる内に、そろそろ試合開始だ。

 

「それじゃあ先輩方――」

 

――パチンッ

 

「……」

「……」

 

 ケイシー先輩の機体と通信が繋がってる内に、指パッチンによる催眠を仕掛けた。サファイア先輩も巻き込まれたが……コラテラル・ダメージだ、仕方ない。

 そしてちゃちゃっと暗示を掛けると

 

――パチンッ

 

「お?」

「あれ?」

「先輩方、下級生が相手だからって、気を抜き過ぎじゃないですか?」

「そ、そんなことないっスよ?」

「おう、きっちり戦ってやるから安心しな」

 

 こちらが催眠を掛けたことなど露知らず、二人は戦闘態勢に入る。そして俺と鈴もアサルトライフルと青龍刀を展開したところで、試合開始のブザーが鳴った。

 

「さっそくいくぜぇ!」

 

 開幕ケイシー先輩の両肩――犬の頭の口――から火炎弾が飛び出して来た。さっそくか!

 その火炎弾を回避した……と思ったら、サファイア先輩の氷柱が回避先に飛んできた。

 

――ガシャァァンッ!

 

「いって!」

「ただの氷だと思ってたら、痛い目見るっスよ!」

「今見ました!」

 

 マジで氷を食らってSEが減ったんだが!? この二人の連携、マジでやべぇぞおい!

 

「鈴!」

「分かってるわよ!」

 

 そんな鈴だが、今はケイシー先輩と一対一でやり合っていた。

 鈴の青龍刀とケイシー先輩の両手剣で鍔迫り合いになり、両者一歩も動かない……いや、若干鈴の方が押されてる?炎を出すだけじゃなくて、あんなのまで振り回すのかよ。

 

「なら、私の相手は君っスね!」

「うぇぇ!?」

 

 無理無理カタツムリ! 俺が一対一とか無理だから! しかも確かこの人、ギリシャの代表候補生なんだろ? 勝てっこないから!

 

「どうしたっスか!? さっきから逃げてばっかりっスよ!」

「これ完全に初心者狩りだから!」

「いっそ狩られた方が楽になるっスよ!」

 

 それはそうかもしれないけど! それやるとあとで鈴が怖いんだよ! 『あんた、手ぇ抜いたわよね?』って。めっちゃ(悪い意味の)いい笑顔で!

 というわけで、俺はサファイア先輩の氷柱を回避することだけに注力し続けた。その甲斐もあって、ここまでSEは8割近く残っている。

 

――ボォンッ!

 

「ファッ!?」

 

 火炎!? 突然火炎が俺にぶち当たったんですが!? あっちから流れ弾でも飛んできたか!?

 

「よぉフォルテ、手こずってるようだな」

「ダリル、そっちはもういいんスか?」

「おう。1年の割には筋が良かったが、如何せん経験値不足だったな」

 

 合流するケイシー先輩。この人がこっちに来たってことは、鈴は……

 

『ご、ごめん怜二ぃ……』

 

 プライベート・チャネルに鈴から通信が来た。見ればアリーナの壁際に、甲龍がぶっ倒れていた。

 鈴って中国の代表候補生なんだけど、それをこの短時間で倒したの? なんて事だ、(俺)もう助からないゾ♡

 

「なんだ、まだSEがたんまり残ってるみたいだな」

「いやぁ、逃げるのだけは上手だったっスよ」

「確かに逃げ回ってましたけど……」

 

 そうドストレートに言わないで。俺自身が一番分かってるから。

 

「それじゃあ質問だ。オレの炎とフォルテの氷、どっちで倒されると思う?」

「え……炎?」

「NO! NO! NO! NO! NO!」

「それじゃあ、氷?」

「NO! NO! NO! NO! NO!」

「……両方?」

「YES! YES! YES! YES! YES!」

 

 あっ、これアカンやつや……

 

「もしかして、オラオラですかーッ!?」

「YES! YES! YES! YES! YES!」

 

「「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!!」」

 

――ドゴォンッ! ドゴォンッ! ドゴォンッ! ドゴォンッ!

――ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ! ガシャンッ!

 

「ひでぶっ!!」

 

 正面から火炎弾と氷柱の嵐をまともに食らった俺は、あっという間にSEを0にされた。

 

『勝者、ダリル・ケイシー、フォルテ・サファイアペア』

 

 試合終了のブザーとともに勝利チームがアナウンスされ、俺と鈴は1回戦敗退となった。 to be continued? やめて、もう戦いたくないから。

 

 

――――――

―――

 

 

――束side――

 

「やっぱり勝てなかったね~」

 

 寮の部屋で、私はれっきゅん達の試合を見ていた。アリーナのシステムに枝を付けるだけだから、そんなに手間でもないし。

 ISの性能もそうだけど、やっぱり経験の差だねぇ。りっちゃんも、さすがに上級生相手は荷が重かったみたいだし。

 

――ピコンッ ピコンッ

 

 横っちょに置いてたカラータイマーが点滅したのに気付いて、ディスプレイの映像を切り替える。

 アリーナの試合会場から切り替わり、小型ドローンを展開していたIS学園の沿岸部が映し出される。今はまだ米粒サイズだけど、レーダーが3機の所属不明物体を検知していた。

 

「この反応からして……うわっ、束さんのゴー君(無人機)をコピったの? しかもめっちゃ性能劣化してるじゃん」

 

 ISコアが無いから、大型コンデンサーを積んで無理矢理飛ばしてるような欠陥機だ。()()()()()()()()()通り、これは学園に警報を鳴らさせるためだけの囮だね。

 聞いた通りなら、この混乱に乗じてスパイがいっくんに手を出すつもりなんだろうけど――

 

「残念だけど、そう上手くはいかないんだなぁ。まーやん、準備はいい?」

『はい!』

 

 米粒から機体の外見(完全にゴー君の丸パクリ)が分かるほどに大きくなったところに、別のISが接近していく。

 近付いてくる機体に、欠陥機共が両腕の砲口を向ける。けど遅い。

 

――ドガァァァンンッ!

 

 相手――まーやんの乗るラファール・リヴァイヴ――から撃ち出されたグレネードを食らって、正面にいた1機がそのまま海に向かって落ちていく。って、ええっ!?

 

「よっわ!」

『あの、墜落に偽装した何かでは……』

「それは……無いみたい」

 

 まーやんの指摘にまさかと思って解析してみたけど……うん、完全に沈黙してる。

 

「装甲も劣化版なの!? 本当に同じなのって外見だけじゃん! リバースエンジニアリングすら出来ないって馬鹿なの!?」

『あの、束さん』

「ん、んん!」

 

 いけないいけない、思わず本音が。

 でもこれなら、まーやん1人で十分そうだ。

 

「それじゃあ、残りの2体もよろしく~」

『了解です』

 

 その後も経過を見ていたものの、まーやんがピンチになることは終ぞなかった。

 ビームは極細で射程も短いし、近接武装を使おうにも、そもそも推進力にエネルギーを割けないからか、機動性が劣悪過ぎる。あれで当たるのってホント初心者ぐらいだよ。

 そうしている内に他の2体も、ショットガンでハチの巣にされたり、パイルバンカーみたいなので大穴を開けられて墜落していった。

 

『迎撃完了です!』

「おつおつ~、ちーちゃんにも報告お願いね~」

『は~い』

 

 一応表向き、束さんはここ(IS学園)にいないことになってるからね。まーやんも『クラス対抗戦の事例を踏まえ、織斑先生(ちーちゃん)の指示で上空警戒をしていた』ってことになってるし。

 

「落ちた残骸は……要らないかな。束さんがもらっても仕方ないし」

 

 性能・品質が劣悪なのは分かった以上、ゴミにしかならない。それなら討伐した証拠として学園にあげちゃえばいい。IS委員会とやらも一目見れば、あれが陳腐なものだった分かるだろうし。分からなかったら……笑えばいいんじゃないかな?w

 

――束side end――




初戦敗退。
オリ主にはさっさと負けて観客席に行ってもらいます。静寐と絡ませるために。(オイ

まーやん、襲撃者を一掃する。
各国が成功していない無人機を、世界的な秘密結社といえ一組織が手を出した結果、束も驚くほどの弱さに。
実際そんなもんじゃないかなーと思いこうなりました。


次回、タッグマッチ第2回戦。
簪のミサイルに晒されるか、グリ姉にサッカーボールにされるか。セシリアの運命や如何に!?
「わたくしだけですの!? 清香さんは!?」
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