IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~   作:シシカバブP

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珍しく連日投稿(今後もやれるとは言ってない)

それと「クロエはどうしたんだ?」という声がありましたが、本作中では束と出会っていません。今後出番があるかも未定です。
アジトでお留守番も可哀想だし、かといって学生寮に押しかけて来ると……難しいところです。
正直見てみたいですよ、クロエとセシリアのメシマズ対決。


第5話 催眠セクハラ訓練というパワーワード

 ごきげんよう、吾妻怜二だ。

 前回はみっともない姿を見せてしまった申し訳ない。たぶんみんな思っただろう『なんだこのヘタレ』って。うん、すまない。

 

「そもそもさぁ、れっきゅんが罪悪感を持つ必要ないんだよー」

「なんでだよ」

 

 IS学園学生寮の一室で、セキュリティを掻い潜って付いてきた束にツッコミを入れる。

 

「だってそうじゃん。れっきゅんは神様とやらに『ハーレムを作るといい』って言われたんでしょ?」

「それは、確かに言われたが……」

「なら、れっきゅんが催眠術を駆使して女の子を手籠めにしてハーレムを作るのは神の御意思、法律や人間の常識より優先されて然るべきだよ」

「なんだその屁理屈は……しかも神の御意思って、お前が言うとすげー胡散臭く聞えるんだが」

「言った束さんもそう思う」

 

 思うんかいっ! とツッコみそうになるのをぐっと我慢。あんまり大声出して、隣の部屋に聞こえたら大事だからな。ここ、俺の一人部屋ってことになってるし。

 

「う~ん、それならもうちょっと妥協して、れっきゅんには催眠術の訓練をしてもらおう」

「訓練?」

「そう! 名付けて『催眠セクハラ訓練』!」

「なんだそのパワーワード」

 

 催眠と訓練はいいとして(良くないが)、そこにセクハラって……

 

「まずは、れっきゅんが可愛いと思った子に催眠術を掛けます」

「おい、その基準でいくと、学園生徒の大半が当てはまるんだが」

 

 このIS学園、少なくとも1年1組のクラスメイトは、もれなく美少女ばっかなのだ。思わず『ISに乗れる奴を選抜したんだよな? 顔で選んでないよな?』と入試担当者を問い詰めたくなるレベルでだ。

 

「それは良かったね。選り取り見取りだよ」

「あのなぁ……それで?」

「催眠術を掛けた子に、セクハラします」

「おいぃ!?」

「あくまでセクハラの範囲でね。間違っても屋上のー……ああそうそう、セシリアちゃんだ。あの子にやったみたいな過激なのは無しでね」

「おうぐっ!」

 

 た、束ぇ、せっかく出来た心のカサブタを剥がすようなことをぉぉ……

 

「まずはそれを繰り返して、催眠術を掛けることと、女の子にエッチなことをすることの心理的ハードルを下げていこう」

「な、なるほど……何度も反復することで、そういうことに慣れようってことか」

「うん。是非ともれっきゅんには、ハーレムを作って欲しいからね。というか、れっきゅん自身にもそういう願望あるよね?」

「なんつーことを聞くんだよ……あるけど」

「でも、それで女の子を傷付けたくはない、でしょ?」

「仰る通りです……」

 

 はぁ……出会って1ヵ月やそこらしか経ってないのに、完全に束に見透かされてるなぁ……俺の心が単純なんだろうか。

 

「なら、傷付けずに、エッチなことして気持ちよくしてあげよう。そしてあわよくばハーレムに入れちゃう☆」

「……なーんか、束の方がハーレム作りに積極的じゃね?」

「そこはほら、『こんな巨大ハーレムで一番れっきゅんから寵愛を受けてるのは束さんなんだぞー!』って優越感に浸りたいって欲望が」

「……」

 

 その発言を聞いて、ドン引きするより可愛いと思った俺は、もうダメなのかもしれない。

 

「……分かった。今日のようなヘタレを見せないように、明日から頑張る」

「うんうん! あ、それとさぁ……」

「まだ何かあるのか?」

 

 すると束は、何か恥ずかしいことを言う時みたいにもじもじし始めて

 

 

 

「セシリアちゃんにしたみたいに、束さんもれっきゅんに、し、躾けてほしい、ニャン❤」

 

 

 

 ……こんなセリフ聞かされたのに、手ぇ出さずに日和ってる奴いる? いねぇよなぁ!

 

「あ、あぁぁぁ❤ れ、れっきゅん! いつもより、は、激しすぎるよぉぉぉぉ!❤」

 

 束に対してなら、こんなに内なる獣を解放出来るんだがなぁ。

 晩飯? 普通に食いそびれたよハッハー!

 

 

 

 ……はい、次の日になっちまったよ。

 束? 束なら今俺の隣で寝てるぜ。マジでお互い全裸のまま寝てました。

 

「んん……おはよ~れっきゅん~」

「ああ、おはよう」

 

 昨日あれだけ罪悪感でヨロヨロだったのに、一晩束と致したら気持ちが前向きになるとか、俺ってば度し難いなぁ。

 

「れっきゅ~ん」

「ん?」

「今日から訓練、頑張ってね~」

「……ああ、やってみるよ」

 

 嫁筆頭(予定)にも背中押されちまったし、やるだけやってみるか。

 

 

 

 

 学園生活2日目は、初日に比べて好奇の視線は落ち着いたように思える。

 昨日の晩に俺を見かけなかったからか、寮の食堂で朝飯食ってる時に一夏に心配されたくらいか。それも『疲れて一休みしたらガチ寝して、晩飯食いそびれた』とそれっぽいこと(半分は事実)を言ったら納得してたが。

 

 そして教室に入った時、セシリア……いやオルコットに軽く睨まれたが、そこから何もなくお互いの視線が切れた。

 『この強姦魔が! 万死に値しますわ!』とならなかったところを見るに、昨日の『忘れろ催眠』は上手く機能しているようだ。

 さてさて、まだ2日目だがやることはいっぱいだ。頑張ってこの環境にも慣れて、束と約束した訓練をしないとな。あとはそうだ、元々束と取引してた、一夏と箒をくっ付ける算段も……

 

 

「決闘ですわ!」

 

 

「ああ、受けて立つぜ!」

 

 

 ……どうしてこうなった?

 

 

――――――

―――

 

 

 事の発端は3時限目の授業、いつもは山田先生が授業をしているところ、珍しく織斑先生が教壇に立ってすぐだった。

 

「この授業では、実践で使用する武器の特性について……ああ、その前にクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」

「織斑先生、クラス対抗戦とは何ですか?」

 

 全く知らないので挙手して質問してみた。クラスを見渡す限り、俺と同じように知らなそうな顔をしているのは少数みたいだ。

 

「各クラスから代表者を選出し、トーナメント方式でISによる模擬戦を行う、文字通りの対抗戦だ。来月の頭に開催される」

 

 さらに話を聞くに、クラス代表者はそのままクラス委員的なポジションになり、生徒会が開催する会議にも出る必要があるとのこと。さらに一度決まると、特別な事情が無い限り1年間は変更無しだという。

 

「はいっ! 織斑君を推薦します!」

「俺ぇ!?」

 

 まさか自分が推薦されると思っていなかったのか、一夏がガタンッと音を立てて立ち上がる。

 

――パシィィィンッ!

 

「いってぇ!」

「誰が立っていいと言った」

 

 そして織斑先生に迎撃されるまでが1セット。

 クラス中が一夏に向ける視線。これはあれだ、『彼ならきっと何とかしてくれる(生贄は君一人でいい)』という、学級委員長を決める時特有の無責任かつ身勝手な眼差しだ。……だがすまん一夏、俺も今はその目をしてるはずだ。

 

「ちなみに、他薦された者に拒否権は無いからな。選ばれた以上は覚悟を決めろ」

「い、いやでも――」

 

 

「待ってください! 納得がいきませんわ!」

 

 

 バンッと机を叩いて立ち上がったのは、案の定オルコットだった。

 

「そのような選出は認められません! クラス代表はクラス対抗戦でISに乗って戦うんですのよ? それを物珍しいからという理由だけで、男をクラスの代表に据えるだなんて、あり得ませんわ! 大体、文化としても――っ!」

「なんだオルコット、まだ何か言いたいのか?」

「い、いえ……」

 

 織斑先生に睨まれたからか、オルコットが途中で口を噤む。……もしかして、俺の追加暗示が効いてたりする? あの『日本の侮辱を控えろ』ってやつ。

 

「と、とにかく! クラス代表はISの実力トップがなるべき! そしてそれはわたくしですわ!」

「長いって。立候補するならそう言えよ。俺としてはクラス代表なんてやりたくなかったから良かったけど」

「なっ!」

 

 一夏にばっさり切られたオルコットは、握り拳をプルプル震わせながら

 

「貴方、わたくしを侮辱するつもりですの!? あのブリュンヒルデ(モンド・グロッソ優勝者)、織斑千冬の弟というからどんなものかと思えば……」

「はぁ!? 千冬姉は関係ねぇだろ!」

 

 一夏とオルコットがお互いの地雷を踏み抜いたせいで、その後は罵詈雑言が飛び交い、そして

 

 

「決闘ですわ!」

 

 

「ああ、受けて立つぜ!」

 

 

 ここに繋がるわけだ。

 そしてこの流れを読んでいたのか、織斑先生は

 

「それでは1週間後の月曜放課後、第3アリーナで織斑とオルコットの模擬戦を行う。二人はそれまで用意をしておくように。それでは授業を始める」

 

 と決闘の日時を通達し、何事も無かったかのように授業を始めたのだった。

 

 

――――――

―――

 

 

 そんなこんなで一夏とオルコットの決闘が決まったわけだが、当の本人である一夏は

 

「一夏、剣道場に来い。お前の腕が鈍ってないか見てやる」

「いや、俺は箒にISのことを――」

「見てやる」

「……はい」

 

 箒に腕を掴まれ、剣道場があるらしい方へ連行されていった。

 俺と同じ素人なのに、あの調子で本番大丈夫なんだろうか。まあ俺としては、あの二人が一緒にいる時間が増えるのは望ましいと思ってるんだが。

 

「あれ、吾妻君?」

 

 呼ばれて振り返ると、クラスメイトの……相川さんだ、相川清香(あいかわ きよか)さん。

 

「吾妻君はもう帰るの?」

「俺か? いやぁ、もうちょっとその辺ぶらぶらしようと思ってる。この学園に入って、まだ校舎と寮しか行ってないからさ」

「あはっ、なるほどね」

 

 相川さんに言ったことは、半分本当半分嘘だ。実際にどんな施設や死角になりそうなところがあるかを知っておきたいのと、束と約束した訓練が出来ないまま放課後になってどうしようっていうな……。

 だが、ふと思った。

 

「吾妻君、どうかした?」

 

 考え事をして動きが止まった俺を見て首を傾げる相川さんを見る。

 さっぱりとしたショートヘアが似合う女の子。うん、普通に美人だ。彼女なら……

 

「相川さん」

「何――」

 

――パチンッ

 

「……」

「うっ」

 

 やった……相川さんに催眠術を掛けちゃった……。

 

「ごめん相川さん、もしもの時はちゃんと責任取るから……」

 

 とヘタレ具合の抜け切らない言い訳を口にしつつ、暗示を掛けていく。

 

『相川さんは、俺のどんな質問やお願いを聞いても、普通に答えたりお願いを聞く』

『ただし、本当に答えたくない質問や嫌なお願いは拒否できる』

 

 最後のは『どうしても合意出来ないことはしません』という、完全に俺の身勝手な保険である。

 

――パチンッ

 

「あれ?」

「相川さん、どうかした?」

「あ、ごめんね吾妻君、私ボーっとしてたみたい。あははは……」

 

 恥ずかしそうに頭を掻く相川さんに、俺はまず暗示が上手く効いてるか試してみることにした。

 

「それでさ、相川さんにお願いがあって」

「お願い? 何かな?」

「ちょっと移動しよう、あんまり人に聞かれたくないことだからさ」

「そ、それ私で大丈夫かな?」

 

 秘密のお願いに少し顔を赤らめる相川さんを連れて、廊下の突き当りまで進んでいく。相川さんと会う前に散策してた時、どこからも死角になっているスペースを見つけたのだ。

 そしてその死角に入り込むと、

 

「まず質問なんだけど、相川さんって胸何カップなの?」

 

 強烈なパワハラ発言をかましてみた。女尊男卑なこの世界ならなおのこと、即行でお巡りさんに連行される行為だ。だが

 

「Bカップだよ」

 

 あっさり教えてくれた。そしてこれで暗示がちゃんと掛かっていることも確定した。

 しかしBカップか……ぶっちゃけ比較対象(女性経験)が束とオルコット(未遂)だけだから、大きいのか小さいのかよく分からんな。

 そこはあれか。()()()()()()いいのか。

 

「お願い相川さん、その胸揉んでいい?」

「ん~……吾妻君にならいい、かな?///

 

 少し躊躇ったものの、割とすんなり承諾してくれた相川さんの胸を正面から触る。

 

「あ……っ」

 

 胸に手のひらが触れた途端、相川さん――清香の体がピクンと反応する。

 束のように手から溢れはしないが、ジャストフィットするというか……

 

「あ、あぅ、あぁぁぁぁぁ❤」

 

 制服とブラ越しなのに、指に少し力を入れるだけで艶のある声を上げる清香。その声を聞くと、何となく罪悪感が薄らぐ気がしてくる。『お前は相手が喜ぶことをしてるんだぞ』という、凄まじく胡散臭い正当性によって。

 

「あぅ! あ、あづまくん、これ以上は……」

「これ以上は、何だって?」

「それはぁ……」

「『思ってることを、正直に言ってみてくれ』」

「こ、これ以上、お、おっぱい揉まれたら、き、気持ちよくなっちゃうぉぉぉぉ❤」

 

 息を荒くしながらも俺の『お願い』通り快感を口にする清香に、俺は最後の『お願い』をした。

 

「『いいよ。最後まで気持ちよくなってくれ』」

「あ、ああああ……い、イっ❤」

 

 ビクンと軽く痙攣して崩れ落ちる清香を、そのまま正面から受け止める。

 

「相川さん、大丈夫?」

「あぅぅ……ちょっと立ってられないかもぉ……」

「了解。それじゃあしばらく支えておくな」

「あ、ありがとう……」

「お、お礼はいいって」

 

 感謝されると、せっかく薄らいできた罪悪感ががががが。

 そんな俺の小物臭はいいとして、5分もしない内に清香……とととっ、相川さんは自力で立てるようになっていた。まだ少しぎこちないが。

 

「ごめんね相川さん、変なお願いしちゃって」

「う、ううん! 私こそ、最後に足腰立たなくなっちゃって……///

「それでなんだけど……今日のこと、秘密にしてくれないか?」

「もちろんもちろん! というか、こんなこと誰にも言えないよぉ……」

 

 両手で真っ赤になった顔を覆いながら、相川さんがしなしなとしゃがみ込んでしまう。

 そりゃ言えないよな。『クラスメイトの男子に胸揉まれて絶頂しました』なんて。俺は普通に退学処分だろうし、相川さんも周りから変な目で見られちまうよそんなの。

 

「それじゃあ、今日のことはお互い胸の内に留めておくってことで」

「うん、本当に誰かに喋っちゃダメだからね?」

 

 なんとか復活して俺と約束を交わすと、相川さんは先に校舎から出て――

 

「あっ、でも……」

「何?」

「もし、吾妻君が嫌じゃなかったら――」

 

 

 

「また、触ってくれる……?」

 

 

 

「!?!?!?」

「あ、あわわわわっ!! そ、それじゃあね吾妻君! また明日ー!///

 

 予想外の言葉に気が動転している間に、またまた顔を真っ赤にした相川さんは結構な早さで走り去ってしまった。

 

「あ、あれも催眠暗示の影響? いや、俺今『お願い』なんてしてなかったし……もしかして『思ってることを、正直に言ってみて』が生きてた……?」

 

 ということは、あれは相川さんの本心……?

 

「……か、帰ろう。まずは寮に帰ろう」

 

 衝撃の事実(かもしれない)を先送りにして、まずは部屋に戻ることを優先する俺だった。

 

 

――――――

―――

 

「よしっ! ハーレムに引き込もう!」

「うぉぉい!」

 

 寮の部屋に戻り、束(なんか空いてる方の机で工作してた)に今日の顛末を話すと、開口一番とんでも発言が飛んできた。

 

「いやだって、この時点でれっきゅんにそんな好意的な子、逃すわけにはいかんでしょう」

「好意的、なのか?」

「少なくとも好意が全く無かったら『次も揉んでくれますか?』なんて言わないでしょ。れっきゅんどんだけ臆病なの」

「微妙にニュアンスが違うんだが……それにしても、相川さんか……」

「えーっと、相川清香、都内出身で親は両方とも健在、前の学校ではハンドボール部所属。なるほどなるほど、束さんともセシリアちゃんとも違う、スポーツ少女か」

 

 どうやって手に入れてきたのか、携帯端末で相川さんのプロフィールをふむふむと頷きながら目を通していた。もう一度言う、どうやって手に入れてきた?

 

「ハーレムに入れるかどうかは、一旦保留にしとこうか」

「ああ、そうする……」

「でもでも、定期的に揉みには行ってあげなよ?」

「そこ蒸し返すか!?」

 

 つーか俺が相川さんのところに行くのかよ!? 普通にルームメイトにバレるわバカタレ!

 

「そうは言っても、今のところいっくんは箒ちゃんとマンツーマンで剣道してるからね~」

「え? ISは?」

 

 いや、その前にどうやってその情報知った? まさか校舎内の防犯カメラをハッキングしたとか?

 

「ちょっとこっそり極小ドローン飛ばしてみたけど、素振りしかしてなかったよ」

「うぉぉい! というか束も何やってんだよ!?」

「だいじょーぶだいじょーぶ、ちゃんと光学迷彩を付けたドローンだから、昼間から赤外線ゴーグル付けた奴かちーちゃんでもない限りバレないよ」

「そ、そうか……いや、織斑先生にはバレるのか……」

「むかーし『変な気配がする』とか言って、同型のやつを叩き落とされちゃったことがあってねぇ」

「何でもありだなあの人」

 

 転生して催眠術手に入れた俺より、あの人の方がメアリー・スーなんじゃねぇのか。

 

「とにかく、来週の決闘まで、いっくんと箒ちゃんは一緒にいるみたいだし、悪い虫が付きそうな気配はないんだよね」

 

 正確には、上級生が一夏にISの操縦を教えてあげると近付いてきたところを、

 

『結構です。私が教えることになっているので』

 

 と箒が追っ払ったそうな。

 

「それでよくその上級生は引いたな」

「そこはそれ、IS開発者である束さんの妹ってステータスを存分に使ってだね」

「姉の威を借る妹ってか。お前はそれでいいのか?」

「箒ちゃんには色々迷惑かけちゃったから、これくらいはね~……」

 

 ああ、前に少し聞いたあれか。束にISコアを作らせるために家族が人質にされる可能性があるからと、証人保護プログラムが適用されて一家バラバラになっちまったっていう。

 

「んん! その辺のことはどうでもいいよ! それよりも、決闘騒ぎが終わった後の行動について――」

 

――コンコンコンッ

 

「吾妻君、いますかー?」

 

 束の言葉を遮るように、ドアをノックする音と山田先生の声が。

 

「束、一旦お前は隠れて」

「大丈夫だよ。さっき鍵は掛けたから、居留守使っておけば」

「吾妻くーん? いないんですかー?」

 

 ここと出入口で距離があるおかげで、山田先生に居留守を使っていることはバレてないようだ。ごめん先生、今回はこのままお帰り願い――

 

「困りましたねぇ……失礼しますよー」

 

――ガチャッ

 

「「うぇぇぇっ!?」」

 

 なんで!? なんで鍵開いたの!? もしかしてマスターキー!? なんでそこでマスターキー使ってまで入って来るの!?

 

「あれ? 吾妻君いるじゃないですかー。だめですよぉ、居留守なんか使……っちゃ……」

 

 強引に部屋へ入ってつかつかと奥に進んできた山田先生の手から、A4サイズの茶封筒が落ちた。

 そんな山田先生の目には、本来いないはずの、うさ耳付けたエプロンドレスの女が映っているんだろう。

 

 

 ……どうしてこうなった。

 

 

 

 

 

<今日の一夏>

 

「なぜ私から一本も取れない……どうしてここまで弱くなっている……」

「受験勉強とかで忙しかったし、色々あって部活も入ってなかったから、ブランクが、な?」

「IS以前の問題だ! これから毎日、私が鍛え直してやる!」

「なんでだよ!? 俺はISのことを教えて欲しいんだってぇぇぇぇぇぇ!!」




モブキャラで1番好きなのが相川さんです。アニメ版でも結構出番ありましたしね。
というわけで、今回相川さんを据えて、R-18にならない程度にチキンレースをしてみました。これが刺さった読者さんがいたら嬉しいなー。

オリ主のヘタレ属性については、次の日速攻で治っててもおかしいと思ったので、少しずつ改善するような流れにしたいと思っています。(鈴が出る頃には完治してる予定)

種付けしてない件については……束、最終回で孕め。(ゲス)
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