IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~   作:シシカバブP

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気付けば1ヵ月も更新止まってました……申し訳ねぇです。


第53話 やはり催眠・・・・‼ 催眠は全てを解決する・・・・‼

 アンネイムド襲撃の翌日、1年1組の教室は何事もなくいつも通りの賑やかさだった。いや、一部を除いてか。

 

「うば~……」

「はぁ……」

 

 一夏と箒が机に突っ伏したまま、ピクリとも動かない。昨日か今朝か、何かあったのか?

 そして視線をズラせばそれこそ昨日、亡国機業のスコールを(性的に)メタメタにしたロランが、いつも通りクラスの女子とおしゃべりしていた。谷本さん、引っ掛かるなよぉ……。

 そうこうしている内に、千冬さんと真耶さんが教室に入って来た。で、当然千冬さんの目に一夏達が止まるわけで。

 

「おい織斑、HRが始まるというのになんだ」

「もうむりぃ……」

「はぁ?」

「あれは無いって千冬姉ぇぇぇ!!」

「ちょっ、おまっ!?」

 

 突然千冬さんの肩を掴んで揺らす一夏に、誰も反応出来なかった。千冬さん本人も。

 

「ばっ、やめろっ、揺らすな!」

「何なんだよあの倉持技研の所長さん! なぁ箒!」

「ちふ、織斑先生、確かにあれは無いです……」

「し、篠ノ之まで……倉持の所長が何だというんだ」

「実は……」

 

 自分の身体を揺らす一夏を引っぺがした千冬さんに、一夏と箒が滔々と昨日あったことを語り始めた。

 

 ……ISスーツを着た女所長に尻を揉みしだかれたぁ? 二人とも? こっわっ!

 

「しかも白式と紅椿のデータを取ってる間……お、俺の……」

「一夏思い出すな! あの時のことは……ことは……」

 

 ちょっとぉぉ!? 二人して目のハイライトが消えたんですけどぉ!?

 千冬さんも二人の様子に危ないと感じたのか、普段しないような諭す感じで話を進める。

 

「そ、それで、その所長はなんて奴だったんだ?」

「……確か、篝火ヒカルノさん、だったはず」

「ああ、そんな名前だったな……」

「篝火……あいつかぁ!」

 

 突然大声で叫んだ千冬さんだったが、ふと我に返ると一夏達に早退するよう勧めた。というか、公欠扱いにするからと早退を命じた。

 

「あのぉ、織斑先生。さっき織斑君達と話していた人って……」

「ああ……篝火ヒカルノは、私や束と同級生だった奴だ」

「織斑先生と篠ノ之博士の!?」

 

 クラス一同ビックリ。俺もビックリだ。

 

「奴は同級生時代、束に対抗意識を持った奴だったからなぁ……あちらもサイコパス化したか……いや、もともとサイコパスだったな」

「いや、サイコパスって……」

「とにかく、お前達も倉持技研の第2研究所には注意しろ。まぁ、連中と関わることなんてそう無いだろうがな」

「はぁ……」

「え、えっと……ほ、HR始めますね~?」

 

 頭を抱える千冬さんと唖然とする生徒達を前に、とりあえず話を進めようと真耶さんが頑張ることとなった。

 

 

――――――

―――

 

 

 HRが(無理矢理)終わり、1時限目の座学も終わると

 

「嗚呼っ! 箒は大丈夫だろうか? やはり放課後お見舞いにいくべきだろうか?」

 

 ロランが頭カーニバルなこと宣ってた。むしろ症状が悪化するだろうからやめろ。というか、箒は一夏と同室なんだが?

 そんなロランに、千冬さんが近付く。

 

「ロラン、お前に話がある。付いて来い」

「ほう、なんでしょう?」

「それと吾妻、お前もだ」

「俺も?」

 

 有無を言わさず、生徒指導室に連行される俺とロラン。って、IS学園にも指導室とかあるのか。

 そして部屋に入った途端、後ろ手にドアを閉めた千冬さんが開口一番

 

「吾妻、やれ」

「やれって……あっ」

「織斑先生? 一体」

 

――パチンッ

 

「……」

「千冬さん、いきなり『やれ』じゃ分からんですよ」

「何を言う。きちんと以心伝心出来てただろう。ご褒美に胸を揉んでいいぞ」

「そういうボケはやめてください。揉みますけど」

「あふぅっ❤ こらっ、胸は揉んでいいと言ったが、"下"は許可しておらんぞ❤」

 

 突然言われて焦ったが、無事ロランを催眠状態にした。さて、後は矛先を箒から別の生徒に切り替えるんだが……。

 

「自分で提案しといてなんですけど、催眠先って"あれ"で大丈夫なんです?」

「ああ、そこは束にも確認させてある。実はだな……」

「……マジですか」

「マジだ」

 

 それなら問題ないな。そんじゃ、さっそく――

 

 

 

 

「……い、おい、ロラン」

「はえ?」

 

 催眠状態が解除されたロランは、寝ぼけたような声を上げた。

 

「織斑先生……んん? 私は確か、そこの彼と一緒にここに連れて来られて……」

「覚えておらんのか、まったく……あまり篠ノ之に付きまとうなと言ったことも聞いてなかったのか?(ギロリ」

「い、いいえ? そんなことは……」

「はぁ……まあいい、私は忠告したからな。戻ってよし」

「は、はい。失礼します」

 

 何が何やらという顔で、ロランは生徒指導室から出て行った。

 奴さんの行動だが、きちんと催眠が効いていれば放課後、箒に会うために剣道場に行くだろう。そこで『箒への興味を失う』ことになり、代わりに『○○○○○に興味が移る』はずだ。

 

「これで問題が解決すればいいんですが」

「なに、もしダメなら次の手を考えればいい。それよりも……」

 

 なんです? さっきよりも眉間に皺寄せて。

 

「蓮さんが預かったスコールが、一体どうなっているか……」

「ああ……」

 

 むしろ俺としては、蓮さんの闇が一層深くなりそうで怖い。蘭ちゃん、イキロ。

 

 

――――――

―――

 

 

――ロランside――

 

 織斑先生から呼び出されたから何かと思えば、箒に付きまとうななどと……私はただ、自分の想いを彼女に伝えようとしているだけ。故に彼女に会うために剣道場を訪れても問題ないな。

 

「めぇぇぇん!」

「こてぇぇぇ!」

 

 どうやら復活したらしい箒が、試合をしている最中のようだ。

 う~む、防具を着ているせいで箒の凛々しい顔が見えないのが残念だ。いや、今行われている試合が終われば――

 

「一本!」

 

 おっと、どうやら試合が終わったようだ。対戦相手に礼をして、()に手を掛けると真上に持ち上げた。

 

「ふぅ」

「篠ノ之さん、お疲れ様」

「部長」

 

 ……おや? せっかく箒の顔を見たというのに、胸の高鳴りがしない? おかしいな、今日は調子が悪いのかな? いかんな、今日はもう帰って――

 

「篠ノ之さん、私ともう一試合、お願いできないかしら?」

 

 っ!? な、なんだ、なんだんだあの子は!? 彼女の顔を見た瞬間、これまでにない胸の高鳴りが……!

 

「あら、ロランさん。また篠ノ之さんを見に来たんですか? あまりしつこいと、逆に嫌われてしまいますよ」

「……」

「あっ、いや、その……」

 

 わ、私はどうしてしまったんだ!? だ、ダメだっ、もう我慢できない……!

 

「す、すまない!」

「えっ、ちょ、ちょっと!?」

 

 気付けば私は、彼女の手を掴んでやや強引に剣道場から連れ出していた。そして人影のない場所まで来たところで手を離すと、私に警戒の目を向けた。

 

「一体何なんですか、こんなところに連れ出して……」

「それは、その……」

「まったく……そういうこと、篠ノ之さんにしたら本気で嫌われますよ」

「君だから!」

「はい?」

 

 思わず叫んでしまったが、一度口に出してしまったらもう止められなかった。

 

「君のことを見ていると、胸が締め付けられるように苦しいんだ……!」

「えっと……そういうのは、篠ノ之さんに……」

「私は気付いたんだ! 私が愛を語るべきは箒じゃない、君なんだとっ!」

「……」

 

 そうさ、そうだったんだ。私が恋人として迎えたいのは箒じゃなくて……!

 

「君を愛してるんだっ! 神楽!」

 

 四十院神楽、君こそ私の――!

 

――スパァァンッ!!

 

「あいたぁぁぁ!?」

 

 えっ、今すっごい音と一緒に頭に激痛が走ったんだけど!?

 

「突然何を言い出すかと思えば、随分と身勝手なことを言うんですね」

「えっ、えっと、神楽?」

「編入初日に篠ノ之さんに付きまとったかと思えば、突然私に切り替える……ええ、一度性根を叩き直す必要がありますね……」

 

 ほ、微笑んでるはずなのに、全然笑ってない表情でブォンッと風を切る音が……って短いバンブーブレード!? さっき私の頭を叩いたのはそれか!

 

「その性根を正すまで、ロランさんのお望み通り()()()()()差し上げますね?」

「い、いやぁ、私が望んでいるのはそういうことじゃ……(ガシッ)ちょっとぉ!?」

「さあ、もう一度剣道場までご足労願いますね」

 

――ズリッ、ズリッ

 

 ひ、引き摺られてる!? 神楽ってそんなに握力強いのか! ぬ、抜け出せん!

 

「い、いやだぁぁぁぁぁ! 私が望んでいるのはもっと甘酸っぱい、爽やかなお付き合いなんだぁぁぁぁ!」

 

 私の悲鳴に等しい懇願も、神楽には届かなかった……

 

――ロランside end――

 

 

――――――

―――

 

 

「ということになったとさ、めでたしめでたし」

「し、四十院さんってそういう人だったんだね……」

「人は見かけによりませんわ……」

 

 ロランに催眠を掛けた晩、なぜか束から事の顛末を聞かされた。それをドン引きしてないのは、千冬さんとナタルさんぐらいだ。ぶっちゃけ俺もドン引きしてる。

 

「というか怜二君、知ってて四十院さんを催眠相手に選んだんじゃないの?」

「まさかぁ。箒と雰囲気が似てるからってだけで、まさかロランを(色んな意味で)縛り上げる逸材だとは思ってなかったって」

 

 束の追加情報曰く、ロランは剣道場で、日が暮れるまで四十院に竹刀でシバかれたらしい。最後の方には『おほぉぉっ!❤ もっと、もっと君の愛を私にくれぇ!』とか言ってたそうな。うわぁ……うわぁ……!

 

「けどこれで、いっくんと箒ちゃんは守られたね♪」

「そうだ、な?」

 

 あれ、なんでか束の言葉に対して素直に頷けない。なんでだ?

 

「それがな束、先日二人が行った倉持の研究所なんだが……」

「ん? なんかあったの?」

 

 あっ、それがあったか……! 千冬さんもめっちゃ言いたく無さそう! 眉間に皺が寄りまくってるもん!

 

「篝火のやつが所長をしていたそうだ」

「かがりび? 誰それ?」

「中学時代いただろう」

「ん~?」

 

 どうやら束は覚えていないようだ。まあ確かに、こいつは興味ないことに記憶容量を1バイトたりとも使わない奴だし。

 

「スクール水着の上から『海人』Tシャツを着て登校してきた奴だ!」

「は?」

「えっ……ああっ! あいつかぁぁぁぁぁ!!」

「「「「ファーッ!?」」」」

 

 そんなHENTAIがいたのかよっ!? そりゃ束も思い出すわ! 大天災ですら忘却を許されない絵面だもの!

 

「えっ、ちょっと待って。あのHENTAIが所長してるところに、二人が?」

「ああ」

「……被害は?」

「二人とも、尻を撫で回されたようだ」

「……いつか絶対シメる#」

「ひぃっ!?」

 

 あ~、束が完全にキレた。『に、にぃにぃ……』『お兄様ぁ……』『お兄ぃ……』ああはいはい、怖かったな~。(頭撫ぜ撫ぜ)

 

「えっと、とりあえず、ロランさんを篠ノ之さんから引き離す作戦は成功したってことで、いいんですよね?」

「そ、そうだね。そうだよね」

「さすがに調教された先までは、どうしようもないっスからねぇ」

 

 なんか脱線し始めたところを、蘭ちゃんが軌道修正しようと頑張ってくれた。ナイスゥ!

 

「はひぃ……この調子だと、来月の運動会も一波乱ありそうですねぇ」

「でしょうね。というか、来月は転校して来る子はいないの?」

「いやいやナターシャ先生、もういい加減、IS操縦者を送って来る国なんて……」

 

 ナタルさんの疑問を笑い飛ばしながら端末の画面を見た真耶さんが固まる。えっ、ちょっとぉ?

 

「真耶、残念だが事実だ」

「……怜二君」

「は、はい」

「ら、来月の子は、タイからやって来るそうです、よ?」

 

「「「「ファーッ!?」」」」

 

「しかもまた代表候補生で、専用機持ちだそうです……あ、あはは……」

 

「「「「ちょっとぉぉぉぉぉぉ!?」」」」

 

 月刊代表候補生とか、イカレてるんじゃねぇの!? なぁ神様っ、アンタ頭沸いてるよなぁ!?




オリ主と束の洗いっこをやると言ったな? あれは嘘だ。
……はい、すみません。m(_ _;)m

(´・ω・`)ロランは出荷よー
(´・ω・`)そんなー
(´・ω・`)牝豚に調教して出荷よー
(´・ω・`)やったー

次回、四十院牧場から出荷されたロランをお楽しみに。
ちなみに本作の四十院神楽は、アニメ版を想定しています。
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