IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~ 作:シシカバブP
『次の種目は、IS学園特別競技『玉打ち落とし』になりまーす!』
50m走が終わり、その後の暴走で腰を痛めそうになったところで、次の競技名がアナウンスされた。
「セシリア、大丈夫かな……?」
「ダメっぽいわよ、ほら」
「あ~、あれはダメだね~。腰も足もガクガクしてるよ~」
「怜二君、激しかったから……」
「俺は悪くないっ!……と言い切れないのがなぁ……」
玉打ち落としに出場するためブルー・ティアーズを展開したセシリアだったが、今にも顔から崩れ落ちそうなぐらい腰に力が入っていない。
つーかブルマーでISに乗るのかよ。けどISスーツも露出度高いから、逆にエロさを感じないという不思議。
「み、みなさん色々言い過ぎですわ……そ、それでは、戦果をご期待くださいませ……うくっ❤」
めっちゃ動きがぎこちないんだが、本当に大丈夫か?
という心配を口に出す前に、セシリアは競技フィールドまでヨタヨタと歩き出したのだった。
「セシリア、あれで撃てる?」
「あれでは無理ですね」
「く、クロエさん、はっきり言い過ぎ」
ツッコむ蘭ちゃんも、セシリアが本当に戦果を得られるとは思っていない顔をしていた。俺もぶっちゃけ思ってない。
そして他クラスの選手も集まり始める。2組は鈴で、4組が簪と。3組は……ヴィシュヌ? 乱じゃないのか。
「乱さんの衝撃砲は1門しかありませんから、複数の的を撃つことになるこの競技には不向きだったんでしょう」
「となると、ヴィシュヌの専用機にはそれがあると?」
「おそらく」
なるほど……というか、それってセシリアも不利じゃね? どっちかといえば、そういう弾幕張るのはシャルの方が得意だろ。
「……なるほど」
「おぃぃ」
今更気付いたとばかりにポンッと手を叩くクロエに、俺は何とも言えない気分になっていた。
『それでは玉打ち落とし、スタート!』
と、そんなこと言ってたら競技が始まるようだ。ってうわっ! まじで中央の装置から大量の玉が上空に打ち出されたぞ!
「わたくしとブルー・ティアーズの力、お見せいたしますわ! ――あっ」
――バシュゥゥゥンッ
「……外したね」
「うん、見事に外したね」
「掠りもしなかったね……」
セシリアの放ったレーザーは明後日の方に飛んでいき、その間に鈴が青龍刀を投擲して……投擲!?
――ザンッ
「にぃに、あれいいの?」
「切り落としましたね……」
「ほらっ、もういっちょぉぉ!」
2本の青龍刀を投げて、ブーメランのように戻ってきたのをキャッチしたかと思えばまた投げる。その横では簪が、春雷で玉を順調に落としていく。そしてヴィシュヌは……
えっ、弓? ってなんかバチバチいってる矢が大量に番えられて――
「いきます!」
――バシュゥゥゥゥゥッ!!
「全部射ったぁぁぁぁぁぁ!?」
「うっそぉ!?」
おそらく実体のないエネルギー矢が一斉に上空に飛んでいき、的である玉を片っ端から落として始める。3組のカウントボードが狂ったように動いてるんですがぁ!?
一瞬唖然としていた他の選手達だったが、すぐに我に返ると、今度は命中率を気にせず攻撃をばらまき始めた。そんな中、セシリアだけが変わらずウスノロ状態。おかげで1組のテントからもヤジが飛ぶ。
「ちょっとセシリア! 何やってるのぉ!」
「もっと撃たないと、3組に追いつけないよー!」
「ひっ! も、申し訳ありません……で、ですが……」
「ですが?」
「これ以上激しく動くと漏れっ、いえ垂れてきちゃうんですのぉぉぉぉぉ!❤」
「「「「なにがっ!?」」」」
……玉打ち落としは、3組が圧勝だった。それ以上は、何も言えねぇ……。
――――――
―――
内股でモジモジしながら引き揚げるセシリアがエロかったり、こうなった直接の原因である俺にクレームが殺到したり、なぜか隣のクラスからナタルさんの羨ましそうな視線が飛んできたり。
「疲れた……」
「うう……みなさんひどいですわぁ……」
「セシリア、擁護不可能」
「ひぐぅ! ラ、ラウラさん、辛辣ですわ……」
「でもにぃには悪くない!」
「依怙贔屓が過ぎません!?」
そうだよなー、俺悪くないよなー(ラウラの頭を撫ぜる)
そんなこんなで、今は次の競技である軍事障害物競走の説明がされているところだ。
『ルールをよく知らない人にも分かるように説明しまーす! まずはスタート時に、分解されたアサルトライフルを組み立てます!』
「は?」
何言ってんだ、あの実況席の眼鏡さん。リボンの色から先輩なんだろうけど。
って、マジで分解された銃が置かれたテーブルが! 前世のテレビでよく見た、しかもテロリスト側じゃなくてアメリカ軍とかが持ってるやつ。
『次に組み上がったアサルトライフルを持って3mの梯子を登り、そこから5mの鉄骨を渡ります!』
「鉄骨渡りとか、カ●ジかよ……」
「怜二君、カ●ジって何?」
「とある男が多額の借金をどうにかするために、命懸けのゲームに挑んでいくマンガがあって、カ●ジはその主人公だ」
「うわぁ……」
静寐ぐらいのやつならドン引きだろうな。隣で聞いてる清香は『なんか面白そう』って言ってるが。この世界にもあるんか?
『鉄骨を渡り切ったらポールで地上に降りて、地面に張ってある網の下を匍匐で進みます! そして最後は実弾射撃! 弾丸は1発のみで、外したらスタート地点まで弾を取りに戻ってもらいます!』
「最後エグッ!」
「と言いましても、そこまで距離は離れておりませんから……」
「いやぁ、それは無理だよセシリア」
「へ?」
「のほほんさん、今まで弾を当てたことないんだよ」
「はい?」
セシリア目が点。事情を知ってるらしい清香とクロエを除き、他の面々も俺を含め唖然とした顔になった。
「布仏本音さんのデータを見ましたが、入学からこれまで射撃訓練で命中率0。イレブンナインならぬ、イレブンゼロです。……違いますね、小数点以下の表示が要らない、紛うことなき"ゼロ"です」
「ええ~……」
それ、どんだけ頑張っても最後はゴール出来ないってこと?
『それじゃあさっそく、よ~いスタート!』
そんなことを言ってる間に、競技自体は始まって……うえっ!? 本音組み立て早っ! そんで鉄骨渡りも匍匐前進もスイスイ進んで……匍匐で胸引っかからないんだろうか(セクハラ発言
他のクラスを大きく引き離し、最後の射撃へ……!
――パァァン……
「あや?」
「あや、じゃねぇよ! 全然掠りもしてねぇ!」
「のほほんさ~ん!」
「あはは~、ごめんごめん~」
そう言って頭を掻きながら、弾を取りにスタート地点まで戻る本音。だが2発目、3発目を外す間に後続にドンドン抜かれ、結局最下位で終わった。しかもゴールは出来てない。
軍事障害物競走というトンデモ競技も終わり、午前の競技は騎馬戦だけとなった。と、その前に
「ふぃぃぃ……やっぱほぼ女子校なんだよなぁ、IS学園って」
おかげで尿意を催しても、近場に男子トイレなんぞそうそうない。一度校舎に戻らなきゃならんって意外と面倒だ。
さてと、急いで戻らんと騎馬戦が始まっちまうな。そう思って上履きを履き替えようとしたところで
――ガンッ
「がっ!?」
後頭部に強い衝撃と痛みを感じた時には、俺の意識はブツリと切れた。
――――――
―――
――ヴィシュヌside――
他の専用機持ちと一緒にいるので困っていましたが、お手洗いで離れたところでやっと吾妻さんを捕まえられました。
念のため両腕を後ろで縛って、人気のない空き教室に。ここは女子トイレや職員室から一番遠い場所ですから、誰かが通りかかることもないでしょう。
「すみません、吾妻さん」
通り魔紛いのことをしてしまって、良心の呵責を感じてはいます。ですがこれは、吾妻さんによってもいいことなんです。
これから私は、吾妻さんに純潔を捧げます。それを理由にしてハーレムに入り、タイ政府と篠ノ之博士とのパイプ役になる。誰も損をしない、素晴らしい計画です。
体操着を脱いで、ブラを外す。山田先生ほどではないですが、それでも吾妻さんに満足してもらえると思います。そしてショーツを脱いで生まれたままの姿になると、吾妻さんのズボンに手をかけ――
「これもソコクのため、オカアサンのため、そしてナニヨリ――」
「アノカタノタメニ」
「は~い、そこまでだよ~☆」
「ぇ……」
首筋に何かが当たった感触と、プシュッという音。それが無痛注射だと気付いた時には、私の意識は――
――ヴィシュヌside end――
――束side――
れっきゅんが逆レされる場面とか貴重だけど、束さん的には面白くないから妨害一択だよね~♪
褐色おっぱいちゃんは即効性の睡眠注射でスヤスヤだ。……おっぱい当たって気持ちいいのは分かるけど、気絶してても勃っちゃうんだね。ナニがとは言わないけど。
「ほられっきゅん、まだ寝るには早いよ~」
「ん……こ、こは……ってはぁ!?」
おっと、寝起きでおっぱいちゃんの全裸シーンは刺激が強すぎたかな? というか、自分も下半身丸見えなのに気付いたのはいいけど『きゃぁぁぁ!』はないでしょ。束さん的には、ギャップ萌えで大変興奮しておりますが。
「た、束、これは一体どういうことだ!? なんでヴィシュヌが全裸!? そしてどうして俺はフルチン!?」
「はいはい、きちんと説明してあげるから、まずはズボンを穿き直そうか。それとも、束さんと一発ヤっとく?」
「BA・KA!!」
ちぇー。と、おっぱいちゃんもこのまま全裸はあれだし、適当に拡張領域に入ってた布でも掛けておこうか。……うん、サイズもピッタリ♪ ん? どうしたのれっきゅん?
「布一枚も大抵エロ、いや何でもない」
「正直で大変よろしい♪ それで、どこから話そうか」
「最初から」
「りょーかい♪」
脱ぎ散らかされた体操服と下着は回収するよー。れっきゅんいる? いらない? そっかー。分かったよぉ、ちゃんと話すからそんな怖い顔しないで。
「最初はねぇ、おっぱいちゃんがれっきゅんのハーレムに入りたいって言った日だね」
「そっからかよ」
「うん。そしてオペレーション『
「……ネーミングセンスについては諦める。それで?」
あれぇ? れっきゅんのことだから『おいなんだそのふざけた名前は。鉄仮面の男を彷彿とさせる副音声も聞こえたんだが』とか言ってくると思ったんだけどなぁ。まあいいや♪
「当初はれっきゅんとおっぱいちゃんを、束さん特製『叡智しないと出られない部屋』に入れようと思ってたんだよ」
「おい」
「それで、罠に誘い込むためにおっぱいちゃんの情報を探ってみたら、ねぇ?」
口で説明するよりもこっちの方が簡単だと思って、空中投影ディスプレイを出してれっきゅんに見せる。
「おい……これって……」
「おっぱいちゃんの血縁上の父親、IS省の事務次官らしいけど、えげつないよねぇ。薬物と併用して強化された催眠による洗脳だってさ」
昔のおっぱいちゃんが椅子に手足を固定されて、VRゴーグルみたいな洗脳装置を着けた状態で薬物点滴されている映像とか、どうしてこういうことする連中って、証拠になるものを残しておくかなぁ。しかも洗脳状態を維持するために、IS特別訓練校時代から数年単位でやってたみたいだし。
「催眠による洗脳……これ、ヴィシュヌは」
「覚えてないんじゃない? おっぱいちゃんの様子を見るに。あ、一応言っておくけど、れっきゅんとこいつを一緒にしたらダメだよ?」
「……」
も~、れっきゅんはメンタル弱いなぁ。そういうところも好きになっちゃったんだけど❤ というか、女の子に催眠掛けた後で後悔するヘタレなれっきゅんとこの男じゃあ、月とスッポンだよ。
「……なぁ、束」
「なぁに?」
「これを見て、『ヴィシュヌを助けたい』と思う俺って身勝手だろうか?」
「うん、そうだね」
あれだけハーレム入りを拒否しておいて、って感じだね。けど――
「けど、別にいいんじゃない? 誰が困るわけでもないし。おっぱいちゃんは当初の希望通りになるし、れっきゅんも希望通り。束さんは最初からおっぱいちゃんを引き込むつもりだった。三方良し、だよね」
「……そうだな」
色々悩んでる表情をしていたれっきゅんだったけど、スッと立ち上がっておっぱいちゃんをお姫様抱っこして教室の外に向かって歩き出した。
「束、IS省の事務次官とやらだけど」
「いいよ~、れっきゅんの頼み事なら喜んでコロコロしちゃうよ~☆」
「馬鹿、殺すのは無しだ」
「え~?」
ちょっとれっきゅん、それはさすがにどうなの~? そんだけキレてるのにさ~。
「いいか、もう一度言うぞ。
「ん~、りょ~かい」
そうして束さんに念押しして、れっきゅんは教室を出て行った。
「殺すのは無し。つまり『命以外は全て奪え』って言ってるようなもんだよね☆」
いいね~、そういう理性を保ちつつキレてるれっきゅん、かっくい~よ~❤
束さんとしても、紐付きどころか糸くずが付いたままなのは気に食わなかったし。
「んふふ~♪ どんな方法で地獄に送ろうかな~?」
薬物と催眠を掛けたおっぱいちゃんを使って迷惑かけてきたんだから、こっちも薬物と催眠を使おうかなぁ?
――束side end――
セシリア残念。
そりゃあ垂れちゃうよね(意味深)
のほほんさんいつも通り。
原作でも描写はありませんが、『二歩も三歩もリードして』と書いてあるので、やっぱり胸はつっかえてない模様。
ヴィシュヌの催眠発動! か~ら~の~束ストッパー!
今章の最後辺りで、事務次官には(社会的に)死んでもらう予定です。