IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~   作:シシカバブP

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というわけで鈴回です。しかも本編ほぼ鈴オンリー!


第65話 甘口酢豚

――鈴音side――

 

 ふふ~ん! 昨晩は(色々)キープしたおかげで、修学旅行2日目はあたしが怜二と二人っきりよ!

 

「後が怖そうだがな」

「後のことは後で考えればいいのよ! ほら、早く行きましょ!」

「はいはい……そんじゃ、手でも繋ぐか?」

「ほへっ!?」

 

 て、ててて、手を繋ぐのぉ!? や、ヤバッ、心臓がバクバクしてきた!

 

「いや、いつもそれ以上すごいことしてるだろ……」

「それとこれとは話が別よっ!」

「ならやめ――」

「繋ぐ」

 

 引っ込められそうになった怜二の手を急いで握った。あっ、温かい……

 怜二もドキドキしてるのか、少し顔が赤い気がするわ。あ、あたしもあんな風に赤くなってるのかしら……?

 

「2日目だが、どこか行きたい場所あるか?」

「ふふっ、実はもう決めてあるのよ」

「マジか。なら、まずはそこに行くか」

「ええ!」

 

 そうして恋人繋ぎをしたまま、あたし達は京都の街に繰り出したのだった。

 ちなみに束さんは、今日はクロエと観光するらしいわ。あれこれ理由を言ってたけど、あたしに気を使ったみたい。

 

 

――――――

―――

 

 

 街中を歩くこと20分。目的地に到着した。

 

「来たかったところって、ジェラート屋だったのか」

「中学校の修学旅行で京都に来た時に以来なのよ。まだあってよかったわ」

 

 懐かしいわねぇ。(賭けに勝って)一夏に奢らせたのも、今となってはいい思い出だわ。

 

「さあ、早く並びましょ」

「京都とジェラート……よー分らんな」

「前に来たときは無かったフレーバーもあるのね。……いや、納豆味ってどうなのよ?」

 

 さすがのあたしもチャレンジする気は起きなくて、ある意味無難なストロベリーを選んだ。怜二は……え゛、何その色

 

「なんだ、鈴は知らないのか。チョコミント」

「し、知ってはいるわよ。歯磨きk」

「よし、その喧嘩買った」

「ふぁっ!? ふぁふぃふんほほぉ(なにすんのよぉ)!」

 

 だってそういう味するじゃないの! っていうかいつまで頬っぺた引っ張る気よぉ!

 

「まったくもう……! 女の子になんてことすんのよ」

「この至高の味を理解しないのが悪い。せっかく一口やろうと思ったのに」

「いらないわよ」

 

 あたしはこのストロベリーで十分なの。だからそのすごい緑色なのは怜二だけで――

 

(あれ? もしかして、怜二が食べた後に一口もらえば、か、間接キスになってたのでは……!?)

 

 し、失敗した失敗した失敗したぁ! で、でもでもでも! あの歯磨き粉味を食べたら、後で食べたもの全部歯磨き粉になるしぃ!

 この場合、どうしたら正解だったのよぉぉぉ!……はっ!

 

「そうよ!」

「うぉ! いきなり大声出すなよ」

「れ~いじ♪」

「な、なんだんっ!?」

 

 こっちを向いた怜二の唇に、持っていたジェラート(ストロベリー)をくっつけた。

 

「おまっ、不意打ちはやめろよ。つっめてぇ……」

「えへへ……はむっ」

 

 そして唇が付いたところを食べる。こ、これで間接キス成功……!///

 

「おい鈴」

「へ? べ、別に今笑ったのは――ひゃふっ!?///」

 

 れ、怜二がっ、あああ、あたしのほっぺをペロッって、ペロッてぇ!

 

「ジェラートがついてたぞ。あとさっきのお返しだ」

「あ、あわわわわ……///」

 

 こ、今回の怜二ってば、一体どうしちゃったのよぉ!? すっごい行動が積極的すぎない!? でも大好き!❤

 

 

――――――

―――

 

 

「う~ん、どうも昨日束とイチャラブしてから、タガが外れてる気がする……」

「ずっと外れてていいわよ」

「おい」

 

 ホント、今までの怜二が奥手過ぎなのよ。もっと積極的でいくべきよ。そ、そりゃあ、夜はすごいけど……ってわー!

 ジェラートを食べ終えて街中を散歩してる今も、こうやって腕組んでるなんて、すっごいこ、恋人らしくて……はふぅ。

 

「ちょっといいカナ?」

「ダメです」

「え? ちょっ」

 

 え? なんか後ろから片言の日本語で声かけられたんだけど、怜二ってばサラッと拒否しなかった?

 

「ちょっと待って欲しいのサ!」

「すみません俺達じゃお手伝い出来ないんで」

「いやいや、君達にしか頼めない――」

「走るぞ鈴!」

「ふぇ? ふぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 れれれれ、怜二何してんのよぉ!? これ、お姫様抱っこってやつじゃ――! ってなんか後ろ見たら隻眼の着物女が全速力で追っかけてきてるぅぅぅ!?

 

「な、なんなのよこれぇ!?」

「俺のゴーストが囁くんだ。『あれに関わっちゃいけない』って」

「全然理由になってないじゃない! ってかアンタ足早いわね!?」

「とはいえ短距離型なんでな。出来ればさっさと撒いちまいたい」

「そうは言っても……あっ、そういえばいいもの持ってたわ」

 

 ちょっと勿体ない気もするけど、また後で買い直せばいいわね。というわけで

 

「これでも食らいなさい!」

 

 懐から取り出してパッケージを開けると、着物女の顔目掛けて中身をばら撒いた。

 

「目が、目がぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 

「鈴、もしかして今の、さっき買った……」

「ええ、一味唐辛子の粉よ」

 

 わぁ、痛がってる痛がってる。まるで陸に打ち上げられた魚みたい。

 前々から思ってたけど、京都って意外と調味料の専門店が多いのよね。

 

「ま゛つ゛の゛サ゛ぁぁぁぁぁぁ!」

「誰が待つかっての」

 

 

 

 

 顔中涙と赤い粉でベトベトにしながら手を伸ばす着物女を置いて、あたし達はさっさと逃げることに成功した。

 それにしても、一体何だったのかしら、あの女……あら? あの顔、どっかで見たような気が……

 

「まったく、学外でも女絡みのトラブルは御免だぞ。ただでさえ月間代表候補生だったってのに……」

 

 怜二がボヤくのも分かるわぁ。あ、お姫様抱っこ止めちゃうんだ……ってそうだ思い出したぁ!

 

「怜二! あの着物女、アリーシャ・ジョセスターフよ!」

「……誰だ?」

「ズコー!」

 

 イタリアの国家代表で、前回のモンド・グロッソ第2回大会優勝者でしょ! 一夏じゃあるまいし、なんで知らないのよ!

 

「俺も一夏に負けず劣らず、ISに興味なかったからなぁ。というか、どうしてそんな奴が俺達に接触しようとしてたんだ?」

「それはぁ……」

 

 正直、あたしもそれが分からないのよね。言っちゃなんだけど、学外では怜二より一夏の方が知名度高いわけだし。……タイ政府の一件があるから、一概には言えないか。

 

――♪

 

 二人で首を傾げてたら、怜二の端末から着信音が鳴った。

 

「束だ。もしもし? ……ああ、分かった」

 

 怜二が端末を操作してスピーカーモードに切り替えると、束さんの声が聞こえてきた。

 

『いや~、さっきは二人とも災難だったね~♪』

「さっきって……まさか束さん、見てたんですか?」

『見てたよ~。ナイスな画だったよぉ、"りっちゃんがお姫様抱っこされて、乙女の顔になってる"と・こ・ろ☆」

「みゃぁぁぁぁぁ!」

 

 み、見られた、見られてたぁ! はずっ、恥ずかしい! えっ、まさか隠れて撮影とかしてないわよね? してないわよね!?

 

『話が逸れちゃったけど、さっきの女、どうもちーちゃんが狙いみたいでね~』

「千冬さんが?」

『うん。何でもちーちゃんとの再戦を望んでるらしくて、そのために亡国機業に入ったんだって』

「はぁ……はぁ!?

「「ばっかじゃないのぉ!?」」

 

 綺麗に怜二とハモった。ってそんなことはどうでもいいのよ!

 

「亡国機業って、あの3人組が所属してたテロ集団じゃないですか!」

『そだね~。どうやらあの3人組が抜けて実働部隊が無くなったみたいで、急遽あの女を繰り出してきたみたいだよ』

「……ちょっと待て束。お前その情報どっから抜いてきた?」

『ほら、前に見せたじゃん? 学園にいるスパイの関係図』

 

 ああ、そういえばあったわね。内通者の一覧みたいなやつ。スコールが抜けた後も、あのラインって残ったのかしら。

 

『3年の内通者から情報が行って、そこからいっくんの誘拐を狙ってたっぽいよ』

「ちょっ、それで一夏は!?」

『へ~きへ~き。この束さんが、いっくんと箒ちゃんの逢瀬を邪魔させるとでも?』

「……無いな」

 

 うん、無いわね。しかも続きを聞くと、以前無人機を勝手に使われた腹いせに、小型改良版を嗾けて誘拐グループをメッタメタにしたって……。

 

『で、本来は誘拐グループが作戦を行う間、あの女がちーちゃんを足止めする作戦だったらしいよ』

「なるほど。それで俺達に声をかけたのか。千冬さんに接触する足掛かりとして」

「あ、そういうことね」

 

 そこまで聞いて、やっとあたしも納得したわ。でも、正直思うんだけど……

 

 

「それ、テロリストにならないと出来ないこと?」

「それな」『それだね☆』

 

 いやだって、あたし達に声かけて千冬さんと接触する、そして再戦する?って、普通にやればよかったじゃない。えっ、馬鹿なの?(直球

 

『ハッキングした感じだと、いっくんを誘拐すればちーちゃんがISに乗って奪還に動くと思ってたらしいよ。()()()()()()()()()()みたいに』

「そこであの隻眼女が登場、第2回大会の再戦をすると。なんだかなぁ」

「これ、イタリア本国は知ってるんですか?」

『トーゼン知らないね♪』

 

 終わってる……。しかも再戦が目的ってことは、専用機も持ち逃げしてるってこと? ガバガバじゃないのよIS委員会!……今更だったわね。

 

『とにかく、あっちの計画は束さんが粉々にしといたから、二人は安心してデートの続きをど~ぞ♪』

「出歯亀はほどほどにしとけよ」

『はーい♪』

 

 束さんとの通話が切れると、怜二と二人揃ってため息をついた。

 

「結局学外でもトラブルはやって来るのな……」

「もうこれは、諦めるしかないわね……」

 

 あ~もうっ、せっかく怜二とイチャラブしてたのに……これからまた京都散策する気が起きないわ。いくら束さんが対処したって言っても、あの着物女とまた出くわす可能性もあるし。

 怜二も同じ考えみたいで、旅館に戻ろうって話になった。はぁ……こうなったら仕方ないわね。

 

「怜二」

「ん?」

 

 制服の袖を引っ張って、公園の物陰へ。

 

「おい鈴、まさかとは思うが……」

 

「シましょ?❤」

 

「やっぱかよぉぉぉ!」

「だって、このまま帰ったらセシリア達に囲まれて、二人っきりの時間が終わっちゃうじゃない」

 

 そ、それに、怜二にお姫様抱っこされて、女の子の部分がうずうずしてるのよぉ……だから――

 

「怜二ぃ……きゃっ❤」

 

 怜二があたしを抱きしめて、お尻を掴んだ時点で勝ちを確信したわ! あっ、その触り方エッチすぎぃ……❤

 

――鈴音side end――

 

 

 

 

 

 

<今日の一夏>

 

「一夏ぁ……」

「ほ、箒、なんでこんな公園の物陰に?」

「もう我慢出来ないんだぁ……昨日新幹線の中で、あんな破廉恥な姿を皆に見られたら……」

「見られたら?」

「野外S○Xで恥ずかしさを上書きするしかない……!❤」

「どうしてそうなるんだよ!? ちょっ、あ、そんな太ももで擦られたら、ひぃ❤」




鈴sideだけで1話書いてみました。意外と書けるもんですね。
そして久々の『今日の一夏』、普段は箒×一夏、お薬が入るとリバになるのがこの世界線です。

そして恒例のアリーシャダッシュ。
今回は原作通り亡国機業入りしてますが、束が敵に回ってる時点でオワオワリ。


少し短い気もしますが、次回で修学旅行編を終わろうと思います。
(最近の章が長過ぎたんですよ)
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