IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~ 作:シシカバブP
年始明け初日に上げ損ねて、本日初更新です。(文字数少ないのはユルシテ……)
「マーオ……」
「マーオ……」
衛星兵器とかいう話を聞かされた翌日、信じて送り出した担任と副担任が、雨に濡れた猫みたいになって帰ってきた。
おかしいな……『すぐに話をまとめてくる』と自信満々に言ってたはずなのに、どうしてこうなった?
「まさか、IS委員会に拒否されたんですか?」
「いや、それはなかった……」
「ならなんで、そんな風に?」
「それはですねぇ……」
真耶さん曰く、学園長に事態を報告(情報源については、束から一方的に連絡が来たと言ったらあっさり信用されたらしい)後、すぐにIS委員会の緊急会議が開かれたそうだ。
そこでイギリスの委員を突き上げたところ、アメリカと極秘で共同開発していたことをゲロった。さらに、両国はそれぞれ保持していたはずの制御権が第三者に奪われていたことを、今更になって気付いたという。
「欧米の政治家や官僚は馬鹿なのか?」
「れっきゅん、権力者が総ゴミなのは万国共通だよ。日本だってそうでしょ?」
「否定はしない」
それで、そこからどうして二人はこんな有様に?
「そこから正式にIS委員会から『エクスカリバーの破壊任務』が発令されたんだが……」
『織斑先生は参加不可です』
『は? 学園長、何を仰って……』
『貴女のクラスの織斑君、赤点を取ったそうですね』
『え゛』
『そんな中で、貴女が学園を離れるわけにはいかないでしょう』
『い、いやいや! そんな理由でIS委員会からのオーダーを――』
『承知しました。織斑先生がいない分、私が頑張ります!』
『真耶ぁ!?』
『あ、山田先生も不参加です』
『へ?』
『織斑君が赤点を取った科目はIS理論、つまり山田先生の担当ですから、補習期間は貴女にいてもらわないと』
『……(ボーゼン)』
『なので、今回の任務にはナターシャ先生に出ていただきます』
「ということになった……」
「うふっ、ダーリンを独り占め❤」
「織斑くぅぅぅぅぅぅん……!」
なるほど、それでナタルさんがニッコニコなのか。そして真耶さんの怒りが有頂天。
「うう……どうせ欧州まで飛行機でも数時間はかかるから、その間怜二と○○○とか□□とかできると思ってたのに……!」
「だからちょっと待て教育者ぁ!」
「いやあの怜二? 今の千冬さんの発言は、教育者どころか普通にアウトなんだけど」
「って、シャルロットはそう言いながら何さり気なく怜二に自分のお尻触らせてんのよ!」
「そうですわよ! 怜二さんも抵抗してください!」
え? あっ! 自然体過ぎてマジで気付かなかった! でもシャルの尻も、セシリアのとは違う魅力が……ゲフンゲフンッ
「というわけで、これから名前を呼ばれた子達でイギリスに飛ぶわよ」
「えっ、ここにいるメンバーだけですか?」
「そうよ。だってシズネ、貴女の周りにいるのは誰?」
「誰って……あっ」
言われて気付いたようだが、この寮部屋(隔離部屋って嫌な通称が付いてる)に、現時点で学園の在籍している専用機持ちがほぼ勢揃いしているのだ。ほぼって言うのは、一夏や箒、ロランを除いてって意味だ。
赤点一夏は当然として、箒とロランも連れて行く気はないと。おーいナタルさーん、舌なめずりしなーい。この人も移動中に何か企んでんじゃあるまいな……?
「ほぼ当事者と言えるセシリアは当然として、欧州組のシャルロットとラウラも連れて行くわ」
「あ、僕もなんだ」
「にぃにと一緒♪」
「あ、俺もですか?」
「当然でしょ? ドクターとダーリンが行かないなんて選択肢はナッシングよ」
「ふへへ~、そういうことだよ~?」
……なんかニタニタ顔の束がムカついたから、感度3000倍にしておっぱい揉んでやった。『おひぃぃぃぃ!❤』久々の3000倍で白目剥くくらい喜んでくれたようだ。そしてセシリア、物欲しそうな顔すんな。尻をこっちに向けるな。
「ダーリン、後で私にも感度3000倍して♪ あとは……」
「ねぇねぇ、出来ればカタナンとかんちゃんも連れて行こう」
「「へ?」」
突然の束からのご指名に、姉妹揃って素っ頓狂な声を上げる。どうしてその二人?
「二人……というよりカタナンに、向こうに"網"を張ってほしいんだよね」
「……それはつまり『更識家』の情報網ってことですよね?」
「そうそう♪ 今回束さんが偶々見つけたとかじゃなくて、凡人共が自発的に問題を見つけて対処出来るようになってほしいんだよね」
「束、お前がそんなことを考えるようになるなんて……」
なんか千冬さんが感動してるが、束がそんな理由なわけないでしょ。
「だってれっきゅんと○○○してる最中に呼び出しとか、いくら温厚な束さんでも激おこスティックファイナリアリティぷんぷんドリームだよ」
「そんなことだろうと思ったわチクショーメェ!」
ほーら、感動の涙が諦観の涙に変わっちゃった。
あっ、忘れる前にナタルさんにも感度3000倍しておくか。
「あっ、これダメ! やっぱり元に戻しおほぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!❤」
――――――
―――
翌日、明日からしばらく公欠になった俺達に対して、クラスメイト達は特に何も言わなかった。
「欧州3人娘と一緒に公欠って、吾妻君とうとう……」
「おいコラ待て、どういう意味だよそれは」
「いやぁ……」
「言葉を濁すな!」
谷本さんが意味深な言い方するから、周りもヒソヒソ話を始めちまっただろうが! そして千冬さん! 不機嫌の元凶とはいえ一夏を睨まない! って真耶さんもかよ!
「ど、どうして山田先生に睨まれてるんだ俺……?」
「それは仕方あるまい。お前が赤点を取ったせいで、冬休みの補習に付き合わされるのだから(だが、千冬さんにも睨まれてないか……?)」
見事に一夏がビクンビクンしてるが、それは自業自得だから諦めろ。そんなやり取りを横目に、ロランは顎に手を当てて何やら考えごとをしていた。
「どうしたのですか?」
「いやなに、欧州3人娘と括られていながら、私の名前が挙がらなかったことが妙でね」
「そういえば、ロランもオランダの代表候補生でしたね。すっかり忘れていました」
「忘れ……!」
四十院さんからクリティカルをもらって、ロランが机の上に崩れ落ちる。まあぶっちゃけ、今まで(実習以外で)候補生らしいことはしてないからな。
そして気付けば、クラスメイト達の視線が俺に集中していた。何その『お前が話を進めろ』って視線は。あっ、クラス代表の一夏が蛇に睨まれたカエル状態で使い物にならないから、俺にお鉢が回って来たのか。
「えーっと、織斑先生?」
「……(ギロリッ)」
「そろそろHRを終わった方が~……」
「……ふぅ~……、そうだな。ほら、山田先生も」。
「ぐるるるる……はっ! そ、そうですね!」
俺の声に深呼吸をして正気を取り戻すと、隣の真耶さんもビーストモードからヒューマンに戻ってきた。……なんだビーストモードって、自分で言っといてなんだけど。
「それではHRを終わる!」
「1時限目はIS理論ですよ~。試験が終わったからって、気を抜いちゃダメですからね。特に……」
「はい! 承知しています!」
再度一夏の方を見る真耶さんの目が、眼鏡の反射で見えないのが逆に怖い。一夏も恐怖を感じたのか、直立不動で返事をしていた。
その夜、ナタルさんの立てた予定通り明日の早朝に学園を出発することになった俺達は、旅の準備を始めた。修学旅行から1か月しか経ってないのに、また旅行の準備かよ……荷解きしなきゃよかった。
そう言いつつ、今回は荷物は全部拡張領域にぶち込む予定だから、結局移し替える手間は同じなんだが。まさか(内容的に)軍事作戦に、ボストンバッグやキャリーケースを持ってくわけにも――
「にぃに、どうしよう!」
「何がだラウラ?」
「クラリッサ達への日本土産を詰め込んだら、拡張領域いっぱいになっちゃった!」
「……減らしなさい」
「ふぇ~……」
もうどうしような、このドイツ軍少佐殿は。頼むから当日は元の覚醒状態に戻っててくれよ……。
というか、ナタルさんの計画によって、なぜかイギリスに直行せずにドイツへ寄り道することになっていた。曰く『ドイツ軍の支援を受けるため』らしいが……ホントか?
「どうしよう簪ちゃん! 盗聴器とか小型カメラとか詰め込んだら、拡張領域がいっぱいになっちゃったわ!」
「……減らして」
「ふぇ~……」
ブルータス、お前もか……いや、向こうは仕事道具を詰め込んだ分、ラウラよりはまだマシか。
「なんであたしは留守番なのよぉ……」
「お姉ちゃんは留守番じゃないでしょ。それに本国の管理官に目を付けられるから……」
「仕方ないのよぉ……あんただって、怜二成分が足りなくなったらああなるから……」
乱が呆れたような言葉に、鈴が反論した。あの楊さんだっけ? 夏休みに会った人に睨まれているらしい。そういえば鈴、無理矢理出国して日本に戻ってきたんだよな。……あれ?
「セシリアもシャルもラウラも、夏休み中に国を飛び出したんじゃ……?」
「ええそうね。だからドイツからフランスを経由してイギリスに行くのよ。各国でみんなお説教を受ける覚悟の準備をしておいてね♪」
「「「……マーオ」」」
ナタルさんの一言で、欧州3人娘があっという間に猫と化した。それは、まぁ……すまん、擁護できんわ。
と、ここでグリフィンが不安そうな顔をして発言した。
「もしかして私達も、怜二君成分が不足したら
「グリ姉はどうかな~? 孤児院の子供達がいる分、セシリア達よりはマシかもしれないけど……」
「ね、ねぇ清香、これ私達も怜二君と離れると
「なるかもね~。でも私達は日本国内だから、耐え切れなくなったら遊びに行けばいいんだよ。家族にはクラスメイトと遊びに行くって言って」
「うわー! 二人ともズルいんだー!」
留守番組がわちゃわちゃしてるけど、なんか束が静かだな……。
「束さんは、常に荷物を拡張領域に入れてるのだ☆ ところでメイドさんや、元・亡国機業として何か情報ない?」
束が視線を向けると、スコールは考えるような仕草をして
「衛星兵器についてですか? 申し訳ありませんが、私は何も……オータムは何かある?」
「私もないなぁ……」
「私もない。だがお兄、頭撫ぜて」
3人とも知らないという回答。そしてマドカはどさくさに紛れて厚かましいな、撫ぜてやるけど。
「~♪」
「「……」」
……お前達も撫ぜて欲しいの? マジかよ……撫ぜてもいいけどさぁ。
「お、おぉぉぉぉ!」
「これしゅきぃ……」
「れっきゅんの手、本当はおっぱい以外にも効果あるんじゃないのかな?」
「俺も最近、自分のことが分からなくなってきた……」
俺に頭を撫ぜられて子犬みたいに顔を擦りつけてくるメイドお姉様方に、俺も自信が無くなってきた。神様、イーグル師匠以外の要素は無いんだよな……?
<今日の一夏>
「はい、ここまでで分からなかった人はいますか~?」
「……」
「織斑くぅぅぅぅぅぅん?(ぬっと顔を近づける)」
「ひぃぃぃぃぃ!?」
「どこか、分からないところが、ありましたか~?」
「だだだだ、大丈夫で!」
「そうですかぁ! それなら補習初日に確認テストをしても大丈夫ですね!(ニッコリ)」
「へ?」
「だい! じょう! ぶ! ですよ! ね!?」
「うひぃぃぃぃぃぃぃぃ!」
(((マヤマヤが壊れた……)))