IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~   作:シシカバブP

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※この作品はフィクションです
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とっても重要なことなので、3回も書きました。


第73話 作者も覚えてないフラグ回収

 セシリアと第2ラウンドを終えた俺は、朝食を食べてから車で移動し、欧州統合軍の施設に到着した。

 

「セシリア、大丈夫か?」

「だ、大丈夫ですわ。……おひっ」

「相変わらずだよねーセシリアはー」

「だな。まったく油断も隙もない」

 

 内股でヨロヨロと車から降りるセシリアを、シャルとラウラの冷たい視線が襲う。

 

「そんなこと言って、ダーリンとのお楽しみから仲間外れにされて悔しいだけじゃないの?」

「そうですが何か?」

「シャ、シャルロットちゃん否定しないのね……」

「私も帰ったら本音と一緒に」

「ちょっと簪ちゃん!?」

 

 相変わらず姦しいなぁ。先に待ってた黒兎隊は微笑ましいって顔を向けてくるし、ラウラに至っては

 

「にぃに、頑張るの!」

 

 覚醒を解いて腰にしがみ付いていた。なぁ黒兎隊、お前達の隊長がこんなになってるんだが、本当にいいのか? やった俺が言うのもあれだけど。

 

「隊長……可愛らしくて素敵ですっ!」

「普段の凛々しい姿と、好きな人に甘える姿のギャップ……素晴らしいっ!」

「記録記録ぅ!(パシャパシャッ)」

 

 おいドイツ軍、本当にこいつらお前らのところの精鋭部隊なのか!? 終わってるよこの世界。

 こんなだから、本来この施設勤務の軍人さん達から微妙な目で見られてるんだよなぁ……

 

「(あれだけセッシーと(自主規制)してたのに、れっきゅんの腰も丈夫になったよねぇ☆)」

「(ウッセ!)」

 

 熱光学迷彩で姿を隠してる束から、わざわざISのプライベート・チャネルでいじられるんだが。そういうお前だってどうなんだよ?

 

「(束さんのような超人なら、この程度屁でもないのさ♪)」

「(さよけ……)」

 

 そうして束と外世話な話をしてる間に、またまた会議室のような部屋に通された。

 中ではすでに、欧州軍の制服を着た女性が座っていた。どうやらこの人が、ここの指揮官らしい。どうして分かるかって? 胸元に勲章をゴテゴテと付けてるからだよ。

 

「まずは現状を説明する。今から2時間前、大気圏を突破して宇宙空間に上がったISを確認した」

「ISが大気圏を突破……単体でですか?」

「いや。宇宙空間、エクスカリバー周辺をスキャンしたところ、複数のIS反応があった」

「複数……」

 

 元々ISは宇宙空間での使用を想定したパワードスーツだから、大気圏を突破するスペックはある。学園の授業でも習ったし、束本人からも聞いている。問題は、その"わざわざ、エクスカリバーの付近に集結してるのが何者なのか"ってことだ。

 すると、指揮官は眉間に皺を寄せて話を続けた。

 

「関係各所に問い合わせたところ、連中は各国にある別々の施設から飛び立ったとのことだ」

「各国?」

「ああ……女性権利団体が所有する施設からな」

「あらら」

「それって……」

 

 ナタルさんがわざとすっ呆けた声を出すが、それ以外は全員真剣な顔になる。

 

「米英からエクスカリバーの制御権を奪った連中は、女性権利団体だった?」

「そうか、君達はエクスカリバーのことをある程度聞いているのだったな。少なくとも、欧州軍はそう断定している」

 

 指揮官はそう言ってるが、俺達は別のことを考えていた。

 

「(これって、女性権利団体の中に亡国機業の手先がいるって話?)」

「(元々女権団が、亡国機業の下部組織だったって可能性もあるだろう)」

「(それは無いんじゃないかなぁ? もしそうならスコールさん達も何か知ってただろうし)」

 

 プライベート・チャネルで井戸端会議が始まったが、全員顔には出さない。亡国機業のことを知ってるってことを、目の前の軍人さんに知られるわけにはいかないからな。

 

「よって、君達IS学園からの戦力と黒兎隊、それぞれでまず展開している敵IS集団の撃退を行ってもらう」

「敵の数は?」

「ラファールが3、打鉄が2。そして……」

「そして?」

「……アリーシャ・ジョセスターフの乗る、テンペスタだ」

 

 出たぁぁぁぁぁぁぁぁ! ここであのイタリア女が出てくるのかよぉ!

 

「専用機持ちはわたくし、怜二さん、シャルロットさん、ラウラさん、楯無さん、簪さん。それにナターシャ先生とクラリッサさんの8人ですか」

「8対6。数だけならこっちの方が多いけど、2代目ブリュンヒルデを僕達で抑えられるかどうか……」

「あら、シャルロットのコスモスなら出来るわよ」

「えっ、ちょっとナターシャ先生? 本気で言ってないですよね? ねぇ!?」

 

 あっ、ナタルさんの目本気だ。シャルが半泣きでしがみ付いてるけど、こりゃマジでシャルだけでイタリア女の相手させられそう。

 

 

――――――

―――

 

 

 ということがあったのが2時間前。なら今、俺達はどうしてるかっていうと……

 

 

 

「チフユはどこサァァァァァァァッ!!」

 

 

 

 ……宇宙空間で、ヒステリック隻眼BBAを相手に逃げ回っている。

 

「お前達、チフユをどこにやったのサァ! あいつなら、この件に絶対投入されるはずだロウ!」

「あのぉ、織斑先生は今、補習に忙しくて……」

「んなわけあるカァァァァァァァ!!」

「ごもっともー!(泣)」

 

 シャルの説得(事実)も聞く耳もたず、宇宙空間なのに空気の槍を飛ばすという謎原理で攻撃してくる。

 

「ナターシャ先生のバカー! 本当に僕だけに押し付けるなんてぇぇぇ!」

「だからって俺を巻き込むんじゃねぇよぉぉ!」

「くぅ~ん、ご主人様助けてよぉ❤」

「こういう時に甘えてくんなっ! めっちゃドキッてきただろ!」

「人の目の前でイチャイチャするんじゃないのサァァァァァァァ!!」

 

――ドドドドドドドッ!

 

「「うひゃぁぁぁっ!」」

 

 が、我慢だ我慢! 他のラファールや打鉄はナタルさんとクラリッサさん、それに更識姉妹が対応してるはずだ。そしてラウラがエクシアの救出に成功したら、地上にあるっていうバカでかい対空砲(名前は……忘れた)に乗ったセシリアが、エクスカリバーを破壊するって作戦になっている。それまでこの猛攻に耐えれば……!

 

『ねぇれっきゅん?』

「なんだよっ、この忙しい時に!」

 

『その女、れっきゅんの催眠で黙らせられないの?』

「……あっ」

「怜二ぃ!?」

 

 そうじゃん。束に指摘されるまですっかり忘れてた。なら、オープン・チャネルに切り替えて――!

 

「アリーシャ・ジョセスターフ!!」

「あ゛あ゛っ!?」

 

「俺の声を聞けぇぇぇぇ!」

 

 催眠音波にした俺の声を、イタリア女にぶつける! どうだっ!?

 

「……」

 

 ……動かなくなった?

 

「成功した、のかな?」

「たぶん」

「あ、あははは……なぁんだ、最初から怜二に任せればよかったんじゃないか」

 

 拍子抜けしたらしく、シャルの緊張が解けた。ちょっと待てシャル、それは……

 

「……のサ」

「えっ?」

 

 

 

「チフユはどこサァァァァァァァ!!」

 

 

 

「「アイエエエ!?」」

 

 復活したぁ!? きっちり催眠掛かってたじゃん! なんで!? どうして!?

 

「シャルがフラグ立てたから!?」

「ええっ! 僕が悪いの!?」

 

 だって『最初から○○に任せれば』ってめっちゃフラグじゃん!

 

『あっ、もしかしてこれってさぁ、れっきゅんの立てたフラグじゃない?』

「は? 俺のフラグ?」

 

 いやいや待て待て、俺はフラグなんて立ててないぞ

 

『思い出してみて、束さんとれっきゅんが出会って間もない頃を』

 

 いや、間もない頃って……

 

=======================================================================

 

「ところでれっきゅん、ハーレムにちーちゃんを入れる気はある?」

「ちーちゃんって、あの織斑さんか? 無理無理、一目会って確信した。あの人に催眠掛けても気合と根性で暗示破られてぶん殴られる未来しか見えない」

「あ~……ちーちゃん脳筋だからねぇ……」

 

=======================================================================

 

「あれかよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

『あれで暗示を破るキャラが現れるフラグが立っちゃったんだろうねぇ♪』

「んなアホなっ!」

 

 お前それ、第3話の話だぞ!? 伏線にしたって誰も覚えてねぇよ!

 

「どいつもこいつもふざけやがってぇぇぇ! チフユがいないなら来るようにしてやるのサ!!」

 

 ブチ切れたイタリア女が、なんか棒状の装置を拡張領域から取り出した。そして親指で装置の先端を……あれぇ? もしかしてあれって、スイッチ?

 

――カチッ

 

『あっ、撃っちゃった』

「ちょっと待て、撃っちゃったって……」

 

 

――ズゴォォォォォォォォォォォンッ!!

 

 

 ……でっかい剣を逆さまにしたような造形の衛星砲から、高出力ビームが地上に向かって撃ち出された。

 

「れ、怜二……」

「ああ……」

 

 この女っ、マジでエクスカリバーを撃ちやがった!!

 

「こうすれば、嫌でもチフユはやって来るのサっ! アハハハハハハハハッ!!」

『あ~あ、これ以上暴れられると困るからここまでね』

「はっ?」

 

 束、お前何言って

 

――ドゴッ!

 

「ぶほぉ!?」

「ええっ?」

 

 シャルの間抜けな声で意識を束から目の前に戻すと、イタリア女が自分の顔面を殴ってたんだが。あっ、気絶してる。

 

『ISを作ったのは束さんだよ? バックドアの1つや2つ、仕込んでるに決まってるジャン☆』

「そんなこと出来るなら、最初からやれよ馬鹿っ!」

『いやぁ、れっきゅん達の実績作りにちょうどいいと思ったんだけどね~、これ以上撃たれると怒られる方が多そうだから』

「束さぁん……」

 

 シャル共々、ガッカリだよ……

 

「と、ところで! さっきの砲撃の被害はどうなってるんですか!?」

「おう、そうだそうだ!」

『安心して。日本はもとより、アメリカやイギリスといった国々には当たってないからね。よかったよかった』

「そうか……」

「よかったぁ……」

 

 ということは、どこかの海上にでも落ちたのか。それなら――

 

 

『ホント、朝鮮半島のど真ん中に落ちてよかったよ』

 

「馬鹿ヤロォォォォォォォォ!!」

 

 全然よくねぇよ! 普通に国連加盟国に直撃してんじゃねぇか! えっ、しかも半島のど真ん中って

 

『ホント大丈夫だって。えっと、セイガダイ?って建物が消えただけだから』

「青瓦台ぃぃぃ!?」

「怜二、セイガダイって?」

「……韓国の大統領官邸」

「ファッ!?」

 

 終わった……さっきラウラから『エクシアの救出成功』って通信が入ってたけど、マジ終わった……

 

 

 

 

 

<今日の千冬&真耶>

 

「ふぅ……今頃怜二達は、エクスカリバーを攻略している頃か……」

「お、織斑先生! 大変です!」

「どうした山田先生」

「先ほど、国際IS委員会から連絡があったんですが……」

 

「例の衛星兵器によって、韓国の青瓦台が消し飛んだとのことです!」

 

「……」

「あの、織斑先生?」

「……真耶ぁ、今日はもう上がって、久々に飲もうかぁ」

「ちょっ、織斑先生、まだ勤務時間中ですよ!? っていうかお酒は昨日も飲んだじゃないですか!」

「ならお前、明日辺りやって来るだろう韓国大使の抗議をそのまま聞くか?」

「……飲まなきゃやってらんねぇ!」




まさかのフラグ回収。
ちーちゃんじゃなくて、アリーシャの方が催眠暗示をぶち破ってみました。
きっと彼女の頭の中は、寝ても覚めても千冬一色でしょうから。

それと青瓦台って、尹錫悦の時から大統領府じゃないんですね。今回初めて知りました。
(2022年から国防部の庁舎に移転してたらしい、ホワイトハウスからペンタゴンに引っ越したようなものですか)
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