IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~ 作:シシカバブP
現実ならどれだけよかったことか……!
(本文、やや思想強めですのでご注意を)
なんやかんやあって、気付けば三が日を過ぎて冬休み最終日を迎えていた。
「時間が経つのって早いよね~」
「だな。大晦日に束と年越しそば食ってたら、真耶さんとナタルさんが乱入してくるとは……」
「だって、年末にマヤと女だけって悲しいじゃない」
「わ、私は! 怜二君が年末年始に自堕落な生活をしていないか気になって……!」
「その割には、ナタルさんと飲んだくれて除夜の鐘まで起きてられなかったですよね」
「はいぃ……」
とまあ、そんな感じの年末年始だったわけだ。それ以外は大したイベントも無かったな。結局海外にいるっていう両親も戻って来なかったし。
だからってわけじゃないが、始業日を明日に控えた今日はIS学園の寮に戻って、こうやって他の面々とも駄弁ってるわけだ。
「いやあの、怜二君? 世間的には色々あったはずなんだけど……」
「そうだっけか?」
「そうだよ。ねえセシリア?」
「いえ、わたくしは別に……どちらかといえば、鈴さんの方が関係あると思うのですが」
「まあね……あたし個人としては『やっぱりこうなったか』としか言えないわ」
「オレのところもだな」
「二人はそうでしょうねぇ。こっちは『どうしてこうなった』なんだけど」
『はぁ……』と、鈴とダリルと刀奈さんからデッカイ溜め息が漏れた。
何かって言うと、大したことじゃない。『増税するぞ増税するぞ増税するぞぉぉ!』とオ○ム真理教の教祖みたいなこと言っていた、日本の石馬鹿首相が暗殺されただけだ。ついでに増税派の議員達も某料亭の一室ごと爆散したらしいが、わりとどうでもいい。
ただそれが合図とばかりに、アメリカでは『とりあえず関税上げま~す!』と宣言したトランペット大統領が演説中に射殺され、中国ではクマプー国家主席が土地バブルを弾けさせた所為で各所から恨みを買い、最終的には子飼いであるはずのISパイロット、つまり国家代表の手で処刑されたんだと。そして隣国と戦争中のロシアは、プッチン大統領が隣国に向けて核ミサイルのボタンを押したものの、座標入力を誤って自分の頭上でピカドンさせるという、文字通り体を張ったギャグをかましたっていう。
「年明けから数日で4か国の首脳が死んだわけだし、大変って言えば大変かもね~」
「俺としては、増税されなきゃどうでもいい」
「うわ~、怜二君ってば政治に全く興味ないのね」
「そういう清香だって、大して興味ないだろ」
「~♪」
だから下手な口笛はやめろ。静寐にも微妙な目で見られてるぞ。
「私達、更識家としては大変。雇い主が変わるから」
「そうなんだよ~。お姉ちゃんも明日から大変だって言ってたし~」
「本音、貴女も色々あるんですからね。あっ、お嬢様! 明日は絶対逃がしませんからね!」
「ひょえぇぇ~!」
更識家と布仏家の4人は色々大変らしい。
鈴も『相手がクズ過ぎたとはいえ、国家代表が国家元首を処刑しちゃったからね~。たぶん責任を取るとか言って辞任するだろうし、後釜を狙って候補生同士で揉めそうだわ』と再度ため息をついていた。
「アメリカは副大統領が繰り上げしただけで大した影響はないな。繰り上がり大統領のヴォンスは関税引き上げに反対だって話だし、もう一度暗殺騒ぎにはならないだろうよ」
「それに比べて、ロシアがクダクダよ。良くも悪くも、プッチン大統領の強硬的な政策と手腕で纏まってた国だから。日本というか本家のこともあるし、頭が痛いわ~……」
被害少な目のダリルに対して、刀奈さんは完全に涙目だ。日露両方の面倒事に関わらないといけないとか、ご愁傷様……
「それにしても、これだけ大きな事件が起こると、韓国の出来事が小さく見えますよね」
「大統領が罷免されたんだっけ?」
「はい」
蘭ちゃんの言う通り、マジで小さく見えるよな。
とはいえ、あの国の大統領、任期を終えると必ず逮捕されるけど、今回は任期中に弾劾裁判から罷免のち逮捕だからな。どんだけだよって話だ。
ちなみに罷免理由は『エクスカリバーの件で、日本から謝罪と賠償を引き出せなかったから』。う~ん、あの国らしい。
「そういう怜二君も、3学期が始まると面倒事が起きますよ」
「束から聞いてます。また代表候補生が来るんでしょ?」
催眠で記憶は消してあるが、あの双子が来るのか~……ん? 何です真耶さん、その顔は。
「残念! それもなんですが……なんと! ルクーゼンブルク公国から、アイリス・トワイライト・ルクーゼンブルク王女殿下が来られます!」
「「「「ファッ!?」」」」
何それ聞いてない! というか教員組以外全員驚いてるんですが!? えっ、生徒会長の刀奈さんも知らんの?
「あ~、あのお姫様が来るんだ~」
「束、知ってるのか?」
「知ってるも何も、あのじゃじゃ馬姫のISを用意したの、束さんだもん☆」
「「「「ファッ!?」」」」
今度は千冬さん達も揃って驚いた。束お手製ISって、紅椿だけじゃなかったのかよ!?
「
「はぁ」
「おい束!」
突然何を言い出すのかと思ってたんだが、千冬さんのあの慌てよう、何かあるのか?
「その時結晶っていうのがISコアの原料でね、その採掘権と引き換えに、王族用のISを何機か作ったんだよね~☆」
「「「「はいぃぃぃぃぃ!?」」」」
「馬鹿者ぉ……それは機密事項だろうがぁ……」
「でもちーちゃん、どうせいつかは話す気だったよ?」
「もっと後でもいいだろう、学園を卒業した後とかでも」
「いえ、そんな国際的にも大きな秘密、聞きたくなかったんですが……」
顔が真っ青な静寐を筆頭に、全員首を縦に振っていた。
確か真耶さんの授業で『各国が総力を挙げても、コアの原料は解析できなかった』とか言ってたよな。そんな世界の謎を教えられてもどうしろと。
「そんな事情があって、殿下が来られた場合私は強く出られないんだ」
「時結晶の関係で?」
「そういうことだ。そもそも他国の王族だからな、国際問題になる」
これまた面倒なことが……ん? そうなると……
「もし、ですよ? そのお姫様が一夏狙いだった場合は……」
「……」
うわっ、目ぇ逸らしたよ! それだけで答えが分かっちまった!
そして千冬さんは俺に、ゴマすりするような仕草をしてきた。
「だから、な。もし殿下が何かやらかしそうになったら、お前の催眠術で、な?」
「ダーリン、とうとう王族までハーレムに入れちゃうのかぁ」
「いやいや待て待て、まだ俺了承してないから」
何も知らない奴に催眠&ハーレムなんて……いつもか。いやでも! 出来ればある程度情報が欲しいって言うか。
「というわけで束、情報プリーズ」
「はいは~い♪ これだけど、典型的なワガママ姫だよ」
「あ、じゃあパスで」
「ちょっと待て怜二?早い!早いよ!」
千冬さんがカイ・シデンになるほどの即答をかました。俺にだって、拒否権ぐらい、ある。
――――――
―――
――ファニールside――
IS学園への転入前日、私達は都心のホテルで一泊することになったんだけど……
――クチュッ❤
「(んっ❤)」
「(うぅ……あぁっ❤)」
ツインの一室で、オニールのベッドから押し殺した嬌声と水音が聞こえる。もしかしたら、私の声と音も聞こえてるかもしれない。
先月のライブのリハからずっとこうだ。私もオニールも、毎晩
(絶対変! だって私、こんなエッチな子じゃ……んひぃ!❤)
指の動きが、どんどん早くなっていく。止まらない、止まらないよぉ……!
――グチュッ❤ パチュッ❤
「(~~~~っ!!❤)」
お腹の奥から気持ちいい波が押し寄せて、腰がビクンッて跳ね上がる。
すごく気持ちよかった……でも、何かが足りない気がする……
「もっとぉ……❤」
2回戦どころか、とうとう声を押し殺すことを止めたオニールの喘ぎ声を聞きながら、明日のこと、正確には寮生活が不安になってきた。
たぶん私達は同じ部屋にされるだろうけど、隣の部屋とかに声を聞かれないわよね?
「男性操縦者、ね……」
私達がIS学園に送り込まれた理由、織斑一夏について考えを巡らせた。そうでもしないと、私までオニールみたいに2回戦を始めそうだから。
(とはいえ、あまり情報は無いのよね。初代ブリュンヒルデ・織斑千冬の弟で、専用機持ちってことぐらい?)
もう一人男子生徒がいるって話だけど、そっちはもっと情報が無い。まあ、こっちは特に指示されてないから放置で良いでしょうけど。
というわけで、明日なるようにしかならないと結論付けると……んもう、また指が勝手に……
――ツプッ❤
「んぎっ!?❤」
ち、違っ! そこっ、おしりぃ……! あひぃぃぃぃん!❤
――ファニールside end――
前回からだいぶ間が空いたせいか、何だかな~な内容となってます。
この回を踏み台にして、次回の3学期編からはもうちょっといいスタートを切りたいです。