IS ~インフィニット・催眠種付けおじさん~ 作:シシカバブP
第77話 ロリロリロリ!R15としてはずかしくないのか!
「とうわけでだ、今年もビシビシと指導するつもりなので、各人気を抜かぬように!」
「「「「はい!」」」」
3学期が始まったIS学園1年1組の教室は、千冬さんの言葉から始まった。
ちなみに、4か国の首脳が立て続けに死んだ話をクラス内で振ったところ
『ああ、ニュースでやってたね』
ぐらいの反応だったという。やっぱり皆、大して気にしてないんだよ。
「そしてここから重要な話になるが……本日から特別留学生として、ルクーゼンブルグ第七王女殿下がお見えになる」
「ええっ!? このIS学園に王女様が!?」
「どんなお方なのかしら!?」
千冬さんの言葉に、クラス中が沸き立った。ああ、知らないって幸せなことなんだなぁ……。
「(どんな人が知っちゃった私達としては、まさにゲンナリなんだよねぇ……)」
「(言うな清香。分かってても悲しくなる)」
皆も、その第七王女が絵に描いたようなじゃじゃ馬姫だって知ったらどうなることやら。
「静かに! 殿下はまだ14歳でいらっしゃる。各人、無礼のないようにな」
一喝の後『それでは殿下、お入りください』と千冬さんが促すと、教室のドアが開いて赤絨毯が……はい?
――ゾロゾロゾロ……
教壇の前まで赤絨毯が転がり、その上を鈴凰よりちんまい豪華なドレス姿のクソガキ様お姫様が、軽装鎧に身を包んだ女やらメイドやらを従えて歩いてくる。
「(うわ~……)」
「(これは……)」
「(いかにもって感じだね……)」
静寐、セシリア、シャル。声には出さないものの、アイコンタクトだけで何が言いたいかよく分かる。
昨日束に見せられた情報通り、アイリス・トワイライト・ルクーゼンブルグは実に傲岸不遜かつ生意気そうな奴だった。
「織斑千冬、紹介大儀である」
「はっ」
その馬鹿姫の上から目線な言葉にも、千冬さんは動じることなく……いや、口角がヒクついてる。めっちゃ我慢してるやん……。
そして心配の的である一夏だが、あまりのインパクトに口を半開き状態で固まっていた。お~い、そんな風にしてると……あっ、一夏と馬鹿姫の目が合った。
「おぬしっ!」
ほら~、びしっと指を指されちまった。
「おぬしが有名な織斑一夏じゃな?」
「は、はぁ、まぁ……」
「ふむ。おぬしをわらわの召使いに任命しよう。光栄であろう?」
「えっ?」
ふふんと鼻高々に笑みを浮かべる馬鹿姫に対して、一夏の方は言われた内容が理解できなかったのか固まる。が、徐々に理解が追い付いて来たのか
「はいぃぃぃぃぃぃ!?」
そのまま椅子から転げ落ちた。
「な、なんでそうなる!?」
当然の如く納得のいかない箒なわけだが、
「では織斑、殿下に失礼の無いようにな」
さらっと千冬さんに黙殺された。というか、目が語ってる。『これ以上面倒事を増やすな』って。
こうして3学期は、先日の悪い予感の的中から幕を開けたのだった。
――――――
―――
怒涛のHRが終わり、馬鹿姫参加の授業が……授業が……
「山田先生、織斑君と王女殿下がいません」
「ああ、織斑君ですが……王女殿下の市中散策に同行することになりまして……」
「ええっ?」
「だって今、授業中ですよね?」
至極当然の質問をした生徒に対し、真耶さんが目を逸らす。
うわ~マジか。留学生って言いつつ初日から授業をボイコットかよ。
「何しに日本に、というかIS学園に来たんだあのお姫さん」
「あ、吾妻く~ん、それは言わないお約束です~;;」
ああはいはい、分かったから泣かない泣かない。
「織斑先生、いいんですか?」
「……」
「織斑先生も目ぇ逸らしたよ!?」
「ブリュンヒルデと言えど、一国の王女様には勝てないんだね……」
「お前達、知っておくがいい。これが社会というものだ……」
「いや、こんなことで社会の暗いところ知りたくなかったですって」
心なしか哀愁が漂う千冬さんに、クラスメイト達もこれ以上追及は出来なかった。
「せめて、殿下の興味が吾妻に向けば……」
「ちょっと待って先生、それは酷い」
「あ~……吾妻君ならね~」
「でも吾妻君だったら、ハーレム入りさせて国際問題になってたんじゃ……」
「もうお前らの俺に対する認識ってそれなのかよ!?」
いや確かにハーレム状態だよ? だからって知り合って即お手付きにするって認識されてるのかよ!?
『あながち間違ってないよねー☆』
『うっせぇ! わざわざISのプライベート・チャネル使ってまでチャチャ入れてくんな!』
ぜってー俺はあの馬鹿姫だけは要らないからな! 絶対だぞ!?
『は~……一応、あの馬鹿姫が一夏に余計なことしないか見張っててくれ』
『分かってるよ。いっくんに箒ちゃん以外とのイベントは絶対起こさせないZE☆』
通信が切れる。一夏のことは束に任せておいて、問題はだ……
「すみませ~ん! 織斑一夏って人いますか~?」
休み時間、教室に入ってきたのはオレンジ髪と青髪の2人。うん、つまりそういうことだ。
「織斑君? 今はいないけど……貴女達は? 見たことないけど……」
「あっ! ファニール・コメットとオニール・コメットじゃない!」
2人を知らない生徒が誰何しようとして、他の生徒が大声を上げた。
「ホントだ! アイドル兼カナダの代表候補生! 本物だー!」
「えっ? 有名なの?」
「知らないの?」
教室の前の方でガヤガヤと小さな騒ぎになってきた。姉のファニールの方は胸を張ってるが、妹のオニールはワタワタし始める。
と、なんかオニールが俺の方を見て近寄ってきた?
「……」
「な、なんだ?」
マジで何? そんな目の前に立ってジーっとこっちを見て……
――ギュッ
「お兄ちゃん」
「……」
「……」
「……」
「「「「ええ~~~~~っ!?」」」」
「ちょっとオニール!?」
「どどど、どういうこと!?」
「お、俺が聞きてぇよ!」
マジで分からん! どうして俺の腕に、青髪ロリっ子が抱き着いてんの!?
この前淫獣が大暴走した時も、きちんと記憶は消したはずなのに! まさか、残ってたとか言う? いやいや、それならファニールの方もおかしくなってるはずだし!
「どうしちゃったのよオニール!」
「えっと、"お兄ちゃん"って感じがしたから、つい……」
「ええ~……」
「にぃには私のお兄ちゃん! 離れるの!」
ちょまっ、ラウラ反対の腕引っ張んな痛い痛い!
「う~!」
「オニールも張り合わないの! というか、織斑一夏はどこ行ったのよ!?」
「それは、かくかくしかじかで……」
「清香ぁ! 説明してないでこの2人を止めてくれぇ! せ、セシリアぁ!」
「そのお二人もハーレム入りですか、賑やかになりますわねぇ」
「おいぃぃ!? シャルぅ!」
「僕、こんな妹が欲しかったんだよねぇ」
誰か助けろぉぉぉぉぉい! (ゴキッ) あっ……
――――――
―――
「それで両肩を脱臼って、災難だったわね」
「酷い目にあった……」
放課後の生徒会室で、刀奈さんに同情の視線を頂戴した。
あの後、一夏が馬鹿姫に拉致られた 連行された 上海された 同行したことを聞いたファニールが、オニールを引き摺っていった。どうやらあの2人、今日から3組に編入されたそうだ。まあ、知ってたけどな。
んで、ラウラとオニールに肩を外された俺は、教室に来た教師陣に同情されて保健室行き。そしてなぜかそこにいたヴィシュヌに関節を嵌め直してもらったと。なんて罰ゲーム?
「でもよかったわね、保健室にヴィシュヌちゃんがいて。本当は脱臼を嵌め直すのって、専門医じゃないとダメなんだけど」
「まさかヴィシュヌが、その専門技術を持ってるなんて知りませんでしたよ。めっちゃ痛かったですけど」
「でも、整復中はヴィシュヌちゃんのおっぱいに顔を埋めてたんでしょ?」
なぜ知ってる。
「感想は?」
「天国と地獄」
「つまり、ヴィシュヌちゃんのおっぱいで相殺出来ないぐらい痛かったと」
「はい」
だからラウラには罰として、3日間のハグ禁止処分にした。ギャン泣きされたけど、ここは心を鬼にしなければ。
「れっきゅんもだけど、おりむーも大丈夫かな~?」
「ああ、あの馬鹿姫に引っ張り回されてるんだったか」
「はい。束さんからの定時報告では、特に問題は起こっていないようです。……ものすごい不機嫌でしたが」
「織斑君、市中散策の後も執事服を着せられて、こき使われてるみたい」
紅茶とケーキをテーブルに並べながら、のほほん、虚さん、簪も話に加わる。今日は苺ショートか。
虚さんの淹れた紅茶の入ったカップを手元に引き寄せようとしたところで、ドンドンッとドアを叩く音が。
「はい、どうぞ」
虚さんの返事に、ガチャッとドアが開く。そして入ってきたのは……
「見つけた!」
「えっ」
今朝も会ってお腹いっぱい、コメット姉妹(姉の方)だった。指まで指されて、俺やっちゃいました?(心当たりしかない
「アンタ、吾妻怜二でいいのよね!?」
「ああ、俺の名前は吾妻怜二だが、それで?」
すると、突如俺の胸倉を掴んで来た……んだが、タッパの差でファニールの方が俺の方に近付いて来た。
「アンタ、一体オニールに何したのよ!?」
「はい?」
「妹さんがどうしたんですか?」
意味が分からんクレームに虚さんが確認すると、ファニールは顔を真っ赤にして
「オニールってば、初対面のはずのアンタにあんなにベタベタして! きっとアンタが良からぬことをしたに違いないわ!」
……事実だな。催眠掛けて色々しました、はい。あとお前にもな。
さてどうしたもんかと思案してると、さらにファニールの顔が近付いて……いや、近過ぎません?
「っっ!?!?!?」
と思ったら、突然手を放して距離を取り始めたし。一体何がしたんだ……?
「と、とにかく! これ以上オニールに近付かないで! いいわね!?」
最後に言いたいだけ言って、こっちの返事も聞かずに生徒会室を出て行った。
「嵐のような奴だったな」
「れっきゅん、目の敵にされてるね~」
「困ったもんだ」
「まあ、織斑君に意識が向いてないのは良いことだと……あら?」
ニヤニヤしてた刀奈さんが、何かを見つけたのかこっちに歩いて来た。
そして、さっきまでファニールが立ってたところに視線を向けて……なんだこれ、床が濡れてる?
「これって、もしかして……」
「?」
「ファニールちゃん、怜二君に見つめられて濡れちゃったのね❤」
「「「「ぶふーっ!!」」」」
俺を含め、4人全員見事に吹いた。紅茶を口に含んでた簪は被害甚大。
「記憶は消せても、身体は覚えてるってことね♪」
「お、お嬢様……けほっ」
「お姉ちゃん……」
「あ、あら~……?」
吹いた紅茶で顔面の下半分がビチャビチャになった簪が、下手人である姉を睨みつける。その姉は、妹の睨みつけで動けない。
「力を貸して、打鉄弐式ぃ!」
「簪ちゃぁん!? ここでIS展開はダメェェ!!」
怒りで我を失った簪が、ISを無断展開しようとした、まさにその時――!
「吾妻ぁ! 殿下が一夏を公国に連れて行くとか言い出したぁ!!」
『れっきゅん、あの馬鹿姫処していいよね?』
千冬さんと束の両方から、簪の怒りの炎をかき消すほどの爆弾が投下された。
……もう、いやん。
<今日の一夏>
「はぁ、疲れたぁ……」
「まったく……一夏、お前もお前だ。奴のワガママに付き合うなど」
「けどさぁ、断ると色々面倒なことに……」
「見つけたぞ、織斑一夏!」
「あっ、王女殿下……」
「織斑一夏! おぬしを我がルクーゼンブルグに招く。わらわの世話役として、一生を共にするのじゃ!」
「……#」
「ほ、箒! 抜くな抜くな! ここで真剣抜いたらマジでシャレにならねぇからぁ!」
ロリ:アイリス
ロリ:ファニール
ロリ:オニール
……まとめて摂取していい数じゃないですね。
とりあえず決定事項として、馬鹿姫はハーレム入りしません。(断言
ならどうするかって言うと……待て次回!
あっ、お供のジブリルさんは弾にあげます。虚がハーレム入りした補填として。(ダイレクトネタバレ