シェズ「…」
ルセナ「どうした?腹でも減ったか?」
シェズ「別に大したことない…空腹には慣れてる」
ルセナ「お腹すいてるんじゃねえか…ったく、今は手持ちにないけどよ。ウィンガードに帰還したら自慢のオムレツでも食べさせてやるよ」
シェズ「オムレツ…?なにそれ?」
ルセナ「おまっ!オムレツ知らないのか?」
シェズ「…うん、食べ物は生きる上で最低限の食事しかしてこなかったから」
ルセナ「おいおい、マジかよ」
シェズ「…!ルセナ、止まって!」
ルセナ「どうした!?」
ディス「私の許可なく、行動するとは…いつから自由になれたというのだい?」
・シェズの表情が恐怖の色に染まる
シェズ「あっ…あっ…ディスベリオン…」
ディス「誰の許可を得て、口を開いているんだい?道具の分際で」
シェズ「ごっ、ごめんなさい…ごめんなさい…シェズ、いうことちゃんときくから」
ルセナ「シェズ!?おい!ディスベリオンとやら!これ以上、俺の仲間に手ェ出そうってなら、俺が相手になってやる」
ディス「あなたは資料にあった…確か巨蟹の烙印(キャンサースティグマ)の…あなたの教育は任務に入ってはいないのですがね」
ルセナ「教育だ…!?」
ディス「ええ、私はその道具の教育係をしている縁がありまして」
ルセナ「シェズの事言ってんのか?ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞ手前…シェズはお前の道具じゃねぇんだよ!」
・シェズがルセナを止める
シェズ「駄目だよ…ディスベリオンはオリオン烙印者(スティグマ)を持っているの…かなわないよ…逃げよう?」
ルセナ「シェズ…お前…」
ディス「ククク、お分かりいただけたでしょう?道具とは所詮は道具なのですよ?使い手がいてこそ…本来の力を発揮できるというもの」
・ディスベリオンは空間から鞭(むち)を手に取り、それを地面に叩きつけると同時に木々が崩壊
ルセナ「くっ…やべっ!!シェズ!!」
・シェズを庇い木々のぶつかる
ルセナ「ぐああああああああっ!!」
シェズ「ルセナ!ルセナ!しっかりして!ルセナ!!」
ディス「キーキーうるさいですね…正直言って、耳障りです」
シェズ「あっ…あぁ…」
ディス「この空間で眠りにつくという事はこの場に囚われるということ…彼女の意識を葬るには今の一撃で十分です」
シェズ「嘘…」
ディス「それにしても実に脆いですね…巨蟹の烙印(キャンサースティグマ)もこの程度ですか…興ざめも良いところですね。シェズ、もう一度私の所へ来なさい?道具らしく最大限に使い切ってあげましょう」
シェズ「嫌だ!!」
ディス「道具の分際で逆らうというのか?」
シェズ「お前は嘘つきだ!悪いヤツがいるってシェズを使って殺させて!中には罪がない人だっていた!シェズはもう…お前の道具にはならない!!」
ディス「それがなんですか?結局はあなたの意志で殺したんでしょう?今更、ひとのせいにしたって、やってきた罪は…決して消えないんですよ?」
シェズ「そう…シェズはその罪も背負って生きていくよ…ここで立ち止まるわけにはいかないから!」
ルセナ「へへ…怖いのに勇気振り絞ってよく頑張ったなシェズ?」
シェズ「ルセナ!」
ディス「あの一撃で壊れていないか…手加減したのが仇となったか」
ルセナ「巨蟹の烙印(キャンサースティグマ)なめんなよ?堅牢の甲羅で出来た武具には衝撃を抑える力あんだよ!」
ディス「道具の分際で粋がるのはおよしなさい」
ルセナ「道具道具ってよ…人間の意志はな舵と一緒さ!それを誰かに言われて握らせるなんてやって良い事じゃねぇ!自分の舵は自分で切るもんだぜ!行くぞシェズ、あいつにお見舞いしてやろうぜ!」
シェズ「うん…!骸の手の死を歌い」
ルセナ「恐怖の戸を叩き、死の海を渡れ!」
2人「イノメイトアビス!!」
ディス「まぁ、こんな所でしょう…道具にしてはよくやった方です、私も目的は果たせましたからね」
・ディスベリオンが消えると同時にルセナが倒れ、粒子状になっていく
シェズ「そんな!ルセナ!どうして!?」
ルセナ「へへっ、ちょっと無茶しすぎたな…こうなることはわかっていた、やっぱ、オリオンの力ってのは半端じゃねえな…悔しいけど1人じゃ無理だったわ」
シェズ「しゃべったら駄目だよ!ルセナ!」
ルセナ「シェズ、俺もな…昔、奴隷船に乗せられていたんだ」
シェズ「…!」
ルセナ「あの時にオヤジとリコルが助けてくれたから海賊やってっけど…俺はそこで大切なものを見つけることが出来た…安心しな、お前はあいつの言う道具なんかじゃねぇ、胸を張って1人の人間として生きてきゃいいんだよ」
シェズ「ルセナ…嫌だよ…」
テイザー「シェズ!ルセナ!」
メロス「おっと…これはまた…どういう状況だい?」
ルセナ「悪いけどよ、かなり派手にやられちまってさ…俺…ちょっと寝るわ…シェズの事を頼めるか?」
テイザー「わかった…約束は守ろう」
ルセナ「サンキュー…シェズ…楽しみにしてろよ?俺のオムレツめちゃくちゃ美味いからさ」
シェズ「うん…楽しみにしてる…待っていてね?ルセナ!」
・ルセナ、笑顔のまま粒子状になり消えていく
テイザー「すまない、シェズ。俺たちがもう少し早くたどり着けていたら」
メロス『現実での彼女はまだ存在している…だが、仮に現実世界に戻っても彼女の意識は…』
シェズ「進もう…早くみんなと合流しなきゃ」
メロス「わかった…この先に銃声が聴こえた行ってみよう」
シェズ『ルセナ…絶対に助けるよ…オムレツ楽しみにしてるから!』