十二星座の烙印 -ゾディアックスティグマ-   作:bani

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道具

シェズ「…」

ルセナ「どうした?腹でも減ったか?」

シェズ「別に大したことない…空腹には慣れてる」

ルセナ「お腹すいてるんじゃねえか…ったく、今は手持ちにないけどよ。ウィンガードに帰還したら自慢のオムレツでも食べさせてやるよ」

シェズ「オムレツ…?なにそれ?」

ルセナ「おまっ!オムレツ知らないのか?」

シェズ「…うん、食べ物は生きる上で最低限の食事しかしてこなかったから」

ルセナ「おいおい、マジかよ」

シェズ「…!ルセナ、止まって!」

ルセナ「どうした!?」

ディス「私の許可なく、行動するとは…いつから自由になれたというのだい?」

・シェズの表情が恐怖の色に染まる

シェズ「あっ…あっ…ディスベリオン…」

ディス「誰の許可を得て、口を開いているんだい?道具の分際で」

シェズ「ごっ、ごめんなさい…ごめんなさい…シェズ、いうことちゃんときくから」

ルセナ「シェズ!?おい!ディスベリオンとやら!これ以上、俺の仲間に手ェ出そうってなら、俺が相手になってやる」

ディス「あなたは資料にあった…確か巨蟹の烙印(キャンサースティグマ)の…あなたの教育は任務に入ってはいないのですがね」

ルセナ「教育だ…!?」

ディス「ええ、私はその道具の教育係をしている縁がありまして」

ルセナ「シェズの事言ってんのか?ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞ手前…シェズはお前の道具じゃねぇんだよ!」

・シェズがルセナを止める

シェズ「駄目だよ…ディスベリオンはオリオン烙印者(スティグマ)を持っているの…かなわないよ…逃げよう?」

ルセナ「シェズ…お前…」

ディス「ククク、お分かりいただけたでしょう?道具とは所詮は道具なのですよ?使い手がいてこそ…本来の力を発揮できるというもの」

・ディスベリオンは空間から鞭(むち)を手に取り、それを地面に叩きつけると同時に木々が崩壊

ルセナ「くっ…やべっ!!シェズ!!」

・シェズを庇い木々のぶつかる

ルセナ「ぐああああああああっ!!」

シェズ「ルセナ!ルセナ!しっかりして!ルセナ!!」

ディス「キーキーうるさいですね…正直言って、耳障りです」

シェズ「あっ…あぁ…」

ディス「この空間で眠りにつくという事はこの場に囚われるということ…彼女の意識を葬るには今の一撃で十分です」

シェズ「嘘…」

ディス「それにしても実に脆いですね…巨蟹の烙印(キャンサースティグマ)もこの程度ですか…興ざめも良いところですね。シェズ、もう一度私の所へ来なさい?道具らしく最大限に使い切ってあげましょう」

シェズ「嫌だ!!」

ディス「道具の分際で逆らうというのか?」

シェズ「お前は嘘つきだ!悪いヤツがいるってシェズを使って殺させて!中には罪がない人だっていた!シェズはもう…お前の道具にはならない!!」

ディス「それがなんですか?結局はあなたの意志で殺したんでしょう?今更、ひとのせいにしたって、やってきた罪は…決して消えないんですよ?」

シェズ「そう…シェズはその罪も背負って生きていくよ…ここで立ち止まるわけにはいかないから!」

ルセナ「へへ…怖いのに勇気振り絞ってよく頑張ったなシェズ?」

シェズ「ルセナ!」

ディス「あの一撃で壊れていないか…手加減したのが仇となったか」

ルセナ「巨蟹の烙印(キャンサースティグマ)なめんなよ?堅牢の甲羅で出来た武具には衝撃を抑える力あんだよ!」

ディス「道具の分際で粋がるのはおよしなさい」

ルセナ「道具道具ってよ…人間の意志はな舵と一緒さ!それを誰かに言われて握らせるなんてやって良い事じゃねぇ!自分の舵は自分で切るもんだぜ!行くぞシェズ、あいつにお見舞いしてやろうぜ!」

シェズ「うん…!骸の手の死を歌い」

ルセナ「恐怖の戸を叩き、死の海を渡れ!」

2人「イノメイトアビス!!」

ディス「まぁ、こんな所でしょう…道具にしてはよくやった方です、私も目的は果たせましたからね」

・ディスベリオンが消えると同時にルセナが倒れ、粒子状になっていく

シェズ「そんな!ルセナ!どうして!?」

ルセナ「へへっ、ちょっと無茶しすぎたな…こうなることはわかっていた、やっぱ、オリオンの力ってのは半端じゃねえな…悔しいけど1人じゃ無理だったわ」

シェズ「しゃべったら駄目だよ!ルセナ!」

ルセナ「シェズ、俺もな…昔、奴隷船に乗せられていたんだ」

シェズ「…!」

ルセナ「あの時にオヤジとリコルが助けてくれたから海賊やってっけど…俺はそこで大切なものを見つけることが出来た…安心しな、お前はあいつの言う道具なんかじゃねぇ、胸を張って1人の人間として生きてきゃいいんだよ」

シェズ「ルセナ…嫌だよ…」

テイザー「シェズ!ルセナ!」

メロス「おっと…これはまた…どういう状況だい?」

ルセナ「悪いけどよ、かなり派手にやられちまってさ…俺…ちょっと寝るわ…シェズの事を頼めるか?」

テイザー「わかった…約束は守ろう」

ルセナ「サンキュー…シェズ…楽しみにしてろよ?俺のオムレツめちゃくちゃ美味いからさ」

シェズ「うん…楽しみにしてる…待っていてね?ルセナ!」

・ルセナ、笑顔のまま粒子状になり消えていく

テイザー「すまない、シェズ。俺たちがもう少し早くたどり着けていたら」

メロス『現実での彼女はまだ存在している…だが、仮に現実世界に戻っても彼女の意識は…』

シェズ「進もう…早くみんなと合流しなきゃ」

メロス「わかった…この先に銃声が聴こえた行ってみよう」

シェズ『ルセナ…絶対に助けるよ…オムレツ楽しみにしてるから!』

 

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