十二星座の烙印 -ゾディアックスティグマ-   作:bani

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深層

フレア「あともう少しだったというのに…」

レイフ「一瞬だけ彼女の力が覚醒したようですね。危うく氷漬けにされてしまう所でした」

フレア「あれで本調子でなかったというの?」

レイフ「ええ、そういう事になりますね…」

レクス「ソーレとコルウスに追跡を任せている。どこへ隠れようとも時間の問題だ」

レイフ「冠座のソーレ。それとカラス座のコルウス。それでしたら申し分はありませんね」

レクス「私も行こう」

レイフ「ふむ…それでしたら、ディスベリオンとフレアを連れて行きなさい」

ディス「レイフ様の命令とあらば…」

フレア「今度こそ、あの人形に宿る烙印をこの手にするまで…」

レクス『もう、後戻りは出来ない…僕は世界の平和を守る為にこの剣を振るう』

レイフ『さて、今こそ…あの方々が集結する時ですね…』

エルザ『私たちはなんとか星誕教団の魔の手から逃れ、メロスの故郷であるマーキュリーに匿ってもらっていた。早くも三日が経ち…仲間たちの様子について整理する必要があるわね。夢の中で囚われたクリオスとティアとルセナは夢魔病(むまびょう)という、一種の植物人間に近い状態だ。ケイルもリオンを庇った怪我で一向に目を覚ます気配がない、リオンもその時のショックからか皆の看病をしようと元気なふりをしている…無茶をしているのが見てわかるくらいにね…』

・部屋の前で一呼吸をした後にノックをする

エルザ「リオン、入るわよ?」

リオン「エルザか…」

エルザ「ソシエの様子はどう?」

リオン「よく眠っている…相変わらず体は冷たいままだけど」

エルザ『一番重症なのはソシエだった…目を覚まさないのは他の皆と一緒だけど、それ以上に体温が冷たいまま。リオンは責任感からか仲間たちの看病に専念していた』

リオン「ごめんソシエ…また助けられた…せめて約束だけは守るから」

エルザ「そろそろ食事に…って、リオン!貴方また食べてないの!?今日で3日目になるのよ!いくら、貴方が不死身でもいい加減に食べないと本当に死んじゃうわよ!?」

リオン「そうも言ってられない。こうなったのも俺の責任なんだ」

エルザ「いつまでこんな調子でいるつもり!?怪我の手当だって満足にしていないのに!」

リオン「心配なんてしなくていいさ、俺には責任があるんだ…ソシエ以外にも目を覚まさない仲間がいるんだ…だから他をあたってくれ」

エルザ「待ちなさい!ちょっとリオン!開けなさい!!」

・部屋から追い出され、鍵を締められる。仕方なく、エルザは皆のいる居間へと行く。

アリウス「どうでしたか?」

リコル「その表情から察するに駄目だったようね」

シェズ「このままだと本当に危ないよ…こうなったら、無理にでも食べさせて」

テイザー「止せ、生きる意志をなくした相手を無理やり生かした所で意味なんてない。放っておいてやれ」

エルザ「テイザー…そんなの酷いよ」

リコル「酷な事を言うけど…私も彼の意見には賛成よ」

テイザー「こうしてる間にも奴らは次の手を打ってくる、生き残った俺たちにできる事を今一度考え、行動しなければだめだ」

エルザ「そうかもしれないけど…このまま放っておくのに皆が納得する!?」

アリウス「エルザ殿、一度冷静になってください」

シェズ「エルザ、無理をしないで?」

エルザ「何を言っているの…私は冷静よ!みんなは心配じゃないわけ?」

シェズ「…ッ!そうだよね…ルセナはシェズを庇ったから…」

メロス「そこまでだ、エルザ。流石に今のは見過ごせないね」

エルザ「…ごっ、ごめんなさいシェズ。皆もごめんなさい…私、部屋に戻ってる」

リコル「シェズ、気にすることじゃないわ。皆の力を合わせて皆を助けましょう?」

シェズ「うん。お姉ちゃんもクリオスも絶対に助ける」

メロス「少し言葉が過ぎたようだね?テイザー?」

テイザー「俺は間違ったことを言っちゃいない。それに…今のあいつの精神状態じゃ返って足手まといになるだけだ。戦線離脱をするならそれで…ッ!」

・突如、テイザーが顔の傷跡を抑える。

メロス「どうしたんだい?」

テイザー「…ッ!なんでもない!少し外の空気を吸ってくる」

アリウス「テイザー殿!勝手な行動は慎んでください」

シェズ「テイザー…また傷が痛むのかな?」

メロス「ああ、あの顔の傷かい?」

リコル「ええ、今のような事を何度か見たことがあるけど、今回はいつもと違っていたわ」

メロス『いつもと…違う?』

リコル「ほら、シェズ。ルセナとティアの所へ行きましょう?」

シェズ「うん…あの、リコルもリオンの事が心配じゃないの?」

リコル「全然、心配なんかしていないわ。だって…あいつは今までどんな苦難も乗り越えてきたわ。だから、また部屋から出てきて来るって信じているわ」

アリウス「思えば、リコル殿は我々の中で一番彼らと会っていましたからね。その信頼はそれ故という事なのでしょう?」

シェズ「シェズ…エルザにちゃんと謝りたい。リオンやソシエそれにケイルが心配」

メロス「それじゃあ、僕も少し外の見回りに行ってくるよ。一応この街を守る義務というのがあるからね」

アリウス「わかりました。何かありましたら連絡をください」

・城外の木陰で寄りかかって居るテイザーを見つける

メロス「ここにいたんだ、顔の傷跡はどうだい?」

テイザー「お前か…何の用だ?」

メロス「良ければ話してもらえないかい?君の過去をさ」

テイザー「…条件がある。お前も包み隠さずに話せ…ッ!」

メロス「テイザー!?大丈夫かい?」

テイザー「チッ…!」

・メロスを突き出し、ブレードトンファーを持つ忍とつばぜり合いをする。

テイザー「ようやく見つけたぞ…わざわざそっちから出向いてくれるとはな」

コルウス「ほう、某の辻斬りを防ぎきるとは…流石はあの集落の生き残りと言った所か」

テイザー「会いたかったぜ?この傷がうずく時にお前は必ず側にいるって教えてくれるからよ」

メロス「テイザー!今、援護に!」

フレア「そうはさせないわ」

メロス『くっ…星誕教団…数は全部で4人か?』

テイザー「わかるだろ?状況が状況だ…こっちの心配をしている暇はないはずだ。それに此奴には個人的な因縁がある、近寄ったらお前でも容赦しない」

メロス「…わかった。そっちは任せるよ…ッ!?」

・目の前に貴族服を着こんだ青年が現れる。

メロス「ソーレ…ソーレなのか?」

ソーレ「久しぶりだね、メロス。4年ぶりだね。元気にしていた?」

メロス「はぁ…残念だけど、再会を喜んでいる暇はないんだ…君も星誕教団の一員になったんだね?」

ソーレ「ぶ~ぶ~、メロスのいけず~。まぁ、そうなんだけどさ…本題に入るよ。ねぇ、メロス…君はさ、いつまで果たされない約束を守っているのさ?」

メロス「…どういう意味だい?」

フレア「ちょっと、私達の目的は!」

ソーレ「はいはい。新人ちゃんは黙っていてね~。しょうがないな~言い方を変えるよ。君が捜している妹はいつみつかるの?」

テイザー「妹…?」

ソーレ「その様子だと、まだ話していなかったみたいだね。君は行方不明となった妹を探している」

メロス「これ以上僕の邪魔をするというのなら幼馴染の君であろうと容赦はしない…ッ!」

・突如、メロスの動きが止まる。自分の影に糸が縫い付けられているのがわかる。

ソーレ「影人形(シャドードール)…今、君は僕という支配下によって動きを封じている。それじゃあ始めるとしようか。昔々、アレキュリー家というマーキュリーを統べる優秀な貴族がありました。そこの当主であるキュクノスは子宝に恵まれました。それがなんと双子だったのです。兄はメロスと名付けられ、妹はミニスと名付けられました。アレキュリー家は次期後継者を産みとても幸せな家庭を築きあげました。しかし、4年前に悲劇が起きた。神の気まぐれか?または運命のいたずらか?突如、妹のミニスが大きな病にかかった」

メロス「よせ…ッ、ソーレ!」

ソーレ「奇跡的に助かった命には代償がついていた。双子の烙印(ジェミニスティグマ)。ミニスは悲運にも烙印の宿主となってしまった。そんなミニスのことを嗅ぎ付けた星誕教団が誘拐をしたんだ。当時14歳の僕たちはミニスを助けるために救出に向かった。それが向こうにとって思うツボだったけどね…覚えてるよね?メロス?」

メロス「…ッ、駆けつけるもすでに何らか儀式の準備の最中でミニスの命は風前の灯だった。その認めたくない事実を突き付けられ動揺をしていた僕たちは人質として囚われた…僕はそのあとに何が起きたのかを覚えていない…目が覚めた時に見たのは父上の亡骸と君とミニスがいなくなった事だけ」

テイザー「おい。その三流演説を今すぐにでも止めろ…聞くだけで虫唾が走る」

コルウス「よそ見をしている暇など与えんぞ?」

テイザー「くっ…!」

ソーレ「三流演説は酷いな。そこから君は亡きお父上の跡を継いだんだ。それでも挫けずに君は貴族当主としての責を務めていって、行方不明の妹を捜索するのに今日まであきらめずに希望を胸に頑張っている。ここまで言えば泣かせる話なんだけどさこの物語には君にも知らない残酷な真実があるんだよね」

メロス「残酷な…真実?まさか…僕の抜け落ちた記憶?」

ソーレ「そろそろ思い出させてあげるよ。君が本能で忘れようとしている記憶の深層をね?頼んだよ?フレア?」

フレアー「どうなっても知らないわよ?深淵へと誘(いざな)う悪夢の旋律を奏でよ!悪夢の霧(ナイトメアミスト)!」

・突如、濃霧が周辺を包み込む。それは城で待機していたメンバーの所へも漂う。

リコル「何かしら急に霧が濃くなってきたわね…?」

アリウス「リコル殿、この霧に見覚えはありませんか?」

リコル「もしかして、ウィンガードであの森に墜落する前に?」

アリウス「ええ、あの時は私も違和感に気づくのが遅れましたが…その際と同じマナを感じるのです」

リコル「…大至急、他の皆に連絡を…ッ!」

・突如、何者から襲撃を受けリコルが外へと吹っ飛ぶ。

アリウス「リコル殿!…くっ!!」

・同時にアリウスも何者かに襲われる。

アリウス「そんな…なぜ貴方が!」

シェズ『霧…?なんだろうすごく嫌な予感がする…』

・窓を閉めに行こうと動くも背後から何かが近づいてくる。

 

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