十二星座の烙印 -ゾディアックスティグマ-   作:bani

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恩義

星誕教団アジト内最深部

ナレーション「檀上に司祭服を着た中年とエレメントガーディアンの5人が立っている」

レイフ「皆様、集結して頂き…誠に感謝します」

テイザー「何だその服は?」

シェズ「司祭服…主に神に仕える者が着る事を許された服のこと」

リコル「前置きなんてなしでいいわよ、私たちの前でね」

アリウス「そうですとも、我々が貴方に協力するのはあくまでも人質を返してもらう為」

レイフ「ええ、約束は守りますとも…今日は皆様に見てもらいたいのです」

ナレーション「レイフが謎の鉱石で出来た腕輪を渡す」

レイフ「それをつけて侵入者を排除してください、微力ながらお力添えさせて頂きます」

リコル「まさかとは思うけど、こんなプレゼントを渡すために呼び出したっての?だとしたら、もっと雰囲気というものを考えてほしいわね」

アリウス「我々にはこのような品は必要ありません、人質を返していただければそれで…」

レイフ「まぁ、害はありませんので」

ナレーション「腕輪が光りだし、4人の腕に巻きつく」

シェズ「…これは!」

テイザー「くっ…外れん!レイフ…貴様!」

レイフ「あなた方は本当によくやってくれました、安心してください…嘘はついてません、私に害はありませんから」

アリウス「これは…」

リコル「意識が…遠のいて…」

シェズ「くっ…」

テイザー「覚えていろ、レイフ…この借りは必ず返…す…」

ナレーション「エレメントガーディアンの意識は徐々に薄れていった」

レイフ「各自、存分に働いてください」

 

ウィンガード艦外

ナレーション「突然、艦内が揺れだす」

ソシエ「きゃあっ!」

リオン「ソシエ!無事か?」

ソシエ「あっ、ありがとうリオン」

リオン「メロス、何があったんだ?」

メロス「今、原因を突き止めているよ」

ルセナ「おい!外を見てみろ!」

ナレーション「山が地形を変えて襲い掛かる、山頂にはリコルの姿が」

クリオス「あいつの力なのか!」

ティア「岳(がく)麓(ろく)の御使(みつか)いリコル、恐らくは彼女がこの山々を操っているんだと思います、彼女の意識を止める事が出来れば…」

ルセナ「…メロス、あいつの真上まで全速力で進みな」

メロス「まさかとは思うけど…」

ルセナ「そのまさか、やってやるよ?」

メロス「全く…命の保証はしないからね」

ルセナ「当たり前だ!命知らずの海賊を舐めんなっての!」

エルザ「ルセナ…」

ルセナ「寂しそうな面するなって、ケイルの奴に思いっきり言ってやりな?」

エルザ「…うん!」

リオン「頼んだぜ?特攻隊長?」

ルセナ「あんたもな、お姫さんをシッカリとエスコートしてやんなよ?」

メロス「間もなく、到着するご武運を!」

ルセナ「待ってろよ、リコル!」

ナレーション「ルセナ、ウィンガードから飛び降りる手元には蒼色の紅玉(ルビー)、一方のリコルも手元に黒色の柘榴(ガー)石(ネット)を握っていた」

ソシエ「ルセナ、気を付けてね?絶対に無茶しちゃだめだよ!」

ルセナ「我が契約せし、海原の巨(きょ)蟹(かい)よ…我が拳に呼応し、苦輪を生む光を放たん!」

リコル「我が契約せし、山岳(さんがく)の磨羯(まかつ)よ…我が双角に呼応し、数多(あまた)の命を貫き崩さん!」

ルセナ「悪いな、あんたをこっから動かす訳にはいかねぇんだ…受けな!裂(れっ)海(かい)拳(けん)!」

リコル「…遅い」

ナレーション「リコル、ルセナの拳を受け流す」

ルセナ「なっ!?」

リコル「猛き山の淵(ツォルンティーフェヴェルク)」

ルセナ「ちっ…!」

リコル「間一髪、致命傷は免れたようね…正直、ガッカリね」

ルセナ「へっ…こっちこそ準備運動にもならねぇな」

ナレーション「リコルの頬に血が滴る」

リコル「これは…!」

ルセナ「裂海拳は水の刃を飛ばす技さ…この世に水で切れないもんはねぇ」

リコル「あの時に救った子が…まさかここまでの成長をするだなんて、流石は海賊王ラドの弟子といった所か」

ルセナ「知ってるなら吐いてもらおうか親父の事を…!そして私を助けたって事を!」

リコル「いいわ、幼いあなたを乗せた船が沈没した原因…それは海賊王ラドの懇親の一撃によるもの」

ルセナ「でたらめ言うんじゃねぇ!親父があの事故を起こしたってのかよ?」

リコル「当時、幼いあなたは海で遭難した所を私が救助したの蟹座の烙印(キャンサースティグマ)に覚醒をし、同時に船長ラドは己の力の強さに無関係の人を巻き込んだ罪悪感からお前を育てた」

ルセナ「そんなの信じられるか!親父が仇だったなんて…」

リコル「でも、あなたに対していつしか愛情が芽生えたラドは、ついに真実を告げないまま、あなたに船長の座を譲り、自分を犠牲にすることであなたをこの戦いに巻き込まないようにしたのよ」

ルセナ「…」

リコル「だと言うのに、あなたはここに来た!彼の気持ちも無駄にした挙句…ここで散る!」

ルセナ「違う…!確かに親父が私を育てたのが最初は罪の意識によるものだったのかもしれない、それでも私は親父と暮らして毎日が楽しくてずっと刺激的な生活をさせてくれる親父に感謝していたんだあぁぁぁぁぁぁ!!」

リコル「その構えは!?」

ルセナ「ラド拳法秘伝・海竜崩劫(かいりゅうほうこう)拳(けん)!!

ナレーション「リコルの腕輪を破壊する」

リコル「参ったわ、こんな力を秘めていただなんて…」

ルセナ「いい勝負だったわ」

 

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