転生したので、欲望の為に突っ走る   作:やがみ0821

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今年もよろしくお願いします。


再会の裏で繰り広げられる色ボケ話

 

「ふむ……なるほどな」

 

 命の話を聞き終え、レヴェリアは何気なくフレイヤへ視線を向ける。

 すると彼女は首を縦に振ってみせた。

 嘘偽りがない、という明確なサインであった。

 それを見て、命は無意識的に安堵の息を吐く。

 

 ヘイズの案内で執務室へ赴いた命は、フレイヤの【美】に恍惚となりかけるも、根性で耐えて事に臨んだ。

 命からすれば春姫との過去を話すだけであり、それは全て実際にあったことである。

 嘘偽りなどないと断言できるのだが、何分相手はフレイヤとレヴェリアだ。

 緊張するなというほうが無理であった。

 なお、レヴェリアからは春姫との関係だけでなく命達がどうしてオラリオにやってきたのか、極東の状況など幾つか質問されたが、命は分かる範囲で全て偽り無く答えていた。

 

 一息ついた命に対して、レヴェリアは優しく微笑みながら告げる。

 

「春姫にも確認は取れていてな。今後、普通に交流してくれて構わんぞ」

「レヴェリア、駄目よ。もっと分かりやすく言わないと」

「いや、十分分かりやすいだろう?」

 

 おっと何か始まったぞ、と命は身構えた。

 フレイヤとレヴェリアの関係がどういうものであるか、噂によく聞いている。

 とてもではないが信じられないものばかりであるし、天界にいた頃のフレイヤしか知らないタケミカヅチも「あのフレイヤが?」と半信半疑だ。

 簀巻きにして吊るされるなど、その最たるものである。

 それはともかく、フレイヤの口から出てきた言葉は命にとって嬉しいものであった。

 

「いつでもうちに会いに来ていいし、何なら春姫がお泊りしに行ってもいいわよ」

「真ですか!?」

「勿論よ。ね? レヴェリア?」

「ああ、構わないぞ。ただし、春姫の身辺に気をつけてくれ。ちょっかいを掛けてくる者がいるやもしれん」

 

 レヴェリアの言葉に命はハッとした。

 春姫の容姿から付け狙う者がいないとは限らない。

 彼女に手を出すのはフレイヤ・ファミリアに喧嘩を売ることと同義であるのだが、そこまで考えが及ばない者も世の中にはいる。

 命が力強く頷いてみせたところで、フレイヤが口を挟む。

 

「でも一番危ないのはレヴェリアなのよね。性的な意味で……」

 

 それはそうかも、と命は思わず頷きそうになったが、どうにか堪えた。

 するとレヴェリアは無言でフレイヤの両頬を両手で挟んで、ぐにぐにと上下左右に動かし始めた。

 衝撃的な光景に命は目を見開いたが、さらに衝撃的な事が起こる。

 フレイヤが対抗するかのようにレヴェリアの頬を引っ張り始めたのだ。

 

 私は何を見せられているんだろう、と命が現実逃避を始めたところで扉が叩かれた。

 レヴェリアが頬を引っ張られたまま許可を出せば、ヘルンが入ってきた。

 彼女は2人の惨状に目を大きく見開いてみせる。

 その様子を見て命は思う。

 

 【神々の娘(レギンレイヴ)】でも、これには驚くんだな――

 

 しかしながら、ヘルンの思考は命が考えたものとはまったくの別だ。

 2人のイチャコラしている姿は尊さしかなく、ここにいる邪魔者(自分も含む)を早く連れて行かねばならないと決意を強くする。

 

 クールな表情をしているが、ヘルンの脳内はフレイヤとレヴェリアのことでいっぱいだった。

 いつものことである。

 

「フレイヤ様、レヴェリア様……準備が整いましたので、お連れします」

「頼むぞ」

「よろしくねー」

 

 レヴェリアとフレイヤはそう返しながらも、互いの頬を引っ張ったり摘んだりしていた。

 

 

 

 

 

 一体、私はどこに連れて行かれるんだろうか?

 

 前を歩くヘルンを見ながら命は考えてしまう。

 フレイヤとレヴェリアから言質が取れた為、春姫と面会できるどころか今後気軽に訪ねてきたり、タケミカヅチ・ファミリアのホームへ泊まりに来ることまで可能となった。

 軽率ではあったものの結果だけを見れば最上のものであり、言う事無しだ。

 

 だが執務室を出た後、ヘルンから着いてくるよう言われただけで、それ以後説明どころか会話すら無い。

 春姫の近況などを聞いても良いものか、と命が思い悩んでいるうちにヘルンはある部屋の前で立ち止まった。

 

「ここよ。春姫が待っているわ」

「ありがとうございます」

 

 ヘルンから告げられた言葉に命は感謝を述べる。

 そして扉へ向き直り、数度ノックをしてゆっくりと開けば――そこには春姫が満面の笑みを浮かべて待ち構えていた。

 どちらからともなく駆け出し、喜びのあまり抱擁する2人を見ながら、ヘルンは開いたままとなっていた扉を静かに閉め、その場を離れるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 命は目をこれでもかと見開き、わなわなと震えて言葉を紡ぐ。

 

「は、春姫殿が……! 大人になられてしまった……!」

「ま、まだ何にもしてないよ!?」

「まだってことはする予定が!?」

 

 春姫の言葉に、命は食って掛かった。

 事の発端は互いにこれまでのことを話していくうちに、レヴェリアの話となったことだ。

 

 命は噂でしかレヴェリアのことを知らない為、好奇心から春姫に尋ねてみれば――どう聞いても惚気としか思えないような言葉の数々が飛び出してきたのだ。

 しかも、レヴェリアのことを話す際、春姫は頬を赤らめたり嬉しそうな表情となっていた。

 どういう思いを抱いているか、丸分かりであった。

 

「で、でも春姫殿、レヴェリア様は女性で……同性同士は……」

「レヴェリア様は、その……生やせるって皆さんからの証言が……」

 

 春姫の言葉を聞いて、命は天を仰いだ。

 予想だにしなかった言葉が春姫の口から飛び出してきたが為、その衝撃は大きい。

 そんな彼女を見ながら春姫は思う。

 

 皆さんに教えてもらったこと、命ちゃんには言わないでおこう――

 

 入団してそれなりに月日が経過している春姫は、主神(フレイヤ)や姉弟子達によってすっかり染まっていた。

 

 

 

 

 

 一方その頃、執務室ではレヴェリアが仕事を再開していた。

 フレイヤもソファに寝そべって読書をしていたのだが、彼女が読んでいるのはレヴェリアに描いてもらったエロ漫画だ。

 数日前に完成したものだが、早くも11周目に突入していた。

 

 フレイヤからエロ漫画を描いて、といつものようにワガママを言われたレヴェリア。

 忙しいにも関わらず、ちょっと興味があった彼女はついつい承諾してしまった。

 「レヴェリアと私の絡みじゃないとイヤ」とフレイヤは宣ったが、レヴェリアとしてはその程度ならば構わなかった。

 「フルカラーで出して」とか「100P超えの長編にして」などと言われるよりは遥かにマシである。

 またレヴェリアには、第三者視点で自分とフレイヤの絡みを見たいという個人的欲望もあった。

 そんなわけでレヴェリアの凝り性な性格と成長スキルが発揮された結果、レヴェリア×フレイヤの大ボリュームなドスケベ本が完成していた。

 薄い本を作ろうとしたのに、描きたいものを詰め込んでいったら分厚くなったのは些細なことであった。

 

 やがて読み終えたフレイヤは身体を起こして、レヴェリアを呼ぶ。

 

「ねぇねぇ、レヴェリア」

「何だ?」

「この前、生やす薬も完成したことだし……新作はソレを題材にしてみるのも良いんじゃないかなって思うの」

 

 生やす薬は特定サイズのモノを生やすものから、使用者の体格などを参照して見合ったサイズのものを生やすなどバリエーションがあった。

 レヴェリアが欲望のままに、ちまちま研究を進めてきた結果である。

 もっとも、生やす薬の存在と完成はフレイヤにしか伝えておらず、また実際のプレイではこれまで一度も使ったことがない。

 女としての快楽を味わったら絶対に溺れるという確信がレヴェリア自身にあったこと、そして使用者が男の快楽に溺れない、という保証がどこにもなかった為だ。

 レヴェリアはその懸念をフレイヤに対して説明し、最低でも黒竜討伐が終わるまでは使わないと伝えてあった。

 だが、あえてこうやって言ってきたことから、彼女の狙いをレヴェリアは察する。

 

「現実では当面できそうにないから、二次元の中で私をよがらせて楽しもうっていう寸法か?」

「大正解」

 

 レヴェリアの問いかけに、フレイヤはにっこり笑って親指を立ててみせる。

 対するレヴェリアは不敵な笑みを浮かべた。

 

「私がお前に生やすものを小指サイズの超早撃ち、雄として失格のクソ雑魚なものにしないという保証はどこにもないのに?」

「やだやだ! 天界にいた頃に生やしていたサイズを教えるから、それじゃないとやだ!」

 

 天界にいた頃、フレイヤは淫蕩の限りを尽くしていた。

 なお、イシュタルやアフロディーテも似たり寄ったりであり、神の力(アルカナム)を使って生やすなど当たり前のようにやっていた。

 その為、彼女達ならば生やす薬を使ったとしても男の快楽に溺れることはないのだが、レヴェリアが女の快楽に溺れるので駄目だった。

 

 むーっと頬を膨らませるフレイヤに、レヴェリアは肩を竦めてみせた。

 だが、彼女も口ではああだこうだと言っているものの、自分の欲望には素直である。

 

「お前の要望通りにするとして……性癖、詰め込んでいいか?」

 

 レヴェリアからの静かな問いかけに、フレイヤは満面の笑みを浮かべて頷いたのだった。

 

 

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