転生したので、欲望の為に突っ走る   作:やがみ0821

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欲望マシマシ

 

 大いなる戦いを経たフレイヤとレヴェリアであったが、時間も時間であることから恩恵を刻んでも、明日の朝まではひとまず共にいることになった。

 疲れて動けないから抱っこして、と言ったフレイヤにレヴェリアが怒りながらもお姫様抱っこをしてやったが、些細なことである。

 

 

 そんなこんなで、夜遅くに宿場町に到着した彼女達は適当な宿へ入った。

 一息ついたところでレヴェリアに恩恵を刻んだのだが――発現したスキルと魔法は降臨したばかりで知識が乏しいフレイヤであっても、規格外と思えるものばかりだった。

 

 

 

 

 レヴェリア・スヴァルタ・アールヴ

 

 レベル1

 

 力:I0

 耐久:I0

 器用:I0

 敏捷:I0

 魔力:I0

 

 スキル

 

 妖精独唱(フェアリー・オラトリア)

 魔法効果増幅。

 単独戦闘時、強化補正倍加。

 

 妖精闇印(アールヴ・エレベア)

 魔法円の性能強化。

 精神力消費の効率化。

 自身の魔法円内で消費された自身の魔素を精神力に変換し吸収する。

 

 天授万傑(インゲニウム・サピエンティア)

 技能の習熟・熟練度の成長速度強化。

 

 天授魔導(アルス・マグナ)

 精神力増幅及び成長率に高補正。

 魔法系スキル及び修得発展アビリティの効果増幅。

 射程距離及び範囲に高補正。

 魔法行使時、同時多重発動可能。

 先行魔法の魔法円保持。任意発動。

 

 起動鍵:【詠唱解放(レガート)】   

  

 

 我欲冀求(エゴイスト)

 飛躍する。

 思いが続く限り効果持続。

 思いの丈により効果向上。 

 

 加虐嗜好(サディスト)

 【力】【器用】【敏捷】に高補正。

 攻撃回数が増加すればするほど攻撃力及び攻撃速度に補正。

 戦闘時、発展アビリティ『物攻』『連攻』『破砕』の一時発現。

 補正効果はレベルに依存。

 

 被虐嗜好(マゾヒスト)

 【耐久】に高補正。

 攻撃を受ければ受けるほど防御力に補正。

 戦闘時、発展アビリティ『物防』『魔防』『治力』の一時発現。

 補正効果はレベルに依存。

 

 特殊嗜好(アブノーマル)

 【魔力】に高補正。

 精神力を消費することで任意のアビリティを上昇させる。精神力消費量含め任意発動。

 戦闘時、発展アビリティ『魔攻』『治療』『精癒』の一時発現。

 補正効果はレベルに依存。

 

 変態願望(アンドロギュノス)

 両性具有化。部位の任意変更可能。任意発動。

 

 

 魔法

 

 ボルカニックノヴァ

 速攻魔法。

 炸裂鍵:【破墜(ディレンダ)

 

 リーヴスラシル

 範囲内における先天的・後天的傷病の治癒、状態異常回復、損傷・欠損部位の再生・復元、体力・疲労回復、解毒、解呪、精神治癒・安定、浄化。

 効力の取捨選択により出力上昇。

 

 詠唱式:

 【嘆きの夜、悲痛の夜、苦痛の夜、呪いの夜、あらゆる死に至る夜を超え、迎えるは黄金の夜明け】

 【癒やし、清め、祓い給え。黄金の恩寵よ――我が名はアールヴ】

 

 グリモワール・オブ・メモリーズ

 再現魔法。

 行使条件は詠唱文及び対象効果の完全把握。

 

 詠唱式:【魔導の足跡、叡智の鼓動。昔日の彼方に忘却された煌めき。起動せよ――グリモワール】

 

 

 

 無言のまま背中を見つめるフレイヤ。

 間違いとかじゃないだろうかとじっくりと眺め――やがて溜息を吐いた。

 

「おい、何だその溜息は。いったい何が出たんだ?」

「内緒って言ったら怒る?」

「構わないが……そこの窓から投げ捨てさせてもらう」

 

 まったく態度の変わらないレヴェリアにフレイヤはくすくすと笑いながら、羊皮紙に書き写す。

 それを渡されたレヴェリアはさっと目を通す。

 

 そして、彼女が嬉しそうに笑う様子を見つつ、フレイヤはあるスキルに思いを馳せる。

 それは我欲冀求(エゴイスト)だ。

 効果を見る限りでは成長促進であるが、他者からの干渉を跳ね除けられる副次効果がありそうな予感がした。

 

 彼女は物は試しとばかりにレヴェリアの名を呼んで、顔を向けさせた。

 その瞳をまっすぐに見つめ、彼女に対象を絞って【魅了】を使う。

 

 銀の双眸が妖しく輝いた。

 

 魂をも鷲掴みにせんとするその力、それは容赦なくレヴェリアに注がれる。

 【魅了】が通用していると仮定し、フレイヤは命じた。

 

「ひれ伏しなさい」

「お前がひれ伏せ。このたわけ」

 

 レヴェリアによって繰り出されたデコピンによる一撃。

 あまりの痛みにフレイヤは仰け反りながら悶絶してしまう。

 

「急に目を光らせて……目からビームでも出そうとしたのか?」

 

 変わらない態度のレヴェリアにフレイヤは確信し、痛みを堪えながらもその顔に笑みを浮かべてしまう。

 彼女からすれば嬉しくて仕方がない。 

 

 しかし、レヴェリアからすれば意味が分からない。

 フレイヤが急に目を光らせて、女王様の如くにひれ伏しなさいと言ってきたのだ。

 デコピンで思い知らせてやれば、痛みに悶絶しながらも笑みを浮かべるときた。

 

 解説役をレヴェリアは欲していたが、そんな都合の良い存在はいない。

 

「忙しい奴だな……」

 

 そう呟いた彼女は呆れ顔だ。

 フレイヤが駄々をこねた為、一部屋しか取っていないが彼女と同じ部屋にいては休まらない気がした。

 

「部屋を分けよう。そうしてくれ、頼むから」

「やだ! 一緒の部屋がいい!」

 

 断固として譲らないフレイヤにレヴェリアは盛大に溜息を吐いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、彼女達は一夜を共にした。

 情熱的な夜にしようとベッドに侵入を試みる小癪なフレイヤを、レヴェリアはデコピンでもって迎撃。

 

 彼女としてもフレイヤと肌を重ねるのは大歓迎であるのだが、あそこまで色々と聞いた手前、答えを聞くまでは我慢しておこうと思った次第だ。

 しかし、そんな思いなど知ったことではない、あるいは思いを察していてもそれとこれとは別とでも考えているのか、フレイヤは諦めが悪かった。

 

 1時間程の攻防はフレイヤが疲れ果てて眠ったことにより終戦し、ようやくレヴェリアも眠りについた。

 

 

 

 レヴェリアの寝息が聞こえ始めたところでフレイヤは寝た振りをやめた。

 静かにベッドから起き上がり、彼女の傍へと近寄ってその寝顔を眺める。

 

 そして、フレイヤはレヴェリアの頬を優しく指でつつく。

 

「私が求めているのに襲わないなんて……こんなこと初めてよ。本当にあなたには『美』の『愛』が通じないのね」

 

 フレイヤ自身が振る舞いや態度、言動をどれほど醜くしてもその『美』と『愛』に酔いしれるのは当たり前だった。

 だが、レヴェリアはそうならなかった。

 

「変態の癖にかっこつけちゃって」

 

 フレイヤは指でつつくことをやめて、レヴェリアの頬を優しく撫で始める。

 

 現状、どういう答えを出すのか彼女自身にも予想がつかない。

 内容的にはハーレムを認めるかどうかというだけであるのだが、フレイヤとしては重大な決断だ。

 

 本音で考えるならばハーレムは認められないの一言で終わるのだが、そうするとレヴェリアは自分からあっさりと離れてしまうのではないかという不安がある。

 

 彼女を何としてでも手に入れたいが、女神では絶対に手に入れられないことがこの短い時間で嫌でも分かってしまった。

 となると、女神ではないフレイヤが頑張るしかないのだが――そもそも女神ではないフレイヤとは何者か?

 

 フレイヤ自身ですら気づいていなかった己の本質。

 それすらもレヴェリアによって暴かれてしまった。

 女神の仮面を被っていたのは――ただの我儘な小娘だ。

 

「……今ここで襲ったりはしない。でも、あなたの寝顔はたっぷり堪能させてもらうから。それくらいはいいわよね?」

 

 眠っているレヴェリアが答えるわけもなく、彼女の寝顔を堂々とフレイヤは見つめるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 昼頃になってレヴェリアが目を覚まし、横に気配を感じて視線を動かすと――そこには気色悪い笑みを浮かべたフレイヤがいた。

 

「……デコピンをやっていいか?」

「それはやめて」

 

 オデコを両手で防御するフレイヤに対して、レヴェリアは隙だらけのお腹を突ついてやった。

 きゃん、という可愛い悲鳴を上げてお腹を抑えるフレイヤ。

 ジト目で彼女を見ながらレヴェリアが問いかける。

 

「別れの挨拶を済ませてなかったから、待っていたのか?」

「違うわ。お腹が空いたから、ご飯を食べたいの」

 

 微笑みながら答えたフレイヤに、レヴェリアは無言でベッドから起き上がった。

 そして、サイドテーブルに置いてあったバックパックに手を突っ込んで財布を取り出す。

 その中から適当に金貨を掴んでフレイヤに渡そうとするが――彼女は受け取りを拒否した。

 

 むすっとした顔でフレイヤが望みを伝える。

 

「私はあなたと一緒にご飯を食べたいの」

「私の予想だとご飯を食べた後もついてきそうな感じがするが……別行動という話はどこいった?」

「将来的には別行動をするわ。でも、今はまだ駄目。それにほら、私みたいな小娘を路銀も持たせずにほったらかしにしたら……何をするか分からないでしょ?」

 

 ドヤ顔で脅迫してくるフレイヤに対して、レヴェリアは苦虫を噛み潰した表情となる。

 本当に何かをやらかしそうな気がする為、とてもではないが放置できなかった。

 

「どこまでついてくるつもりだ?」

「あなたが目的地としているところまで。どこなの?」

「アルテナだ。様々なことを学びたいと思っていてな」

「じゃあ、私もついていくわ。面白そうだし」

 

 いけしゃあしゃあと宣うフレイヤに答えず、レヴェリアはカーテンを開けて窓の外を眺め見る。

 今日もいい天気だった。

 

「……昼は焼肉だぞ」

「パスタがいい。パスタにしよ?」

「昼はパスタ、夜は焼肉。OK?」

「OK!」

 

 レヴェリアの提案にフレイヤは満面の笑みを浮かべてノリ良く答えるのだった。

 

 

 

 

 この後、宿を出た彼女達であったがフレイヤの美によって道行く人々が彼女に見惚れてしまい騒動になってしまう。

 昨晩は時刻が遅かったこともあってか、人通りがほとんどなかったが為に騒動にはならず、宿の店主が見惚れた程度であったことがレヴェリアが気づかなかった原因だ。

 フレイヤはこうなることを予想していたが、レヴェリアの反応が面白いことになりそうだったので何も言わなかった。

 

 人目につかぬようレヴェリアは自らの外套を着せて、適当な店でフレイヤの外套を買おうとしたが――レヴェリアのものがいいと彼女は駄々をこねた。

 レヴェリアは仕方がなくフレイヤに外套を譲ってやり、自分のモノを新しく購入する羽目になった。

 

 

 

 

 




フレイヤのヒミツ

実はノリが良い。
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