転生したので、欲望の為に突っ走る   作:やがみ0821

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微エロ。


人生の勝者

 

 レヴェリア対参加する全派閥・個人――

 

 そんな無茶苦茶な戦争遊戯のことは、あっという間に全世界へ広まった。

 いくら何でもレヴェリアが勝つのは無理だという見方が大勢を占め、賭けが成立しないからという理由で賭け自体が開催されない珍事となった。

 

 ならば、とレヴェリアは手を打った。

 彼女は自分が勝利することに、全財産を賭けると公表して賭けにのってくるよう煽ったのだ。

 神々や冒険者達がこの流れに乗らないわけがなく、彼等彼女等に釣られる形で民衆も賭け始めた。

 レヴェリアの全財産となれば、見たことがない桁の金額であると誰もが予想した為に。

 公平を期す為に賭けの胴元はガネーシャ・ファミリアであり、レヴェリアが個人的に依頼を出して頼んでいたこともこの流れを後押しする一因となった。

 

 さて、戦争遊戯――派閥大戦と呼ばれ始めていた――に向けて、世界中から参加するべく派閥や個人が続々と集結し始めていた。

 レヴェリアの強さを見てみよう、あるいは勝ち馬に乗って僅かでも甘い汁を吸いたい、といった理由が主だ。

 しかし、中には力試しをしたいという血気盛んな派閥・個人や、この機に乗じてレヴェリアを暗殺してやろう、と企む者もいた。

 参加を決めた理由は様々だが、全員に共通した認識がある。

 ゼウスとヘラとロキとレヴェリア以外のフレイヤ・ファミリアが味方ならば、勝てないわけがないというものだ。

 

 また、この派閥大戦を生で――正確には神の鏡を使ってオラリオで――観よう、と早くもオラリオ入りする者達も多い。

 そして、ゼウスやヘラ、ロキにフレイヤだけでなく今回参加を表明した派閥は挙ってダンジョンに篭もっていた。

 

 

 

 そのような中、レヴェリアはというと――女の尻に敷かれていた。

 物理的な意味で。

 

 

 

 レヴェリアからのプレゼントである精巧な細工が施された煙管を吹かし、その煙をわざと彼女の顔にかけてやる。

 現在、レヴェリアは全裸で目隠しをされ、猿轡を噛まされて四つん這いになっていた。

 彼女の背中には赤紫髪の女性が座っている。

 

「なぁ、レヴェリア様よぉ……ダークエルフの王女様で、ベヒーモス討伐の立役者で、すげぇ強くて金持ちのアンタが……スラム生まれの小汚い娼婦の椅子になって、喜んでいていいのかぁ?」

 

 そう言って笑う彼女の名はヴァレッタ・グレーデ。

 物心ついた頃から弱いものをイジメて嬲ることが大好きだった彼女は、5年前――13歳の時に闇派閥に入ろうとオラリオにやってきた。

 

 しかし、入ることはなかった。

 

 勢力が減退しているという噂はヴァレッタも聞いていたが、予想以上に酷かったからだ。

 支援していたスポンサーの大半が手を引いてしまったこと、神時代史上もっとも強い眷族達と称されるほどに冒険者の平均レベルが全体的に高いこと。

 この2つに加えて、レヴェリアの存在が大きく影響をしていた。

 

 闇派閥を支援していた個人や勢力には、かつてレヴェリアを暗殺しようと依頼をした者や依頼を受けた者も多い。

 当時ですら殺せなかったのに、今のレヴェリアを殺せると考える者はどこにもいなかった。

 

 闇派閥といえど、資金や物資がなければどうにもならない。

 ダンジョン産の魔石やドロップアイテムを取ってきて、ギルドを通さずに都市外へ売り捌くというのが闇派閥の主な収入源だ。

 足元を見られることも多かったが、取引相手は多かった。

 しかし、今や取引相手は皆無である。

 リスクとリターン、その天秤がリスク側に大きく傾いたからこそ引き揚げるのは早かった。

 

 入ろうと思っていた闇派閥はお先真っ暗、連中に明日食うメシがあるかも分からない。

 ヴァレッタは残虐な性格であったが、明確な思想があるわけではない。

 あくまで個人的な欲望の為、闇派閥に入ろうとしていただけであり、ひもじい思いをしてまで秩序に歯向かおうとは思わなかった。

 

 かといって、生まれ故郷のスラムに帰るのも嫌だった。

 小物臭いところはあるものの、頭は良い彼女は考えた。

 

 弱いものイジメがしたい、強者の無様な姿が見たい、一方的に嬲りたい――

 

 そんな自分の欲望を叶えることができるところはないか?

 

 自問自答した彼女が目を向けたのは歓楽街、それもディープな一角。

 SM専門の娼館が立ち並ぶ区画だ。

 

 一番大きいところなら競争は激しいが、社会的地位の高い客も来るだろう――

 

 そんな軽い気持ちで彼女が入った店は、イシュタル・ファミリアがケツ持ちをしているところだった。

 そこからは簡単だ。

 

 新米娼婦として入店したヴァレッタは勤務初日、新しい子が入ったと聞いてやってきたレヴェリアと出会ったのである。

 

 色ボケとは聞いていたが、マジかよ――

 

 当時ヴァレッタはそんなことを思いながら呆れたものの、レヴェリアからお任せという言質を取り、自分の好きなようにやってみた。

 

 結果、レヴェリアに気に入られてあれよあれよという間に、愛妾となってしまったのである。

 そして現在、ヴァレッタは優雅かつ裕福な暮らしをしていた。

 レヴェリアからは庭付きの洒落た一軒家をプレゼントされ、また定期的に渡される生活費と小遣いは、闇派閥に入っていたら絶対に拝めない金額であった。

 

 そして、ヴァレッタの個人的な欲望も十分に満たされていた。

 レヴェリアという物理的にも社会的にも、これ以上ないほどの圧倒的強者を好き放題できているからだ。

 

 また、レヴェリアの治癒魔法もヴァレッタ的には超高評価である。

 即死さえしなければどんな傷も病気も治るという、反則的過ぎる代物はSMプレイには最適だ。

 なお、天界基準のド変態ド淫乱であるレヴェリアの性癖は、ヴァレッタでも驚くものが多かった。

 とはいえ、2人の間で目隠し猿轡全裸四つん這いは序の口であることは間違いなかった。 

 

「んー、そうだなぁ……私の人生に、神々っぽいタイトルをつけるんなら……『スラム生まれの私が都会で娼婦を始めたら、初日に超大金持ちの英雄王女に気に入られました』ってところかぁ……?」

 

 けらけら笑いながら、ヴァレッタはレヴェリアの形の良い大きな尻を叩く。

 快音が響き渡り、びくりと彼女は体を震わせた。

 

「愛してるぜぇ、レヴェリア様ぁ! 一生、私を養ってくれよなぁ! ガキもたぁくさん産んでやるからさ! 気持ち良くなろうぜぇ!」

 

 冗談めかして言っているが、ヴァレッタは本気である。

 こういう言い方になってしまうのは、彼女なりの照れ隠しだ。

 

 レヴェリアは、彼女のこういうところがとても可愛く感じていた。

 世間一般的には品性がないと嫌悪されるものだが、レヴェリアからすれば却って新鮮であった。

 

 しかしながら、レヴェリアはドMであるがドSでもあるハイブリッドだ。

 下品に笑っていたヴァレッタであったが、突如としてレヴェリアが立ち上がったことで背中から落ちて床に仰向けになった。

 

「……へ?」

 

 思わず間の抜けた声を出してしまうが、実のところ若干演技が入っている。

 ここからは逆転だ。

 

 すなわち、良いようにされていたレヴェリアによる逆襲。

 ヴァレッタはこれから犬のように躾られるのだ。

 レヴェリアと体を重ねるようになって、ヴァレッタは分かったことがある。

 

 私ってマゾの素質があったんだな、と。

 

 目隠しも猿轡も外したレヴェリア、その冷徹な表情によって見下されるとヴァレッタは興奮と期待に体を震わせた。

 

「ヴァレッタ、狂わせてやる」

「はっ、やってみろよ。てめぇの貧相なモノで私が満足するわけがねぇ!」

 

 そう返すヴァレッタであったが、その体はすっかり火照っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「んでよ、勝てんのか?」

 

 ベッドの上でヴァレッタはレヴェリアに腕枕をされながら、何気なく問いかけた。

 対するレヴェリアは気負いなく答える。

 

「勝てるとも」

「正直、負けて無一文になったお前を嘲笑いたい気持ちもあるっちゃあるが……」

 

 そこでヴァレッタは言葉を切り、レヴェリアの上に覆いかぶさった。

 彼女の黄金の瞳を見つめながら、ヴァレッタは告げる。

 

「負けたら承知しねぇ。てめぇは頂天にいろ。でないと、私がイケねぇだろ」

 

 そう言って彼女はレヴェリアの唇に己のものを重ね、そのまま無理矢理舌を口内にねじ込んだ。

 しばらく口づけを交わし、やがてヴァレッタは離れた。

 

「見せろよ、お前の力を私に。お前のガキを孕みてぇって、アマゾネスみたいに私の頭をピンク一色に染めてみせろよ」

 

 そう告げて不敵な笑みを浮かべたヴァレッタに対して、レヴェリアは獰猛な笑みを浮かべた。

 

「無論だ。期待に応えよう」

 

 レヴェリアが答えた直後、玄関扉を激しく叩く音が聞こえてきた。

 扉が壊れるんじゃないかと思えるほどの激しさであるからこそ、誰が来たのか、2人は予想ができてしまった。

 

 

 

 

 

 

「まったくお前というヤツは! 様子を見に帰ってきたら、これだ! この色情狂のド変態ド淫乱め!」

 

 プンスカ怒りながら、レヴェリアに容赦なく蹴りを入れるアルフィア。

 

「なぁ、レヴェリア。私が言うのも何だけどよぉ……痛くねぇの?」

 

 恩恵のないヴァレッタでは蹴りがまったく見えなかったが、常人が食らっていい威力ではないことだけは分かった。

 しかしレヴェリアは蹴られているのにまったく微動だにせず、大丈夫だと答えた。

 そこでアルフィアの矛先がヴァレッタに向いた。

 

「ヴァレッタ・グレーデ! お前もお前だ!」

「まぁまぁ、アルフィアちゃん。私みたいな恩恵のない市民に嫉妬したりしないでくれよぉ……レヴェリアの色ボケはいつものことだしよぉ……こう見えて、私も苦労しているんだぜぇ? 私以外にも女をたっくさん作っていやがるしよぉ」

 

 そう言って、へらへら笑うヴァレッタ。

 恩恵を持っているならばともかく、さすがのアルフィアも何の力も持たない市民に手を上げたりはしない。

 苦虫を噛み潰したかのような顔となるアルフィアであったが、ここでレヴェリアが動いた。

 

「アルフィア、今からダンジョンに行くぞ。そこでなら思う存分にやれるだろう?」

「戦争遊戯を待たず、お前を倒してやるからな! 覚悟しろよ!」

 

 怒り心頭でありながらも、レヴェリアの手を引っ張ってズンズンと歩いていくアルフィア。

 そんな2人を見て、ヴァレッタはニヤニヤと笑っていた。

 

 

 

 

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