転生したので、欲望の為に突っ走る   作:やがみ0821

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ドバっと更新しました。


派閥大戦後のあれこれ

 

 自国へ戻る馬車に揺られながらアスフィは、レヴェリアとの会話を思い出し、顔がにやけるのが止まらなかった。

 派閥大戦終了後、大きな発表が3つもあり、そのうち1つはアスフィに直接的な関係はなかったものの、残る2つは驚くべき内容だった。

 しかし、彼女にとっては、それらよりも重要かつ嬉しいことがあった。

 

 派閥大戦終了後、すぐに彼女はレヴェリアとの面会を予約する為、使者を出した。

 忙しいからすぐには会えないだろう、と思っていたが、予想に反して派閥大戦終了から2日後には彼女の方からアスフィの滞在先へ手土産をもって出向いてくれた。

 

 アスフィがレヴェリアとの面会を取り付けた目的はただ一つ。

 派閥大戦時、思い描いた光景(妄想)を現実のものにする、という一心によるものだ。

 

 レヴェリア様の傍で学ぶためにも、将来はフレイヤ・ファミリアに入団したい――その旨を伝えた。

 

 フレイヤ・ファミリアの大変よろしくない環境について、その際にレヴェリアから詳しく説明された。

 だが、それでもアスフィの心は変わらなかった。

 

 もう少し大きくなって、それでも熱意が変わらなかったら勧誘する――彼女の決意を見て、そのようにレヴェリアは約束した。

 そのことがアスフィには、嬉しくてたまらなかった。

 

 

 

 

 

 

「レヴェリアちゃんが海洋国(ディザーラ)のお姫様に目をつけとるらしいな?」

「ええ、そうみたいね」

 

 ロキの言葉に、そう答えてフレイヤは頷いてみせた。

 現在、2柱はカフェの個室にてお茶会の真っ最中だが、そもそもの発端はロキがフレイヤ・ファミリアのホームを訪ねてきたことだ。

 

 派閥大戦から2週間。

 眷族達が揃ってダンジョンに行ってしまって暇なロキは、レヴェリアとしっぽり過ごそうと画策したものの、既に彼女は出かけていた。

 同じく暇を持て余していたフレイヤが誘って、そのままお茶会と相成ったわけである。

 

 四派閥の面々は、今回も敗北したが――その闘志に衰えは一切ないどころか、かつてない程に滾っていた。

 なぜならば、最終盤のオッタルとの対決時、レヴェリアが奥の手を出したことにある。

 本人が言っていたように、辛勝ではなく圧勝の為であったかもしれない。

 しかし、奥の手を使うという判断を彼女が下したことは事実だ。

 

 無論、レヴェリアとて停滞したままであるわけがない。

 だが、『頂天』を目指す者達にとって、今回の一戦は光明であった。

 

「ついに子供の時から自分好みに育てようっちゅう作戦か?」

「それもないわけじゃないと思うけど、戦力強化の側面が大きいわね」

「入団させるんか?」

「どうしようかしら……」

 

 わざとらしく首を傾げているフレイヤに、ロキは肩を竦めてみせる。

 

「自分、どうするかはもう決めているんやろ?」

「ええ。まだ幼いけど、今後が楽しみな美しい魂だったもの……それと、たぶんあの子以外にもレヴェリアは引っ掛けてくると思うわ」

「これまで真面目清楚一途後輩系美少女エルフを伝説の財宝の如く追い求めていたのに、まったく成果がなかったレヴェリアちゃんが? 嘘やろ」

「状況が変わったじゃない」

 

 フレイヤに言われて、ロキは何のことだと一瞬思ったが、すぐに気がついた。

 

「あの子が『学区』に資金提供を申し出たのは、恩を押し売りして『学区』に集まった美少女達を独占するつもりやな……!」

「それだけではないと思うけど、それもあるのは確かでしょうね。『学区』はバルドル達も絡んでくるから、あなたは大変ね」

 

 にこにこ笑顔で告げるフレイヤに、ロキは口を尖らせる。

 

「おのれ、バルドルめぇ……ほんま、気に入らんわ!」

「ちなみに、『学区』ではレヴェリアも非常勤講師みたいな形で参加するかもしれないわ。『学区』への参加を表明しているイズンから、お誘いの手紙が来たのよ」

「美少女相手にエッチな授業をするんやろ!? うらやまけしからん! せめてその光景を見たい! 見せろ!」

「急に豹変しないで」

 

 フレイヤのツッコミを聞きながら、ロキは紅茶を一気飲みする。

 気を落ち着かせたところで、あることに気がつく。

 

「そういや、カーリーんところのアマゾネス達、レヴェリアちゃんは対応したん?」

「しばらくイシュタルのところに滞在するらしいから、後回しにするみたいよ。人数も多いし」

「引き抜き、掛けるんかな?」

「カリフ姉妹は欲しいって言ってたけど、私の見る限りではカーリーが手放さないわね」

「やろうなぁ。本神もあの姉妹は素質があるって言うとったし」

 

 そう言って、ロキは椅子の背もたれにもたれ掛かった。

 

「今頃、レヴェリアちゃんはヴァレッタちゃんとヨロシクしとるんやろなぁ……伴侶(オーズ)が浮気しとるで?」

「私って器が大きい女だから、全然気にしないわ」

「おっ、せやな。レヴェリアちゃんが天に還ったら、転生もさせず永遠に自分のところに縛りつける女だもんなぁ……ほんま、器が広いわぁ」

 

 ケタケタ笑うロキに対して、フレイヤは余裕である。

 

「だってその提案、レヴェリアからしてきたんだもの。ハーレムを作りたいから、その対価として」

「知っとるで。本人から聞いた。んで、実際にどうするん?」

「契約は守ってもらうわ……でも正直、あの子は退屈を感じなさそうなのよね」

「永遠を知らん子はそうやろ」

 

 ロキの指摘に対して、フレイヤは首を横に振ってみせる。

 そして、彼女は満面の笑みを浮かべた。

 

 あ、これアカン展開や。惚気けが始まる――

 

 瞬時に察したロキであったが、逃げ場などなかった。

 

「ねぇ、聞いてよロキ。レヴェリアったらね、天界でやりたいことリストを作って、不定期に渡してくるのよ。でね、新しいものを渡してくる度、やりたいことが増えているの」

「何やて?」

 

 さすがのロキも予想外の単語が飛び出してきたことに、驚きつつも興味を引かれてしまう。

 するとフレイヤは、よくぞ聞いてくれましたとばかりに大きく頷いた。

 

「新築ボロアパート、四畳半で1Kの狭っ苦しい間取りの部屋で煎餅布団を敷いて、私と汗だくになりながらエッチなことをしたいって!」

「前々から思っとったけど、あの子ってほんま神々(うちら)寄りの感性やな!?」

「あとね、私と甘酸っぱい学生生活を送りたいって! 暇な神々を集めて生徒とか教師とかをやってもらえば、それっぽくなるだろうって!」

 

 神の力(アルカナム)を使えば基本的に何でもできるので、そういうことも勿論可能だ。

 そして、神々は暇を持て余しているので、こういったことに食いつく可能性はとても大きい。

 フレイヤの口からとめどなく溢れ出てくる、レヴェリアが天界でやりたいこと。

 

 色ボケ(フレイヤ)がやりたいことかもしれん、とロキは考えたが――話を聞く限り、どれもこれもレヴェリアの趣味嗜好でしかなかったので、彼女のやりたいことであるのが分かってしまった。

 

「なぁ、フレイヤ。盛り上がっているとこ悪いんやけど、イシュタルとかアフロディーテとか他の女神とかが来たらどうするん?」

「渡すわけないじゃない。でも、擬似的なNTR展開ってレヴェリアの大好物なのよね。仕方がないから、レヴェリアの前で私がイシュタルとアフロディーテに良いようにされて……」

「自分が寝取られるんかい!」

「当たり前よ。レヴェリアが寝取られるなんて、私の脳破壊にしかならないじゃない」

「でも本音は?」

「すまないすまないって言いながら、快楽に溺れるレヴェリアを見たら絶対興奮すると思うの」

「いつも三女神でヨロシクやっとるけど、そういうのはまだやっとらんの?」

「前段階からしっかりやらないといけないから、解釈の違いとかもあって議論が平行線で……」

 

 美の女神達も大変なんやな、とロキはウンウンと頷いた。

 そして、彼女は素晴らしい(しょうもない)解決策をたった今、閃いたのでそれを自信満々に胸を張って伝える。

 

「しゃーないな。間を取って、うちがレヴェリアちゃんを寝取る展開でええやろ。レヴェリアちゃんと天界を面白おかしく引っ掻き回したるわ」

「へぇ、面白いことを言うじゃない……この絶壁」

「レヴェリアちゃんが教えてくれた! 小さいの大きいのも全てのおっぱいに貴賤はなし! あるのはエロだけだと!」

「大は小を兼ねるという言葉を知らないのかしら? あ、小しかないから知らなくても無理はないわね」

 

 そこから無言となって互いに睨み合う。

 そして、2柱はおでことおでこをゴツン、と互いに当てて押し合う。

 

「今日こそは決着をつけてやるで! この色ボケ!」

「無駄な足掻きね!」

 

 なお、あまりにも大きな声での会話であった為、途中から個室の壁を貫通して他の客や従業員達にもまる聞こえだった。

 しかし、ロキとフレイヤがしょうもないことでわーわーきゃーきゃー言っているのは、よくあることなので誰も気にしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「……なぁ、レヴェリア。私としちゃ嬉しいんだけど……いいのか?」

 

 思わずヴァレッタは問いかけてしまった。

 派閥大戦時、フレイヤを筆頭とする女神達や他の連中との兼ね合いで、自分のところに来るのはしばらく先のことだと予想していた。

 しかし、派閥大戦終了から2週間が経った今日、レヴェリアはヴァレッタの家を訪ねてきた。

 手土産としてヴァレッタが好む、華美な装飾品を携えて。

 

「聞くのが遅くないか?」

 

 既に一戦どころか五戦した後だ。

 いつものエグいプレイはひとまず無しで、今のところは普通のプレイであった。

 

「いや、だってよぉ……女神サマ達とか色々いるだろ?」

「イシュタル様とアフロディーテを除けば、私の実力をよく知っている者ばかりだからな。特別、何かをするわけでもないさ」

「ということは2週間、2柱に搾られただけか?」

「終了後、後片付けや要人(アスフィ)との面会などで忙しかったから、搾られたのは10日程だ。途中からフレイヤも乱入してきたぞ」

 

 フレイヤが最初から参戦しなかったのは、眷族達のステイタス更新があった為だ。

 フレイヤ・ファミリアの団員は多い。

 また、何だかんだで眷族達のことが可愛いフレイヤは、ステイタス更新の際に色々と話をする為、1人に掛ける時間が長くなりがちだ。

 今回のように、大勢の団員のステイタスを更新する必要が出てくると、毎回終わるまでは神室に缶詰状態であった。

 

 ひぃん! ステイタス更新が終わらないの! レヴェリア、助けて!

 私がどうにかできるわけがないだろう!

 

 泣きながらしがみついてくるフレイヤに対して、レヴェリアがそう言い返すのは恒例行事と化していた。

 

 そんな裏事情を知る由もないヴァレッタは軽く溜息を吐いた。

 

「オラリオどころか、世界中が大騒ぎしたっていうのによぉ」

「どの発表だ?」

「全部だよ。黒竜討伐延期もお前の資金提供も、敗北した派閥連合への要求も……どれも未だに信じらんねぇ」

 

 ヴァレッタが思い返すのは、派閥大戦終了後に行われた会見だ。

 神の鏡を通して行われたそれは、ギルド長ロイマン及び四派閥の主神達と団長達が揃って出席した。

 

 その会見にて、発表されたのが黒竜討伐の延期だ。

 

 あれだけの戦力があることを派閥大戦で示したにも関わらず、延期という予想外の発表に誰もがどよめいた。

 さすがにヴァレッタも驚いたが、その説明を聞けば納得するしかなかった。

 

 黒竜の強さは不明であるが、竜の谷最奥に封じられてからの彼の竜による被害状況がロイマンにより、会見にて明かされた。

 近年のものでは大国を一夜にしてブレスで消し飛ばしたというものであり、その話はヴァレッタも嘘か本当かわからない噂として、耳にしたことがあった。

  

 今回、その詳細がロイマンの口から語られた。

 

 もっとも衝撃的であったのは竜の谷最奥からその大国の中心部まで、直線距離で少なくとも100Kを超えていること。

 それほどの超遠距離から放たれたブレスでも圧倒的な威力があるだけでなく、それが黒竜の本気ではないかもしれないという予想は驚倒であった。

 

 陸の王者(ベヒーモス)海の覇王(リヴァイアサン)はそれぞれ特徴的な能力を持っていたが、総合的なスペックでは後者が勝っているということも今回の会見では開示された。

 その上で、あくまで予想としてギルド及び四派閥が出した黒竜の推定レベルは――()()()()()()()1()1()()()

 おそらくレベル9では歯が立たない、何もできずにブレス1発で全滅しかねない、とレヴェリア自身が語った。

 

 だが、絶望ばかりではなかった。

 竜の谷から漏れ出てくる竜達に対して、四派閥及び希望者による討伐隊を編成し、ローテーションを組んで派遣すること。

 そして、派閥大戦のような鍛錬を四派閥及び希望者にて今後も定期的に行い、戦力の早期向上を目指すことも併せて発表された。

 

「黒竜ってやっぱヤバいんだなぁ……」

 

 そう呟くヴァレッタの表情を見る限りでは、不安がっているようには見えない。

 だが、レヴェリアは彼女が不安などを表に出さないことを知っていた。

 

「安心しろ。期限を定めた延期ではないが、中止というわけではないからな」

 

 レヴェリアはそう告げて、ヴァレッタの頭を優しく撫でる。

 長髪も似合いそうだな、と彼女は以前に言ったことがあるが、それ以来ヴァレッタは髪を伸ばしていた。

 肩口あたりまで伸びてきている彼女の髪は、よく手入れがされており、さらさらとしていて手触りが良い。

 それを堪能しながら、レヴェリアは根拠を伝える。

 

「今回の派閥大戦みたいなことを、私達は今後も定期的にダンジョンの50階層で行う。レベル10に至る者が出るのは確実だ。無論、それで終わりではない」

 

 それだけで十分過ぎる説得力があったが、レヴェリアは更にダメ押しとばかりに伝える。

 

「最低限の休憩こそあるが数ヶ月程、ぶっ続けでやるのが基本だ。今回のことがきっかけで今後は参加者が増えてくれると思う」

「頭おかしいだろ。増えると思ってんのか?」

「増えるとも。冒険者がどういうものか、見ただろう?」

 

 レヴェリアに何度叩きのめされても立ち向かう、あの姿はヴァレッタとしても、頑張りは認めてやらないわけでもない。

 しかしながら、彼女には言いたいことがあった。

 

「本当にハラハラさせやがって! 初手から全力で叩き潰せば、お前の圧勝で1時間くらいで終わっただろ!」

「公開鍛錬も兼ねていたからな」

「あれだけ引き伸ばして、最後に負けましたってなったら、お前をはっ倒していたところだぞ!」

 

 食って掛かるヴァレッタ。

 彼女の心にあった不安が消えていることが窺えた為、レヴェリアは微笑んで告げる。

 

「負けないさ。お前から『頂天』にいろって言われていたからな」

 

 そう言われると何も言い返せないヴァレッタは、レヴェリアを睨みつけながらも、その唇に自身のものを重ね合わせた。

 舌を絡ませて、よく堪能したところでヴァレッタから離れて尋ねる。

 

「で、お前の資金提供……あれも本当か?」

「本当だとも」

 

 黒竜討伐延期の発表が終わった直後、まだ神の鏡による中継がされている中で、レヴェリアがロイマンに対して伝えたのだ。

 

 『学区』の建造費用はギルドが負担しているが、費用が嵩んで財政を大きく圧迫している――

 今回の賭けで得た利益を全て『学区』の建造資金として提供する――

 

 レヴェリアが言ったことは要約すれば、その2点である。

 

 ギルドが音頭を取って、計画を進めている『学区』――『海上学術機関特区』はリヴァイアサン討伐戦で使用した足場をベースとして、リヴァイアサンのドロップアイテムと多数の浮力発生装置を使用した空飛ぶ学び舎だ。

 世界中を巡って有望な人材をオラリオに集めること、知識を集約・集積して各種研究を効率的に進めることなどを目的としている。

 既に幾つかの学術系派閥は『学区』への参加を表明しており、そこにはレヴェリアも世話になったイズン達、アルテナに居を構えている神々も含まれていた。

 『学区』は2年後の竣工・就役を目指しているが、前代未聞の超巨大艦ということで当初の想定よりも費用が跳ね上がっていた。

 建造予算はギルドが全面的に負担しているが、財政面の圧迫は無視できないレベルになりつつある。

 

 そのことを小耳に挟んでいたレヴェリアは恩を売るためにも今回、資金提供を申し出たというわけであった。

 派閥大戦終了後、建造資金調達の為に四派閥による合同遠征の強制任務(ミッション)が出されることが容易に予想できたからだ。

 四派閥合同遠征によって得られる利益は毎回莫大なもので、ロイマンが満面の笑みを浮かべる程だ。

 費用が足りなくなる度に強制任務(ミッション)を出せば、ギルドの懐をそこまで痛めることなく建造できる――という寸法であった。

 

 無論、この資金提供に込められた意味を正確に察したロイマンは表向きには笑顔であったが、内心までも喜んでいたわけではない。

 傍から見れば美談であるが、実際のところはギルドに対してデカい貸しをレヴェリアが作ったのである。

 その場では感謝しつつ、持ち帰って検討するとロイマンは答えるに留めた。

 しかし、事前に逃げ道を塞がれたこともあって、彼は拒否する為の理由を見つけることができず、申し出を受け入れるしかなかった。

 そもそも、レヴェリアがそんな申し出をしてくること自体が誰も予想しておらず、青天の霹靂であった。

 

「あーあ、大国の国家予算みたいな額だったのに……もったいねぇ」

「必要なら私がもっと稼ぐとも。ところで、そのくらいのカネがあったとして、お前ならば何に使う?」

 

 そう言われると、ヴァレッタとしても思い浮かばない。

 放蕩三昧の生活はもうやっている。

 財政が傾いている小国を国ごと買って女王として君臨する――というのもできなくはないかもしれないが、統治するのが死ぬほど面倒くさそうだ。

 オラリオの超一等地を買い占めて、適当な商会に貸し出して継続的に富を得るという手もあるが、結局カネが増えるだけに思える。

 

「……使い道が思い浮かばねぇ」

「そうだろう? 散財するにも限度があるからな」

 

 そう言いながら、レヴェリアはヴァレッタの頬に手を当て優しく撫で始める。

 彼女に撫でられながら、ヴァレッタは尋ねる。 

 

「派閥連合への要求、あれもすげぇよな。何年先になるか分からねぇのによぉ……」

 

 派閥大戦の翌日に開かれた臨時の神会にて、フレイヤが派閥連合に求めたのは『黒竜討伐の協力』だ。

 討伐隊としての参加は勿論、サポーターとしての参加でも、あるいは金銭・物資面での支援――金額や物資の量などは派閥規模に応じたものになるが交渉可能――でも構わない。

 黒竜討伐を実行した際、何かしら負担してもらうのがその趣旨であった。

 

 眷族の引き抜きや派閥の生殺与奪権を握るような要求はしない、と事前にフレイヤが言っていたこともあり、敗北した派閥の主神達だけでなく眷族達も安堵した。

 

「神同士の契約は、何年経とうとも有効だ。今回は神会を通しているから、契約の拘束力は最強クラスだそうだ」

 

 なるほど、とヴァレッタは真面目な顔で頷いた後、いやらしい笑みを浮かべる。

 

「他にも色々と聞きたいことはあるが……先にこれだけは言っておく」

 

 そう前置きしたヴァレッタは、レヴェリアの長い耳に口元を近づけて囁く。

 

「私を残して、勝手に死ぬんじゃねぇぞ……!」

「勿論だ」

 

 ヴァレッタに対して、レヴェリアはそう返し――2人は再び、肌を重ねるのだった。

 

 




番外編で、レヴェリアが原作時間軸のオラリオに何かしらんけど転移して、ヘスティア・ファミリア入するやつをちまちま書いてます。
世界を跨いだ上に未来への移動だから恩恵が誤作動を起こして改宗待ちに云々という無理矢理な解釈で。
なお、そもそも番外編を投稿できるかは不透明。

豊饒の女主人における、ベートさんの例のシーンに遭遇したレヴェリアは以下のどれかの反応をするかもしれない。


ロキと三首領に事情を話して、穏便に解決

とりあえずベートを殴ってから考える

黒竜をどうやって討伐するのか、その場で尋ねる(煽り込み)

その場では何もせず、ロキ・ファミリアの59階層への遠征に先回りして、フィン達の前で穢れた精霊を瞬殺した後、試練として立ちはだかる(合宿)






朕茲二戦ヲ宣ス(全面戦争開始)
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