最速×無敵=驀進王   作:カニ漁船

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大事なのは適性。


※3/8タマモクロス達とのトレーニング期間を修正。


1に適性2に適性

「というわけでバクシンオー。今日は他のウマ娘とトレーニングしようか」

「ちょわっ?」

 

 ある日のトレーニング。そう告げるとバクシンオーは不思議そうな表情をしていた。色々と省きすぎてしまったので説明から始めよう。

 

「長距離を走るためのトレーニングさ。本当だったら初日からやるつもりだったんだけど、向こうが都合がつかなくてね。今日から1ヶ月は大丈夫みたいだから、みっちりとやろうか」

 

 自分の言葉に、というよりは一部の言葉に過剰な反応を示すバクシンオー。身を乗り出して僕に詰め寄ってきた。近いなぁ。

 

「長距離を走るためのトレーニングですねッ!?望むところですよトレーナーさんッ!このサクラバクシンオー、見事にこなしてみせますともッ!」

 

 高笑いしながら宣言するバクシンオー。相変らず元気な子だ。

 

「ちなみにトレーナーさん、何人くらいでやるおつもりですか?」

「そうだねぇ……バクシンオーも入れてざっと6人くらい?」

「おぉッ!」

 

 少し驚かれている。多かったのかな?もしくは少なかったとか?多分前者だ。

 とにかく、今日に関しては他の子達とのトレーニングだ。遅れるわけにはいかないので早めに準備を済ませるようにバクシンオーに伝えておく。

 

「勿論ですッ!集合に遅れるわけにはいきませんからッ!」

 

 そういって彼女は去っていった。さて、放課後の準備をしておくかな。

 

 

 そして放課後。自分が呼んだウマ娘+αでトレーニングをすることになる。そのメンバーとは。

 

「キタサンブラックです!よろしくお願いします!」

「ドゥラメンテだ。よろしく」

「マチカネフクキタルです!今日の運勢は~……!ムムッ、大ッ吉!これは良いことありますよ~!」

「おぅ、タマモクロスや!今日から1ヶ月、よろしゅうな!」

「オグリキャップだ、よろしく頼む」

 

 うん、我ながら豪華なメンバーを集めることができた。どういうわけか結構簡単に集まったんだけど。

 まずキタサンブラック。この子は二つ返事で了承してくれた。

 

「バクシンオーさんのお手伝いですか?でしたらあたしにお任せください!」

 

 なんでもバクシンオーとは既知の仲らしく、バクシンオーもキタサンブラックとは仲が良かった。今回のトレーニング以降もきっと付き合ってくれるかもしれない。

 そして、キタサンブラックを誘ったらドゥラメンテが釣れた。キタサンブラックと話しているところに、ドゥラメンテが話を聞きつけてきた、といったところだろうか。

 

「元々バクシンオーには興味があった。私も、トレーニングに参加させてもらいたい」

 

 こちらとしては断る理由がない。勿論OKした。

 続いてはタマモクロス。こちらは交換条件で今回のトレーニングを請け負って貰った。

 

「あんさんにはこの前世話なったからな~。たまにはリフレッシュも必要やって許可ももろたし、1ヶ月のトレーニング、みっちり付き合ったるで!」

 

 タマモクロスがスーパーの特売で困ってる時に少しだけ手伝ってあげた。その時のお礼という形で今回のトレーニング参加である。オグリキャップはタマモクロスと一緒についてきた。

 

「タマが世話になったみたいだから、私も何か返したい。ダメ、だろうか?」

 

 勿論断る理由はない、というよりは願ったり叶ったり。どっちも強いことで有名だ。必ずサクラバクシンオーの糧になる。こうして2人の参加も決まった。

 そしてマチカネフクキタルは自分が知っているパワースポットによく効くと噂のお守りを紹介してあげたら釣れた。

 

「なんと!キタさんも一緒にトレーニングしてくれるのですねッ!」

「はい!よろしくお願いしますバクシンオーさん!」

 

 早速2人は仲良く話している。そして他メンバーはというと。

 

「では、早速運気が高まるトレーニングを」

「そういうものもあるのか、実に興味深い」

「ちょいちょい!あんま簡単に信じたらアカンで?自分の力で勝ってこそや!」

「タマ、今日の晩御飯は何だろうか?想像したらお腹が空いてきた」

「そんなこと考えるからや!今からトレーニングやぞオグリィ!」

 

 うん、個性って感じがする。

 

 

 マチカネフクキタルは運気が高まるトレーニング云々言っていたが、やるメニューは決まっている。ペース走をメインに据えた、長距離向けのトレーニングだ。

 

「おっしゃあ、ウチとオグリに任しとき!しっかりと導いたるで~!」

「一緒にやろう。任せて欲しい」

 

 すでにデビュー済みのオグリキャップとタマモクロスが先頭に立って他のメンバーを先導する。この2人はデビュー済みなのでステも凄い。

 

(ほとんどのステータスがU超え……さすがはネームド)

 

 他のメンバーはまだデビューしてないのでステータスはかなり控えめ、というよりは全てがGランクだ。デビュー前だから仕方ないが。

 

「少々荒々しくいくぞ!」

「張り切っていこー!」

「いざ、共に神の領域へ!」

 

 アプリでよく聞いた友情トレーニングの言葉。つまりは、今やってるのは友情トレーニングの()()()()()である。そして、これが適性を上げるのに重要になってくる。

 1年の研修期間で分かったことだが、適性を上げるというのは難しいということだ。無論この世界には因子継承なんてものは存在しない。適性がないと上位争いすらできないトゥインクル・シリーズ、そんなポンポンと上がったら今頃もっと魔境だろうし当然といえば当然かもしれないが。

 

 そんな適性を上げる方法は、大きく分けて2つある。

 1つはひたすらにトレーニングを積み上げるという方法。これは適性外のレースを走り続けて、その距離のペースを身体に馴染ませるというやり方。数をこなせば、トレーニングを積みさえすれば適性を上げることのできる最もスタンダートな方法だ。ほとんどのウマ娘は適性外のレースを目標にする場合、この方法を取る。

 メリットはやることが単純だということ。数をこなすだけなのだから。デメリットは……()()()()()()()()()()()()()()ことだ。

 

「いざッ!バクシンバクシーーーンッ!」

「待てやバクシンオー!変にペースを乱すんやないで!」

 

 いくら馴染ませようと努力しても、馴染まない時だってある。そうなったらかなり地獄だ。適性を上げるために積んできたトレーニングが全て無駄になる可能性だってあるのだから。

 

(それに膨大な時間がかかる。それこそスパルタトレーニングでもすれば話は別だけど)

 

 ただ、それは身体がかなり頑丈じゃないとダメだ。怪我でもしたら目も当てられない。平たく言えば、通常適性を上げるにはそれだけのリスクが伴うのだ。そりゃあ誰もやりたがらない。

 

 というわけでもう一つの方法。これは自分が発見したもの……かどうかは分からないが、今やっている複数人でのトレーニングだ。

 

(望んでいる距離適性が高いウマ娘、とりわけAランク以上のウマ娘と一緒にトレーニングをすることで、適性は上げることができる)

 

 これは多分、コツを教えてもらうというのが一番近いのだろう。適性を上げたい距離を得意とするウマ娘に教えてもらう形で適性を上げるという方法。

 

「ドゥラメンテ、あまり無茶は良くない。君もペースを逸脱しようとしている」

「……すいません、どうやら触発され過ぎたようです」

「気にする必要はない。私にも覚えがあるからな」

 

 メリットは先程の数をこなすだけのトレーニングよりも容易に上がるという点。容易、とは言ってもこちらも十分厳しい難易度なのだが。

 

(先輩トレーナーのところも上がらずじまいなことがあったし。アレは適性のランクが足りなかったのもありそうだけど)

 

 それでもスパルタよりはマシだ。適性の高いウマ娘とトレーニングするだけでいいのだから。おそらくだけど、人数が多ければ多いほど効果は高まるはず。これは要検証。

 デメリットは、やはり適性がA以上の他のウマ娘が必要になるという関係上コミュ障には大分キツいという点か。自分にはあまり関係のない話だけど。

 

(後は……僕はこうしてステータスとして見ることができるけど、他の人達はそうじゃないってとこか)

 

 Aランクというのが分かるのはあくまで自分ぐらいのものだ。他の人達には判別できない。これは自分だけの利点、かな。

 

 

 このメンバーを選出したのはそういう理由がある。キタサンブラックにマチカネフクキタル。彼女達は長距離の適性がAランクだ。それに中距離もA、バクシンオーが持っていない適性をどちらもAランクで持っている。なのでこの2人がトレーニングに参加してくれたのはかなり大きい。

 タマモクロスとオグリキャップの参戦もそうだ。

 

(タマモクロスも中距離と長距離がAランク。そして、オグリキャップも同じだ)

 

 オグリキャップの長距離適性はBだと思っていたが、どうやらAランクになっているようだ。さらには、オグリキャップのマイル適性はAランク。バクシンオーの適性はCランクなのでAに上がるまでに一役買ってくれるだろう。

 そして完全に予想外の副産物だったのがドゥラメンテ。彼女はマイルと中距離がAだ。

 

(集まった5人が中距離適性Aランク。この1ヶ月のトレーニングで、中距離の適性はワンランク上がる可能性が高い)

 

 たかが1ランク、されど1ランク。後は友情トレーニングできるぐらいには友情が深まってくれると嬉しい……何故かキタサンブラックとはすでに友情トレーニング出来てるけど。かなり仲がいいんだなあの2人。

 

「ば、バクシン、バクシィィィィィィン……」

「あーあー、変にペース乱すからやで?」

 

 メモを書き終わったところで、バクシンオーがダウンする。丁度いいタイミングだ。

 

「さて、じゃあ休憩を取ろう。休憩とった後はトレーニングを再開。走って走って、ひたすらに走り込もう」

「えらい原始的やなぁ。ま、嫌いやないで」

「ドリンクに疲労回復用のレモンも用意した。これはオグリキャップ用」

「ッ!助かる!」

「なんでオグリ用も作ってんねん!用意周到か!」

 

 オグリキャップは大食いだ。足りないかと思って彼女には個別にタッパーを用意しておいた。たくさん食べても効果が倍増するわけじゃないが、少しでも腹の足しにしてほしい。

 

 

 そして今日一日みっちりと走り込み。

 

「明日もよろしゅうな!」

「良い刺激になった。明日もよろしく頼む」

「「「は、は~い……」」」

「……お願いします」

 

 バテバテになったバクシンオー達。

 

「じゃあしっかりとクールダウンをして今日のトレーニングは終わり。お疲れ様、みんな」

 

 全員のクールダウンが終わるまでしっかりと集中し、怪我がないように。

 全員怪我なくトレーニングを終えることができた。明日も同じトレーニング。

 

「私は燃えていますよ~、バクシンバクシーンッ!」

 

 バクシンオーも気合十分だ。明日も張り切ってトレーニングしよう。




ステップアップガチャという引き得ガチャ。
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