最速×無敵=驀進王   作:カニ漁船

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前回のステータスを少し調整しました。


※3/8バクシンオーのステータスを一部修正。


いざメイクデビューへ!

 それからというもの、あの時一緒にトレーニングをしたタマモクロスやキタサンブラック達の伝手もあって色々な子達とトレーニングができた。

 例えばスーパークリーク。

 

「バクシンオーは長距離目指しとんのやろ?やったらクリークなんてええと思うてな!」

「は~い、よろしくお願いしますね~」

 

 ステイヤーとして名高い彼女とトレーニングできるのは願ったり叶ったりだ。勿論二つ返事で了承し、スーパークリークとのトレーニングも実現した。

 

「大丈夫ですか?何かお辛いことでもありましたか?その……目の方が」

「これがデフォだから大丈夫かな」

「そ、そうですか……タマちゃんの話や噂で知ってましたけど、想像以上ですね。悪い方ではないと分かっているのですが……

 

 後はキタサンブラック経由でサトノダイヤモンドとのトレーニングも実現した。

 

「私でもお手伝いできることがあれば言ってください!」

「うん、じゃあバクシンオー達とトレーニングをお願いできるかな?」

「いざッ!共にバクシンしましょうッ!」

「「バクシンバクシーンッ!」」

 

 サトノダイヤモンドも長距離適性がAの子だ。こちらも嬉しい。というかキタサンブラックとドゥラメンテはよく来てくれるけど大丈夫なのだろうか?こちらとしては大変ありがたい話ではあるのだが。

 後はダンストレーニングも忘れない。ウイニングライブも大事なことだからね。

 

「ハッ、トウッ!どうですか、トレーナーさんッ!」

「うん、元気は良いね。凄くエネルギッシュだ」

「そうでしょうそうでしょう!私の自慢ですからッ!」

「とりあえず振り付け覚えるところから始めようか」

 

 色んな子達とトレーニングをしていき、月日は流れ──

 

「いざ、メイクデビューですよ!トレーナーさんッ!」

「うん、そうだね」

 

 バクシンオーのメイクデビューの日がやってきた。

 

 

 

 

 

 

「いよいよッ!私の偉大なるチャレンジが始まるのですねッッッ!」

 

 バクシンオーは控室でそう叫んだ。

 

「メイクデビューだからそうだね。君の挑戦はここから「ここで完璧なデビューを果たしてッ!みなさんをアッッッッッ!と言わせてみせましょうッ!」気合十分そうで何よりだよ」

「それは勿論ッ!目指すはバクシン的勝利ッ!華麗なるメイクデビューッッ!」

 

 バクシンオーは気合十分だ。今回のレースは中山の芝1200m、バクシンオーの得意な短距離戦を走ることになった。

 ここで1つ、現在のバクシンオーのステータスをおさらいしておこう。

 

 

サクラバクシンオー

 

適性:芝A ダートF

距離:短A マB 中D 長D

脚質:逃げA 先行A 差しF 追い込みG

 

スピード:D 322

スタミナ:E+ 251

パワー :E 247

根性  :F+ 181

賢さ  :E 227

 

 

 うん、目標だった中距離と長距離の適性もDランクを越えたし、結果は上々だろう。ステータスも、この分なら負けることはない。というか普通に高い。少しでも負ける可能性があるかもしれないから油断は禁物だけど。

 

「ひとまず、今日のレースについておさらいしていこうか。レースは中山の芝1200m。君が得意とする短距離戦だ」

「はいッ!作戦は……最初から最後までバクシンですねッ!」

「うん、最初から最後までバクシンすればいいよ。出遅れには気を付けて」

「分かりましたッ!」

 

 今回の作戦は最初から最後まで先頭をキープする逃げ。作戦といっていいのかは分からないけど、これが一番バクシンオーの力を発揮できるだろう。

 

「気合も十分みたいだし、後は実力を発揮できるように頑張っておいで」

「はいッッッ!!」

 

 控室を出て観戦席へと向かう。道中考えるのは、レースの行く末。

 

(……うん、バクシンオーなら勝てる)

 

 ちょっとしたドキドキを感じながら、中山レース場のスタンド席へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 中山レース場。メイクデビューの時間では観客はそれほど多くはないが、それでも熱気は十分にあった。多くのスターウマ娘達が通った道、ここから新たなスターが生まれるかもしれないと考えると、興奮も高まるというもの。

 

《中山レース場、晴れ渡る空の下メイクデビューの時を迎えました。芝1200m、絶好の良バ場での発走となります!》

《ここから新しいスターが生まれると思うとドキドキしますね!》

《3番人気の紹介にいきましょう。3番人気は2枠2番ジャズステップです。虎視眈々と上位を狙っていますよ、好走が期待できそうです。2番人気は8枠9番のティアレストギフト。そして1番人気は7枠7番のサクラバクシンオー!》

《堂々としていますね。私イチ推しのウマ娘です!》

 

 メイクデビューの1番人気はサクラバクシンオー。素人目でも彼女の実力は頭1つ抜けていると分かるぐらいには纏っている雰囲気が違った。観客もそのオーラに魅せられてサクラバクシンオーを注目し始める。

 全ウマ娘のゲートインが完了し、静かな時間が訪れた。しばしの静寂の後──ゲートが開く音が響き渡る。

 

《各ウマ娘ゲートインが完了し……ッ!ゲートが開きました!中山レース場メイクデビュー出走です!》

 

 スターの原石達のメイクデビューが始まった。

 

 

 まずハナを切ったのはサクラバクシンオー。綺麗なスタートを決め、外の枠から飛ばしていきあっという間にハナを奪った。

 

「いざッ!バクシンバクシィィィィィィンッッ!」

 

 サクラバクシンオーを追うのは内枠から飛び出した2番のウマ娘。しかしサクラバクシンオーを追うのは容易ではなく、甘んじて2番手の位置を受け入れていた。

 

「綺麗なスタートッ!あの7番の子凄いな!」

「頑張れー!」

 

 応援の声が飛ぶ中山レース場。その中でサクラバクシンオーのトレーナー、高村は冷静にレースを見ていた。

 

(うん、良いスタートが切れた。パドックで他の子達のステータスも見たけど……バクシンオーが1つも2つも抜けて高かった)

 

 初の担当のメイクデビュー。最初こそドキドキしていたが、次第に落ち着き。今は冷静にレースを見守っている。サクラバクシンオーのレースを見守る。

 

「頑張れ~、バクシンオーさ~んッ!」

 

 そんな高村の隣にはキタサンブラックがいる。サクラバクシンオーに声援を送るキタサンブラック。最早キタサンブラックがいるのにも慣れた高村であった。いつもならここにもう1人いるが、どうやら今回は不在のようである。

 サクラバクシンオーが単騎で逃げる展開。その3バ身後ろに2番のウマ娘がつける形だ。全体的には縦長の展開になっている。

 

《先頭は7番サクラバクシンオー!2番手ジャズステップに3バ身から4バ身近い差をつける展開。3番手は4番パンパシフィック、ジャズステップから遅れること1バ身差!》

《サクラバクシンオーは快調に飛ばしていますが、少し飛ばし過ぎかもしれません。掛かっているのか?一息つけるといいのですが》

《パンパシフィックの後ろ4番手はヒッグススプレイ、リボンカロル、ティアレストギフトと続きます。ティアレストギフトから2バ身離れて7番手ブリーズシャトル、エクセレンシー、最後方はビヨンドレブリミです!残り600の標識を通過しました!》

 

 第4コーナーへと入るウマ娘達。先頭は依然としてサクラバクシンオー。その差はさらに広がろうとしていた。

 

「バクシンバクシーーーーンッッッ!」

 

 実況や解説は掛かっているのか?と心配しているが、サクラバクシンオーにはそんな様子が見られない。すこぶる快調に飛ばし、気持ちよさそうに逃げていた。

 

 

 勝負は第4コーナーのカーブを越えて最後の直線へと入る。サクラバクシンオーと2番手との差は7バ身近く開いていた。そのレースっぷりに観客の声援は大きくなる。

 

「すげぇな、あのサクラバクシンオーって子!」

「ずっと逃げてさらに差が開きそうよ!」

「バクシンオーさんすごいすご~い!」 

 

 キタサンブラックもサクラバクシンオーの走りっぷりに大興奮で声援を送る。隣にいる高村は相変わらず死んだような目でレースを見守っており、たまに高村の様子を視界に捉えた観客はギョッとしていた。

 

「……決まりかな」

 

 中山の最後の直線にある急坂に入ったタイミングで、ぼそりとそう呟いた。

 

《先頭はサクラバクシンオー!リードはかなりある!リードは7バ身からさらに開く!中山の直線は短いぞ、後ろの娘達は間に合うのか!?》

《いやぁ、これは凄いですね!圧巻のレースです!》

《2番手ジャズステップが必死に追走!しかしジャズステップは後続に追いつかれ始めた!だが先頭サクラバクシンオーの姿は遥か彼方!サクラバクシンオー強い強い!まさに独走状態!》

 

 サクラバクシンオーがつけたリードは縮まらない。後続にさらに差をつけていた。

 

 

 サクラバクシンオーの後ろ、2番手で追走していたジャズステップは驚愕する他なかった。サクラバクシンオーというウマ娘の強さに。

 

(あ、あの子本当に私達と同じメイクデビューのウマ娘なの!?)

 

 すでにオープン入りしているウマ娘といわれても信じる。ジャズステップはそう思っていた。

 ずっと後ろについて走っていたが、まるで追いつける気配がしない。圧倒的な力による蹂躙、ジャズステップが感じているのはまさにそれだ。後続のウマ娘達も、ジャズステップと同じ気持ちである。

 

「「「む、む~り~っ!」」」

「む、む……り……っ!」

 

 そう口にするジャズステップ達に聞こえてきたのは。

 

「これぞッッ!バクシン的勝利ですッッ!」

 

 かなり前の方にいるサクラバクシンオーの、そんな言葉だった。

 

《サクラバクシンオー独走、サクラバクシンオー独走!これはもう完全に決まりましたっ!逃げるサクラバクシンオー圧倒的リード!圧倒的リードを保ったままゴールイン!》

 

 リードは一度たりとも埋まることはなく、サクラバクシンオーがこのメイクデビューを制した。

 

 

 走り終えたサクラバクシンオーは己の勝利に喜んでいた。

 

「見てましたか~トレーナーさ~ん!私勝ちましたよ~!優等生ですから、私ッ!」

 

 高村がいる場所に向かって両手をブンブンと振っている。高村は静かに見守るだけだったが、代わりにとばかりにキタサンブラックが大きく手を振り返していた。

 

「やや!?キタさんも見に来ていたんですねッ!見てましたか~!私のバクシン的勝利を~ッ!」

「しっかり見てました~!」

 

 互いに笑顔で勝利を喜びあっている。高村は内心微笑ましく思いつつ、今回の勝利を分析していた。

 

(大差で圧勝……うん、上々の立ち上がりだ。それに、やっぱり嬉しいものがあるね)

 

 担当の初勝利、嬉しくないはずがない。感慨深く感じていた。

 

《中山レース場メイクデビューを制したのはサクラバクシンオー!2着に大きな差をつけて勝利しましたッ!このレースの主役は間違いなくこの子でしょう!サクラバクシンオー、彼女の今後のレースが楽しみになる一戦でした!》

《メイクデビューを大差勝ちですからね!今後が注目されるウマ娘です!》

「次のレースも勝ちますよ~ッ!バックシーーーン!」

 

 サクラバクシンオー、メイクデビュー大差勝ち。2着ジャズステップ。




バクシン的勝利。ちなみにダンスはトレーナーが教えました。
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