エロゲ―の主人公だ!! エロゲ―の主人公だろう!? なあ エロゲ―の主人公だろうおまえ !! なあ!!!   作:シャーレイカワイイ

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距離が近い年上お姉さんに恋するショタでしか得られない栄養がある。

「フッフフのフ~ン」

 

 鶏が鳴き、朝の訪れを知らせる今日この頃、音符が付きそうなぐらい上機嫌だと分かる鼻歌を歌いながらルークは教会の前の枯葉やごみを箒で掃いていた。

その浮かれた様子からは考えられないほどの速度と絶妙な力の入れ具合で教会の前からごみをはるか彼方に飛ばしていく。

 

「あらルークちゃん。いつにも増してご機嫌だねぇ。何かいいことでもあったのかい?」

 

「あ!おばあさんおはよう!まあちょっとね~おばあさんはこれから仕事?頑張ってね!」

 

「フフ、ああ頑張るよ」

 

「ルーク!朝から精が出るな!頑張れよ!」

 

「カルドおじさん、おはよう!おじさんも仕事頑張ってね!」

 

 いやーやっぱりバレちゃうか~でもちょっと複雑。

自分は表情が出やすいタイプだと自覚をしていたが、見る人すべてにバレるとなぁ……表情筋を締める練習でもすれば少しは変わるかな?

まあいっか!今はこのエロゲ―の主人公ケリィに出会えた幸福を噛み締めよう!

ささ、掃除掃除~

緩んだ頬を自覚しながら直すことはせずに手に持った箒を操り、ゴミを掃いていく。

その行為を数十回繰り返していると、車のクラクションとエンジン音が聞こえた。

その音に下げていた頭を上げると、そこには車に乗りこちらへ手を振るシャーレイの姿があった。

 

「おはようルーク。今日も頑張ってるね」

 

「シャーレイもおはよう。朝から車出して、今日はどこか行くの?」

 

シャーレイにそう問いかけるとシャーレイは少しだけ周りを見渡し、俺を手招きする。

え?そんなに周りの目を気にするような場所に行くの?

止めた方が良いのかな……でもなぁ……ここ最近のシャーレイ楽しそうだし、もしその場所に行くのが楽しみになってるなら止めない方が良いよなぁ……

そんなことを考えながらシャーレイに体を寄せる。

俺が近づいたことを確認すると、シャーレイは窓から身を乗り出し顔を俺の耳に近づけ言葉を発す。

 

「前話した先生の所、シモン神父に聞かれると怒られちゃうから内緒にしてね」

 

あーケリィの親父さんの所ね。

詳しくは話せないらしいが山奥でなんかすごい研究しているらしい。シャーレイ曰く世界を変える研究だとか。

はぇー俺にはスケールがでかすぎてわけわからん話だわ。って話を聞いた当時はそう思ったのが懐かしい。

それにしてもケリィの親父さんって俺見たことないな。単純に行き違っているだけかと思ったけどシャーレイにお使い頼んでたのを見るに、親父さんずっと山奥に引きこもっているっぽいな。

なんか怪しい……山奥に引きこもって研究しているって明らかに怪しい奴満載じゃん。

いや、基本的にエロゲ―世界で人死にとか非合法的な物が蔓延るとかそういうの起きないと思うからそういうタイプでは無いと思うんだけど……いやエロゲ―にも種類があるし、対〇忍とかマ〇ラブ的な世界観だったら十分あり得るか。

あーやっぱ考えるのやーめた。そういうの俺の専門外だし、まあ島が舞台のエロゲ―はだいたいシリアスなんてもの存在しないから大丈夫でしょ。

そう結論付けてシャーレイを送り出そうとしたら、教会の扉が開く音が響いた。

中から神父服に身を包んだ恰幅いい壮年の神父が出てくる。

この教会の主、シモン神父だ。

 

「げ……」

 

シャーレイは中からシモン神父が出てきたのを見て露骨に顔をしかめる。

 

「話し声が聞こえたからもしかしてと思ったが……ルーク、今日の仕事はもう終わりにしなさい。

シャーレイ、中で話そう」

 

神父は俺に数枚の硬貨を渡し、仕事を切り上げるように言う。

見たことのない神父の雰囲気に俺は思わず頷く。

シャーレイは苦虫を嚙み潰したよう顔をしながら、車を降りて神父と一緒に教会へ入っていく。

一人この場に取り残された俺はどうしようか辺りを見回すと、遠くでこちらを見つめているケリィを見つけた。

よっしゃー!ケリィ遊ぼうぜー!

 

「うわぁ!」

 

距離が離れていた俺がいきなり目の前に現れたケリィはびっくりして腰を抜かした。そのまま尻もちを搗いて呆然としている。

ええ……そんな驚くことないじゃん。

 

「一緒に遊ぼうぜ!」

 

「何で僕が……」

 

「いいじゃん。俺がお前と遊びたいの!それともなんか予定あんの?」

 

「ないけど……」

 

「じゃあ決まりな!釣りしようぜ、釣り!」

 

尻もちをついたケリィを立ち上がらせ、俺の家へと引っ張っていく。

釣りならゆっくり話せるし時間も潰せる。

我ながら天才的な閃きだな。ひゃっほい!

 

「何でそんなテンション上がってるんだよ……」

 

 

 

 

「よっと。ケリィ、たまに糸を揺らすんだ。そうすると魚が釣られやすい」

 

「こ、こう?」

 

「おーそうそう。筋が良いじゃん、ケリィ」

 

ポチャンと二つの釣り糸が波紋を描いて海の中に入る。

今、俺達がいるのは島の南側の沖だ。

ここはうまい魚が良く来る。まあ警戒心もそれなりに強いのか、かかるのに時間がかかるけど。

うーん。なんかケリィと話したいけど、会話のネタが思いつかない……

シャーレイのことなら話せるんだけど、今のケリィは俺のことを恋のライバルと思ってるだろうからシャーレイの話をしてもマウント取られていると思われる可能性がある。

嫌だねぇ……シャーレイのことは友人としては好きだけど、異性としてはもうそういう目で見れないんだよなぁ……長く異性と一緒に居ることで起きる弊害だねこれは。

でもこのまま何も話さないって言うのはなぁ……

 

「……ルークはさ、シャーレイのこと好きなの?」

 

ケリィから話しかけてきた!しかもシャーレイ関連!

 

「いや?友達としては好きだけど、異性としては全然」

 

跳ね上がる気分と口元を見られないように正面を向きながら答える。

俺の答えを聞いたケリィは露骨に安心したように息を吐いた。

ふむ、ここは一肌脱ぐか。

 

「ケリィ、シャーレイは貝殻を集めるのが好きらしい。後、集めた貝殻をネックレスにするのも」

 

「⁉い、いきなりなんだよ」

 

「いや何、俺達の共通の話題なんてシャーレイくらいしかいないからな。

あ、ケリィの釣り竿かかってる」

 

かなり強い引き。こりゃ大物だ。

よし、俺も手伝うぞ!

 

「踏ん張れよケリィ!」

 

あ、これやばい。思ったよりデカいわ。

ビクともしねぇ……

引き込まれる……!

 

「ケリィ、口閉じて!」

 

「え?うわぁぁぁぁぁぁ!

 

海ってこんなに綺麗なんだな。

ゴーグル無いからぼやけているけど。それでも綺麗だってわかるからこの島の海はすごいと思う。

しばらく海の景色を堪能した後、俺は水中から顔を出す。少し遅れてケリィも顔を出した。

立派なワカメをつけて。

 

「ケリィ……お前、わかめついてるぞ」

 

「ルークこそよくわからない海藻ついてるぞ」

 

「ブ、ブフッ……!」

 

「フ、フハッ……!」

 

「「アーハハハハハハ!!!!!!」」

 

あーよくわかないけど笑えてくる。

すっげ―楽しい。

ケリィも同じ気持ちなんだろうか。だったら嬉しい。

ダメだ……お腹痛い、死ぬ……

 

その後、俺達はひとしきり笑った。

服が濡れているのも気にならないまま笑い、気が付けば夕日が昇っていた。

 

「じゃぁなー!ルーク!明日も遊ぼうぜ!」

 

「ああ!約束なー!」

 

お互いの帰路につく頃にはもう、最初に有ったわだかまりなど消えていた。




学生の頃って意味わからん理由で友達出来たりするよね。つまりそういうこと。
この展開は何も急ではない。良いね?
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