エロゲ―の主人公だ!! エロゲ―の主人公だろう!? なあ エロゲ―の主人公だろうおまえ !! なあ!!!   作:シャーレイカワイイ

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ふぇぇ……あちゃまいたいのぉ……

 教会の前に立ち、無骨な扉を押す。

思ったより年季が入っていたらしく扉は悲鳴を上げながら開いていき、教会の中を露わにしていく。

中が露わになった協会に足を踏み入れ、俺を呼び出した張本人を探すため声を張り上げた。

 

「おーい!シモン神父ー!ルークですー!いますかー?」

 

声が聖堂の中で響き終わると同時に、奥の部屋から人影が現れた。

神父服に身を包んだ壮年の男、シモン神父だ。

シモン神父は朗らかな笑みを浮かべ、俺を迎えた。

 

「よく来たねルーク。好きなところに座ってくれ」

 

神父の導きに従って、俺はすぐ隣の長い椅子に座る。

固く、冷たい座り心地に顔をしかめそうになるが寸でのところで堪える。教会の椅子ってなんでこんなに座り心地が悪いんだろう。ソファとか並べればいいのに。

 

「んん゛」

 

そのようなことを考えているとシモン神父の咳払いが耳に届いた。

これから話を始めるぞという合図なのだろう。

俺は思考をやめてシモン神父の方を向く。それを了承の合図と受け取ったのか、シモン神父は口を開き俺を呼び出した理由を説明し始めた。

 

「ここに呼んだのは他でもない、シャーレイのことだ」

 

「はぁ」

 

なんかやらかしたのシャーレイ?いや、しっかり者のシャーレイがなんかやらかすと思えないし……でも最近帰るの遅いよな……ケリィと夜の逢瀬……はまだその段階まで行ってないから多分違う。

シャーレイが先生って言っている人が原因か?かなり入れ込んでいるようだし可能性は高いな。

 

「シャーレイは最近、あの家に通っているということは知っているな」

 

「あの家?」

 

「……すまない。シャーレイが先生と呼んでいる奴の家だ」

 

「ああ……」

 

俺が納得の表情と言葉を浮かべると話を戻すためにシモン神父が咳ばらいをし、本題に入り始める。

 

「少し話が逸れたな。では本題に入ろう。ルーク、シャーレイがあの家に通い続けることは危険だ。

何としても引き離さねばならない。私が何度も何度もなんっっっども忠告をしているのに、シャーレイは私の言葉を聞かずにあの家に通い続けている。これは由々しき事態だとは思わんかね?

そこでだルーク。お前の方からもシャーレイを説得して欲しい」

 

「あーはぁ……?」

 

そんなことを頼むためにわざわざ俺を呼び出したのかよ。

別に通うだけなら良くない?何かされたってわけじゃないんだろ?

…………何かされたからシモン神父がこうなっているのか?

いや、シャーレイがそんな隙与えると思わないし……

諸々判断するのはシモン神父から話を聞いた後でいいか。

 

「とりあえず……なんでその結論になったんです?シャーレイが何かされたとか?」

 

「………………理由は言えん。だが危険なことは確かだ。頼むルーク。ここは何も聞かず引き受けてくれないか?」

 

理由を言えない?

えーじゃあ無理だよ。

俺も頭ごなしにシャーレイがやっていることを否定したくないし。

そもそもその先生って呼ばれている人は何もしていないじゃないか。

そんな相手に危険って理由でシャーレイから遠ざけるのは酷な話だろ。

 

「申し訳ありませんがシモン神父、俺は協力できません」

 

シモン神父にはお世話になっているけどこれだけは譲りたくないって言うか、まあ、なんかごめん。

シモン神父への返答を聞くのが怖かったので足早に教会を出ていく。

空は俺が教会に入る時と変わらずでそれは俺の教会の滞在時間を物語っていた。

……にしても今日暇だな。手伝いも頼まれてないし。

久しぶりに山の中を散歩するか。

 

***

 

相変わらず緑一面でいくら歩いても変わらない景色だがこうして歩いていると気分が落ち着く。

しかし同じような景色ばかりで道に迷わないか心配だな。気をつけて歩こう。

 

 

 

 

 

 

「迷ったな……」

 

何度戻っても出口にたどり着けない。

なんでこんな時に限って俺の勘は機能しないんだろう。

目印も付けておくべきだったな。数分前の自分を殴りたい。

 

「はぁ、どうしよ……」

 

とりあえず歩き続けるしかないよな……

スマホとかの連絡手段があればいいんだけどな。この島にそんな便利道具あるわけないし。ていうか、電柱すらないってこの島どうなってんの?片田舎過ぎない?

誰だよこのエロゲの舞台は田舎って決めた奴。いや、舞台が田舎のエロゲってなんかそそられるしすごくいい設定だと思うよ?でもこの程度の田舎は求めてないよ……せめてちょっと歩いたらイ〇ンがあるぐらいの田舎でいいんだよ。

製作陣に会えるとしたら、なんでこんな田舎を舞台にしたのか三文字で簡単に説明してもらいたいね。

………………歩こ。

 

 

 

 

 

 

「マジでどこだよココ……」

 

歩き回っていたらいつの間にか俺の影も伸び切り太陽は沈んでいた。お月様がこんにちはである。だが、こんな長時間歩き続けたからなのか俺にも救いの手が伸びてきたのだ。

そうだ。目の前に光が見えたのだ。イヤッホイ

俺はその光に向かって走り出す。この時の俺はオリンピックに出ても通用するだろう。

どんどん光に近づいている。このまま走り抜けられれば俺はきっと帰れる。そんななけなしの希望を持ち光へと飛び込んだ俺が見たのは白く輝く無数の花達だった。

 

「おお……」

 

すげーきれー

家の前に咲いているけどこれってここの家の人が育てたのかな。だったらすごい花が好きな人なんだろうな。こんなきれいな花を咲かすんだからな。もっと近くで見てもいいかな。

俺はゆっくりと花達に近づく。そして家の前まで近づいたその時――

 

「ッ――!」

 

俺の右目が針に刺されたような痛みが走った。

その痛みは段々と肥大していく。

針に刺されたような痛みから槍で刺されたような痛みへ

無数の剣に体が貫かれるような、炎に全身が焼かれるような、人体が許容できない痛みが俺の中で這いまわる。

その痛みに耐えきれず、俺は地に伏せた。

俺は右目に手を当て、右目の状態を確認する。

触った感触で何の以上もなく、外傷がそうさせているわけではないと分かる。それ以上に異常なのは俺の腕だった。

俺の腕は機械の基盤のようなものが現れており、それは赤と青緑といった順番に絶え間なく光り続けている。

視界が歪む。

遂に許容量を超えたか、そんな冷静な思考と共に俺の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

気が付いたら俺は花が広がる大地にいた。

目の前には少女と少年が二人いる。

少女と少年は俺の存在に気が付いていないのか、元気に走り回っている。

不思議とその光景がとても懐かしく感じた。

そんな感触に身を包まれながら俺は現状を把握するべく二人に声を掛けようと足を動かそうとしたが、足は鎖に繋がれたように動かない。

そんな異常事態だが何故か俺はそれを受け入れ、少年少女の戯れを見続けることにした。

俺は自分の行動に疑問を持つが、その疑問すらも少年達の戯れの前では無と化した。

 

『ずーと一緒だよ!■■■■■

 

太陽に輝く金色の髪を揺らしながら少女は微笑みながら少年に言った。

その問いを翡翠を閉じ込めたような瞳に見つめられながら言われた少年は笑って、曖昧に頷くのだった。

 

突如として周りの風景が歪む。

そこは無数の屍が転がっている戦場だった。

どの屍も体が繋がっていればマシといった状態であり、見る物が見れば吐き気を催すそんな惨状。

そんな惨状の中で青い騎士が一人の兵士の屍を抱えて泣いている。

その光景を見て、申し訳なさと後悔が俺の中を埋めた。

 

 

 

 

 

―――景色が変わる。

 

さっきとは打って変わって街の広場。

いつもの街と違うのは広場の中心に十字架があること。そしてその周りに様々な人がいること。

兵士や住民、子供。無数の人々が各々、口走る。

 

『魔女を処刑せよ!』

 

『悪魔を殺せ!』

 

『我々を騙した魔女を地獄に堕とせ!』

 

が十字架にかけられている腰まで伸ばした金髪と青い瞳を持った女性はそれを悲痛な面持ちで受け入れるのではなく、すべてを受け入れた、まるで聖女のような面持ちだった。

十字架に炎が点けられる。

 

俺は今すぐ駆け出したい衝動にかられ、その衝動に従い火の塊となりかけている十字架に向かって走る。だが飛び出した俺を兵士は見逃すはずもなく、俺は取り押さえられ女性が燃えていく様を目の前に見せつけられる。

 

『やめろ!ジャンヌは魔女じゃない!』

 

『今までのことを忘れたか!』

 

ジャンヌ!ヤメロオォォォ!!!』

 

今更こんな声を上げたってこれは止まらない。

そう分かっているはずなのに喉が張り裂けんばかりの声を上げる。

自分の無力さを噛み締めながら、この世界に恨みを募らせながら。

 

 

 

 

 

――景色が変わる。

 

俺の前には赤毛の少年と青い二つの輪を持った存在がいた。

その青い存在は赤毛の少年に対して、無数の線を伸ばし包んでいく。

その光景を見た俺は届くはずもないのに少年に向かって手を伸ばす。

誰かも知らないのに、こんなに焦燥に駆られるのはなぜだ。

 

士郎ダメだ!やめろ!』

 

俺ではない誰かの声が俺から聞こえてきた。

嗚呼――そういうことか。

今までの感情は、誰かの感じたものとそれに伴う記憶ということか。

……だけど、何故だろう。この感情が、他人の気がしないのは。

 

 

 

――景色が変わった。

 

そこは全部が黒という黒に囲まれた空間だった。

顔を塗りつぶされた無数の人間に俺は囲まれている。

あなた達は誰だ――そう疑問を口に出そうとしたが、音そのものが存在しないかのようにその声は発せられなかった。

俺を囲んだ無数の人間は一斉に口を開き、言葉を発す。

 

『抗え』

 

『我らの、世界の、運命(Fate)を変える者よ』

 

『世界に抗え、我らに抗え』

 

言いたいことだけいうんじゃねぇよ……

一言文句を言ってやりたいのに、俺の意識はそれに反して暗転した。




ここから先、人を選ぶ展開になると思います。多分
それでもいい方はどうぞ。
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