え?クラス転移で俺だけスキル無し?役立たずは置いていく?いや、俺、異世界召喚二度目で強い魔法たくさん使えるから普通に無双するよ?   作:taki210

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第二話

 

「起きて…!ねぇ、起きてってば!!」

 

「ん…?」

 

誰かに体を揺さぶられて俺は目を覚ます。

 

ったく、何だよ。

 

今から夢の中で、魔の森で出会った謎の女師匠に鍛えられた俺がいざ王国へ王を殺しに行く復讐編が始まろうとしていたってのに…

 

よく見る夢の1番いいタイミングで起こされた俺は、渋々寝ている上体を起こす。

 

目の前には、見覚えのある女子生徒がいた。

 

確か隣の席の、新田恵美、だっただろうか。

 

学年で2番目に可愛いと、男子たちが騒いでいたのを聞いた気がする。

 

一体俺に何のようだろうか。

 

もしかして次の授業が移動教室で、寝たままの俺を見かねて起こしてくれたのか…?

 

「早く立って!!逃げなきゃ!!殺されちゃうよ…!!!」

 

「殺され…?」

 

物騒な単語が新田の口から飛び出て一気に眠気が覚めた。

 

殺される?

 

どういうことだ?

 

「周り見て…!!今ピンチなんだってば…!」

 

「周り…」

 

そこでようやく俺は自分の周囲を見渡し……そこが、教室でないことを認識した。

 

おかしい。

 

どこだここ。

 

俺は確か、いつものように授業中に教室で寝ていたはずである。

 

それが気がつけば……どこともしれない森の中にいる。

 

一体なんだこの状況は…

 

「説明は後…!今は逃げないと…!!」

 

「逃げる…?何でだ…?」

 

「後ろみて…!!」

 

新田に言われ、俺は背後を仰ぐ。

 

『ガルルルル…!』

 

『ガウガウッ!!』

 

熊ほどの大きさのある狼。

 

そんな見た目の化け物が、こちらへと迫ってきていた。

 

「…」

 

俺はなんだか懐かしいような気分になった。

先ほど夢の中で見ていた様々な記憶が、頭の中に蘇ってくる。

 

「なるほど…どうやらまた巻き込まれたみたいだな…」

 

俺は瞬時に自分の身に起きたことを理解し、そして立ち上がった。

 

今度は一体どこのどいつが俺を召喚しやがった…?

 

「ねぇ、こんな時に何言ってるの…!?すぐ逃げなきゃいけないってわからないかな!?あんなのに追いつかれたら私たち間違いなく殺されちゃうよ…!」

 

新田は必死だ。

 

ほとんど泣きそうになりながら、俺を引っ張って逃げようとする。

 

自分一人で逃げることもできただろうに、わざわざ寝ている俺を起こして一緒に逃げようとしてくれていることに俺は一種の感動を覚えた。

 

ひとまず、何があっても彼女だけはこの世界から日本に帰してやろうとそう固く心に誓う。

 

そして、眼前に迫った黒い獣……ブラック・ウルフと呼ばれるモンスターに向き直る。

 

「安心しろ、新田。逃げる必要はない」

 

「へ…?」

 

新田がぽかんと口を開ける。

 

俺は迫り来るブラック・ウルフに対して魔法を放った。

 

直後。

 

ベシャッ!

 

『『『……』』』

 

ブラック・ウルフたちが突然何かに押しつぶされたようにして潰れた。

 

地面に血肉の塊が落ちて、あたりに静寂が訪れる。

 

「は…?」

 

断末魔の声すらあげる暇なく死んだブラック・ウルフの肉塊を凝視して、新田がぽかんと口を開けた。

 

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