え?クラス転移で俺だけスキル無し?役立たずは置いていく?いや、俺、異世界召喚二度目で強い魔法たくさん使えるから普通に無双するよ?   作:taki210

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第二十五話

 

カナンの街へと入った裕也は、クラスメイトたちを率いて、歴史の教科書で見るような古風な街中を歩いていた。

 

「すげぇ…」

 

「異世界って感じだ…」

 

「わぁ…」

 

「み、見ろあれ…ケモミミが生えた人がいるぞ…!」

 

「本当だ…!触ってみたい…!」

 

田舎者よろしくキョロキョロと周囲を見渡しながら、生徒たちは進んでいく。

 

全員が制服を身につけているということもあって、彼らは完全に街の中で浮いており、周囲から奇異の視線を向けられてた。

 

そんな生徒たちを先導するのが、ガイドスキル持ちの春樹と裕也の二人だった。

 

裕也は今後のことについて改めて春樹に確認を取る。

 

「斎藤くん、確認するけど…確か冒険者ギルドって場所に行けばいんだよね?」

 

裕也の言葉に春樹は頷きを返す。

 

「うん。そうなんだ。ガイドスキルによれば、この街の中心にある冒険者ギルドって施設に行けば、寝る場所と食事が手に入るらしいんだ」

 

「へぇ…俺たちお金も持ってないけど、本当にそんな美味しい話があるのかな?」

 

「ごめん有馬くん…僕のガイドスキルは大雑把な指針は教えてくれるんだけど…詳細はわからないことが多いんだ…」

 

「謝らないでくれよ、斎藤くん!ここまで来れたのも君のおかげだよ!君のガイドスキルは十分役に立ってくれているじゃないか!」

 

「そ、そうかな…?」

 

裕也の言葉に春樹が嬉しげに微笑んだ。

 

「ちっ」

 

いちいち機嫌を取るのが面倒になってきた裕也は聞こえないように軽く舌打ちをする。

 

カリスマスキルで支配しているとはいえ、これだけ大勢を率いるのはやはり労力を削がれる。

 

どちらかといえば少数精鋭の方が旅はスムーズにいくだろう。

 

「そのうち使えない連中は切り捨てていくか…」

 

そんな呟きを漏らしながら、裕也はクラスメイトを率いて街の中心へと向かって進んでいく。

 

しばらくすると彼らの目の前に、一際大きい堅牢な建物が見えてきた。

 

「これがそうなのかい?」

 

「うん、ガイドスキルはここを示しているみたいだ」

 

春樹によればここが冒険者ギルドで間違いないようだ。

 

裕也たちは両開きの扉を押して、建物の中へと踏みこむ。

 

「おおん?」

 

「あぁん?」

 

入ってすぐの場所は酒場のような場所になっていた。

 

そこで酒を飲んでいたいかつい見た目の男たちが裕也たちに視線を送って寄越す。

 

「ひっ」

 

「うわ…」

 

その鋭い目つきに、クラスメイトたちは小さく悲鳴をあげたり、引いたりしている。

 

裕也はすぐさま構わない方がいいと判断して、彼らの横を通り過ぎる。

 

すると、ざわざわと何やら周囲にざわめきが広がった。

 

「おい見ろあれ…」

 

「ニホンジン、じゃないか…?」

 

「間違いねぇ…あの平たい顔はニホンジンだぜ…」

 

何やら裕也たちのことを噂しているようだった。

 

ちょくちょく『日本人』という単語が聞こえてくる。

 

どうやらこの世界の人々の間に、日本人という存在が知れ渡っているようだった。

 

「なるほど…やっぱり俺たち以外にも過去に召喚された奴らがいたのか…」

 

裕也はそう理解をする。

 

「また王族の奴らが召喚したのか…」

 

「可哀想に…自分たちが利用されてるって気づいてないんだろうな…」

 

「くははっ。教えてやれよ…王族がなんのためにあいつらを召喚したのかを」

 

「よせ。王族に逆らったら殺されるぞ…関わらないのが1番だ」

 

ひそひそと、男たちは裕也を見て何かを言い合っている。

 

中にはどこか憐れむような視線を向けるものもいた。

 

「どういうことだ?」

 

裕也は耳を澄ませるが、しかし、会話の内容までは聞き取れなかった。

 

やがて彼らは、酒場の奥のスペースへとやってきた。

 

「さて、これからどうすればいいのかな?」

 

ガイドスキルでは、ここへこれば食事と寝床の確保が済むらしいのだが…

 

裕也がこの後の展開を待つ中、この施設の職員らしき男が数人、裕也たちの元へ駆け寄ってきた。

 

「あの…ひょっとして日本人の方々でしょうか?」

 

どうやらこの職員たちも、裕也たちのことを知っているらしかった。

 

 

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