え?クラス転移で俺だけスキル無し?役立たずは置いていく?いや、俺、異世界召喚二度目で強い魔法たくさん使えるから普通に無双するよ?   作:taki210

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第二十八話

 

カテリーナを逃してしまった俺と新田は、気を取り直して王都へと向かうことにした。

 

この世界に来たのが二回目の俺は、おおよその地形などは把握している。

 

確か、ここからそう遠くないところにカナンという名の街があったはずだ。

 

冒険者ギルドも存在するほどのそこそこの規模の街で、王都に向かうにはそこを中継するのがいいだろう。

 

「行こう新田。なるべく俺から離れないでくれよ」

 

「う、うん…」

 

新田はスキルを持っていない。

 

非力な彼女を守るために、俺がなるべく近くにいてやるべきだろう。

 

「それにしても不運だったな…一人だけスキルがないなんて」

 

「あ、うん…そうだね…」

 

「ま、スキルと言っても本当に使えるのはほんのひと握りだからな。そんなに落ち込む必要はないだろうな」

 

「あ、ありがと…」

 

新田が俯きながら言った。

 

なぜかわからんが、さっきからあまり目を合わせようとしてこない。

 

どこかもじもじして俺と話すのを恥じらっているような感じすらある。

 

なぜだろうか。

 

俺の中で新田恵美という子はもう少し堂々としてクラスを引っ張っていくほどの感じの性格だったのだが…

 

まぁ、別に新田のことをよく知っていたわけでもないし、案外普段からこんな感じなのかもしれない。

 

俺は気にせず進むことにする。

 

「道とかは…わかるの?一ノ瀬くん」

 

「ああ…以前にもこの国には来たことがあるし、大陸全体の大まかな地形も把握している。とりあえず街を目指そう。話はそれからだな」

 

「わかった」

 

新田は俺を全面的に信頼してくれているようだ。

 

ピッタリと俺にくっついて後をついてくる。

 

俺は新田を庇うようにしながら、森の中を進んでいった。

 

「…」

 

「…?ど、どうしたの、一ノ瀬くん」

 

不意に足を止めた俺に、新田が怪訝そうに聞いてくる。

 

「五体、だな。新田、下がっててくれ」

 

「え…?」

 

新田がぽかんと口を開けた直後。

 

『『『グギィイイイイ!!!!』』』

 

耳障りな鳴き声とともに前方からモンスターが飛び出してきた。

 

緑色の小鬼。

 

ゴブリンだ。

 

「うわ…」

 

新田が背後でそんな声を漏らした。

 

見ずとも嫌悪の表情を浮かべていることが容易に想像できる。

 

それほどまでにゴブリンの見た目というものは、初見の者にとっては醜悪に映る。

 

『グギィ…』

 

『グギッ!!グギッ!!!』

 

ゴブリンたちは鳴き声を上げながら、俺たちに接近してくる。

 

「た、戦うの…?」

 

新田が背後で不安げな声を漏らす。

 

「ああ。安心しろ。あれはゴブリン。雑魚の部類だ。すぐに終わる」

 

俺は近づいてくるゴブリンたちに正面から相対する。

 

「さっさと始末して先に……っ!!」

 

不意に鋭い殺気を感じて、俺は自分と新田の周囲にシールドを展開する。

 

ズバッ!!!

 

「へ…?」

 

俺と新田の周囲の木々が飛来した斬撃によって切断される。

 

新田がぽかんと口を開ける中、俺はゴブリンたちの中に一匹だけ強い存在感を放つ個体を見出していた。

 

「ゴブリン・ウィザードか…ちょっと厄介だな」

 

雑魚の群れだと思っていたゴブリンの中に、数千匹に一匹と言われる、魔法を使う上位種……ゴブリン・ウィザードが混じっていた。

 

『グギィ……』

 

五匹の群れの最後尾に陣取るゴブリン。

 

ボロボロの古書のようなものを持ったその個体は、俺と新田を見据えてその醜悪な面を怪しく歪めた。

 

 

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