【千景side】
私が、舞鶴さんに連れられて、高知から香川に来て数日が経った。
結局、あの村での事件は、自然災害という形で隠蔽されたらしい。
舞鶴さん曰く......政府の人々は、あの手この手でノイズの存在を隠しているのだとか。
..........国も村の人達も、大して変わらないわね。
そして、舞鶴さんの言っていた通り、政府と大社は、勇者の存在を発表した。
「どのテレビ局も、勇者のことばっかり.....」
バーテックスを倒す存在だけあって、注目度は高くて当然.....か。
でも
「ここまで注目されているとなると、手のひら返しが凄まじそうね....」
「お前もそう思うか」
そう言いながら、現れたかと思えば、テーブルの上にコーヒー入りのコップを置く舞鶴さん。
「お前もって......舞鶴さんもそう予想しているんですか?」
「あぁ。いつの時代も、救世主と手のひら返しはセットのようなものだ」
「だとしたら、あの子達は大丈夫なのでしょうか.......」
私がそう言うと、舞鶴さんはしばらく考えた後
「支えになる大人が、彼女達の近くに居れば........の話だがな」
「支えになる......大人..........」
大社の人達が、マトモならいいけど......ノイズのことを隠蔽している時点で、信用できないのよね。
「.......ねぇ。ノイズって、勇者でも倒せるんですか?」
「勇者システムは、一種の異端技術。メックヴァラヌスなどの少女兵装に似ているが......奴らは、その力をノイズ退治に使うつもりはないのだろうな」
「そう.....なんですね」
やっぱり、そうなるのね.....
『いや〜。勇者様が本格的に動くのなら、我々の未来も安泰ですな』
『ですね』
「..........そう言って、後々手のひらを返すのが王道パターンなのよね」
テレビを見つめながら、そう呟く私。
きっと、コメンテーターの人達は、戦ったことがないから、あんなことが言えるんだろうな。
そう思いながら、コーヒーを飲む私。
「ところで......新しい苗字には慣れたか?」
「あ、はい。何とか」
あの日以降.....私は、郡千景ではなく、舞鶴千景として暮らしている。
それはつまり、舞鶴さんの妹になったということなのだけど......自然と抵抗感はない。
何故、そう感じるのかは分からない。
だけど.......私の居場所を作ってくれた、舞鶴さんには感謝しないと。
「そうか、それならいい」
そう言った後、コーヒーを飲み干し、コップを片付けた後、舞鶴さんは続け様にこう言った。
「それから、この近くの学校に諸々の手続きを終わらせてきた。明日から、お前はその学校の一員だ」
...........どうして、舞鶴さんはそこまでしてくれるんだろう?
そんなことを思いながら、私はこう言った。
「あ、ありがとう....ございます」
きっと、これは舞鶴さんなりの優しさなのかもしれないわね。
「お前はまだ学生の身分だ。それに、学生生活を堪能できなかった分、しっかりと学べ。いいな?」
「......はい!!」
舞鶴さんの言葉に対し、そう返事をする私。
「ところで、話は変わるが......夕食は何が食べたい?」
「夕食.....ですか?とりあえず、カレーが食べたいです」
「...........その言葉に後悔はないな」
「あ、は、はい!!後悔はありません!!」
え、何?
カレー絡みで、何か不味いことがあるのかしら?
「...........なら、今日はカレーだな」
私の言葉を聞き、そう呟く舞鶴さん。
ちょうどその時.....舞鶴さんのケータイが鳴り
「俺だ。どうかしたのか?」
その電話に、舞鶴さんが出るのだった。
「.....あぁ、分かった。すぐに出動させる」
出動......まさか!?
「千景、香川県内にノイズが出没した。すぐに向かってくれ」
「分かったわ!!」
勇者がバーテックスを倒すのなら.....私は、勇者の代わりにノイズを倒す!!
「移動するとは聞いてたけど......何でヘリ!?」
ヘリ(舞鶴さん所有)に乗りながら、そう叫ぶ私。
舞鶴さんって、ヘリも持っていたのね.....(遠い目)
『使える物はとことん使わなくては、宝の持ち腐れになってしまうからな』
「そういうものなんですか!?」
何か......秘密組織のメンバーになった気分だわ。
『準備はいいか?』
「えぇ.......とっくに出来てるわ!!」
そう言った後、私は........ヘリが飛び降り、ノイズがいる地点まで落下するのだった。
「メックヴァラヌス......テイクオフ!!」
舞鶴さんの秘密
実家がお金持ちなので、ヘリを保有しているぞ☆