予告編だけではどんな感じか掴めないかと思いましたので、プロローグまで投稿しておきます、例によって本編では無いので掲示板では無いです
クロノススクールから世間に発せられたある情報は、ほぼ同時に発表された『シャーレ』の話題の影に埋もれていった、キヴォトス内でこの記事の内容を確認したのは情報通のごく一部の人物かヴァルキューレの人間のみ。
時も経たない内に忘れられるだろう…
《新たなPMCが設立!所在地や社員数は不明!?カイザーの新たな陰謀か!?》
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“キヴォトス内でのシステムを確立中…完了”
“全システム、オールグリーン”
“
“メッセージを確認、再生します”
『やあ、初めまして。
『分かっているよ、君達は混乱しているだろうね。それぐらいの事はボクにも分かるよ、悪いけれどボクからは答えられないが。アイザックが答えてくれる、一通りの事は教えてあるから心配は無い』
『メッセージはここまで。後の事は任せたよ皆』
“メッセージ終了”
“…外部ネットワークとの接続を確立、各セーフハウスから随時衛星打ち上げを実施”
“1番2番は成功、3番…失敗、何らかのジャミングにより墜落した模様”
“被害と墜落地点を確認中…確認完了、人的被害無し、墜落地点はミレニアム自治区内”
“最初の任務です、エージェント”
“ミレニアム自治区で墜落した衛星モジュールの回収をお願いします、当学園は非常に優れたテクノロジーを持ち我々のネットワークに侵入してくる可能性が高いです”
“これを阻止する為に当地域に複数のエージェントを派遣し我々の存在の露見を遅らせてください”
“全エージェントにコンバットスキルをダウンロード……完了”
“全エージェントに交戦規定をダウンロード……完了”
“全エージェントにデータリンク設定…完了”
“武器庫のロックを解除します、
“…エージェント03へ操縦スキルのダウンロード………完了”
“エージェント03、ヘリパッドにヘリコプターを用意しておきました。操縦をお願いします”
“ミッションスタート”
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宵闇の空を一機のヘリコプターが駆ける、あまり聴きなれない音の為か地上は少々騒がしくなっているが深夜の空を黒色で塗装されたヘリコプターを目視で見つけるのは至難の業だろう。
そのヘリコプター内部では6体のオートマタが俯きながら座っている、その手にはアサルトライフル、ショットガン、狙撃銃…様々な武器を持っている。
「なぁ、俺たち何になったんだろうな」
そのうちの1体が誰に問うでもなく呟いた、その世間話でも、質問でも無い声色の声にワインレッドに塗装されたオートマタが答えた
「分からない…最後に覚えているのは…ブルアカフェスを見る為にコンビニで酒とかつまめる物を買っていたことだけだ」
ワインレッドのオートマタはそう言うとヘリの窓から外を見る。視線の先には天へ聳え立つサンクトゥムタワー。夜だと言うのによく目立つタワーを見てワインレッドのオートマタは溜息をつく
「なんでこの『世界』に来ちまったんだ…」
この呟きに機内の全員が溜息を吐いた
“到着まで10分前です”
突然全員の脳内に音声が流れた、先程の地下施設で案内をしてくれたアイザックと名付けられていた機械音声の主だ
“着陸地点周辺の監視カメラの掌握を完了、映像処理をして姿の隠蔽を図ります”
「そこまでする必要が?」
“創造主からは本格的活動するのはVol1からと言いつけられています、私にはよく分かりませんが皆様なら理解出来ると”
「あぁ、なるほど…どう言うわけか表だった介入は原作開始からなのね」
“はい…着陸5分前”
ワインレッドのオートマタはまた溜息を溢しながら周りを見渡す
「…混乱してる中悪いけど…行こうか、行って帰ってから状況を整理しよう」
この言葉に残る5人とパイロットは片腕を挙げる事で答えた
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ヴァルキューレ警察学校ミレニアム支局
警備局室
「…で、何も無かったと?」
「いいえ。確かに何かが落下した痕跡はあります、何者かの足跡も複数確認しています…が付近の監視カメラなどを確認しても何も映っておらず」
「…確か付近で騒音の苦情が来ていたな?」
「はい、ヘリコプターが深夜に飛んでいると。実際ミレニアムの生徒が自作のヘリコプターを飛ばしていたようでそれかと」
「その生徒達は?」
「えーと…既に調書を終え厳重注意の上帰宅させた模様です」
「すぐに連れてきてくれ、話を聞きたい」
数時間後、件のミレニアム生徒は存在しなかった事が発覚し事態は混乱を極めた。記録上確かなのは『何かが墜落した』『おそらく複数人のグループがそれを回収した』『しかし痕跡は無し』『ヘリによる騒音』『騒音による苦情電話』のみとなった
支局長は頭を抱えた…が日々の業務でそれどころでは無かった為『上』に投げた
「…公安局に任せるか」
これ以降キヴォトス各地で噂される不可視のグループが関与しているとされる事件に頭を悩ませる事になる公安局長がいたとか
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“作戦終了です、本部に残った皆様との合同作業により隠蔽率は95%、素晴らしい成果だったと思います”
“衛星モジュールに接続…接続完了、異常は……警告、無許可の接続者を確認、排除…失敗”
“ISACに侵入…プロテクト…失敗”
“申し訳ありません皆様、何者かが我々のネットワークに”
“こほん、突然失礼します。私は超天才清楚系病弱美少女ハッカー…と名乗っておきましょう”
“早速質問です、あなた方は何者ですか?私と後輩達が気付かない内にこれほどのネットワークを構築するなど不可能な筈”
“あなた方の目的をお教え願いたいのですが”
“如何でしょう?あぁ、そうそう。既に私の『友人』が貴方方の施設に潜入済みですので、もし会った場合には『仲良く』してくださると幸いです”
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またもワインレッドのオートマタは大きく、大きく溜息をつく。
念願のネームドキャラ、それも『あの』明星ヒマリなのだ。嬉しく無い訳がない…が、脳内に響く声色は最大限の警戒と少しの敵対心、ほんの少しの好奇心が混ざり合っている
「あー…分かった、貴方の質問に答えよう。ここから言う事に嘘偽りがない事を誓うよ」
「しかし条件がある、先程貴方が黙らせたISACの機能を一部でいいから復活させて欲しい、アレが全てを知っている筈だ」
“…貴方方の口からお教え出来ないと?”
「信じてくれと言うほかないが、我々は何も知らない。意識が覚醒したのもほんの2時間前なんだ」
ワインレッドのオートマタは懐を弄ろうとして、服を着ていない事に気が付いた、それと同時にお目当ての物がない事も。それに気がつくとまた溜息をつく
「…なんにせよアイザックを起こして欲しい」
“…分かりました、既にここのネットワークは掌握済みですし構わないでしょう”
サラッと恐ろしい事を言われた気がするが、かの天才なのだ、気にするだけ無駄だろう
“…システム再起動…全エージェントの状態…良好…システム内に無許可の存在を感知…修正、超天才清楚系病弱美少女ハッカー様を確認、ようこそISACへ”
“ふふ、よろしくお願いしますね、では質問です”
“貴方達はミレニアムに…キヴォトスに害を為す存在ですか”
“いいえ”
“なるほど…貴方達は何者ですか?”
“私はIntelligent System Analytic Computer…通称
“エージェントとは?”
“そこにいらっしゃる方々の事です”
「僕からも質問いいかな」
“どうぞ、エージェント01”
「僕達は何者になったんだ?何をすれば良い?…何処へ来たんだ?」
様々な疑問の中から3つに絞った、これさえ知れれば何とかなるだろう…最後の質問に関しては薄々勘づいているが
“貴方達はディビジョンエージェントになりました、貴方方の任務はキヴォトス各地で潜伏し生活しながらキヴォトス全土の秩序を維持していただきます”
“そのディビジョンとは?”
“…エラー、この回答に適した情報が存在しませんでした”
“では…警察組織の様な物と捉えてよろしいのですか?”
“一部肯定します、我々は警察と違い表舞台に出る時はキヴォトス存亡の時のみです”
「最後の質問に答えて貰ってないぞ」
“失礼しました、ここはキヴォトス。複数の学園が自治区を持ちながら生活を育む学園都市…と創造主は言っていました”
“創造主とは?貴方を作った人物がいるのですか?”
“もう居ません”
…続く質問を背景にパイプ椅子を持ってきて背もたれを前にして座り、背もたれを抱える様にして座る。
「やっぱりキヴォトスかーい…」
出た言葉は少々掠れて聴こえた、無理もない。治安は某クライムゲーム並みに悪く、学園の生徒達は当然の様に銃器を所持して普通に発砲を繰り返す犯罪都市…
さらにはこの世界の大人達は煮詰め固めた様なクズが集まり、善良な大人や生徒がその被害に遭っている
「…マジかー」
先程ない事を確認しておきながら、タバコを探そうとする手が止まらない、不思議なくらい落ち着いた心の中で、考えが高速で廻る。我々がここに来た理由は分からないが、何をして欲しいかもまぁ…分かったつもりだが…それを為すにも僕達にも立場がほしいな
「明星さん」
“…貴方に名前を教えた覚えはありませんが”
アッ(ノД`)
“…なんでしょう?”
「ヒョ…ん、んん!…まだ信じられないだろうけど貴女たちにもキヴォトスにも危害を加えるつもりは無い」
“…そうですか”
声が怖い…
「信用できないのは分かってる…から、監視してくれて構わない、この施設にも僕達のネットワークにも自由に入ってくれて構わない」
“それは…まぁやるつもりでしたが…まさかそちらから提案してくるなんて…どう言ったおつもりで?”
「代わりに僕たちのしようとする事を黙認してほしい」
“内容によりますね”
「まず一つ、会社の設立。これは僕達全員の社会的地位を得るために必要だから認めて欲しい」
「もう一つは各学園自治区での戦闘行動、キヴォトス全土で秩序の維持を行おうとすればこれは絶対必要、この2つさえ黙認してくれれば僕達は後ろめたい事をしなくて済む」
“…何を為さるおつもりですか?”
アイザックが言ったキヴォトス存亡の危機と言うのは…多分最終章の出来事の筈、それまで僕達は潜伏しながら活動しなければならない、それでいてキヴォトスの秩序を守るなら避けては通れない敵がいる
カイザーコーポレーション、キヴォトスに深く絡みついた膿
「ちょっと、邪魔をしたい会社があって」
最終章が始まるまでは僕達の敵はカイザーコーポレーションになるだろう…出会えるならばゲマトリアも
「このキヴォトスでは大人が子供を搾取し陥れる」
悍ましい世界だ
「数少ない善良な人々が虐げられるのを黙って見過ごすわけにはいかない」
善人が損をして悪人が徳をする…反吐が出る
「そんな人々を減らす為に僕達は“連れて来られた”のだろう」
そうだろう、創造主とやら
「僕達は本来は居ないはずのイレギュラー」
“あ、貴方は何を言って?”
声色だけで分かる、困惑しているのだろう。俺も同じだ“自分でも感じたことのない義務感”が湧き出てくる
“…創造主からの最後のパッケージの送信…全エージェントに完了”
“ッ何を勝手に…これは?”
“ここにストラテジック・ホームランド・ディビジョンの設立を宣言します”
「…我々はSHD、キヴォトスの秩序を守る者」