お前がモブなわけ無いだろ! いい加減にしろ!   作:うどんそば

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アビドスのお手伝い

 やっほ、モブだよ。さて、昨日は大変なことがあったね。まさか焼き肉をしようとした途端襲われるとは思ってなかったよね。

 あ、昨日の爆発で結構被害が出たんじゃないかと思っている諸君! 私を舐めて貰っちゃあ困るね。ちゃんと勢いは調整して、被害はなんとほぼゼロでした! やったね!

 

 あ、今日は昨日話してた、シャーレで楽しいことについて続きを話していこうかなって思ってるよ。

 

「あづーい……!」

 

 ちょうど今がそれだし、ね?

 

“ほんと、暑いね”

 

「そうだよお……いつ来てもここはすごいね」

 

“こんなに広い砂漠が広がってるのは、キヴォトスじゃここだけだもんね”

 

 今私は、シャーレのお仕事でアビドスに来てます!

 

 シャーレはいろんな生徒達の手助けをする所だって先生は言ってるんだけど、その活動の一環として、先生は呼ばれたら四六時中どこにいても駆けつけてくれる。――私がちょっとした怪我をした日、怪我して明日出れないかも。ごめんね! ってメッセージを送った五分後に私の部屋に駆けつけてくれたときは若干引いたけど。

 

 まあ、それに関しては先生が危なくなった瞬間どこからともなく現れるセリナちゃんもいるしそれと比べたら誤差誤差!

 

 あ、話がずれちゃったんだけど、呼ばれたら行くって言った通り、今日はアビドスから呼ばれて来てるんだよね。どうも、手伝ってほしいことがあるらしいんだよね。

 

「それにしても、暑いよねえ……」

 

“……ねえ、前に来たときも思ったんだけどさ、涼しくなる魔法とかないの?”

 

「いや、あるにはあるよ? けどさ、私達の周り全部を涼しくしちゃうから、温度差で超強い風吹いてくるから」

 

“なるほど……それで使わないんだね。……っと、着いたね”

 

「うん。いつ見ても大きいねえ。これが本館じゃないなんて、目を疑っちゃうよ」

 

 私がアビドスにこうやって来たのは、前回ホシノちゃんがさらわれていって、それを助けに行ったとき以来。それよりあとは、向こうがこっちのシャーレに足を運んでくれていたから。それでもあのときの経験は濃く記憶に残ってる。

 

 玄関を通って、正面の階段を登り、砂漠の近くなのに全然砂が入っていない掃除が行き届いた廊下を歩いていくと、対策委員会の教室があった。対策委員会の表示があるのもあるし、明らかにここだけにぎやかだからすぐに分かる。

 

「おはよーみんな」

 

「あ! 先生とアマネ! ということは早速来てくれたのね!」

 

「うへぇ……相変わらず早いねえ。今日はそれで助かるんだけどねぇ」

 

 中に入ると、やたらテンションの高いセリカちゃんがご機嫌で私達を出迎えてくれた。元気だなあ。見回すと、みんな揃ってるみたい。ホシノちゃんもクジラのクッションに顔を半分埋めながらだけど、起きてるみたい。

 

“ここまで来たわけだけど……ちなみに呼んだ理由っていうのは?”

 

 私達は呼ばれたから来たけど、実はなんで呼ばれたのかよく分かってない。とりあえず、呼ばれたし行こう。くらいの勢いで来たから。

 

「あ、それは私から説明しますね」

 

 アヤネちゃんはホワイトボードに投影機を向けて、それを起動した。そうしたら浮き上がってくる情報。……あれ、これって……

 

“ちょっと前に私達も見たね”

 

 そう。シャーレにも案内が来ていたほどの大型イベントの告知。それが今表示されているもの。会場はトリニティで、様々な学園からの出し物屋台を楽しむイベントで、普段犬猿の仲の学園同士であっても、その日だけは無礼講かつ争い無しで楽しむらしい。行ったことないから詳しくは知らないけどね!

 

「うんうん。これで?」

 

「私達の学園には当然、招待も来なかったわけですが、それをたまたま見つけたのがセリナちゃんで……それで、ここにみんなで出し物をしてみようということになったんです」

 

「確かに、いいかもね。知名度向上にはもってこいだよ」

 

 それこそ先生と私、それにアビドスの面々は、過去のアビドスの栄光などを知っているけれど、他の学園の、ましてや古いことなんかに興味がない一般生徒達はアビドスなんて高校、もはや知らない可能性もある。

 

 それに、ここは砂漠だらけとはいえ、砂漠があると言う良さとして捉えればなんとか……ならないか。

 ま、まあともかく! 一旦知名度をあげておくのはいいことだと思う。先生に尋ねてみても、やっぱり同意の返事が返ってくる。

 

「じゃあ、とりあえず私達に手伝ってほしいことって言うのはその準備?」

 

「うん。そう。最初は私達だけでやろうとしたんだけど、ホシノ先輩が手伝ってもらったほうがいいと思うって言うから」

 

 ホシノちゃんは完全にクッションに沈んで、手だけをあげて肯定してるみたい。

 

「先生、どうしよっか」

 

“うーん、本番までどれくらいあるの?”

 

 私達的にはもう手伝ってもいいんだけど、一応聞いておかないとね。

 

「えっとね、明後日よ!」

 

「あ、あさって!?」

 

 思わず声が出てしまった。

 

 あー、これ、どうしよう! その残り時間でなんとかなるかな? と、とにかく! このままじゃ駄目だから急いで動かなきゃ!

 

「ああ、先生たちは準備しなくてもいいよー。用意自体はもう終わってるんだー。先生たちにお願いしたいことは、準備以外のところなんだー」

 

 ホシノちゃんの間延びした声のあと、そういえば一言もまだ話してなかったノノミちゃんが勢いよく立ち上がった。

 

「先生方には、これを着て、これを下げて全力で楽しんでほしいんです!」

 

 ノノミちゃんの手にあったのは、『何故か』私にぴったりなサイズのアビドスの制服と、「アビドスレストラン! 砂漠ならではの食材をあなたに……」と書かれたプラカード。……え、もしかして私それをつけて練り歩かないといけないの!?

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