白魔女様のお世話係   作:モコモコモッコ

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ディアベルゼという新キャラクターが恐ろしいほど自分の性癖に刺さってしまい、この作品を書くに至ります。

細かいことは目を瞑っていただけると幸いです。


白魔女様と俺、それと少しだけモコモッコ

 

「はぁ…今日も疲れたわね…」

「でもまぁ…目的のものは手に入れることはできましたし…良しとしましょうか」

「さぁ、シン?早くお茶の準備をしなさい?」

 

 

そんな気だるげな声を発しているのは純白の衣装に身に纏っている美しい魔女『ディアベルゼ』だ。今現在は愛おし気に己が手に入れた罪宝を眺めている。その姿はまるで宗教画に出てくる女神のようだ。

 

 

「…ちょっと、何ボーっとしてるのよ、さっさと準備なさい」

「私は疲れてるの、そんな私に自ら動けと?あなたはそう言っているの?」

「はぁ…いい?行く当ても無くボロボロになっていたわざわざ貴方を拾って、その上私の身の回りの世話をするなんて光栄な仕事を差し上げたのはどこの誰かしらぁ?」

 

ニコニコと美しい笑みを向けながら大げさに素敵でありがた~い言葉を投げかけてくる

 

 

「それはもちろん、ベルゼ様です」

 

 

これは揺るない事実だ。理由は定かではないが、突如知らない場所に着の身着のまま放り出され餓死寸前だった俺こと『シン』を拾ってくれたのが、この白魔女『ディアベルゼ』である。彼女と俺は『罪宝』と呼ばれるお宝を探して旅をしている。

ちなみにベルゼというのは愛称のようなもので、特別に呼んでいいと言われたのでベルゼと呼んでいる。

 

 

「そうよね?じゃあそんな私のお世話をするのがどれだけ光栄か分かるわよね?」

「貴方が私の為に役立てる数少ない機会なんだから、その事実にむせび泣きながら感謝なさい?」

 

 

普段町で話しかけられている時は、猫を被るというか…良い魔女~なんだが…

 

 

「…はぁ、そうですね」

 

 

「む…尊敬の念が感じられないわね…」

「私は貴方を養っているといっても過言ではないのよ?もっと敬いなさい」

 

 

「単純な雑用から髪のセットにあたるまでベルゼの身の回りの世話をしているのは俺だけどね」

 

 

彼女は案外ズボラな性格なようで、放っておくとギリギリ限界までサボったりして結局間に合わせるために魔力を無駄遣いしたりと…まぁ色々だ。

そんな彼女の役に立てればと俺は身の回りの世話を買って出たのだ。実際戦いなんてしたこともないうえに貧弱な人間の身体である。これくらいでしか彼女の役には立てない。

 

 

「うるさいわよ!いい?貴方にやらせてあげてるの!」

 

 

「はいはい、そうですね」

「さ、お茶の用意ができましたよ、今日はローズヒップティーとクッキーです」

 

 

部屋に薔薇の香りがふわりと広がる。今日もいい出来だ、魔女様もご満足いただけるはずだ

 

 

「!…えぇ、私のことちゃーんと分かってるようね」

「…貴方が作るお菓子は相変わらず美味しいわね」

 

 

白魔女の顔が幸せに染まる。どれだけ最高の魔女だと持て囃されていたとしてもやはり甘いものが好き、なんて一人の女の子なんだということを実感できる。

お菓子作りを趣味にしていてよかったと、過去の自分に深く感謝する。

 

 

「これで食っていける自信はあるよ」

 

 

「ダメよ、貴方は私の所有物なのよ?」

「私以外に作るなんて許さないわ」

 

 

そんな風に魔女らしいを独占欲が強い一面を見せる。キリリとそして優雅にそう言葉を紡ぐ。

両手にクッキー持って、美味しそうにお菓子を頬張りながら、かっこつけられてもなぁ…全て台無しである。

 

 

「はいはい…分かってるよ」

「それより、次の予定は決まったのか?」

「何でも最近は"罪宝狩りの悪魔"と呼ばれているトレジャーハンターが色々やってるみたいだけど…」

 

 

なんとも物騒な名前だ…だけれどトレジャーハンターとしての腕は相当なものらしい。町で買い物ついでに情報を集めているのだが、色んなことが聞くことができる。

筋肉ムキムキの大男だとか…襲い掛かったやつらを1人残らずぶち殺してるとか…真っ黒な服着てるとか…ここだけ聞くとただのヤバいやつだな。

 

 

「…貴方が気にする必要はないわ」

「所詮、よくいる有象無象の1人に決まってる」

「でも…そうね、そろそろ次の街に行きましょうか」

 

 

彼女はティーカップを置いて、そう話し出す。

 

 

「いきなりだな、何か理由が?」

 

 

はて…?この街には不便だと感じないし、どちらかというと暮らしやすい街だと思うのだが…

 

 

「私の力目当てで近寄ってくるやつが増えてきたのよ…罪宝の情報集めのためとは言え利益がほとんど出ない依頼をたくさん受けたのもあるかもしれないけどね」

 

 

心底面倒だ…という表情で理由を話す。確かに、住民たちもこの街にいてくれたら安心だとか、魔女様がいれば安泰だ、なんて言ってたな。彼女は俺の前では傍若無人な魔女様ではあるが、一度外に出るとそれはそれは善い魔女なのだ。外面が良いとも言うが…

誰も知らない一面を己だけが知っていると思うと嬉しくも思ってしまう。それに彼女は何だかんだで優しいのだ。素性も分からない謎の男を拾って世話をしてしまう程度には。

 

 

「なるほど…確かにこれ以上親身になると街に永住してくれなんていい出しそうだな」

「出店の品ぞろえは良い街だからちょっと残念だな」

 

 

そんなた他愛ない話をベルゼとしていると椅子下から可愛い鳴き声が聞こえてくる。

 

 

「モッキュ!」

「モッ!モッ!」

 

 

一目見ると思わず撫でまわしたくなるようなふわふわ感を漂わせるモコモコの動物が寝床の毛布の中から出てくる。

 

 

「あら?モッコ、まだ起きていたの?」

 

 

「キュ!モモッ…?」

「モーッキュ!」

 

 

ポテポテとこちらに近寄り、ベルゼの膝の上に乗ったかと思うと再び丸くなってしまった

 

 

「…2人だけで話をしてるので仲間外れにされたと思ったのかもね?」

 

 

「フフッ、モッコは寂しがり屋だからそうかもね」

 

 

この2人に可愛がられているのは『モコモッコ』と呼ばれる生き物だ。ちなみに名付け親は俺。餌とかあげてたら懐かれてしまい、いつの間にか我らのマスコット兼ペットになっていた。

名前の通り体はモコモコであり、抱き心地は抜群。体温も高いのでベルゼも気に入ったのだ。

 

 

「さ、シン?そろそろ髪のお手入れお願いね?」

 

 

「はいはい、じゃあベルゼはモッコのブラッシングお願いしますね」

 

 

「えぇ、任せて!フワフワモコモコに仕上げて見せるわ!」

 

 

気合十分だ、モコモッコをブラッシングしている彼女の後ろに立ち、俺は彼女の絹の様に滑らかで黄金の様に煌めく髪に手を添える。

ヘアオイルを塗るなどの手入れだが、始めた当初は上手くできず、手間取ってしまったがもう随分と慣れたものだ。

髪の手入れだが、始めた日から非常事態でもない限り毎日欠かさず行っている。

魔法を使うことで常に清潔に保たれているのでこの行為に果たして意味はあるのだろうか…と考えることもある。

だが彼女は止めろとは言わない。ただ目を閉じゆったりとこちらに身を委ねるのだ。

 

 

「…ねぇシン?」

「次はどんなところに行こうかしら」

 

 

「んーしいて言うなら…ご飯の準備とか大変な場所は嫌だなぁ」

「でも…ベルゼが行く場所に俺は付いていくよ」

 

 

「…何それ?どこがいいって聞いたんだけど?」

「それに、さっきも言ったけど貴方は私のものなんだから、勝手に私から離れちゃダメなんだから…」

「…分かった?」

 

 

まったく…相も変わらずなんて独占欲が強い魔女様だろうか

それでも彼女と過ごす日々が俺にとっての日常なんだ、彼女がもう俺を必要ないと言うその時まで何が何でもついていくつもりだ。

 

 

「もちろん、よく分かってるよ」

 

 

これは異世界に迷い込んだ俺と、少し不器用だけれど、可愛らしい魔女との日常の一幕だ

 




ディアベルゼとディアベルスターどちらもとても素敵なキャラクターですよね。
罪宝の設定などもっと深く知りたい欲求が止まりません。

ディアベルスターとの絡みも書いてみたいですし、話が続くかもしれません。その時はよろしくお願いしますね


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