ゆめまぼろしに、いきたもの   作:BitterCoffee

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LINK VRAINSに発生したバグの『上澄み』。
情報収集のため、グレンさん特製決闘盤(デュエルディスク)を介し、私・不知火雪奈とAI(うわずみ)でデュエルをすることになりました。

私が用意した『真魔六武衆-シエン』、『真六武衆-シエン』、『六武式襲双陣』、『無限泡影』によって、AI(うわずみ)のモンスターの展開を妨害しましたが、相手の『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト』の攻撃により、私の残りLP(ライフポイント)は1000。
ネオテンペストの攻撃力は5000。更に、私のターンにもネオテンペストの効果によって、自身の攻撃力を2500アップしてくるでしょう。
相手のLP(ライフポイント)は未だ8000。絶望的な状況ですが、最後まで諦めません…!


決闘1-4 Pull Request

不知火雪奈

LP(ライフポイント) 1000

(フィールド)

『真六武衆-シエン』

 

AI(上澄み)

LP(ライフポイント) 8000

(フィールド)

『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト』

『ピカリ@イグニスター』(裏側守備表示)

 

『雪奈、まだ解析は完了していない。苦しい状況ではあるが、なんとか持ち堪えてくれ!』

 

「…分かっています、グレンさん」

 

LINK VRAINS(リンクヴレインズ)を流れるデータストームが、まるで無数の矢のように…。

身体に突き刺さるような痛みを、身体のあちこちで感じます…。

仮想現実とはいえ、現実とあらゆる感覚がリンクしているLINK VRAINS(リンクヴレインズ)では、決闘(デュエル)によるダメージも、ある程度フィードバックされるようになっています。

LP(ライフポイント)が尽きた時は…一時的に気を失うレベルの肉体的・精神的ダメージを受けるでしょう。

そうなってしまえばAI(うわずみ)に隙を晒してしまい、こちらの電脳に潜入される恐れもあります。

処理班の皆さんに迷惑を掛けるだけでなく、蒼葉家へのセキュリティホール(ぬけみち)として利用されてしまう可能性まであります。絶対に…負けません。

 

「私の…ターン!ドロー!」

 

「おっと、お嬢さん!そのドローフェイズ終了時に、ネオテンペストの効果を発動!EX(エクストラ)デッキから『サイバース・ディセーブルム』を墓地へ送るぜ!このカードは、自分フィールドにリンク4以上のサイバース族モンスターが存在し、相手が魔法・罠カードの効果を発動した時、墓地からこのカードを除外する事で、その発動を無効にするぜ!お嬢さんの(フィールド)に残っていたのが《真魔六武衆-シエン》じゃなくて《真六武衆-シエン》で助かったぜー」

 

『確かに。何で真六武衆の方のシエンを残したんだろ?ネオテンペストの効果を無効にして破壊できる、真魔六武衆の方のシエンを残すべきだったと思うけどなぁ』

 

『ケイト…雪奈の戦法にツッコミを入れるのは野暮よ。理由があるはず』

 

私が《真六武衆-シエン》を残した理由は、(レベル)6の六武衆S(シンクロ)モンスターを出すため。

六武衆には(レベル)1チューナーが存在します。《真六武衆-シエン》の(レベル)は5。再度S(シンクロ)召喚する土台は整っています。

それに…仮に《真魔六武衆-シエン》を盤面に残した場合、相手は《真魔六武衆-シエン》の効果を警戒し、ネオテンペストの効果を使用しない可能性があり、ネオテンペストを突破する手段としては不確実です。

 

『しかしネオテンペストの攻撃力は7500に上がっちまった上に、ディセーブルムの効果で魔法・罠カードの妨害もされちまう状況…モンスター効果だけで乗り切る必要がありそうだな…』

 

「はい。しかしながら、私にも対抗手段はあります。手札から『影六武衆-フウマ』を召喚!(レベル)5の《真六武衆-シエン》に、チューナーモンスター・(レベル)1の『影六武衆-フウマ』をチューニング!S(シンクロ)召喚!出陣せよ!『真魔六武衆-エニシ』!」

 

「攻撃力1700?お嬢さん…そんなモンスターを出したところで、オレのネオテンペストには遠く及ばないぜ?」

 

「『真魔六武衆-エニシ』の効果を発動!このカードがS(シンクロ)召喚した場合、自分の墓地の六武衆モンスターを任意の数だけ除外する事で、その数だけ相手フィールドのモンスターを対象とし、そのモンスターを手札に戻します!」

 

「なッ…!なにィー!?」

 

「私は墓地から『六武衆の侍従』と『六武衆の指南番』を除外します。『ファイアウォール・ドラゴン・ダークフルード-ネオテンペスト』と、裏側守備表示になっている『ピカリ@イグニスター』を対象に、それぞれ手札とEX(エクストラ)デッキに戻ってもらいます」

 

「クッソー!!やられたッ!!」

 

『やった!これで攻撃力7500のネオテンペスト(ばけもの)も除去、ディセーブルムの効果で魔法・罠カードの発動を無効にされる事も無くなったわ!』

 

「では…ここからが六武衆の真髄です。グレンさん、回します」

 

『おう、頼むぜ!デッキを回すことで時間が稼げるなら重畳。その上でAI(うわずみ)LP(ライフポイント)を0にできれば隙ができるはずだ。解析と沈静化、両方が達成できるってもんよ』

 

「参ります!私は手札から『六武の門』を発動!このカードには、自分が六武衆モンスターを召喚・特殊召喚する度に、武士道カウンターが2個乗ります」

 

『うっわ…出たよ…雪奈の十八番(おはこ)が…』

 

「続けて!自分の(フィールド)に六武衆モンスターが存在するため…『真六武衆-キザン』を特殊召喚!『六武の門』に武士道カウンターが2個乗ります。そして『真魔六武衆-エニシ』と『真六武衆-キザン』の2体をリンクマーカーにセット!召喚条件は六武衆モンスターを含む戦士族モンスター2体!L(リンク)召喚!リンク2!『六武衆の軍大将』!」

 

「おいおい…お嬢さん、攻撃力1700の『真魔六武衆-エニシ』を素材にして、攻撃力1000の《六武衆の軍大将》だァ?プレイングミスかい?」

 

「いいえ。『六武衆の軍大将』がL(リンク)召喚された為、『六武の門』に武士道カウンターが2個乗ります。加えて、墓地へ送られた『真魔六武衆-エニシ』の効果を発動!このカードが墓地へ送られた場合、自分の除外状態の六武衆モンスター1体を特殊召喚する効果があります。この効果によって、自身の効果で除外した『六武衆の指南番』を帰還させます!この際、『六武の門』に武士道カウンターが2個乗ります。現在、武士道カウンターは合計6個!」

 

『初ターンに六武の門を発動しなかったのは、様子見に徹した結果ということかしら。何にせよ…時間稼ぎと沈静化を同時達成できそうね』

 

「はい。続けて参ります。『六武の門』の効果を発動!このカードから武士道カウンターを4個取り除き、デッキから2体目の『真六武衆-キザン』を手札に加えます。そして自分の(フィールド)に六武衆モンスターが存在する為…『真六武衆-キザン』を特殊召喚。『六武の門』に武士道カウンターが2個乗ります。現在、武士道カウンターは合計4個!」

 

「えっ?え??これ…いつ止まるの…?」

 

(レベル)4の『真六武衆-キザン』に、チューナーモンスターである(レベル)2の『六武衆の指南番』をチューニング!S(シンクロ)召喚!再度、出陣せよ!(レベル)6…《真魔六武衆-シエン》!『六武の門』に武士道カウンターが2個乗ります。《真魔六武衆-シエン》がS(シンクロ)召喚した為、デッキから六武衆モンスターである『六武衆の師範』を手札に加えます。《六武衆の師範》も、自分の(フィールド)に六武衆モンスターが存在する為、自身を特殊召喚します。現在、武士道カウンターは合計8個です」

 

「止まらなさそう…だぜ…?」

 

「『六武の門』の効果を発動!このカードから武士道カウンターを4個取り除き、デッキから3体目の『真六武衆-キザン』を手札に加え…自身を特殊召喚!現在、武士道カウンターは合計6個。再度、『六武の門』の効果を発動!このカードから武士道カウンターを4個取り除き、今度は墓地から1体目の『真六武衆-キザン』を手札に加え…自身を特殊召喚!現在、武士道カウンターは合計4個。再度、『六武の門』の効果を発動!このカードから武士道カウンターを4個取り除き、墓地から2体目の『真六武衆-キザン』を手札に加え…自身を特殊召喚!『真六武衆-キザン』は、自分の(フィールド)に他の六武衆モンスターが2体以上存在する場合、攻撃力が300アップします」

 

『軍大将、真魔シエン、師範、3体のキザン…合計攻撃力は、1000+2500+2100+2100+2100+2100=11900!』

 

「全モンスターで直接攻撃!」

 

「うっ…うわああああああ!!!」

 

AI(上澄み)

LP(ライフポイント) 8000 → 0

 

「…私の勝ちです!」

 

『解析完了!ナイスだ、雪奈!続いてバグフィックス用パッチを適用するっ!』

 

「ふふ…面白い決闘(デュエル)だったぜお嬢さん…だが………!」

 

「何っ!?」

 

AI(うわずみ)は、突如として霧散………。

私とAI(うわずみ)の周囲を形成していた、ドーム状のバリアが消失する前に…?

 

『しかもよ…バグフィックス用パッチが効かねぇ…』

 

『お疲れ様、雪奈、グレン。AI(うわずみ)について、色々思うところがあったけど、まずは解析結果を見てみないとね。雪奈、動けそう?少し休憩したら、一旦拠点に引き返して頂戴』

 

「…はい、アキル。少し休憩してから帰還します」

 

決闘(デュエル)には勝ちました。

一先ず、目の前の脅威は去ったと言っていいでしょう。

しかしながら、あのAI(うわずみ)…本当に奇妙でした。

アキルの言う通り…今は拠点に戻り、グレンさんの解析結果を見てみましょう───。

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