グレン特製
捕縛までは至らなかったけど、
一旦、拠点に戻って情報を閲覧することにしましょう。
「グレン、どう?雪奈が頑張ってくれたもの。それなりに良い情報は得られたかしら」
『ああ。だがまあ…やっぱり臭い感じだな、アキルお嬢』
「ただいま戻りました、アキル」
「雪奈、お疲れ様。ケイトも戻ったわね」
「はーい、ここに居るよ。じゃあ早速、解析結果を見てみましょーか」
2年前…
業務用プログラムと言っても、
その大規模なシステムの中枢を担っていたのがAIだったのだけども、そのAIに深刻なバグが混入していて、
…と、ここまでは予想通りではあるものの。いざ対峙した
『俺が用意したバグフィックス用パッチは効かなかった。つまりだ』
「あの人間的な初歩的なミス…バグフィックス用パッチが適用されない…つまり、アレは上澄みモドキ。上澄みに擬態した人間って所かしら」
『…何でわざわざ上澄みに擬態したかは不明だが』
「しかし…私の剣には確かな手応えがありました。あの感触は一体…?」
『元々の
「Playmakerや、闇のイグニスが使用したカードに加えて、我々の
『おそらく…な』
"星外の力"ね…。我々の技術にも使用されている、世の理の外の力。
私達が、一般に流通していないカードを使用できるのは、この"星外の力"のお陰。
デュエルモンスターズなら、我々の世界に流通していない、それどころか、存在しないカードまで生成し、使用できる。
「厄介だわ。どの程度扱えるかは不明だけど、少なくともカード生成くらいはできてる」
『それに、バグフィックス用パッチが効かなかった所を見ると、既に…元々の上澄みのコード解析、必要なバグ取りまで済ませたんだろうな。
「アタシらと同等かそれ以上のコーダーにして、"星外の力"を使う魔術師の類でもある…か。目的はなんなんだろうね?」
「目的は分からないけど…少なくとも、時間稼ぎしたかったように思えるわ」
上澄みに擬態し、我々を誘導し、
我々の眼を掻い潜って、真の目的を達成したかった…?
さっきの上澄みの元は、SOLテクノロジー社の業務用プログラム。
「目的は…SOLテクノロジー社か!クリス!
『かしこまりました、お嬢様!』
『なるほど…上澄みモドキは陽動で、本命はSOLテクノロジー社か。クソッ…やられたッ!』
「繋がると良いけど…
「部長!不正アクセス!不正アクセスです!我が社のセキュリティが…突破されました!コード解析結果は…弊社のAIです!」
「馬鹿な!?上澄みは蒼葉が対処したはず…こちらでもモニターしていたはずだ」
「
「よし、繋げ!」
『
「蒼葉アキル…!どういうことだ、上澄みは対処したんじゃなかったのか!?」
『アレは"上澄みモドキ"です。御社のAIは、"星外の力"を扱うクラッカー…おそらく人間に遠隔操縦されています』
「"星外の力"だと…?なるほど…キミだけの手柄にしたいんだな。他のガベージコレクターに手を出させないようにして!」
『…ハァ、ラット様。…今からこちらのグレンに解析データを送らせます。それで違うと判断して頂くしかないですね』
「………わかった。後で見るから、今はキミの言葉を信じよう。"星外の力"を扱う魔術師が相手となると、それこそキミ達の領分だ。…こちらでできることは?」
『今そちらでできることは…各々、LANケーブルを引っこ抜くくらい、ですかね。では、上澄みモドキの対処を続行します。失礼します』
「クソ…!蒼葉アキル…頼んだぞ…!各自、自衛しろ!
「どうだった?アキルちゃん。とはいえ、例のセキュリティ部部長の反応…想像できるわー」
「ラット部長、例に漏れず慌てふためいてたわ。グレンから解析データを送るって言ったら黙ったけど」
『なんというか、相変わらずだな。あの部長。…よし、解析データは共有したぞ』
「ありがとう、グレン。さて…これから
「承知しました。私も続きます」
「んじゃ、アタシも続くわ」
「頼んだわ」
あの上澄みモドキ、SOLテクノロジー社に潜り込んで何するつもり?
Playmakerや闇のイグニスのカードを使う辺り、
今のSOLテクノロジー社にそれ以上の成果はないはず…。
とにかく、今は上澄みモドキを追う以外に選択肢はない。
"星外の力"を扱う魔術師なだけに、尚更ね。
『しかし…何故あの時アイツは、ドームバリアが消失する前に脱出できたんだ…?』