ゆめまぼろしに、いきたもの   作:BitterCoffee

8 / 10
LINK VRAINSに発生したバグの『上澄み』。
グレン特製決闘盤(デュエルディスク)を介し、雪奈とAI(うわずみ)決闘(デュエル)することで、情報収集と沈静化を実施することに。
決闘(デュエル)の結果、雪奈の逆転勝利で決着。しかしAI(うわずみ)は霧散。
捕縛までは至らなかったけど、AI(うわずみ)から得られた情報は大きそうね。
一旦、拠点に戻って情報を閲覧することにしましょう。


決闘2-0 Rebase

「グレン、どう?雪奈が頑張ってくれたもの。それなりに良い情報は得られたかしら」

 

『ああ。だがまあ…やっぱり臭い感じだな、アキルお嬢』

 

「ただいま戻りました、アキル」

 

「雪奈、お疲れ様。ケイトも戻ったわね」

 

「はーい、ここに居るよ。じゃあ早速、解析結果を見てみましょーか」

 


 

2年前…LINK VRAINS(リンクヴレインズ)の運営元・SOLテクノロジー社が大金を掛けた、業務用プログラム。

業務用プログラムと言っても、LINK VRAINS(リンクヴレインズ)の運営を円滑化するために組まれた、大規模なシステムだったようね。

その大規模なシステムの中枢を担っていたのがAIだったのだけども、そのAIに深刻なバグが混入していて、LINK VRAINS(リンクヴレインズ)のリソースを食い荒らす『上澄み』になった。

…と、ここまでは予想通りではあるものの。いざ対峙したAI(うわずみ)は、あまりにも人間臭すぎた。

 

『俺が用意したバグフィックス用パッチは効かなかった。つまりだ』

 

「あの人間的な初歩的なミス…バグフィックス用パッチが適用されない…つまり、アレは上澄みモドキ。上澄みに擬態した人間って所かしら」

 

『…何でわざわざ上澄みに擬態したかは不明だが』

 

「しかし…私の剣には確かな手応えがありました。あの感触は一体…?」

 

『元々のAI(うわずみ)を乗っ取って、遠隔操縦していたんだろうよ。直接斬られてもいいように。泥人形に姿が変わる演出までしてな。決闘(デュエル)の腕はともかく、随分と慎重なヤツだ』

 

「Playmakerや、闇のイグニスが使用したカードに加えて、我々のDB(データベース)に無かったカードを使ったのは何故でしょう?明らかにシナジーのあるカード達でした。やはり…"星外の力"でしょうか』

 

『おそらく…な』

 

"星外の力"ね…。我々の技術にも使用されている、世の理の外の力。

私達が、一般に流通していないカードを使用できるのは、この"星外の力"のお陰。

デュエルモンスターズなら、我々の世界に流通していない、それどころか、存在しないカードまで生成し、使用できる。

 

「厄介だわ。どの程度扱えるかは不明だけど、少なくともカード生成くらいはできてる」

 

『それに、バグフィックス用パッチが効かなかった所を見ると、既に…元々の上澄みのコード解析、必要なバグ取りまで済ませたんだろうな。PG(プログラマー)としての技量も確かだ。実際、俺達に、上澄みと錯覚させるくらいに巧妙に作り込んでやがった』

 

「アタシらと同等かそれ以上のコーダーにして、"星外の力"を使う魔術師の類でもある…か。目的はなんなんだろうね?」

 

「目的は分からないけど…少なくとも、時間稼ぎしたかったように思えるわ」

 

上澄みに擬態し、我々を誘導し、決闘(デュエル)

我々の眼を掻い潜って、真の目的を達成したかった…?

さっきの上澄みの元は、SOLテクノロジー社の業務用プログラム。

 

「目的は…SOLテクノロジー社か!クリス!あの人(・・・)に連絡を!」

 

『かしこまりました、お嬢様!』

 

『なるほど…上澄みモドキは陽動で、本命はSOLテクノロジー社か。クソッ…やられたッ!』

 

「繋がると良いけど…あの人(・・・)、最近忙しいらしいのよね」

 


 

「部長!不正アクセス!不正アクセスです!我が社のセキュリティが…突破されました!コード解析結果は…弊社のAIです!」

 

「馬鹿な!?上澄みは蒼葉が対処したはず…こちらでもモニターしていたはずだ」

 

ラット(・・・)部長!蒼葉様から緊急連絡です!」

 

「よし、繋げ!」

 

ラット様(・・・・)、お世話になっております。蒼葉です。』

 

「蒼葉アキル…!どういうことだ、上澄みは対処したんじゃなかったのか!?」

 

『アレは"上澄みモドキ"です。御社のAIは、"星外の力"を扱うクラッカー…おそらく人間に遠隔操縦されています』

 

「"星外の力"だと…?なるほど…キミだけの手柄にしたいんだな。他のガベージコレクターに手を出させないようにして!」

 

『…ハァ、ラット様。…今からこちらのグレンに解析データを送らせます。それで違うと判断して頂くしかないですね』

 

「………わかった。後で見るから、今はキミの言葉を信じよう。"星外の力"を扱う魔術師が相手となると、それこそキミ達の領分だ。…こちらでできることは?」

 

『今そちらでできることは…各々、LANケーブルを引っこ抜くくらい、ですかね。では、上澄みモドキの対処を続行します。失礼します』

 

「クソ…!蒼葉アキル…頼んだぞ…!各自、自衛しろ!LINK VRAINS(リンクヴレインズ)は何としても守れ!」

 


 

「どうだった?アキルちゃん。とはいえ、例のセキュリティ部部長の反応…想像できるわー」

 

「ラット部長、例に漏れず慌てふためいてたわ。グレンから解析データを送るって言ったら黙ったけど」

 

『なんというか、相変わらずだな。あの部長。…よし、解析データは共有したぞ』

 

「ありがとう、グレン。さて…これからLINK VRAINS(リンクヴレインズ)経由でSOLテクノロジー社に向かうわ。遅れを取った分を挽回しましょう。今回は私が先頭よ」

 

「承知しました。私も続きます」

 

「んじゃ、アタシも続くわ」

 

「頼んだわ」

 

あの上澄みモドキ、SOLテクノロジー社に潜り込んで何するつもり?

Playmakerや闇のイグニスのカードを使う辺り、LINK VRAINS(リンクヴレインズ)の最重要機密には辿り着いている。

今のSOLテクノロジー社にそれ以上の成果はないはず…。

とにかく、今は上澄みモドキを追う以外に選択肢はない。

"星外の力"を扱う魔術師なだけに、尚更ね。

 

『しかし…何故あの時アイツは、ドームバリアが消失する前に脱出できたんだ…?』

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。