【Buriedbones Continue】未来の屍体   作:猫乃湯和

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迫る者ども

 山手区内の連続誘拐(旧:失踪)事件は解決し、主犯のレベッカ・ランナーは乙女区へ逃走中。共犯のチャック・ヨハンソンとジョン・マッコイはカーチェイスの果てに逮捕。このため区内の犯罪注意報は解除となり、区民は土曜日の夜を存分に楽しめる身になった。

 

 別件。

 マリー・ヴァレンティン殺人未遂などで指名手配中のジョセフ・ガルシアとフュリー・フアレスも逃走中で行方不明。ジョセフは乙女区のギャングV0012の構成員であったが、このギャング団は違法取引と一般人への危害が過剰になったことで解体されて間もない。これによってヨットハーバー含めた拠点は全て潰された。乙女区から遠くへ逃げるには車を調達せねばならない。

 

***

 

 日曜日の太陽は地平線に落ちたが、ウィンタース家の庭ではバーベキューが続いている。間もなく帰宅するマリーのためと、事件続きで気が滅入ったフェリシアのためだ。他のメンバーはクオレ、鳶楽隊のホセとアンドレ、そしてチャールズ。食事やデザートの他、音楽家による弾き語りやフットサル、チャールズの話術などで忙しいままささやかなパーティーは終わった。

 片付けが始まる中、ビビアンはマリーを自宅に送ろうとしていた。

「もう少し居てもいいのに」

「ここは凄くいい場所だけど通勤が遠くて。後、冷蔵庫が心配」

「冷蔵庫はしょうがないわ。何かあったらいつでも言って。護法もあるから危険はほぼほぼないと思うけど」

「ええ、ありがとう」

二人で握手を交わし合った。

 外野の賑わいが消えた。

 スマホを握るフェリシアと、彼女を囲む男達は困惑で強張っており、理由は尋常ならないとビビアンは判断した。

「お姉さん、どうしよう」

フェリシアも困惑している。

「何があったの?」

「フュリーがウチに来るって」

とSNSの画面を示した。

 

***

 

 山手区西部の路面電車はあくまでも住宅地と山手中央駅を繋ぐためにあり、繁華街とは縁がない。このため日曜日の夜の沿線は非常に静かだ。

 区西部には乙女川東岸の遊歩道も含まれるが、安いマンションや町工場のせいでせせこましく見える。

 その遊歩道のスロープにて、大きなカートを押し歩く2人の浮浪者がいる。顔はフードと街灯の影で見えず、両者の邪悪さをより強く見せている。

 2人は東岸通りに出た。車も散歩する地元民さえもいない。小柄な浮浪者が周囲を見渡したが、すぐのT字路を示した。頷き合った邪悪な2人はまたカートを押し、T字路から東岸第2公園を目指す。

 

 第2公園からはフェリシアの自宅が見える。

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