ポケモンマスター?違います、彼女探しの旅です 作:600族
ふと気がつけば生まれ変わっていた……なんてことを言えば頭のおかしい奴だと思われるだろうか。まあ、事実だからしょうがないね。
この世に生まれ落ちて18年。一般的に10歳を超えれば大人の扱いを受けるこの世界。
──ポケットモンスター
有名なタイトルだ。
ゲームをやったことは無かったから知識は乏しいがアニメは見ていたからどうにかなった。
まあ、知識がそこまでなくても普通に暮らす分に不便は無い。
今暮らしているのはマサラタウン。まさにド田舎と言っても過言じゃない場所だがのどかで意外といいところだ。
生まれ故郷のシンオウ地方には仲の良かった年上のお姉さんがいたが、今元気だろうか。
そんな俺こと、"グレイ"はこの田舎で親の八百屋の手伝いに明け暮れていた。
マサラタウンで育てた野菜を近くのトキワシティへと運ぶだけだがまあのんびりしたスローライフを謳歌している。
そんな中の事だった。
「──え?旅?」
「そうそう。お前もいい歳だし世界を見て回ったらどうだ?」
親から言われた一言。
旅に出てみないかというもの。
「いや去年旅したし」
「このカントー地方だけの話だろう?他の地方に行くとかさ」
野菜の梱包をしながらの親父との会話。
そんな最中、頭を過ぎるのは去年のこと。
近所に住む年下の子たちの面倒を見るという名目で旅したカントー地方。
3人の可愛い弟分たち。
犯罪組織の野望に巻き込まれつつ、人知れず世界を守ったりなんかしたなあなんてことを懐かしく思い出していた。
「"レッド"君も色んな地方に旅に出ているんだろう?"ブルー"ちゃんも色んな場所でコンテストに出て活躍してると聞くし」
「"グリーン"だってカントーに残ってるじゃん」
「彼はチャンピオン……いや、今はジムリーダーだったかな?とりあえず役目があるんだろう?"ナナミ"ちゃんもおじいさんの手伝いで色んな地方に出てるんだ。お前もそろそろ旅に出てみろよ」
そう言われ、うーん、と首を傾げた。
「別にポケモントレーナーとして強くなりたいわけじゃないし、目的がないからなあ」
「いいじゃないか、目的なくブラブラしても。ぶっちゃけ母さんと話してたがそろそろお前にも彼女を作って欲しいんだ」
「えー……」
唐突な言葉に呆れた声が漏れた。
なんで親に女関係を心配されなきゃいけないんだ。
「父さんたちはな。孫が見たいんだ。だからどっかの地方で女引っ掛けて安心させてくれ…!」
「言い方よ」
「シンオウ地方のあの子はどうなんだ?仲良かったろ?」
「連絡取り合ってるけど、夢叶えて今考古学者らしい。しかもチャンピオンにもなってるってさ。忙しいでしょ」
「出世してるな!お前だけ色んな人達に置いてかれてるな!」
「………」
確かに周りと比べて俺と来たら……と思うことはある。
でもそれを言葉にしないで、悲しくなるから。
「まあ、カントーにいい女がいるならそれでもいいが……は!もしかしてブルーちゃんやナナミちゃんと…!?」
「余計なお世話がすぎるって…!」
親とこういう話はマジで気まずい。やめて欲しい。
今世の俺……というより前世からだが、別に可もなく不可もなくのフツメン顔。性格イケメンな訳でもない。むしろ消極的タイプ。
去年の旅だって、3人の面倒見てあげてねと半ば強引に送り出されたものだしな。
……よくよく考えればあれも親から彼女探してこいって意味だったのかもしれない。余計なことしかしないな。
「旅で会った子とかは?ジムリーダーとか」
「仲良くなったやつはいるにはいるよ」
「……恋のお話、聞かせて?」
「キッツ……!教える義理無いから…!」
きゃるんとしたお目目で訴えかけてくる親父にゲンナリする。
頭が痛くなってきた。
「そんなわけだから旅に行ってきなさい」
「……やだー」
「行かせます」
「行かせます…!?」
そんなことを言う親父。
俺は行かんぞ。絶対に。
そう意気込んで、このマサラタウンでのスローライフを謳歌するんだと決意を固めた。
が、しかし───
「………………」
気がついたらホウエンの地に降り立っていた。
……ちっくしょうめぇ…!
やる気があれば続き書くヨ