ポケモンマスター?違います、彼女探しの旅です 作:600族
「──はぁ……」
階段に腰かけた俺はため息をこぼした。
現在いる場所はホウエン地方はミナモシティでございます。
まさか親に睡眠薬を盛られ寝かせられている間に船に乗せられるとは…!
行動力の塊の親と言えどここまでするとは思わなんだ…!
目が覚めたら海の上。もうどうしようもなかったねくそったれ。
「"ブイ"も"よっさん"もうちの親止めてよほんとに」
「……?」
「ヨギ!」
痛い痛い、やめてよっさん。俺の頬を叩かないで。
色違いイーブイのブイさんとヨーギラスのよっさん。
心強い旅の仲間である。俺以外の被害者と言ってもいいね。
腕にすっぽり収まるブイが目を合わせて首を傾げてくる。
……よっさんは肩車のように俺の肩に乗り落ちないよう頭を掴んでいて少し痛い。こら、後ろからペちペち頬を叩かないで。あなた何気重いのよ?
え?ナヨナヨしてるからこんなことになるって?やかましいわ。
これは転生特典なのかは分からないが、ポケモンの鳴き声を聞けばそれとなく意味が伝わってくるのだ。意外と役立つ能力だ。
ブイは昔からおうちで暮らす家族でよっさんは去年カントー旅してたらたまたまの出会いを果たした。
ガキ大将気質でよくケツを蹴飛ばされる。そういや出会いの時もドンファンとかボコボコにしてたっけ?
……よっさんつよつよしゅぎて怖いめぅ。
「ヨギヨギ」
「……ん?手紙?」
後ろからよっさんに差し出された紙を受け取る。
広げてみるとそれは1枚の手紙。読んでみると──
──よっす!未来のモテモテナイスガイ!
この手紙を読んでいるということは無事にホウエンに着いたようだな。
お前のことはブイとよっちゃんに任せたから多分大丈夫だろ。
こっちはお父さんのカイリキーと愛しのマミーのヤルキモノがいるから大丈夫だ。安心してくれ。
まあ、後特に書くことないから楽しんでこいよーとだけ。
PS.お土産待ってるわよー。お母さんより
彼女も待ってるぞ!お父さんより
──グシャッ……!
ちょっとイラッときたね。ちょっとね。
荷物はリュックサック1つ。
中にはホウエンのタウンマップ。グリーンの爺さん、オーキド博士から貰ったポケモン図鑑。その他細々したものいくつか。
簡易的テントもあるのか。モンスターボールの技術をフル活用したリュック。容量は無限に近い。技術しゅごいわぁ。
とりあえずこのミナモシティを観光しようか。
コンテスト会場あるらしいし。港町だから海鮮も美味しそうだなあ。
買い食いがてらコンテスト見に行ってみるか。
「さあ、行くわよーおまいたち」
「ブイ♪」
「ヨーギ」
ブイを抱き抱え立ち上がる。
よっさんも肩に乗り手を前に指を立てる。……進めーじゃないのよ。重いのよ。降りて?
イカのゲソ焼きを3人仲良く咥えながら目指す先はコンテスト会場。
視界に見えてくればなかなかに盛況のよう。入口前に固まる観衆たち。
ブルーちゃんもこういうとこで活躍してんだなあと感慨深くなった。確か今シンオウの方にいるんだっけ?確かにあそこくそでかいコンテスト会場あったもんなあ。
なつかしいな、我が地元。
「みなさーん!こんにちはルチアとチルルだよー!」
ボーッと歩いていたらふとそんな声が聞こえた。
声のした方を向いてみるとそこに居たのは水色の髪をポニーテールにまとめたコンテスト衣装に身を包んだ女の子。
大勢の人たちの前でそんな挨拶をしてる姿からなかなかの人気者だと言うのがわかる。
「うおおー!ルチアちゃん!俺をカレシにスカウトしてくれー!」
うお!?
いきなり近くにいた男がそんなことを叫んだ。……変態だ!
彼氏にしてくれとか必死すぎてウケるー………俺も彼女探しで旅に出てるんだから人の事言えねえや。
そんなことを思っていたら、件の少女と目が合った。
「……あ!」
……なんか閃いたような顔してんな。可愛い子に注目されるのは嫌では無いけどなんだか嫌な予感はするゾ。
「ミラクルチアの〜コンテストスカウト〜。素敵なトレーナーさんをコンテストに誘っちゃうよ〜」
あ、これあれだ。俺誘われるやつだ。
「逃ぃげるんだよぉ〜!」
「え……あ、ちょっと…!」
ほれ見ろ俺の方に来た。
コンテストなんて出たことないから。よっさんとブイだけだとなんも出来ないから。
今度ブルー連れてくるからそれでゆるして。
「よし、さっさと街を出よう。そうしよう」
「ブイ…?」
「ヨギ……」
よっさんのジト目が突き刺さる。このチキン野郎って?やめて、その言葉は俺に効く。
とりあえず近くの町はどこだ〜?……なるほど、ヒワマキシティか。
そんなこんなで俺の彼女探しの旅は始まった。……不本意だけど。
衝動的に描き始めたから今後の展開なんも考えてないなあ。どうしよ。