ポケモンマスター?違います、彼女探しの旅です 作:600族
「──ここがヒワマキシティかあ〜。テーマパークに来たみたいだぜ、テンション上がるなあ」
「ブイブイ」
「……ヨギ?」
ミナモシティを出発して数日間の歩きを経てたどり着いた新天地。
木々に囲まれた森の中にある街、ヒワマキシティ。
家屋は木の上に建てられており、その建物と建物を繋ぐロープと丸太で作られた橋。
まさに自然と一体化したようなそんなところ。
「……こういうところでのスローライフもいいな…!マサラタウンから引っ越してこようかな?」
「ヨギ!」
「あて」
呟いた言葉に肩車をしているよっさんから張り手が飛んできた。
いいじゃない、別に。そんな叩かんでよ。
さて、まずは疲れた体を休めたい。ポケセンはどこかしらー?
「……アダっ!?」
何かに激突したような痛みが頭に走る。
そのまま背中から転ぶが、よっさんは危険を察知し俺の顔を踏み台にしブイを俺の腕から回収。そのままジャンプで地面へ華麗に着地……と同時に俺は地面へと無様に転がった。
……よっさんー?
「いや、てかいきなり何?なんなの?」
痛む頭を押さえながら目の前に目を向ける。
ヒワマキシティの境を越え、いざ街中へと足を進めた時に起こったことに頭がこんがらがる。
しかしそこには何も無く、頭にハテナが浮かんだ。
が、次の瞬間、横から飛んできたよっさん。
「ヨギィ…!」
虚空に向かって放たれた飛び蹴り。
直後、そこに現れたのは──
「グエ……!?」
──二足歩行のカメレオン。
そのまま吹っ飛び、木々を薙ぎ倒し、やがて倒れた。
死んでは無いよな?大丈夫だよな?
……よっさんの飛び蹴りやばいよな。俺も初めの頃は意識落ちてたよ。
とりあえず図鑑を取りだし早速調べてみる。
カメラを向けるだけで情報が書かれた画面が出てきた。
──カクレオン いろへんげポケモン
からだの いろを まわりの けしきに あわせて へんかさせる のうりょくを もつ ポケモン。おどろくと もとの いろに もどってしまう。
「…………」
……よし!
「早くポケセン行こー。腹減ったー。ポケセンの休憩所のハンバーガー美味しのよねー」
「ブイブイ♪」
「ヨギ!」
歩き出した俺の横に付けてくるブイと後頭部に飛び乗ってきたよっさん。
よっさんのその勢いでバランスを崩し顔面から地面へとコケた。
痛すんぎ…!鼻血出たやんけ…!
……え?カクレオン?まあ死んでないから大丈夫じゃね?(ハナホジ)
「──プハー!生き返るー!」
疲れた体にサイコソーダ。
美味すぎる…!悪魔的だァ…!
あとはバーガーとポテト。これが王道。
油が多く良くない食生活であるが、健康なものだけ食べるのも健全じゃないらしいからね。
毒も喰らう、栄養も喰らう。両方を共に美味いと感じ、血肉に変える度量こそが食には肝要だ。なんてことを地上最強の生物さんも言ってますからね。
「よっさんもほれ」
「ヨギヨギ」
ハムハムと頬を膨らませて食べよる。きゃわいいでしゅねぇ〜。
「ブイも……あれ?ブイは?」
「ヨギ?」
気がつけばブイがいない。
なんてことだ…!早く探しに行かねば…!
手にしたバーガーとポテトを口へと詰め込み。席を立つ。
あ、やべ。喉詰まった。
死ぬ…!死ぬ…!
「ヨギ!」
「っ!?……!…………!……ぷはぁ」
よっさん、腹パンで食ったものを吐き出させようとしないで。喉の詰まりはどうにかなったけど、対応が荒々しいよあなた。
何とか吹き出さずに飲み込み治して事なきを得た。その後、ソーダを一飲み。
ブイさんやーい。どこに行ったんだい?
そんな気持ちを胸によっさんを肩車し歩き出す。
と、その時だった。
「──どこから来られた子なんでしょうか?」
ふと聞こえた声。
目を向けるとそこに居たのは全身ぴっちりスーツに身を包んだヘルメットを被った女性。傍らにいるのは青い鳥が全身にわたあめを纏ったかのようなポケモン。
そういやミナモシティのルチアだっけ?あの子の横にもいたなあのポケモン。
まあそんなことよりブイだ。どこに行った……って、あれブイじゃね?
女性の横のポケモンのわたあめのようなところに身を小さくしてスヤスヤ寝ておるわ。
色違いイーブイなんてそうそういないしあれブイだよな。
「……うちのポケモンがすみませんね」
「え?……あなたは?」
「そこのイーブイのトレーナーです」
「あ、そうなんですね。可愛らしい子ですね」
分かる(分かる)
うちの子は可愛い。この世の真理である。
ああ、そんなことよりも怒ってないようで良かった。
「あ、申し遅れました。私、このヒワマキシティでジムリーダーを務めております"ナギ"と申します」
「はえー、ジムリーダーさんかー。どうも旅人のグレイです。どうぞよろしく」
「旅人さんなのですね。グレイさんはどちらから?」
「ミナモの方から今日着きまして。数日前にカントーからホウエンに……まあ観光に来た感じです」
「カントーから、ですか?長い船旅でしたでしょう」
ははは、船旅の半分は寝てたわ。
初対面なのになんて優しい対応。
ジムリーダーの人たちってやっぱりいい人多いなー。
「良かったら街をご案内しますよ」
「いいんですか?じゃあお言葉に甘えさせてもらいましょうかね」
ひょんなことからジムリーダーと縁が出来た。
……やったぜ!
原作主人公とそのライバルはいつ出てくるのか。
ヒワマキとヒマワキをまちがえる…。