ポケモンマスター?違います、彼女探しの旅です   作:600族

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お気入りが600弱…?
伸びがおかしい…。


無能トレーナーのポケモン講座

 

 

 

「──"ミツル君"はなんで強くなりたいんだ?」

 

頭を下げてきたショタ、いや少年。

 

ほっとくのもあれだし彼を誘いフードコートへとやってきた。

俺はラーメンを、ミツル君は海鮮パスタを。

 

……パスタ美味そ。おかわりで頼もうかな。

 

「……ぼくは生まれながら体が弱かったんです」

「……ほう」

「だから療養のためにトウカシティからシダケタウンに引っ越してきて。空気が澄んでいて体の調子も良くなって……そうなったら今度は憧れのポケモントレーナーを目指したい。……と、そう思ったんです」

 

体が弱くてやりたいことやれなかったけど体調がだいぶ良くなったから夢を目指し始めた……俺とは比べられないほど立派な子だなあ。いや、逆に俺の旅の目的がクソすぎるんだよなあ。

 

父さん、俺恥ずかしいよ。父俺恥。

 

「調子に乗ってこのキンセツシティのジムに挑戦しようとしたら……叔父さんと友達に止められちゃって。ポケモントレーナーの世界は甘くないんだなって、実感したんです」

「そかそか、それで誰かに師事を仰ごうと…」

「はい……」

 

ふーむ。

向上心があるのはいいことだ。そして行動力もあると。素晴らしい。

 

感動的だな、だが無意味だ。

 

「それはいいことだけど残念。俺はポケモン勝負は苦手なトレーナーなんだよね」

「え……」

「ろくに指示なんて出来やしない。もはやポケモン任せの無能なわけだ」

「…………」

 

黙ってしまった。

だが事実だ。……言ってて悲しくなってくるわ。

 

「だがまあ、アドバイスくらいならできる……かも?」

「ほ、ほんとですか!?」

 

身を乗り出すミツル君。

そんなテンション上げないで?キラキラしたお目目もやめて?プレッシャー凄いのよ。

 

アドバイス……何を言うべきか。

 

心構えとか……いや、そんな分かりきってること教えてもな。

そういえば前世の頃にポケモン廃人の友人がいたな。何言ってたっけ?

 

 

 

『──ほう、この数字は□□□□□の種族値ですか。素晴らしい。綺麗な数字の羅列。もはや芸術作品と言っても過言では無いですね』

 

 

 

……それは過言だろ友人よ。

 

てか、種族値か。意味はよくわからんが……ほかはなんか言ってたような──

 

 

 

『努力値はAに極振りして残りは……安定はHに……いや、ここは奇をてらってSに入れて……いやいや……』

 

 

 

もはや何を言ってるのかわからん。呪文かな?

 

 

 

『6V個体キタコレ!!WRYYYYYY!!最強個体値!!キマシタワー!!』

 

 

 

テンションたけえなおい。

 

種族値、努力値、個体値……わからん。ゲームはしてなかったから分かんねえよ。

でもこれらをそれとなく伝えれば……いや待て?3つ全てに"値"の字がつくことから数字関連だろ?

 

数字ってことは……ステータスの話か!

ゲームならいざ知らず、ここは現実世界だ。ステータスなんて見れないし、何よりポケモンを数字で見るなんて、そんな非人道的なこと出来るかいいや出来ない!(反語)(確固たる意思)

 

となると何を教えればいい?

ポケモン関連で友人はほかに何を言っていた…!?思い出せぇ…!思い出せ俺!!

 

 

 

『性格は……これか。すばやさが上がるけど……このポケモンはなあ……』

 

 

 

性格!性格によって得意なことが分かれてる!これだ!

ゲームの話であるが万が一の可能性でも現実に反映されてる!……かもしれない。

 

 

 

『夢特性じゃん!ひゃっふー!』

 

 

 

あとは特性か。

特性はこの世界でそれなりに学べてる。だが夢特性って言葉は聞いたことないな。通常とは違う特性を持ってるってとこか?

 

ここら辺2つを教えてればそれなりにいいんじゃないか?

 

「あ、あの……?」

 

おっと、思考の海に落ちていっちまってたぜ……。

すまんなミツル君。

 

「んん!……いいか、ミツル君。ポケモン勝負において重要なことは何か分かるかな?」

「え?……か、勝つことです!」

 

うわお元気。それでいて端的でわかりやすい答え。

 

……うん、勝つことねぇ。……うん……うん……まあね、そうなんだけどさ。そうなんだけどさぁ…!

 

「そうだけど、その勝つために大事なことってなんだと思う?」

「え、えーと……た、タイプ相性!タイプ相性ですよね!ぼく勉強しました!」

「うん、そっかあ……」

 

基礎中の基礎なんだけどなあ……まあ楽しそうだし変に口に出さないでおこう。

言わなくてもいいことと言うべきことは分けるのが大人なのさ。

 

「まあそれも大事だけど、ほんとに大事なのは自分の仲間であるポケモンたちをよく知るってことだ」

「え、あ、でもぼくラルトスのことよく知って……」

「ほんとかなあ?」

「ほ、ほんとです。好きな食べ物とか、好きな遊びとか……」

 

やだ何この可愛いショタ。

内なるお姉様属性が生まれ出てきてしまいそうになる。まずいですよ、これ。

 

「そういうのじゃなくてね?ポケモンたちは何が得意で何が苦手なのか。そして、ポケモンたちが持っている特性を理解する。これが大事なわけだ」

「得意…?特性…?」

「そうそう。得意不得意が分かれば戦い方の方向性を決められるし、特性を理解すれば戦い方の幅は広がる」

「戦い方……」

「戦闘において大事なのは自分の得意を相手に押し付けること。つまり相手のペースではなく自分のペースで自分の土俵に引きづり落とすのが戦いってわけだ。みんなはそれをどうにかして実践しようと試行錯誤する。だからこそポケモン勝負は奥が深いのさ」

 

……ふっ、決まった。

これは大人らしい回答が出来たのでは?やったぜ、成し遂げたぜ。

 

「な、なるほど。理解しました。でも、そんなに知識がありながらポケモン勝負苦手なんですね」

「……え?何?喧嘩売ってる?」

「え?ああ!!いえ!そんなつもりはなくてですね…」

 

全く、人が気にしてることを言いおってからに。お兄さん懲らしめちゃうゾ。

 

それにしてもなんとか難を逃れたな。前世のポケモン廃人友人。お前に感謝するぜ。

 

「ま、そんなわけだから。あとは研究と実践あるのみ。アドバイス活かして強くなることを願ってるよ」

「は、はい!頑張ります!」

 

そう言ってふんすと両手を握りしめるミツル君。

 

こいつは強くなる。間違いない。

俺じゃなきゃ見逃す逸材だね。

 

……俺もポケモン勝負練習しとこうかな。




一応世界観はORASの方です。ルビサファじゃないよ?
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