流星街の解体屋ジョネス   作:流浪 猿人

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シルバの人となりは作中の数少ない描写から推測するしかない。
結構いい人っぽいし、実力もヤバいっぽい。じゃなきゃゼノと世代交代はしてないよね。

優しくてかっこいいゼノ爺の子供が少ないのは殉職か? 
愛の問題か?

アルカを閉じ込めておくのは当たり前だろ!!
「この世界を滅ぼして」で世界が終わるんだぞ!!
初めての娘を監禁することになって、実は凄い心を痛めていると思う。

カルトの「兄さんを取り戻す」発言は、みんなが天才過ぎるアルカにばっか構っているのに対する、かわいい嫉妬で済ましていいのか?
あいつは世界を変える女(物理)だからな……。
カルトちゃん、幻影旅団は泥舟っスよ? ジョネスがいないと……。



12.ノミカイ×ト×トリヒキ

 

 

 戦ったら確実に死ぬ。

 

 この場における弱者であるマチとマルローは、緊張した面持ちで内心冷や汗を掻いていたが、それとは裏腹にジョネスはゾルディック家の2人と世間話やジャポン料理の話で朗らかに談笑していた。

 

 緊張する2人に気付いたジョネスが気を遣って声を掛ける。

 

「お前ら、そんなにビビる必要ねえよ。この人らは本物のプロだからな。仕事以外じゃ殺しはしねえ」

 

「然り、タダ働きなんぞ死んでも御免じゃ」

 

「殺すことに良い悪いがあるかは分からないが、少なくともオレと親父は快楽殺人者じゃない。どこまでが仕事の内か、家族によってポリシーは違うがな」

 

 シルバはそう言うとふと空を仰いで、ゾルディック家の思想に悪い意味で忠実に育ち過ぎている長男のことを思い浮かべる。

 

 ジョネス、マチ、マルローの3人はその様子を不思議そうに見ていたが、ゼノは慣れない子育てに苦悩する息子の内心を見透かして茶化すような笑みを浮かべる。

 

「それにしても、相変わらず流星街は良い念使いを抱えとるのう。環境が良いのか……」

 

()()()()()()()の間違いだろう。あの街じゃ強くなけりゃあやっていけねえ」

 

「ハッハッハ!! 違いない!! あそこの出は、どいつもこいつも良い意味で狂った奴ばかりじゃ」

 

 ゼノの全てを知っているかのような物言いに、ジョネスは憮然とした表情で問い掛ける。

 

「随分と言ってくれるじゃねえか……。そんなにウチの街に詳しいのか?」

 

「ああ、戸籍の無いお主らのような者は、ワシらのような裏稼業にとって貴重な人材じゃからな。ゾルディック家でも執事として定期的に抱え込んでいる」

 

「ああ、成る程。今回の用件はそれか」

 

 ゼノは我が意を得たりといった風に頷くと、現当主であるシルバに話を促す。

 

「察しが良いな、腕のいい奴はいくら居ても困らん。お前らウチで働かないか?」

 

 シルバの単刀直入な提案に誘われた3人は顔を見合わせ、以心伝心で互いの意見が一致していることを悟った。

 

「悪いが遠慮しとく」「僕も」「あたしも」

 

「即答か……。まあ始めから大して期待していなかったが、怖い者知らずぶりは若い頃のキキョウに負けず劣らずだな」

 

 シルバの妻キキョウは流星街出身だが、ジョネスやマルローが物心ついた頃には既にゾルディック家に嫁いでいるので、ジョネス達との面識は無かった。

 

 元はジョネスのように長老経由で街の外に派遣される念能力者の一人であったが、依頼の中で出会ったシルバに殺されかけたことで逆に一目惚れしてしまったという凄まじい馴れ初めがあった。とりあえず今は置いておこう。

 

「そのキキョウってのが誰かは知らんが、とりあえず自由が無いのは論外だな。永久雇用ってのがどう考えても性に合わん」

 

「まあ強制じゃないから構わん。それじゃもう一つの用件だが、ジョネス、お前ヴェンディッティ組のところで良い物を手に入れたらしいな?」

 

 良い物という言葉にはピンと来た。ジョネスが追加の報酬として手に入れた念の込められたナイフ、[ベンズナイフ]の一振りであろう。

 

「おいおい、情報が早すぎるだろ……。まあこれは役得って奴だ、人は憎まれ役の暗殺者より、側で守ってくれる王子様に恩を感じるものだろう?」

 

「憎まれ役とは耳が痛い。……ブツはそのカバンの中だろう? 見せてくれないか」

 

「目的は何だ? 趣味か?」

 

「趣味だ」

 

 伝説の暗殺者が一般人のようなことを余りにもあっけらかんと言い放つものだから、ジョネスは少し可笑しみを感じてしまったが、せっかくの"お願い"なのだから、替わりに"おねだり"をすることにした。

 

「対価は?」

 

「見せるだけだってのに"対価"とは、ちゃっかりしとるのう」

 

 ゼノが予想以上にがめついジョネスに苦言を呈するが、シルバはどうしてもナイフを見たかったのか、少し考えるような仕草をした後、渋々対価を提案する。

 

「……もし殺したい奴がいたら、オレが2割引で請け負ってやろう」

 

「ありがたい申し出だが、それよりも欲しいものがある」

 

「?」

 

 てっきりこれで折れると思っていたゾルディック家お得意の殺し文句が、にべも無く拒否され、シルバは訝しげにジョネスを見つめる。

 

 ジョネスは衝動を抑え切れず"練"で、周囲をドス黒いオーラで威圧しながら、シルバを視界に捉えて"おねだり"を口にした。

 

「オレと手合わせしてくれないか?」

 

「……目的は何だ?」

 

「いいや、大したことは考えてねえよ」

 

 飢えた爬虫類のように目をギラつかせなから、ジョネスは毅然と言い放つ。

 

 

 

 

 

「オレの趣味だ」

 

 

 

 

 

 ゼノとシルバはその言に笑って酒を飲み干した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 リンゴーン空港から車で30分ほど離れた人気の無い荒野にて、2人の男が地面に座って1本のナイフを鑑賞していた。

 

 切り付けたら激しい出血をもたらすであろう複雑に湾曲した鈍く光る黒い刀身に、人間工学に基づいた現代の軍用ナイフを思わせる形状のグリップ。

 

 込められた妖しげなオーラは丹念に一枚ずつ複数回に渡って積み重ねられ、その地層の如き多層構造のオーラはそれ自体が刃紋と化していて、見る物を蕩けさせる豊かな美しさを孕んでいる。

 

 これ1本のためだけに命を奪われた犠牲者の怨念と、生涯止むことの無かった作成者の妄執が、これでもかと詰まった珠玉の一品であった。

 

 ジョネスは図鑑を片手にシルバと鑑賞に興じる。

 

「中期型特有の枝分かれした形状が見られない。しかし初期型ほどのシンプルな機能美に拘った作品でもない」

 

「図鑑にそいつ自体は載っていないが、強いて言うなら1914年のNo.78辺りに類似点が見られるな」

 

「1914年……、レイズルストリートの通り魔事件の直前だ。初期型から中期型へ移行する過渡期に当たる……」

 

「No.80からNo.83は行方不明だ、その中の一本ではないか? No.85からはカーネル老人の毒殺を経て、細身の枝分かれした刀身が頻繁に見られるようになる」

 

「他のベンズナイフは実物を見たことがないのだが、シルバ的にはオーラの観点から見てどうだ?」

 

「力を入れて作ったものと、今ひとつ興が乗らなかったものに、明らかに違いはある。そのナイフは見るからに素晴らしい集中力を持って丹念にオーラが込められている。ベンニーにとってよほど印象に残った殺しが関わっているのだろう」

 

「何と言っても美しい……」

 

「うむ……。見ているだけではダメだ、やはりオレに譲ってくれないか?」

 

「金でどうこうなる物じゃない。分かっているだろう?」

 

「……こればかりは仕方がないな。オレからお前に貸しができることを祈っておこう」

 

 ナイフが2人の間を何往復かした後、これではいつまで経っても鑑賞会が終わらないと見かねたゼノが大きく咳払いをして、全員の注目を集めた。

 

「おいシルバ、自家用の飛行船まで出す羽目になったんじゃ。あまり待たせるな。そっちにいるジョネスのツレもいい加減呆れておるぞ?」

 

「ジョネス、乗る予定だった便は間に合わないよ……」

 

「あんたって案外アホだよね」

 

 それを聞いた2人はハッと我に返った。ジョネスは名残惜しそうにナイフをカバンに仕舞うと、初めの用件を確かめるようにシルバに目を向けた。

 

 シルバは黙って一つ頷くと、ジョネスから距離を取る。ジョネスも鞄をマチに預けて、体を鳴らしながら事前に取り決めたスタート位置に立った。

 

 

 

「実に良いナイフだった。取引は成立だな」

 

「じゃあ()ろうか」

 

「応」

 

 

 

 2人の間に濃密なオーラが立ち昇る。それが合図となって手合わせというには少々、激し過ぎる戦いが始まった。

 

 

 




その頃の流星街編は、一旦休止です。
代わりにボーナスステージ開始ィィ!!

シルバはまだ若くて、原作ほど強くはないです。

5児のパパは流石にビッグダディ過ぎるし……。
家は継いだけど、まだヤンチャが抜け切ってない頃でしょう。

ジョネスは生まれ付きの怪物で、ゴンキルア以上のインチキ野郎です。 

果たして手合わせ(殺し合い)の行方は!?
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