流星街の解体屋ジョネス   作:流浪 猿人

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ジョネス:強化系能力者。
強化系能力者である。
狼男(ルナルナ)
強化系能力、自身の肉食獣の如き戦闘スタイルと、自己の最強の部位に対する強い拘りから、無意識の内に発現した強化系能力。彼の人間離れした肉体の中で、特に異常な力を持つ"指"と"顎"に纏う顕在オーラを強化する。
流血鬼(ブラッディシプリン)
強化系能力、一定以上の自身の出血と共に発動し、自身と敵が出血する程、出力できる顕在オーラの量を強化する。
【?】
強化系能力、自身の○○を強化する。

メモリ量はブラッディシプリン>?>ルナルナ

強化! 強化! 強化!
強化系3枚ガン積みの強化お化けだ!! ボリューム上げてけ!!

本話を取り憑かれたように書いてた記憶があります。むしろテンション上がり過ぎて書いてた記憶が無い。

続きが書けなかった原因はこの話にエネルギーを取られ過ぎたからだと、今になって思います。まこと戦闘は体力の消耗が激しいものである……。
とか言って過去編と新章1話目が書けてしまった。もう止まれない。





14.タタカイ×ト×コロシアイ

 

 

 

(伝説の暗殺者一族って看板に偽りは無しか!! 相手は想定の数段上の怪物!!)

 

 ジョネスはこの戦いにおいて、"手合わせ"とは名ばかりの常に殺す気の攻撃を仕掛け続けていた。だが実際にはそうせざるを得なかったというのが正しい。

 

 年齢の差もあるが体術、分析力、念の練度において、シルバはジョネスの遥か上を行っており、彼はあくまでジョネスとの戦いを"遊び"や"訓練"の範疇で、余力を持って行っていたのだ。

 

 手加減するシルバに対してジョネスが本気で戦って初めて、手合わせとして成立する力量差。この拭いがたい事実に、ジョネスの胸中はある一つの激烈な感情に支配されていた。

 

 

 

 

 絶望、嫉妬、怒り、恐怖、その()()()()()()

 

 

 

 

(何と極まった念能力者……!! シルバ、あんたは最高だ……。もっと見せてくれ!! もっと戦いたい!! 殺したい!! 殺されたい!!)

 

 それは圧倒的な()()。土壇場でこそ笑う流星街の怪人の狂気は、"発"によって増幅された濃密なオーラに表出し、数10m先に相対するシルバの下にまで届いた。

 

 これまで余力を持って戦っていたシルバですら、いよいよ身の危険を感じざるを得ない顕在オーラ。それを前にして、かつて捨てたはずの暗殺者としてあってはならない感情が、彼の中で再び芽生え始めていた。

 

(この野郎……、なんてオーラ当てて来やがる……。戦いが()()()なって来ちまうだろうが……!!)

 

 シルバは10代の頃、実家の仕事や厳しい慣習に嫌気が差して家出を敢行したことがある。自分の知る世界が如何に狭いか気付いてしまった少年の、一世一代の逃避行であった。

 

 旅先で出会った生涯唯一の親友と世界中を見て回った。2人で色々と馬鹿もやった。困っている人がいれば無償で助けたし、興味があったハンターの真似事などもして思う存分楽しんだ。

 

 

 

 

 

 そして旅の最後に友を見捨てた。

 

 

 

 

 

 何かが変わったような、気がしていただけの、ほんの若気の至りである。

 

 

 

 

 

(こんなものは"手合わせ"じゃ済まない。こちらも"発"で迎え討たなくては……!! だがどこまで行ってもたかが"遊び"、ギャラリーも複数いる中で手の内を公開するなど暗殺者として!! 暗殺者として……!!)

 

 暗殺者としての矜持と、ふと芽生えてしまった全力で戦うことへの渇望。その葛藤は既に手遅れであった。

 

 目にも留まらぬ速さでジョネスが接近し、気付いた時には彼の自慢の武器を振り上げている。その指先に纏ったオーラは【流血鬼(ブラッディシプリン)】の影響か、赤黒く変色しており、変化系の基礎技術を利用して生み出された本来の意味での鉤爪が、通常よりもジョネスのリーチを向上させている。

 

 シルバは気付いたときには、見せるつもりなど全く無かったその刃の柄に手を掛けていた。

 

 

 

 

 

天蓋崩し(クラウド・アトラス)

 

 

 

 

 

 シルバの"凝"でのガードを容易く突破して、その肉体に鉤爪を食い込ませたジョネスが突如体勢を崩し、まるで何かに引っ張られるように地面に叩き付けられる。

 

 シルバの【天蓋崩し(クラウド・アトラス)】は、放出系の移動能力に類する"発"であり、その内容は"自身から発したオーラに任意の方向(ベクトル)に移動する力場を発生させる"という単純な物。

 

 ただし侮ること無かれ、これは半ば人間の限界を超越した()()()()()()()()()とも言え、事実シルバが10代の頃に開発したこの能力を実用段階にまで至らしめたのは、20歳(はたち)を越えて、いよいよ壮年に入ろうかという頃である。それでも尚、この能力は未だ発展途上であるという確信が彼にはあった。

 

 シルバは大きな隙を晒したジョネスに、尋常の使い手ならどれもが致命傷となるであろう連撃を見舞った。

 

 ジョネスの体に浅くない傷が付き、血液が噴き出る。同様にシルバから噴き出た血液も、新たにジョネスの糧となって彼のオーラを増幅させる。

 

(何と厄介な能力……!! 短期決戦で押し潰せる火力を持つ、長期戦向けの"発"!!)

 

 シルバは強化系の理不尽さを体現したようなその力に瞠目した。

 

 どれもが致命傷になり得る傷を物ともせず、ジョネスは【天蓋崩し(クラウド・アトラス)】によって生み出された"力場"を力ずくで振り切って、果敢に反撃する。

 

 それは正に()()()()

 

 もはや防御不可能な異常の威力を持つ"指先"による攻撃が、シルバの体に幾度も刻み込まれる。加えてその体術に巧みに織り交ぜられた"噛み付き"が肉体を削り取る。

 

 "力場"によって翻弄し致命傷は回避したが、出血によってジョネスは更なる強化を遂げるばかり。それを見て、シルバは"奥の手"を解禁することに些かの躊躇も見せなかった。

 

 

 

 シルバの手に丸い球状のオーラが発生する。

 

 

 

 もはや相手の隙を突いてスマートに、なんてことが許される領域ではなかった。シルバは眼前で暴れ狂う、生きた危険地帯と化したジョネスに一切怯むことなく、真正面から渾身の一撃で相撃つ。

 

 シルバの生み出した球状のオーラ。その正体は、内部でそれぞれが異なる方向(ベクトル)を持つごく微小な力場が複雑に絡み合った、言うなれば究極の挽肉製造機(ミンチマシーン)であった。

 

 その恐るべき殺人拳を受けて、ジョネスの体が激しく引き裂かれる。

 

 それでも尚、ジョネスの目から戦意が消えることはなく、宙に舞う血潮の中で彼は不敵に笑っていた。

 

 そのことを最初から確信していたシルバは、息も吐かせず、2発3発と球状のオーラをジョネスの体に容赦なく叩き込む。

 

 常人ならとっくの昔に粉々になっているであろうダメージを受けて、遂にジョネスの体勢が大きくグラついた。それと同時に燃え盛るナパームの如く戦意を滾らせていた彼の意識に翳りが見え始める。

 

 シルバはその兆候を鋭敏な観察眼でもって確実に捉えていた。久しく忘れていた"暗殺"では味わえぬ"戦闘"の楽しみ。若き日に抱いた熱を久々に想起させてくれた男への感謝と敬意の念を込めて、この"遊び"を終わらせてしまうことに多少の名残惜しさを感じながら、最後となるであろう一撃をその手の内に発生させる。

 

 

 

 

 

 ーーー感謝? 敬意? 惜しみ?

 

 

 

 

 

 それら全て"雑念"であった。

 

 シルバの最後の一撃に含まれたごく僅かな躊躇が、手負いの獣に一瞬の猶予を与えた。

 

 ジョネスは既に満身創痍であり、もはや勝負はシルバによる最後の一撃で彼が"死ぬか死なないか"でしかなかったはずである。しかし偶然か必然か生み出された一瞬の猶予が、その状況に待ったを掛けた。

 

 

 

 

 

 ジョネスの右手に()()()オーラが集中する。

 

 

 

 

 

 そのあり得ない光景にシルバは驚愕した。

 

(ここに来て"硬"だと!? オレの攻撃は球の領域に入った広範囲を破壊する。オーラを集中させたからと言って防ぎ切れる物ではない。ましてや"硬"ならばその右手以外の体は……!! ここで死ぬ気かジョネス!?)

 

 シルバはジョネスの自殺行為とも言える行動に考えを巡らせる。このままだったら己の攻撃がジョネスの肉体を木っ端微塵に打ち砕いて勝利が確定する。

 

 しかし、ジョネスの右手に込められた凄まじいオーラを見て、シルバは考えが甘かったことを悟り背筋が凍った。

 

(いや、死ぬのはオレも同じ……? これは到底止まらない。ジョネスの体が死すとも、あの右手だけは確実にオレの体に叩き付けられるだろう)

 

 

 

 

 

 もはや止まらない相撃ち。良くて相打ち、悪くて相討ち。

 

 

 

 

 

 この戦い始まって以来、間違いなく2人の最大威力であろう攻撃が炸裂する。しかし、最悪の結果に終わろうとした2人の交錯に割って入る者がいた。

 

 両手に龍を象ったオーラを携えて、決死の仲裁に入った小柄な影。その体に纏わり付いた機械人形と、その上に幾重にも巻き付けられた糸の鎧が容易く粉砕され、それでも尚止まらなかった攻撃が彼の体に深く突き刺さる。

 

 

 

 

 

「"手合わせ"じゃと言うとろうが馬鹿共が。まだ2人とも、死ぬには惜しい……」

 

 

 

 

 

 もはや災害の如き2人の攻撃を捌いて、決定的で致命的な事態を防いだ男、ゼノ=ゾルディックは出来の悪い息子と猛り狂う怪人に恨みがましく愚痴を零した後、心底呆れ返ったような溜息を吐いた。

 

 千切れ飛んだ彼の両腕がドサッと地面に落ちる音が、ようやく訪れた静寂の中で虚しく響き渡る。

 

 

 

 

 

「腕2本で済んだのが幸いか……。ってアホ!! 幸いな訳あるか、クソ痛いわ!!」

 

 

 

 

 

 限界を迎えた2人の戦士が、その場に崩れ落ちる。

 

 見物していた稀有な治療能力を持つ少女が駆け寄って来る音と、ゾルディック家の医療チームを乗せた飛行船が、傍目から分かる程に大慌てで着陸する音が、血肉の散乱した戦場に木霊した。

 

 

 




シルバの数少ない原作描写から、"発"も、過去も、人となりも捏造してしまいました。
空からヂートゥをワンパン!?
クロロにボールをぶつける!?
キルアはオレの息子だから必ず帰って来る!?
シルバは放出系!?(冨樫展)

原作が更新されないから仕方ねえだろ(半ギレ)。
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