〇〇を強化するってシンプル過ぎて弱そう。
"その頃の流星街"ってどんな所で終わってましたかね?
ハンターハンターの二次なのに、まだハンターが一人も出て来ていないという謎の作品。あと、過去と現在編って奴が2話ぶん書き上がりました。連日、6時に投稿します。
書きたいもの詰め込みまくったのと、採用した話のシステムのせいで、過去編がとんでもないボリュームになってます。お楽しみに。
おまけ:ふと思いついた猿展開(絶対書かない)
クラピカ「最初の標的は旅団の中でも最強の肉体を誇るジョネス!」
ジョネス「あっごめん。オレ実は旅団じゃねんだワ」
クラピカ「グエー死んだンゴ」
ヒソカ「0点♡(マジか)」
もうもうと煙の立ち昇るゴミ山が遠くに見える。あそこで生まれた者なら、あんな茶色と灰色の地獄にも、故郷としての親しみを感じるのだろうか。
流星街に程近い荒野に着陸した飛行船にて、シルバはジョネスとマチを見送っていた。
「随分と世話になっちまったな、ありがとう。また何かあったら呼んでくれ。金と気分と内容次第で何でもやるぜ?」
「それは果たして何でもやると言えるのか? ……そっちこそ殺したい奴がいたらいつでも言ってくれ。こっちは家業だからな、金があれば引き受けてやる」
「最低数十億だろ? とても手が出ねえよ」
「お前なら外に出ればどうとでもなる」
「……随分と高く見積もってくれたもんだな……、考えておこう。最後になるが、あんたとの戦いは楽しかったぜ。本当にありがとう。
まったく、良い"取引き"だった」
「こっちは二度と御免だ。とっとと行け」
「あばよ」
ジョネスのそばでこちらに一礼したマチとマルローに礼を返して、遠ざかって行く背中を見つめる。シルバは誰にも聞こえない声でそっと呟いた。
「まったく、割に合わない"取引き"だった」
呟きは、ほんのりと悪臭を放つ風に攫われて何処かへ消えて行った。
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仕事を終えて2週間ぶりに流星街に帰って来たジョネスとマチだったが、そこでいきなり衝撃的な問題が発生する。
飛行船の中で腹も膨れたし、今日は早めに寝るか。そんな呑気なことを考えて、自宅兼職場である工場の扉を開け放つと、そこには目を疑うような光景が広がっていた。
「ピギャアアアァァァ!!!!」
この世の悪意が形をとったが如き醜悪な見た目の怪物が、甲高い鳴き声を上げて、部屋の中央付近にいたウボォーギンに襲いかかる。突進の道中にあったジョネスのお気に入りの椅子が容易く粉砕された。
「うおぉっ!! こいつ速えぞ!!」
「ウボォーさん!! 後ろ!!後ろ!!」
「ギャオオオォォォ!!!!」
怪物と取っ組み合いを始めたウボォーギンに、背後から別の怪物が奇襲をかける。すかさずクロロが怪物を横から蹴り付けて、怪物はキッチンに向かって吹き飛んで行く。落下地点にあったジョネスのお気に入りのコーヒーサーバーが容易く粉砕された。
「危ねえっ!! 助かったぜクロロ!!」
「油断禁物だよ!! こいつら思ったより連携してくるみたいだ!!」
作業場の方に目を向けると、ノブナガが刀を正眼に構えて、別の怪物と対峙していた。
「このバケモンがあっ!!」
「ギャオオス!!!!」
振るわれた刀によって怪物は片腕を失ったが、痛覚がないのか怪物の戦意が衰える気配はない。攻撃を続ける怪物の激しい動きによって、工具類が散乱する。ジョネスのお気に入りのインパクトドライバーが踏み潰されるのが見えた。
「なっ!? こいつら融合しやがった!!」
「強さ2倍ってことね……」
2体が融合して、2倍以上の体躯に変形した異形の怪物を見て、フィンクスとフェイタンが瞠目する。巨大な怪物の振るった大鎌の如き一撃に巻き込まれて、ジョネスのお気に入りの服が入ったクローゼットが容易く粉砕される。
「んなあ〜」
「かわいい〜!! うさぎなの? 人間なの?」
「何でこの子は襲って来ないのかしら?」
「お菓子食べるかな?」
サラサ、パクノダ、シーラの女性陣3人が、妙な声で鳴く、見るからにもふもふのうさぎ型の獣人と戯れて、マチお気に入りのお菓子を与えようとしているのが横目に見えた。
フランクリンとシャルナークはジョネスが帰って来たのに気付いて、工場内の惨状を見回した後、ジョネスとマチの目が段々と据わって行くのを目撃して、戦々恐々とした表情を浮かべた。
その隣には今回の仕事の報酬として、流星街の長老から貰う約束だった美しい壺が鎮座している。更にその隣には見覚えのあるビデオテープが無造作に転がっていた。
【
ジョネスが3つ目の"発"を使用する。体重を強化する能力である。
ジョネスがその場で足を踏み締めると、ビルの屋上から大型重機が落下して来たかの様な爆音が工場内に響き渡った。
そこにいた人間全てがジョネスの存在に気付くと、そのちょっと子供には見せられない顔を見て、急速に血の気が引いて行くのを感じた。
異形の怪物達もフリーズして震えている。
ジョネスは足早に近付いて、怪物達を一匹ずつ捻り殺してあっという間に事態の処理を終えると、残った人間達に改めて向き直った。
「無事か? お前ら。まったく、念の込もった品物に迂闊に触れるんじゃねえよ、馬鹿が……」
「は、はい……、申し訳ありませんでした……」
クロロが完全に上司に怒られる社畜になってしまっている。普段はジョネスに敬語なんて使わないだろお前。
一周回ってもはや妙に優しいのが、逆に怖過ぎた。それが嵐の前の静けさでしかないのが、この場にいる誰の目にも明らかだったからだ。
「それはそれとしてお前ら、とりあえずそこに並べェ……、そして正座ァ……」
いつの時代も一番怖い物は、地震・雷・火事・
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「前が見えねえ……」
原形が分からないほど顔面を腫れ上がらせた男連中を正座させながら、ジョネスは"絶"の状態で長老達から譲られた呪物である壺を磨いていた。
女連中は情状酌量の余地があったので、工場の掃除と消費した食べ物の買い出しをさせている。それを手伝ってあげているマチは心配になるほど優しかった。
ジョネスは壺を愛でながら思う。
(見れば見る程、興味深い。物に"念"が込もるってのはどういう理屈なんだ?
図らずもあいつらが実験体になってくれたことだし、あと1時間くらいの正座で許してやるか……。壺が割れてたら、たぶんキレて殺してたな。冷静さを失うのはよくない、反省反省……)
ジョネスは壺を磨き終わると、次にベンズナイフを取り出して、その刃紋とオーラの流れを眺めて悦に浸る。
あいつらがまともに留守番する訳ないと、ジョネスはある程度覚悟していたので、ボコった後に怒りはすぐに冷めていた。しかし、ベンズナイフを眺めながらニヤついている彼の姿に、正座させられている一同は再び血の気が引く思いだった。
(斬られるのか? そのナイフで斬られるのか?)
そんな彼らの思いとは裏腹に、ジョネスは全く別の考えに浸っていた。
"もっとこれが欲しい"。
生来の蒐集癖が顔を覗かせていた。今回の2種類の"呪物"はたまたま入手できただけだ。蒐集のために、コネもツテも権利も金も、足りないものが多過ぎる。
最も入手するチャンスが多い立場は何だ? ゼンジのところで働いても良いが、自由がなさ過ぎて長続きしないだろうし、自分の物になるとも限らない。
ジョネスはふとシルバとの会話を思い出す。
「外に出る……、か……。そうだよな」
欲しい物のために、もうゴミ山の大将ではいられないのかも知れなかった。
ボクシングの階級って何で分けられてると思う?
案の定やらかした馬鹿共。読者の皆様にも、容易に予想出来てたと思いますが、予定調和は良いものだと思います。
ジョネス、それが出来る職業は一つしか無いよ……。
勢いで書いてたら、新章への繋ぎとして、何か知らんが凄く上手くいった。