今回はジョネスのひな壇トークとメンチの料理です。
メンチ出しといて具体的な料理させないってのもね、良くないからね。料理のジャンルというか国籍は敢えてバラバラにしてます。下手にフレンチのフルコースとかにすると、専門家達にボロボロにされそうなので。
あと小説書いてて思うのは、ワンピースって全然パロディに出来ないですね。ジョジョナルト辺りが強力過ぎるというのもありますが。
精々、敗北者・船降りろ・人の夢くらい?
ジョネスとエルマとシルバは夕食を控えて、ゾルディック家の食卓で楽しげに談笑していた。
「それでよお……!! 満を辞して木造蔵を開けてみたら!! 大人のおもちゃとホモビデオがゴロゴロと出て来やがったんだ!! とんだ隠し財産だったぜ!! ちくしょう!!」
「あれ? そうだっけ?」
「よくそんな一生に一度のギャグみたいな事態を頻繁に起こせるな……。おかしな呪物ばっか集めてるから、悪い物に憑かれているんじゃないか?」
ジョネスが芸人のように盛りまくったエピソードを披露すると、エルマは記憶とは違う話に首を傾げる。シルバは僅かに笑みを浮かべながらツッコミを入れた。ジョネスのトンチキなエピソードはシルバとしても普通に爆笑モノだったが、シルバは決してポーカーフェイスを崩さないのでジョネスとしては少し悔しかった。
「オレの経営知識に嫉妬したメンチに屋台市の店を出禁にされてよお。ムカつくから最終日に無理矢理店に押し掛けてやったら驚いたぜ!! あの女、バニーガールの格好してスナックやってやがったんだ!! そりゃあ優勝するほど千客万来な訳よ!! もっと早く行けば良かったぜ!!」
「そうだっけ?」
「お前後で
ジョネスがあまりに自信満々に言うものだから、エルマが再び首を傾げて自分の記憶を疑う。厨房からメンチの怒鳴り声が聞こえた。ジョネスの言うことは話半分に聞けエルマ。メンチは本当にそろそろこいつを殺せ。
息の合った漫才を見せられて「ブフッ」と思わず笑いを溢してしまったシルバを、ジョネスがしたり顔でニヤけながら見つめる。
シルバはジョネスのアホ面がツボに入ってしまったので、一旦ジョネスから顔を逸らして、ゾルディック家の当主としての平静を取り戻す作業に必死だった。他の家族が来るまでに終わらせなければならない。
そうこうしているうちに他の家族達が続々と集まって来た。ちなみに順番は嬉しそうなアルカを抱いたキキョウ、嫌がるキルアを抱いたイルミ、ゼノの順番である。
マハは基本ノータッチである。彼は食事も自分の部屋で摂る。
「ゼンジと一緒にヨークシンの風俗行ったらよ。請求書が東ゴルトーから来たんだ!! どういう仕組みなんだよ!? 国交ねえだろ!? ……でも凄く……気持ちかったです……」
「ブフッ」
ジョネスの下品なエピソードと、それに再び決壊してしまうシルバの姿にキキョウとゼノは眉をひそめた。イルミは何考えてるんだか分からん。アルカとキルアとエルマは話の意味が分からないようだ。ちなみにこのエピソードは特に盛っていない。
全員が食卓につくと、平静を取り戻す作業を終えたシルバが、再び決壊しないようにジョネスの顔を視界に入れないように家族に向き直って、この食事会の趣旨を説明した。
「アルカ以外はみんな知ってるだろうが、こちらはオレの友人のジョネスだ。
今日は彼が連れて来てくれたメンチという料理人が夕食を提供してくれる。腕がいいだけじゃなく、何とエルマの嬢ちゃん以外には、いつもと同じように
今、不思議に思っただろうが生まれ付き頑強な上、子供の頃よくゴミ山で拾い食いとかしてたジョネスにはあんまり毒が効かない。少しは人間らしい所を見せてくれよジョネス。
ゾルディック家の人間は訓練で毒に耐性を付けているので毒が効かない。う〜ん、これは人間らしいな。
わざわざ外部から料理人を招いたというのに、いつもと同じように毒入りの料理が出て来るというシルバの不思議な発言に、一同は首を傾げた。
疑問は解けないまま最初の料理が運ばれて来る。
「お待たせしました。"普通なら死ぬキノコのクロスティーニ"です」
執事達と一緒に料理を運んで来たメンチが渾身の料理を紹介する。珍しい経験をしたので何やら微妙に興奮しているようだ。なお毒見はしていない。毒入りだから。
見た事のないキノコ類を中心として、野菜やハムやチーズがメンチの圧倒的なセンスで、味見もしてない癖に繊細ながら完璧に組み合わされた具が、いくつかのバゲットの上に乗っている。
それを食べた全員が戦慄した。感じた事のない程の旨みが口の中で爆発した後、クドくなり過ぎないように添えられたマリネの酸味が爽やかな後味を生み出している。
「これは……なるほど。毒か……」
シルバが盲点だったという風に呟くと、メンチが笑顔で説明した。
「はい、ムラサキテングタケに含まれるボリテン酸は猛毒であると共に自然界最強クラスの旨み成分だと言われています。デスツルタケのホワイトキシンも同様。レンゴクタケのポルコテセン類に至っては「死んでもいいから食べてみたい」と言われる程の天上の味だとされています」
「我々のように無味無臭の毒を混ぜるだけでは勿体無いと……。これは一本取られてしまったな」
シルバがそう言って普段料理を担当している執事達を見ると、彼らは恥じるように俯いてしまった。
だが彼らも十分に一流だ。将来のシングルハンターレベルの料理人に負けた事まで恥じる必要は無いのだが、そこはゾルディック家の執事達の飽くなき向上心である。彼らの間では既に受け取ったメンチのレシピについての研究が始まっていた。
その後もメンチの天才性がふんだんに発揮された毒入り料理が続く。
「"オニフグの薄造り、一口てっちり、唐揚げ"になります。オニフグのハイドロトトキシンは温度や下処理次第で香りが十段階に変化します。敢えて毒を残しておりますので、それぞれの違いをお楽しみ下さい」
「こいつはええのう。もともと好物じゃがより箸が進むわい」
ゼノが普通なら淡白なはずの身が、極彩色の香りを纏ったその魚料理の数々に舌鼓を打つ。
「"クルイガラシの爆発麻婆豆腐"です。クルイガラシに含まれるヘルサイシンは有毒ですが、同時に舌の感覚神経を一時的に引き上げる作用があります。食べた瞬間は爆発するような刺激を感じますが、実際には辛さ控えめにしているので舌は勘違いしているだけ。辛みはしつこく後に残りません」
「辛いの苦手なんだけど……。これならいけるな」
「辛えぇ!! あれ? 辛くない」
イルミとキルアが舌の感覚を狂わせて味わうという前代未聞の料理を恐る恐る食べる。2人は口の中が燃え上がるよう刺激を一瞬だけ味わって、それがすぐに沈静化するという不思議な感覚を楽しんだ。
「"子羊肉のロースト特製毒性ソース掛け"でございます。時間差で作用する複数種類の毒を親和性の高いソースと合わせる事によって、味までもが時間差で現れる仕組みです」
「す、素晴らしいわ……!! こんなの初めて……!! アルカちゃんも温かいうちに食べなさい」
「美味しい〜!!」
キキョウは恐らく世界で初めてとなるだろう、"毒料理"という新しいジャンルの極みとも言える一品を絶賛した。アルカにフォークとナイフの使い方を教えながら食べさせると、アルカはパッと花が咲くように笑って喜びの声を上げた。
シルバは食事を終えるとメンチに感謝の言葉を伝える。
「メンチくん、どの品も素晴らしかったよ。心のどこかで"凄腕の料理人"なんて甘く見積もっていたが、そんなレベルじゃない革命的な料理の数々だった。誇れるような仕事はやってないウチの家に連れて来られて、内心怖かっただろう? それでも君はこれ程の仕事をしてくれた。今日は本当にありがとう」
シルバの言葉にムフーと自慢げに胸を張るメンチに対して、ジョネスはニッと笑って拳を突き出した。メンチもそれに応えて拳をコツンと突き合わせる。
「やるじゃねえか」
「あったり前よ。私を何だと思ってんの?」
「露出狂の密漁者」
「明日の朝刊載ったぞテメー」
ジョネスとメンチは取っ組み合いの喧嘩を始めた。それを見てイルミ以外は爆笑していた。
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「ねえジョネスー、いないいないばあしてー?」
「はい、アルカ様!! このジョネスにお任せ下さい!! いないいない……ぶわあああぁぁぁ!!」
「きゃはははは!!」
「……いきなりどうしたんだジョネス。情緒不安定か?」
「あぁ、アルカのおねだりを4回断ると 死 ぬ ん だ よ」
「なんで!?」
まだ夜は終わらない。
何かガンガン話が進んで行くな……。
事を急いているというのか、この私が!?
ベニテングタケは実はめちゃくちゃ美味いみたいな話を聞いて書きたくなりました。トリコの毒料理の人の料理見てみたかったなあ……。
今日の教訓:ジョネスの言うことは話半分に聞け。
完全にアルカのしもべと化したジョネス。今なら凄い勢いでおねだり聞いてくれるよ。
アルカ=ゾルディック
特質系能力者。
【
"何か"に体を貸す。おねだりとお願いは彼女の能力ではない。