流星街の解体屋ジョネス   作:流浪 猿人

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最新話が、来た!!

はいヒソカvsクロロです。

皆様からの感想・評価が非常に励みになっております。これからもどうかよろしくお願いします。
誤字報告もいつもありがとうございます。改めて見ると誤字多過ぎて引きますね。気をつけたいです。

最近の悩み。
こと→事 もの→物 できる→出来る 
なんで→何で いい→良い ない→無い
漢字変換すべきなのか……。日本語のルールってよりセンスの問題なんですかね。


46.シニガミ×ノ×レクイエム

 

 

 

 第7特殊リング[高層ビル]は、ヨークシンシティのとあるビルを参考にして建設されたステージだ。

 

 このステージを作るに当たって、参考資料として集められたあらゆるビルの構造を、闘技場関係者とジョネスが独断と偏見に基づき選定した。その会議もとい妄想とロマンを語り合うバカ話は一昼夜続いた。

 

 最終的には全員が「この間取り、何か変……」と声を揃えた、マフィアが集会に使ったりする為、アレな事に使う謎スペースが多めの変なビルに満場一致で決定された。面白そうだったからである。

 

 地下にオークション会場があったり、恐ろしく早い手刀を撮影できる超高性能なモニター・ルームがあったり、ゼノだったらその場にいる人間を7秒以内に全員殺せる回廊付きの大広間があったりした。

 

 最上階の展望デッキなんて安全対策がゼロなので、窓を全開にすると容易に転落事故が起こる危険地帯に変わる。風が強い日だと凄く危ないが、レクイエムを指揮すると気持ちよさそうだ。あと出入り口がやたら多い。

 

 まるで何かのバトルか物語の為に特別に作られたような、ステージとしてはうってつけのとにかく変なビルだった。

 

 

 

 モニターで観戦していた前日の試合の影響で包帯だらけのエルマが、ジョネスの膝の上に座って、いつかの再現のようにマナーを無視して問い掛けた。ちなみにカストロは未だ入院中である。

 

「ねえジョネス!! クロロの能力って何!?」

 

「「他者の"発"を借りて自由に使用する

英雄の極意(スキルシリンダー)】だ(だよ)。チート能力だな(だね)」」

 

「「マナー違反ね(よ)」」

 

 ジョネスとマチが何の躊躇いもなく能力をバラした。メンチとフェイタンが二人の頭にチョップを入れながらツッコんだ。チョップの威力は8対2くらいで、もちろんジョネスが8だった。

 

 ウボォーギンが「ナイスツッコミだ」と言って親指を立てると、彼自身も気になっていたのかジョネスに補足を促した。

 

「ジョネス、前から不思議に思ってたんだが、特質系の修得率ってのはどうなってんだ? クロロは六性図だと反対側のあんたの能力を借りてたよな?」

 

「……人によるとしか言えねえな。特質系はマジで謎だ。六性図のあの位置も、具現化系と操作系が後天的に特質系に変わる可能性が高いから、便宜上あの位置に入ってるだけで、ちっともアテにならねえ」

 

 特質系能力者が操作系と具現化系を80%使える訳では無いし、逆にその2系統の能力者が特質系を80%使えるなんてことは全くない。特質系能力に目覚めない限り、修得率は0%である。

 

 ジョネスとしては特質系は本当に意味不明なので、あまり踏み込んだ話をして欲しくなかった。しかし「よく分からん」で済ませると、専門家(オタクおじさん)の名が廃るので、渋々ウボォーギンの質問に答えた。

 

「クロロの場合は?」

 

「クロロは何の系統でも元の持ち主と同等に使える」

 

「何でだ?」

 

「……何でだろ? 同等以上にも以下にも使えないってのと、元の持ち主が生きてるってのがミソな気がするが……、結論はよく分からん」

 

 ジョネスの要領を得ない答えに、ウボォーギンが「う〜ん」と唸って考え込んでしまった。それを見たフェイタンが続けた。

 

「マチの赤い糸も多分特質系よ。でも相変わらず変化系能力者として念糸の威力は変わてないし、強化系のお隣としてゴリラのままね」

 

「おい」

 

「姉さん抑えて抑えて」

 

 マチがゴリラ扱いされたことを不服として、フェイタンをシメようとしたが、このままだと話が進まないと思ったメンチに食い止められた。

 

 マチはゴリラなので全然食い止められなかった。万力の如き力でフェイタンの耳が引っ張られる。一撃で太陽を打ち上げられそうなダメージを食らったフェイタンは既に半泣きだった。

 

「オレの【狼男(ルナルナ)】も割と特質っぽいんだよな、無条件で指と歯を特別強力にするのはあんまり強化系の理屈に合ってねえ。サクラが天気を操るのは謎だが、ちゃんと歌と踊りって条件で自分の肉体を強化してる。特質系のパクとゼパイルは具現化系が得意だし、ネオンって子は操作系が得意だった。アルカって子は怪物を超えた怪物だからたぶん理解不能だ」

 

 フェイタンの背中をポンポンと叩いて慰めながら、ジョネスがそう言った。しかし、ただ事実を羅列しただけだが謎は深まるばかりだった。一同は腕を組んでウボォーギンと同じく「う〜ん」と言って考え始めた。

 

「ジョネスはどっちが勝つと思う?」

 

 早々に考えるのを放棄するという、この場で一番賢明な行動を取ったエルマがジョネスにそう尋ねた。

 

 ジョネスは「何を分かり切ったことを」と、それを笑い飛ばして端的に答えた。

 

 

 

 

 

「クロロだ。66兆2000億ジェニー賭けたって良いぜ?」

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 ビルの中にランダムで決められた1階付近の位置についたヒソカは、試合開始の合図と共に行動を開始する。今壁や天井にガムを張り付ける意味はない。

 

 

 

 

 

 クロロは病室で仲間の能力をいくらでも借りられると言った。ステージに合った遠距離攻撃の手段を複数種類持ち込んでいるだろう。つまり待ち伏せするのはあちらでヒソカはそれを追い掛ける立場だ。

 

 

 

 

 

 細い通路に差し掛かった所で、早速クロロの攻撃が始まった。しかし、まだ彼の姿は見えない。

 

「自動追尾か♡ つれないなあ♤」

 

 通路の向こうから強力なオーラを持った念獣が、高速で接近するのが見えた。

 

 

 

 

 

密室遊魚(インドアフィッシュ)

 

 

 

 

 

 空中を泳ぐように飛行する鋭い牙を持った魚型の念獣をモニター越しに見たイン・ユーテロの店内で歓声が上がる。

 

「ゴブさんの能力だ!!」

 

 歓声を受けた上下ジャージ姿の小太りな男、ゴブが頭をかいて照れるような仕草を見せた後、立ち上がって店内の歓声に手を振り返して応えた。

 

 ゴブは「閉め切った空間」という発動条件を満たすことで、具現化した念魚を複数体使役する。

 

 念魚は普段はタンクに溜まった生ゴミや排泄物を食べて、無限に異空間送りにして処理する。流星街に貢献しまくっているみんなの友だ。

 

 ヒソカがトランプを使って念魚を切り付けるも、硬い装甲の前に生半可な攻撃は通じなかった。このままだと念魚との戦いで消耗は必至だと悟ったヒソカは、念魚と壁をゴムで繋いで急速に縮めて一時的に行動不能にすると、距離が離れてゴムの力が弱まり念魚が行動を再開するのを承知の上で、急いでクロロの捜索を再開した。

 

 

 

 

 

「ゴブさんの"密室"の認識ってガバガバなんだよね。窓を閉めるのにはやたら拘る癖に、黄色い立ち入り禁止テープでも密室扱いしたりする。人間は本当に面白いね」

 

 クロロがビルのどこかでそう言って笑った。

 

 

 

 

 

 それと同時に、ヒソカの背後で壁に張り付けた念魚が「バチッ」という音と共に電気ウナギのように放電すると、その体を激しく燃え上がらせた。

 

 

 

 

 

貧者の北爆(ナパーム・デス)

 

 

 

 

 

 その光景を見たガスマスクを取って食事をしていたカサイが「眩しい〜」と呑気な声を上げた。

 

 念魚の口の中と繋がっている念空間に大量に充填された燃料が、通路を激しく炎上させて、ヒソカが後戻りする事を不可能にした。

 

 ヒソカは前に進み続けるしかない状況だ。急いで部屋を移動しないと炎どころか酸欠で死亡する。

 

 曲がり角を曲がった所で、進む先も激しく炎上しているのが見えた。既にビルの一階の所々で火の手が上がり、侵入禁止エリアを拡大させて行った。フロア全体が炎で遮られた"密室"と化した。

 

 ヒソカは新たに飛んで来た複数の念魚と戦ってダメージを受けながら、何とか上の階に登る階段に辿り着く。

 

 念魚は倒す度にその体を炎上させて、ヒソカを特定のルートに追い立てて行った。

 

 追いかけて来る念魚を迎撃しながら、ゴムを使って後ろ向きで素早く階段を登る。その時、ヒソカの足首に何かが引っ掛かった。

 

 この感触には覚えがあった。ヒソカの足首から先が、余りの鋭さに何の痛みを感じさせることもなく容易く千切れ飛んだ。

 

 

 

 

 

念糸(ネンシ)

 

 

 

 

 

 マチが「やった!!」と言って、嬉しそうに笑いながら褒めて褒めてとジョネスに縋り付いた。ジョネスも満足げな表情でマチの頭を撫でてその功績を称えた。

 

 ヒソカの切れた足が階段の下の燃え盛る炎の中に落下して、文字通り一足先に緊急脱出した。

 

 足をゴムで型取りながら念魚と戦うヒソカは、足の行方を探している暇もなく隙を見て"凝"で階段の先を確認した。

 

 張り巡らされた念糸の配置を確認すると、念魚と戦いながらこの糸を躱すのは現実的ではないと判断して、多少の怪我は覚悟でゴムを使って一気に階段の上まで踊り出た。

 

 躱し切れず糸に引っ掛かった腕や脚や背中の皮膚が、ベロンとめくれた。

 

 これでも最良のルートを選んで飛んだ結果である。ヒソカはガムで怪我を負った部分を止血すると、そのまま上階を高速で進み大広間に踊り出た。

 

 

 

 

 

 大広間は既にナパームで大炎上しており、通行が不可能な状態だった。

 

 

 

 

 

 正規のルートが封じられたヒソカは、燃え上がる部屋の熱で背中に軽い火傷を負いながらも、追いかけて来る念魚を迎撃した。

 

 体の一部を食いちぎられながら、何とか全員をガムで地面に張り付けて一旦拘束した。どうせまた拘束した念魚が爆発的に炎上するので、前にも後ろにも進めなくなる致命的な事態になる前に、ビルの窓を突き破ってビルの外壁に飛び出す。

 

 

 

 

 

 その時、念魚が燃え上がらずに消失するのを目撃した。

 

 

 

 

 

 念魚に食いちぎられていたのに何故か痛みが無かった部分から、激しい痛みと出血が引き起こされた。

 

 ヒソカはそれをものともせずに、ガムで傷口を止血しながら獰猛な笑みを浮かべると、冷静に相手の能力を考察した。

 

(5種類のうち恐らく3種類は割れた♤ 

 

 マチの念糸は確定♡

 

 大広間の全体を一瞬で燃え上がらせるには念魚から出る炎だけでは心許ない♧ つまり炎は念魚に付随する能力ではなく独立した能力だ♡

 

 そして念魚自身は屋外では活動できない? いや、屋外に出て消えたのでは無く、窓が割れた瞬間に消えた♢ あれだけ数が出せるのに強力過ぎると思ったよ♤ 閉め切った部屋が制約か♡)

 

「多分バレたね」

 

「クロロのミスか? いや、わざとかもな」

 

 モニターを見ていたシャルナークが呟いた。フランクリンがクロロの性格の悪さに呆れ返る。あの念魚は判定がガバガバだ。窓やドアが開いていたからと言って、そこに炎が上がっていたり、複雑な糸が張られていれば、問題なく維持される。

 

 

 

 

 

「それなら、こうだね♤」

 

 

 

 

 

 ヒソカはガムとゴムを駆使してそのままビルの外壁を高速で登った。ついでに出来るだけ窓を割っておくことも忘れない。

 

 "凝"をしながら窓からビルの中を観察する。ビルの各階ではそこら中で火の手が上がっているのが見えた。通路に張られたマチの念糸もチラチラと見える。

 

 クロロ自身が炎に耐えられる訳ではない。恐らくクロロがいるのは火の手が上がっていない階だろう。

 

 クロロの居場所に当たりをつけたヒソカが、炎がない階に窓を突き破って飛び込んだ。ホテルのように碁盤目状の通路が入り組んだ客室階だ。

 

 ヒソカが"円"を使って警戒しながら薄暗い廊下をしばらく進むと、ヒソカの後ろ、先ほど飛び込んで来た窓の近くが炎上した。

 

(まさか炎で強制的に"密室"に戻したのか!? これは想定外♧ だがクロロはこの階にいる!!)

 

 ヒソカが火の手が上がった方に向けてきびすを返すと、探すまでもなく通路の角からクロロが現れた。

 

「カサイさんの能力って炎自体は念じゃなくて自然現象なんだよね。だからこうやって解除しても炎と密室は維持出来る。

 

 それはさておき、随分ボロボロになったねヒソカ。ハメ続けて勝っても良いんだけど、お店のみんなが見てるショーだし、とりあえずこの辺で一戦交えとくよ」

 

「……親切だね♢ 舐めてるのかい?」

 

「いや? ヒソカは強いじゃん、出来れば接近戦は避けたいよ。でもエンタメは大事だからね」

 

「すごく舐めてるんだね♤」

 

 ヒソカがクロロに向かって突貫した。

 

 クロロは本を開いて能力を発動した。まだ距離はある。

 

 

 

 

 

密室遊魚(インドアフィッシュ)

 

 

 

 

 

 下階での戦いを再現するように、複数の念魚がヒソカに襲い掛かった。

 

 クロロは手動操作で念魚達を操作して、先程の戦いとは比べ物にならない鋭さでヒソカに攻撃を加える。

 

 開いたページに栞を挟んで念魚を維持すると、本をポケットに入れて、あらかじめ栞を挟んでおいたページの能力を行使した。

 

 

 

 

 

狼男(ルナルナ)

 

 

 

 

 

 クロロの両手のオーラが増幅した。ジョネスじゃないので流石に噛み付きはしないが、常時両手"凝"だけでも十分ぶっ壊れ性能だ。

 

 クロロが念魚達と協力してヒソカに襲い掛かる。

 

 二人の間で激しい攻防が繰り広げられた。ヒソカは鉤爪で切り裂かれたり、念魚に食いちぎられたりしながらも、満面の笑みで的確に対応した。クロロも接触の際に張り付けられたゴムを素手で切り裂きながら油断なく戦闘を続ける。

 

 見ていた店内のボルテージは最高潮に達した。

 

 ガムで壁に張り付けられ、しばらくすると行動可能な念魚達の数が減って行く。

 

 その瞬間、ヒソカは壁をぶち抜いて密室状態を解除しようと試みた。クロロは壁に攻撃を加える為に僅かに隙を晒したヒソカに対して、咄嗟に本のページを開いて新しい能力を行使した。

 

 

 

 

 

携帯する他人の運命(ブラックボイス)

 

 

 

 

 

 素早く突き出されたアンテナを見たヒソカは、数多の戦闘経験から瞬時に己の絶体絶命の危機を悟って、後方に張り付けておいたゴムを使って素早くその場を飛び退いて離脱した。

 

(多分、昨日戦ってた95点のイルミと同じ感じだね♡ 操作系能力だ♧)

 

「あ〜あ。何で分かるんだよ? ヒソカじゃなきゃ今ので決まってたのに」

 

 クロロは新たな念魚を出しながらそう言うと、本の別のページを開いて、念糸を使って通路に糸を張り巡らせた。時間稼ぎの為である。

 

「ヒソカ、もう限界近いでしょ? 最上階の展望デッキで待ってるね」

 

 クロロは栞を挟み変えると、撒き散らしたオーラにマッチで火をつけて再び姿を消した。

 

 正念場だと感じたヒソカは極限の集中力で念魚を迎撃して、蹴りで壁に穴を開けると、そのままビルの外に飛び出して最上階を目指した。

 

 既にすぐ下の階まで炎が迫っている。

 

 もはや戦えるフィールドは限られていた。

 

 

 

 

 

 最上階の展望デッキにて、窓を全て開け放ったクロロがブルース市の夜景を見下ろして黄昏れていた。

 

 ヒソカが開いた窓から部屋に飛び込むと、クロロはゆっくりと振り返って相変わらずの笑顔を見せた。

 

「やっぱり切り抜けて来るか。流石だね」

 

「こんなに窓全開で開けちゃって♢ もう厄介な魚は放てないけど、いいの?」

 

「……ヒソカ、おかしいと思わなかった? ステージはジョネスが用意した物、このステージ限定で特別に強力過ぎる能力、ビルは燃え上がってもはや緊急脱出以外の逃げ場はない。戦う相手と場所は選ぶべきだったね」

 

 ヒソカの笑みが消えた。真剣な表情になってクロロに問い掛ける。

 

「……何が言いたい♤」

 

 クロロが「あははっ」と心底おかしそうに笑って言った。本をポケットにしまって栞を挟んだ2種類の能力を行使する。

 

 

 

 

 

「ヒソカ、ハメられたんだよ。ジョネスはこの試合で君の緊急脱出を外している。もう逃げられるのはオレだけだ」

 

 

 

 

 

 クロロが両手に込められた強力なオーラと、指と指の間に張られた念糸を煌めかせてそう言い放った。

 

 それを聞いたジョネスが、店内の全員の注目を集めながら、苦虫を噛み潰したような表情をした。

 

「……戦いに興奮し過ぎたな……、迂闊だったか……♧ せめて君に一矢報いてあの店を楽しませるくらいの選択肢しか、ボクには残されていない訳だ……♤」

 

「ヒソカ、前から聞きたかったんだよね。死ぬ前に聞かせてよ。初めて会った時、何でオレの纏うオーラを"誰よりも高潔"だって言ったの?」

 

 ヒソカは眉をしかめて、その時の感情を思い出す。

 

「誰一人殺していない、悪事を働いていない人のオーラが、清廉潔白な澄んだ色をしているのは当然の事だ♢ むしろそんな人でもオーラには少なからず澱みが生まれる♡ 人の心は複雑だからね♧

 

 でも君は人殺しの匂いがぷんぷんする癖に、誰よりも澄んだ輝かしいオーラをしていた♡

 

 そして話してて分かった、君は人を殺すのに何も感じないサイコパスという訳ではない♢

 

 むしろ君は全ての殺しや悪事に、人一倍罪悪感を抱いている♤ その上で自分の使命を見定めて、"覚悟"を決めている♢ 

 

 君は仲間達全員の罪を引き受けて、代わりに自分一人だけが地獄に行っても何一つ後悔しないんだろう♧

 

 ……思えばきっと、ボクも君に救われたかったのかも知れない……」

 

 

 

 

 

 この世には、神ではなく悪魔(ルシファー)にしか救えない人間達がいる。きっと、どんな世界線でも同じことだ。

 

 

 

 

 

 ヒソカはそう言って、今までで一番真剣な表情で相手を見据えた。これ以上、言葉は不要だということだろう。

 

 クロロが最後の言葉を告げる。

 

「ヒソカ、まだ生き残る道はあるよ? ジョネスかウボォーかオレに頭を下げて、幻影旅団に加入すればいい。マチが便利な能力を持ってるんだ、絶対に破れない契約を結べる。それならヒソカが裏切りを警戒されることもない」

 

「……ボクは何にも属さない♢」

 

「オレは属する。これからも仲間達の隣に並んで歩き続ける」

 

「見解の相違だね♡」

 

「残念だ。ヒソカ」

 

 既に出血と負傷で動きが格段に鈍くなっているヒソカがクロロに飛び掛かった。クロロは念糸を巻き付けてヒソカの腕を一瞬だけ拘束すると、ヒソカの手と新しく具現化した()()()()の本の手形を合わせ、過去を忘れた男に唯一残されていた大事な玩具を盗り上げた。

 

「この本出すの久しぶりだな。ヒソカのお見舞いの時にポケットの中にこっそり出した時以来か」

 

 1.本を出している時に相手の念能力を実際に見る。

 2.本を出している時に相手に対象念能力について質問し、相手がそれに答える。

 3.本の表紙の手形と相手の手の平を合わせる。

 4.1~3までを本を出している間の総計1時間以内に行う。

 

 

 

 

 

盗賊の極意(スキルハンター)

 

 

 

 

 

 ヒソカは己の半身がもぎ取られたかのような強烈な違和感を感じて、クロロから距離を取った。そして何が起こったのかすぐに理解出来た。

 

伸縮自在の愛(バンジーガム)】が使えない。

 

 クロロもヒソカから距離を取って黒い本をしまうと、赤い本を取り出して、栞を一枚挟み直した。

 

 

 

 

 

「完璧に勝つ、だろ? ジョネス。確実に勝つ、だろ? フランクリン。"両方"やらなくっちゃあならないってのが、"団長"のつらいところだな」

 

 

 

 

 

 クロロが自分の体にアンテナを刺した。

 

 

 

 

 

携帯する他人の運命(ブラックボイス)

 

[自動操縦モード]

 

 

 

 

 

 クロロのオーラが膨れ上がり、光り輝くオーラが着ぐるみのように体に纏わりついて、空想上の怪物の形を取った。

 

 

 

 

 

狼男(ルナルナ)

 

 

 

 

 

 モニターで見ていた仲間達は、盛り上がりを通り越してドン引きだった。そこまでやるか。

 

 ブーイングを浴びせられたシャルナークは笑っていた。

 

 ジョネスはブチ切れて声の聞こえた方に酒瓶を投げ付けていた。

 

 

 

 

 

 光り輝く狼男が高速でヒソカに襲い掛かり、その胴体を真っ二つに寸断する直前でヒソカの体が強力な放出系オーラに包まれた。

 

 そのままヒソカは高速で空に飛び上がって緊急脱出した。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

エ「あれ!? ヒソカ緊急脱出したよ?」

 

ジ「そりゃそうだろ、緊急脱出外してねえんだから。ありゃクロロのハッタリだ」

 

マ「ジョネス、やっぱり優しい……。好き……」

 

ジ「はいはい、ありがとう」

 

メ「クロロ性格わっる……。なんでわざわざ……」

 

ウ「ヒソカは死んでも旅団に入ってくれねえか……。仕方ねえな、本人の自由だし」

 

フ「結局初めから勝ち目なかたね」

 

ジ「あんだけ準備期間あって、よーいドンだとな……。条件がクロロ有利過ぎだ」

 

ウ「オレ、今からヒソカのお見舞い行って来るぜ。あわよくばマチを餌にして勧誘してみる」

 

ジ「テメェふざけんなよ? マチをあんな変態にやるかよ」

 

フ「ジョネスはマチをどうしたいね……」

 

マ「ジョネスより強い人じゃないとヤダ」

 

メ「あっ(察し)」

 

エ「マチ姉ちゃん終わったね」

 

フ「終わたね」

 

ウ「ともかく全試合終了か。ヒソカが治ったらあいつ誘って宴会して、全世界に重大発表して終わりだな」

 

ジ「ウボォーとノブナガの、ローションヌルヌルデスマッチとか考えてたんだけど、やってみないか?」

 

ウ「需要無さ過ぎだろ。誰がやるか」

 

 

 

 

 




いい勝負させようと頑張ったんだよ? でもこれは……。
原作でも似たようなもんという恐怖。

結局書きながらクロロの怖さを再確認しただけ……。
あと、スキルハンターの1時間以内に全ての条件を満たすっていう制約をすっかり忘れてて、勝手にご都合主義な設定を加えちゃいました。
お許し下さい……。

ヒソカはミステリアスな男ですね。ヒソカの内心を解き明かそうと思っても、ちっとも分からなくて、話にあんまり組み込めませんでした。
分をわきまえるべきでしたか……、反省反省。

天空闘技場編がクライマックスに近付いています。
そろそろ出番だぞパリストン。
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