流星街の解体屋ジョネス   作:流浪 猿人

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やらかしました。
朝、間違えて投稿していた5話目を、データごと削除してしまいました。
急いで書き直しましたが、内容がうろ覚えで、違っているところもあるかも知れません。

あと誤字報告ありがとうございます。日本語って難しいですね。




5.サトオヤ×ト×ドクショ

 

 ジョネスがマチという少女を工場に住まわせているのは、紆余曲折あっての事だった。

 

 元々はジョネスが顔役を務める地区で、母親と2人で縫製の仕事をしながら暮らしていたのだが、唯一の肉親であったその母親が1年ほど前に病気で他界した。

 

 流星街に法律は無いが、代わりに掟がある。その中に、身寄りのない子供達の養育を他の大人が引き受ける、里親制度のようなものがあった。字面だけ見れば、何とも慈愛に満ち溢れた、素晴らしい掟のように思えるだろう。

 

 しかし、ここは高福祉国家ではなく世紀末な流星街。長老達は気付いていないが(それか見てみぬふりをしている)、この制度は街の悪意ある住人達によって盛大に利用され、制御不能となっていた。

 

 戸籍のない便利な人員としてマフィアに売り渡すなんてのがマシな方で、引き取った子供をサンドバッグにしたり、都合のいい性処理道具に使うなんてのが平気で罷り通っていた。

 

 彼女を引き取ることを希望した大人達も例に漏れず、()()()()奴らであり、美少女とも言える容姿の彼女がどんな目に会うか、想像に難くなかった。

 

 ジョネスは前世の記憶もあってか、流星街ではかなりマトモな方である。

 

 地区の顔役であり、母親とも知り合いだったジョネスに対して、捨てられた子犬のように救いの目を向けてくる彼女を、どうしても見捨てる事が出来なかった。

 

 そんな経緯で、保護者として彼女を工場に引き取ることとなったのだが、ジョネスとしてもタダ飯食らいをいつまでも置いておくつもりはない。彼女の元々の生業を生かして古着を修復させたりして、工場の商品のラインナップを増やしたし、機械の知識を仕込んで自分の仕事の手伝いをさせることにも余念がなかった。

 

 なお当然だが、流星街に児童労働を取り締まる掟などない。ジョネスは自分のことをマトモだと思っているが、街の外からしたら十分に狂っている。

 

 幸い彼女は手先が器用ですぐに仕事にも慣れ、今では工場の従業員として、ジョネスとは親子のような、兄妹のような関係を築いている。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 油と錆に塗れた工場にて、その光景に似つかわない美少女が、分解されたエンジンのパーツを丁寧に清掃していた。分解や組み立ては彼女の保護者でないと出来ないが、こういった雑用程度の仕事なら彼女でも可能だ。

 

 その背中に特徴的な低い声が掛けられる。

 

「マチ、飯ができたぞ。今日はそこまでにしておけ」

 

 少女が振り返ると、そこには筋肉の塊のような男が立っていた。顔が怖すぎて、慣れた今でも夜の工場で出くわすと飛び上がってしまうが、同時に不器用な優しさを見せる男に確かな親しみを感じている。

 

「ジョネス、もう少しで終わるからキリの良い所まで続けさせて」

 

「馬鹿野郎、飯が冷めるだろうが。オレがわざわざ作った飯を、わざわざ不味く食べるつもりか」

 

「……分かったよ」

 

 マチはわざわざ憎まれ口を叩いたジョネスを見て、苦笑いを浮かべて答えた。この男は本音一つ素直に言えないのだ。自分の体を気遣っているだけなのは明白なのに。

 

 不器用な性格に恐ろしげな風貌、人外の怪力。共に暮らして彼の人となりに接したが、彼はとにかく周囲を威圧しまくっていて、多分、自分しか彼の持つ優しさに気付いていない。

 

 作業場を後にして二人で食卓につく。

 

 ジョネスは知識が豊富なので、何気に料理がうまい。スパダリか。

 

「仕事にも慣れてきたようだな。役に立たなきゃ売り飛ばすとこだったぜ」

 

「……ジョネスさぁ、本当に嘘ばっかつくよね。人攫いの組織を壊滅させて回ったのは、昔のジョネスでしょ。そんなアンタが人身売買に手を染めるとは思えないけど」

 

「……」

 

(照れるとすぐ黙り込むんだから)

 

 マチは内心で苦笑する。何だか更にその鉄面皮を崩してやりたくなり、おもむろに席を立つと、ジョネスの隣に座り直して彼にしなだれかかり、耳元で囁いた。

 

 

 

「それよりさぁ。アンタがアタシのこと引き取るって聞いたとき、別のこと想像したよ。売るんじゃなくて()()()()()()んじゃないかって……」

 

 

 

 マチがそう言うと、ジョネスは今まで見たことがないほど、キョトンとした表情を浮かべた。

 

 ジョネスの視線が彼女の顔から少し落ちると、ややあって再び二人の目が合った。

 

 

 

 

「……ガキじゃねえか」

 

「今どこを見たああああぁぁぁぁ!!」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 とある日の夜の事だった。ジョネスは日課である読書のために工場の一角にある書斎に向かっていた。

 

 その時、不思議な光景に遭遇する。

 

 無人の筈の書斎から明かりが漏れているのだ。

 

(……というか、不思議でも何でもねえ。どうせいつものアレだ)

 

 ジョネスは一応警戒しながら、勢いよくドアを開け放つ。

 

 書斎の中には、まるで部屋の主かのように、ジョネスのお気に入りの柔らかい椅子でくつろぎつつ、ジョネスのお気に入りの紅茶を勝手に淹れて、ジョネスの今日読もうと思っていた本に齧り付いている、如何にも好青年と言った風情の男がそこにいた。

 

 

 

「クロロ!! これで()7()だぞ!!」

 

 

 

 怒鳴り付けるジョネスに対して、男は昼下がりのティーブレイクとなんら違いがないかのように、笑顔でジョネスに返事する。

 

「ジョネスさん、こんにちは!! お邪魔してます!!」

 

「なんて太え野郎だ……」

 

 反省のかけらも見えない男に対して、ジョネスは頭を抱えて嘆息した。

 

 




ハンターハンターって、よく考えたらヒロインいないの凄いですね。
冨樫先生女の子書くの上手なのに……。

クロロの素ってこっちだよね、心の声もそうだし。
普段は団長を「演じて」いると。
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