どうぞ〜。
今回はそれぞれの続きです。
流星街東地区に降り立ったオチマ連邦の特殊部隊は、予定通りに軍事作戦を開始していた。
政府の意向は二つ。流星街を使って行っていた後ろ暗い行為の証拠をこの世から抹消することと、街を制圧して別大陸に持つ軍事拠点と化して国際社会への影響力を更に拡大することだ。
「民間人は気にするな。捕虜も取らなくていい。この街に人間はいない」
「……隊長、それは流石に……」
「上官命令だ」
渋る若い隊員に対して、部隊の小隊長は冷酷な表情でそう告げた。投入された戦力は一部の精鋭空挺部隊だけなのだ。流石に本国にいる大軍を多数の国を通過して別大陸に送り込むことは現実的ではない。
故に100万人を超える人口を抱えるという流星街の制圧した地域を、いちいち占領統治するという考え方は、とてもじゃないが不可能なのだ。取れる手段は必然的に"浄化"だ。
余談だがキルアはやはり軍人には向いていないだろう。
「何だお前ら!? この街にっ!?」
「お父さっ!?」
逃げ遅れた民間人を射殺しながら、部隊が当初の目的地まで前進する。拠点となるキャンプをここに設立して、飛行船から物資を空中投下して継戦して行く手筈である。
その時、どこかから高速で飛来した金属球によって部隊長の頭部が弾け飛んだ。
隊員達がすかさず
「タングステン弾だ。効くだろ? 念能力者の精鋭かと思ったら素人じゃねえか……」
ウボォーギンはそう言ってタングステンの塊を握りつぶすと、散弾のように広範囲に投げ付けた。
その破片で更に死傷者を量産した後、高台から降り立って突撃銃を構える部隊に向かって真正面から高速で突撃した。
発射された5.45mm弾によって蜂の巣にされるかと思われた大男は、体の表面で何の問題も無く弾丸を弾いた。
「痒いな」
とある部隊員がその光景を見て驚愕する。
「は?」
次の瞬間にはウボォーギンが振るった拳によって、最前列にいた隊員の上半身が紙屑のように弾け飛んだ。
被害は殴られた一人に留まらなかった。先程投げ付けられた金属片ほどではないが、肉と骨の散弾によって近くに居た隊員が複数人負傷した。
ウボォーギンは陣形を崩した部隊に向かって、そのまま素手で暴れ回り犠牲者を拡大させて行く。
目にも留まらぬ速さの蹴りで纏まっていた3人の人間が千切れ飛ぶ。
「どっちがゴミか確かめてみようじゃねえか」
家のそばに倒れていた親子の遺体を横目に見ながら、ウボォーギンは平静な声で言った。普段なら大笑いしながら暴れる男は無表情のまま敵に歩み寄る。
「う、うわあああぁぁぁ!!」
信じ難い光景に半狂乱になった隊員達がウボォーギンに向かって銃を連射するも、背中に当たろうが腹に当たろうが顔に当たろうが、それを意に介さず、一振り一振りで大型トラックが通過したかのような風圧が巻き起こり、戦場に犠牲者の鮮血を撒き散らした。
時には地面を勢い良く捲り上げ岩石の散弾を巻き起こす。
何よりも強く。
時には敵の頭を掴んで握りつぶしてから、肉の砲弾として遠方にいる敵に高速で投げ付ける。
ただ強く。
銃身下に取り付けられたグレネードランチャーを複数その身に受けても、防御体勢を取ることもなく無傷のまま棒立ちして、グレネードを発射した敵に対して振り返った。
「痒いな」
全てを守る為に。
気付いた時には固まっていた部隊の目前にまで迫っていた。筋肉ダルマがノロマだというのはフィクションの世界だけである。
【
その場に存在する装備の中で、最強の威力を持つ
ウボォーギンが手を振って合図を出すと、国際色豊かな装備で完全武装した流星街の軍隊が続いた。念能力者もちらほらと混ざっている。
その時、大声で部下に指示を出していたウボォーギンに向けて、隠れていたオチマの部隊員が、使う予定など全くなかった携帯式対戦車ロケットを発射した。
"RPG"。戦車も1発でオシャカにする世界中の武装組織に愛されるロングセラー商品である。
肩に直撃を受けた男が煙の中から現れた。
直立不動のまま、ロケットを発射した敵に顔を向ける。
「痒いな」
無表情のまま、そう冷たく言い放った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最初の拠点として使う予定の大きな建物に入った部隊は、入ってすぐの大広間に立っていた丁髷に着流し姿の妙な格好をしていた男に向けて、一斉に銃を構えた。
「撃て!!」
そのまま容赦なく一斉射撃を加える。
その時、摩訶不思議なことが起こった。一瞬で蜂の巣に変わると思っていた男の姿が僅かにブレると、空中で金属音と共に火花が上がる。
最後に「チン」という音がして、いつの間にか男が腰に差していた刀に手をかけている。その動きは隊員達の目には全く捉え切れていなかった。
「あ〜あ、あんまり得意な状況じゃねえんだけどな」
隊員達の視界から面倒臭そうな声を上げた男の姿が掻き消えたかと思うと、次の瞬間には男は既に目と鼻の先にまで移動していた。すかさず更なる銃撃を加えようとするも、腕に激しい違和感を感じて、銃撃は何故か不発に終わった。
(まさか、マンガやアニメじゃあるまいし……)
嫌な予感を感じた隊員が目を落とすと、腕が銃ごと半ばからずるりと地面に落ちるのが見えた。周囲から絶叫が上がる。
激しい痛みに堪え切れずその場に尻餅をつこうとした時、男が激しい怒りを感じさせる声色で呟いた。
「だが、ここまでされたら黙ってられねえよなあ。ウボォーよ」
気付いたら、その男の周りにいた隊員達の首が飛んでいた。
その後も男はゆっくりと歩いたかと思うと突然目にも留まらない速さで動いて、隊員達を次々と斬り殺して行った。いや、正確には斬った瞬間は誰にも目視できていないのでそれも憶測でしかない。
「くっ、くそ!! うおおおぉぉぉ!!」
最後の一人になった隊員は銃身を切られて銃を使い物にならなくされると、大振りなアーミーナイフを抜いて、一か八か大声を出して恐怖を振り払いながら男に斬り掛かった。
「動くと、斬る」
斬り掛かった隊員には見えていなかったが、待ち受けていた男、ノブナガは既に能力の起点となる"円"を広げていた。
そして"対象"を選択して、"条件"を指定した。
"円"に感知された対象は、既に条件を満たしている。
【
斬られたことにも気付かせぬ程に、この日最も速く鋭い一閃が対手の胴体を両断した。
新たな血を吸って悦んだ妖刀のオーラが、どこまでも美しく揺らめいていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後続として送り込まれたとある部隊は、降下予定地点に迫っているにも関わらず、気の抜けた会話をしながら飛行船の中で待機していた。
「流星街はまともな正規軍なんて抱えてねえんだろ? オレらが降りた頃にはもう殆ど獲物が残ってねえんじゃねえか?」
「オレらも鴨撃ちしてえよなあ。あいつら、ちょっとは残しといてくれりゃいいんだが」
「……お前ら気が抜け過ぎだぞ。それに人を殺すことを軽く考え過ぎだ……」
「くくくっ、甘ちゃんだねえ。公式にはこの街に人なんていねえんだって。こんな機会二度とねえから楽しもうぜ?」
とある隊員がそう言って笑った瞬間、機体に激しい衝撃が走った。運転席から緊迫した通信が流れる。
『何だ!? 機体に何者かの攻撃を受けている。原因は不明だが第2、第3エンジンが爆発炎上中だ!! 船外も穴だらけだ!! 当機はまもなく墜落する!!』
それを聞いた隊員達は顔を青ざめさせると、すぐにパラシュートを確認して、脱出の準備を始めた。
扉を開け放ち、降下予定地点の遥か手前で順番に飛び降りる。
「鴨撃ちだな」
空からゆっくりと降下して来る落下傘を確認した大男は、そう呟いて空に向けて両手を構えた。
【
全身縫い目だらけの大男、フランクリンの指先から連射された念弾が、身動きの取れない降下中の部隊に対して激しく浴びせかけられた。
掠っただけで四肢が千切れ飛び、直撃する度に体に大穴が開いた。
フランクリンの周りにいた流星街の軍隊も、それに続くように空に向けて銃を発射する。
遠くで飛行船が墜落する轟音が響いた。
その頃には部隊は軍事的な意味でなく全滅しており、生き残りは一人もいなかった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はあっ!! はあっ!! はあっ!!」
流星街の一角に降り立ったとある男は、息を切らしながら必死に走っていた。遠くで飛行船が墜落する音が聞こえたが、そんなことに構っている余裕などない。
(早く逃げないとまた
仲間達が次々と食われて行った光景を思い出して、男は震え上がった。こんなのが現実だとは思えない。夢であって欲しい。
男はそう思いながら半狂乱になってひたすら逃げ回る。しかし、起こったことは全て現実で、悪夢は程なくして男の目の前に姿を現した。
「ピギィィィィ!!」
ヤツメウナギのような醜悪な見た目の怪物が、地面から勢いよく飛び出して、真正面から男の足に噛み付いた。
「ひっ、ひいいぃぃ!!」
その後も地面から次々と姿を現した怪物が、男の体に噛み付いてその体をくねらせた。
男は必死になって怪物の体にナイフを突き立てるも、怪物の体には傷一つ付かなかった。
やがて怪物はその体を蠕動させて男の体液を勢い良く吸い出して行く。血液から胃液に至るまで体中のあらゆる水分を吸い出された男は、あっという間に干からびて敢えなく絶命した。
また別の場所では怪物から命からがら逃げ延びて、建物の中に身を隠していた二人の男が、冷や汗をかきながら今後の事を相談していた。
「何だったんだあの怪物は!? オレ達は魔界に迷い込んじまったのか!?」
「……生き残りはオレらだけ……。もう食われるのを待つだけなのか……」
そう言って座り込んで項垂れる男達に近付く影があった。
もっともその影は小さ過ぎて二人が気付くことは無い。
片方の男の首筋に止まった1匹の蚊が、異空間に充填された致死量の薬品をその口から流し込んだ。
「かっ!?」
男は突然体を痙攣させたかと思うと、泡を吹いてその場に倒れ伏した。それを見ていた男は目を見開いて驚愕した。
「おい!! いきなりどうした!? ……死んでる? ヒ、ヒヒヒ!! ヒヒフフヘヘ!! アハハハハハ!!」
相次ぐ仲間達の不審死を見て精神の限界を迎えた男の周りを、どこかから飛んで来た2匹の蝿が縦横無尽に飛び回った。
「あれっ?」
男の目には見えていなかったが、蝿と蝿の間に張られていた
呼吸を止めた肉塊がその場に音を立てて崩れ落ちた。
高い建物の屋上から双眼鏡でその様子を見ていた3人の男女が、何の感傷に浸ることもなく、次のターゲットを狙い始めた。
「何でこの距離からそんなに精密に操作できるかな? シーラもなかなか天才だよね。あたしは糸張るだけでいいから楽だわ」
「ありがと。私的には念空間の維持の方が難しいんだけどね」
「マチ、次はオレのワームにも糸張ってみろよ」
「……ゴブさんの認識ってホントにガバガバだね。地面の中は締め切られた部屋じゃないの?」
「……? 地面の中は屋外だろ。普通に考えて」
「マチ、今度は蜂に青酸カリ充填するの手伝って」
「……相変わらず暗殺者向き過ぎだね……」
「暗殺者言うな。私は医者で民俗学者だって。次言ったらマチでもしばくから」
「どっちも無免許じゃん」
「おっ、ワームが新しい獲物感知したぜ。お前ら急げ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【
具現化系、操作系、放出系の複合能力。
「開け放たれた空間」。つまり屋外という発動条件を満たすことで、具現化した念虫を複数体使役できる。
念虫は柔軟性がありながらも鎧のような硬さの皮膚を持った、ヤツメウナギのような姿をしている。地底を素早く移動し、対象に噛み付いて液体を吸い取る。
地底は開け放たれた空間だ。ゴブの認識はいつもガバガバである。主に液状の廃棄物を処理する為の能力である。
【
操作系、放出系の複合能力。
主に虫を操作する能力で、虫の体内に0.5リットルほどの念空間を生み出し、そこに薬品や輸血液を充填することができる。
虫を使った偵察や探索などを始めとして、念空間を倉庫代わりにして遠隔での治療や、不特定多数の防疫活動などを行う。
とは本人の言で、仲間達からは余りにも暗殺と大量虐殺に向いていると評されており、シーラはそのことが不服なようである。
【
すごく切れる。怖い。他の人とコンボすると更に怖い。
【
強化系能力。
"円"を起点にして行使される。
対象を一人選択して、口に出して条件を設定する。対象が"円"に入った状態で条件を満たすと、対象に向けて威力と速度が格段に強化された斬撃を放てる。
妖刀ムラマサの装備補正を受けて、今はマチの糸より遥かに切れるようになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
制限時間以内にゴールまで辿り着いた130名程度の受験者に向けて、モラウが2次試験の説明を行っていた。
「2次試験はアイジエン大陸中央部の歴史的な交易路を使ったトレイルランニングだ。ロマンがあっていいだろ? 指定された範囲のルートを通って北の最終地点、アンティキオスを目指して貰う。ゴールに辿り着いた先着60人を合格とする。条件は今持っている物以外を"買わない"ことだ。後は潰し合いでも何でもありだが、他の受験者を殺した場合は失格とする」
モラウの狙いはあらゆる条件下で駆け出しハンターレベルの体力を有しており、十分なサバイバルの知識と技術を持つ者を選抜することだ。
あと3次試験からを担当する先輩ハンターのビスケから、受験者を80人以下に絞るように言い含められている。他の試験官の言うことを大人しく聞くかも試験官本人の自由なのだが、モラウはしっかりと後のことまで気を遣っている辺りとてもいい人だった。
ジョネスはメンチとエルマを引き連れて、真っ直ぐにゴールを目指して走り出す!! ことはなかった。
「オオトカゲの蒲焼きいかがですかー」
「地図を探していまーす。物々交換ですよー」
「メンチ、新しい魚取ってきたから調理頼む」
ジョネスはその辺で狩りをすると、メンチによる絶品料理を餌に、まずは目的地までの詳細な地図を入手した。ジョネスは元々貨幣経済とかなかった流星街の出身なので、金を使わない取引にも慣れたものだった。
自然を舐めてはいけないし、トレイルランニングを舐めてはいけない。一見タイムロスに見えるが最終的にはこれが最大限に活きて来ることとなる。
焦って詳細な情報も持たず順路を突き進んだ受験者達は、遭難する者や、かえって険しい道に入って、大きく集団から遅れてしまう者が続出した。
モラウはその度に救助や治療に追われて、冷や汗を流しながら1次試験で人数を絞った自分の慧眼を自分で褒め讃えていた。
「お前ら、生水は行けるか? 駄目ならメンチが能力で"調理"して処理してくれ」
「一応処理しとくわ」
「泥水でも飲めるのはジョネスだけだよ!!」
3人は自然の中で食料と水を調達すると、これまた物々交換で手に入れたバッグにありったけ詰め込んで、地図を精査して比較的楽なルートを高速で突き進んだ。
ジョネスが地形の偵察に出ているタイミングで、エルマとメンチの少女二人組だと勘違いした他の受験者に襲われたりしたが、襲った受験者はワンパンで脱落した。
「ほら、お前ら。素の力鍛えといて良かっただろ? 念能力者に対して非能力者の相手を殺すなっていうのは、けっこうイジワルな条件なんだぜ? モラウの野郎、多分わざとだな……」
「"絶"の状態でも手加減して殴らないと死んじゃいそうだったね!?」
「試しの門開けられる奴がマジパンチするとな……」
「確かに鍛えといて正解か……。私の包丁も不殺が条件だと使い辛いし」
そんなこんなで順調に進んだ一行はやがて世界最大の湖(厳密に言うとメビウス湖……かも判然としていない)であるカルピス海に辿り着く。
「モラウめ……。この湖を避けるルートは最初からねえじゃねえか」
「泳げない人は脱落確定だね」
「泳げない人はハンターになれないでしょ……」
「分からねえぜ? 生来のカナヅチっているからなあ。ノブナガとか、ノブナガとか。何であいつはいちいちかわいい欠点ばっかり持ってるんだ?」
「あの人何故かかわいいよね!!」
「そうかしら……?」
「少なくともモラウはシーハンターらしく、泳げる奴しかハンターにしたくねえらしい。だがこの距離を全部泳ぎ切るのはお前らでも無理だろ? 点在してる島や、ぎりぎりルートの範囲に入ってる浅瀬を伝って行くぞ」
「ジョネスはルート決めるのも鬼早いね」
「お前らの身体能力は把握済みだからな。ダイストランディングみたいなもんだ。簡単だろ?」
ジョネスは3人分の荷物を担ぐと、「ついて来い」と短く言って湖を泳ぎ始めた。2人もジョネスを信頼して後に続いた。
ちなみにモラウとしては荷物はここで捨てて行くだろうという計算である。
その後、途中上陸した小島でキャンプしていると、2次試験の前に知り合ったナックルとシュートの二人が同じ島に上陸して来た。
休憩を挟みながら湖を渡り切るルートは限られているので、同じような島に辿り着くのは必然である。
「なっ、あんたら……!!」
「……ここが運の尽きか……!!」
ナックルは水に濡れた二人の美少女を見て顔を赤くして動揺した。シュートは他の受験者を蹴落とすことが許されている試験で、絶対に勝てないと悟っているジョネスと運悪く遭遇したことに、顔を青くして動揺した。
その違いを目敏く見抜いたジョネスは可笑しさを感じて、豪快に笑ってから二人をからかった。
「いいコンビだな、モラウが気に入る訳だぜ。ナックルはこの二人がそんな気になるならナンパしてみろよ。オレが通報してやるぜ」
「オレがサツなんかに捕まるかよ!! って誰が告るか!! そんな軟派な真似するくれえなら死んでやるよ!!」
「ジロジロ見ないでよ変態」
「ロリコンヤンキーだね!!」
メンチとエルマまでニヤニヤしながらジョネスに便乗してからかった。やっぱりリアクションがデカい奴は面白いものである。
「畜生!! 何を言ってもおもちゃにされるだけかよお!!」
「ナックル、油断するな……」
警戒するシュートを見て、ジョネスは「くくくっ」と笑って悪そうな笑みを浮かべると、いきなり最高速度で動いてシュートの目と鼻の先にまで近付いて睨み付けた。シュートは震え上がって秒で目を逸らした。
「お前はオレと戦いてえのか。さっきからガン付けてやがったよな?」
「あっ、いや……。ソノデスネ……」
「10、9、8、7……」
「うわあ!! 何のカウントダウンですか!?」
「號奪戦の間合いですよ?」
「ジョネスー、そこまでにしときなさい。人が悪いわよ」
メンチが湖でとれた魚を焼きながらジョネスを諌めた。このメンバーは既にトップを独走している。戦って蹴落とす必要はあまり無い。
ジョネスは笑ってシュートの肩をポンポンと叩くと、元の位置に戻って「今は、お前を勝たせたいよ」とか良く分からないことをブツブツ呟いてから、豪快に焼き魚を食べ始めた。
ナックルは相棒の危機に何をしていたのかと言うと、エルマに髪の毛をさわさわされて縮こまっていた。ヤンキーは積極的な子供が苦手である。子供相手に粋がっても何もかっこ良くないからだろう。
その後、せっかくなのでナックルとシュートと魚を一緒に食べて交流を深めていると、新たに二人の人間が小島に上陸して来た。
「何だ。お前らか」
「やっぱり念能力者が一番乗りになるわよね」
ジョネスに既に旅団にしつこく勧誘されて辟易としているゴレイヌと、同じくジョネスが目を付けているセンリツの二人である。
「おおっ、ゴレイヌ!! また会ったな!!」
「……こっちは会いたくなかったよ」
「そう言うな。二人ともこっち来い!!」
ジョネスはそう言って二人を強引に隣に座らせると、これ幸いと旅団への勧誘を再開した。
「駆け出しハンターなら悪くない話だろ? コネも情報網も格段に拡大するし、好きな時に小遣い稼ぎできるんだぜ? いざって時はオレらが後ろ盾にもなれるし、オレのコレクションも見放題だ」
「……有事の際は良く分からん街の戦力として徴収されるんだろ? 一回入ったらもう抜けられなくなりそうだ。ダチが宗教にハマってた時のことを思い出すよ」
ゴレイヌはジョネスから渡されたバナナを食べながら渋面を浮かべる。ちなみに彼は特別バナナが好きとかそんなことは無い。完全にジョネスの偏見である。
「コレクションって?」
心地いい心音に囲まれて微妙に上機嫌なセンリツが何気なく尋ねた。
ジョネスは自慢したくて堪らなかったのか、よくぞ聞いてくれたという感じで、センリツにチーズを渡しながら語った。ちなみに彼女は特別チーズが好きとかそんなことは無い。完全にジョネスの偏見である。
「ああ、オレは念が籠った呪われた品物、"呪物"を集めてるんだ。既に1000個以上のコレクションがあるぜ。あんたも興味があるのか?」
「……私はセンリツよ。もう少し詳しく聞かせてくれるかしら?」
「……えげつねえな……」
ゴレイヌは何となくだがその場の空気が変わったのを察して呟いた。
素のウボォーさんは戦ってるときに大笑いしたりしない。状況にもよりますが。
ノブナガの能力いつ分かるねん。めっちゃいい引きだったのに、刀に紐を結んで投げただけだった……。
フランクリンの射程距離は不明。
ゴブさんはいつもガバガバ。
シーラの能力。原作に出て来た複数の能力の完全上位互換なんですが、どうなってるんですかね。
マチはコンボがやり易い。
試験は余裕なのでサクサク進めて行きます。
と言いつつこの展開だよ……。