流星街の解体屋ジョネス   作:流浪 猿人

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セイッ!! セイッ!! セイッ!!
オラッショ!! セイッ!!

はい書けました。闘魂注入しておきます。

今回は参加メンバーと、ゲーム開始と、奴のチート能力と、何かが起ころうとしている世界です。



58.ゲーム×ハ×ハラン

 

 

 

 メテオール首長府に併設された幻影旅団の事務所、というか溜まり場に15人の念能力者が集まっていた。今から遊ぶゲームは念能力者じゃないとプレイすることすらできないので当然だ。

 

「とりあえずこんな所でいいか?」

 

「オウフ……」

 

 ジョネスに紹介された面々を見て、ジンは思わずらしくない声を漏らして絶句した。初対面の人間に混じって、滅茶苦茶見覚えのある人間もいるが、全員実力者だというのは一目で分かる。

 

 どこにでもあるような体育館の中に、国家を落とせそうな戦力が揃っていた。ゲームが始まるまで待ち切れなかったのか、思い思いに暇潰しに興じている。

 

 ジョネスが集めたメンバー達を順番に紹介する。

 

「まず旅団でもハンターでもないメンバーから紹介しとくか。暇してた格闘家のヒソカ。普段は天空闘技場のフロアマスターをやってる。まあそんな称号より遥かに実力は上だがな」

 

「ボクは格闘家じゃないって♧ 奇術師って呼んで欲しいな♡」

 

「本当に在野か? いきなりすげえ強そうな奴が出て来たな……」

 

 ジョネスに名前を呼ばれた男、ヒソカはトランプタワーを積み上げながら、体育館の中に集まった実力者達を見て舌舐めずりした。目の前で苦笑いを浮かべるジンという男も非常に美味しそうだ。

 

 彼だけが持つ超人的なシックスセンスで、ジンがテクニカルな戦い方をすることを察したようだ。殴っても効かないし殴られたら死ぬゴリラと違って、戦ったら勝つのは難しいがとても楽しめそうな相手だ。

 

「あそこで逃げ回ってるのが休業中だが暗殺者のイルミ。襲い掛かってる大男は幻影旅団の大団長のウボォーギンだ」

 

「あいつら何やってんだ?」

 

「……色々あったんだよ」

 

 具体的には預けて1年経たずに妹分に手を出された。しかも開発され尽くした。

 

 怒り心頭なウボォーギンから逃げ回りながら、イルミは無表情のまま「好きなんだから当たり前じゃん?」と言って、ナチュラルに大団長を煽り続けている。

 

「それを見て爆笑してるのが左からノブナガ、フィンクス、フェイタン。カードゲームで遊んでるのがクロロ、シャルナーク、フランクリン。全員旅団のメンバーだな」

 

「何でタンコブ作ってんだ?」

 

「色々あったんだよ」

 

 具体的にはジョネスがぶん殴った。理由は奴らが団員の体に百足の入れ墨を入れようとしていることが判明したからである。

 

 何故か入れ墨を蛇蝎の如く嫌っているジョネスは提案された瞬間、親から貰った体に消えない落書きを書く奴があるかと、どこかの国の常識で突然キレ散らかした。

 

「こっちはマチとシズク。何か知らんが付いて来た」

 

「マチだよ。よろしく」

 

「私はシズク。おじさん、これどんなゲームなの?」

 

「オレはジンって者だ、よろしく。ゲームの内容は始めてからのお楽しみだぜ。それより何でそんなにくっ付いてんだ? ジョネスの嫁か?」

 

「「……」」

 

「頼むから否定してくれ。ガキ共に甘えられてるだけだよ」

 

 マチがジョネスにくっ付いて来るのは今更である。彼女はゲームには興味無かったが、とりあえずジョネスと一緒にいたいので参加を快諾した。

 

 シズクの方は能力がレアなので、ジョネスとしてはできるだけどこにも連れ出したくなかったのだが、ジョネスと一緒に行くと言って聞かないし、工場の重役としてずっと働き詰めだったので、偶には息抜きさせてやらないといけないと思って、仕方なく参加を許可した。

 

「そんでこっちはハンター友達のネテロとパリストン」

 

「よろしこ」

 

「ジンさん!! どうしてこんな楽しそうなことに誘ってくれなかったんですか!?」

 

「何でジイさんいんの? パリはさっさと帰れ」

 

 ジンにとっても物凄く見覚えのある老人は、何かの間違いじゃないかと思ったがやっぱりネテロのようだ。イタズラが成功した子供のようにニヤニヤしながらジンに向かってダブルピースして来た。

 

 もう一人の物凄く見覚えのある男は、珍しく動き易そうなジャージを身に纏い、珍しくなくキラキラと星が出ているように錯覚しそうなほどの笑顔でジンを咎めた。

 

 何でこいつを連れて来た。ジンは究極に嫌そうな顔でジョネスを恨めしげに睨み付ける。

 

 ネテロとパリストンのことが大好きなジョネスは、そのジンの視線に気付く様子もなく、自信満々に事情を語り出した。

 

「二人とも最近デスクワークばっかりでストレス溜まってるだろうと思ってな。協会本部から楽器ケースに入れてこっそり連れ出して来た。ちなみにチードルには言ってない」

 

「ウケるじゃろ?」

 

「チードルさん撮影隊もバッチリ準備してますよ。終わったらみんなで見ましょう」

 

「お前らほんと酷いな」

 

 ジンはこいつらほど人が困っている所を見るのが好きな訳じゃない。とある理由から別の意味でのドクズは、楽しそうに肩を組んで笑うクズ共を見て疲れたような顔で肩を落とした。

 

「合計14人だ。十分だろ?」

 

「……欲を言えばあと一人は欲しいんだが……」

 

「そうなの? ならジンがプレイすりゃいいじゃん」

 

 とあるイベントのことを考えて眉をひそめたジンに対して、ジョネスは事もなげに言い放った。ジンが呆れかえる。

 

「おいおい、オレは開発者だぜ? それじゃ有利過ぎるだろ」

 

「有利って何が?」

 

「クリアするのがだよ」

 

 ジョネスはその言葉を受けて、心底不思議そうな顔で言った。

 

 

 

 

 

「だから何で? クリアするのが目的じゃないだろ? ゲームは遊ぶ為のものだ」

 

「……お前最高だな」

 

 

 

 

 

 ジンからのジョネスの好感度が急上昇した。

 

 この男はゲームを始める前から、ジンがやって欲しかったことにぴったり考え方を合致させて来た。

 

 実は多少自覚はあるのだが、このゲームは真面目にクリアすることを考えると途端にクソゲーになる。

 

 ジンは呪文(スペル)カードで盛大にカードを奪い合って欲しいと思っている。奪われたとしても「悔しい!!」くらいの感想でいいのだ。「ぶっ殺す!!」になるのはおかしい。

 

 決して全ページを堅牢(プリズン)で守るとか無茶苦茶なことをやってはいけない。

 

 また、とある首飾りが取り返しの付かないタイプのバグで、何回攻撃呪文を反射しても壊れないというトンデモ性能になっているが、彼はそのことにまだ気付いていない。

 

 更にジンは指定ポケットカードをゲーム内で沢山ゲインして遊んで欲しいと思っている。一人のプレイヤーが使わずに独占するとか無茶苦茶なことをやってはいけない。

 

 また来年発売されるマルチタップによって、ゲーム内が200人を遥かに超えるプレイヤーで溢れ返ることを彼は知る由もない。

 

 そもそもゲームに飽きたらクリアせずとも放っぽり出してくれたらいいのだ。なおそのゲームの外に脱出する為の呪文カードが、バグで他人にも使える設定になっているせいで、フリーポケットを強制的に全破壊する恐怖の攻撃カードと化していることに、彼はまだ気付いていない。

 

 それを10連射する、この上なく非人道的な悪魔兵器まで存在する。

 

 

 

 

 

 

 おかしい部分は全部バグである。バグなら仕方ない。

 

 波乱の予感を大いに含んだゲーム大会が始まった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 ゲームが始まる前に自然に仲がいいメンバー同士で組むことになった。ジンからゲームのシステムを聞くほどに、ソロプレイの難易度が凄まじいのが理解できたので、これは自然な成り行きであろう。

 

 チームA:ジョネス、マチ、シズク

 

 チームB:ウボォーギン、ノブナガ

 

 チームC:フィンクス、フェイタン

 

 チームD:クロロ、シャルナーク、フランクリン

 

 チームE:ヒソカ、イルミ

 

 チームF:ネテロ、パリストン

 

 チームG:ジン

 

 に主に分かれることになった。なおヒソカとイルミは特に親しい人もいない余り者同士だし、パリストンは明らかにゲームに疎そうなネテロを介護しつつからかって遊ぶ気だし、ジンは開発者なので縛りという意味も兼ねてソロプレイである。仲良しでも何でも無かった。

 

 一番最初にゲームの中に入ったジョネスとマチとシズクは、初めての仕事で緊張気味なエレナのたどたどしい説明を受けた後、正真正銘このゲームの最初のプレイヤーとして一歩目を踏み出した。

 

 3人でだだっ広い平原を当てどなく歩きながら、ジョネスがいきなり文句を垂れる。

 

「街の方向が全く分からねえじゃねえか。立て看板とか必要だろ?」

 

「確かにね。とりあえずジンに改善案として送っとこうか」

 

 他のプレイヤーが張り込みなどをしていれば、ある程度大きな町がある方向も察しがついたかも知れないが、最初のプレイヤーである3人には何の手がかりも与えられていなかった。

 

 何気に勘だけで懸賞都市アントキバがある方向を完璧に察知するという、怪物染みた離れ業を見せたマチが、ジョネスの不満はもっともだと思い、ゲームの為に立ち上げた情報交換用の掲示板に、携帯から改善案を書き込んだ。

 

 Q:どっちに行ったらいいか分からないです。町に向かう為の目印が必要なのでは?

 

 A:それもまたムスビです。

 

 ジンが速攻で回答してきた。都合が悪い時はこれさえ言っとけばいいって感じの意味不明な解答に、マチがイラっとして携帯をギリギリと握り締めた。

 

「マチ落ち着け、携帯壊れるって。しかしあの野郎……看板を立てる気はねえってことか?」

 

「しらみ潰しに探せってこと? 何の拘りなんだろ」

 

 ジョネスとシズクはそう言って訝しげな表情を浮かべた。

 

 ジンはハンターの中のハンター。正にハンターハンターなので物を探すことにかけては優しくないし妥協しない。町も聞き込みや漂流(ドリフト)という呪文を使って、プレイヤー自身で一から探して欲しかった。

 

「とりあえずマチの勘を信じて歩き続けるか……。オレとしては反対方向に行った方がいい気がしたんだがな」

 

 ちなみにそちらの方向にも山岳都市コルタナという町がある。ジョネスとマチの勘はほぼ念能力レベルの特殊技能である。

 

 ジョネスは携帯からジンに向けて新しく意見案を書き込んだ。

 

 Q:テメェ次会ったら覚悟しとけよ? PKの時間だ。

 

 A:やれるもんならやってみろハゲ。

 

 Q:えっ!? オレハゲてるの!?

 

 A:ゴメン、言い過ぎた。ハゲてないよ(^_^)

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 8番目にゲームに入ったクロロは大冒険の予感にワクワクして笑顔を浮かべていたが、スタート地点でたむろしていたガラが悪過ぎる4人の男を見て、ギョッとした表情で尋ねた。

 

「うわっ!? 何してんのウボォーさん達!?」

 

 うんこ座りでつるんでいた連中の一人、ウボォーギンが何とも彼らしい単純だが効果的な頭脳プレイについて説明を始めた。

 

「最初に何をすべきなのかも、どこに行ったらいいのかも分からねえ。だったら最後に入って来る、このゲームに一番詳しいジンを尾行すりゃいいじゃねえか?」

 

「嫌がっても無理矢理付いて行くぜ」

 

 ノブナガが相棒に追従するように補足した。

 

「逃げても追い回す」

 

「ワタシらを倒そうとしてきたら4人でボコるね」

 

「うわあ……」

 

 フィンクスとフェイタンの乱暴過ぎる補足に、クロロがドン引きしながらも、確かに効果的だと感じて一緒になってその場にしゃがみ込んだ。

 

 クロロ、待ち伏せ組に仲間入りである。

 

 この後、入って来たシャルナークとフランクリンも、チームリーダーがこの調子なので当然その輪に加わった。

 

 

 

 

 

 ヒソカとイルミは自由にやりたかったのか、無視してどこかへ歩いて行った。偶然だが恋愛都市アイアイという町がある方角である。

 

 

 

 

 

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 チームごとに時間差で入ることにした為、手持ち無沙汰になってしまったネテロは、初めて見る"じょいすて"なる物を持ち上げて入念に観察していた。

 

「ムウ……これが"げーむ"なる物か。どういう仕組みなんじゃ?」

 

「ご飯を食べさせてあげると遊びを提供してくれるペットロボットなんですよ。試しにお茶をあげてみて下さい」

 

「なに? こうか?」

 

 ネテロは信頼する副官の発言を受けて、湯呑みからビチャビチャと茶をジョイステに注ぎ始めた。オーラでガードされたジョイステは撥水性が抜群で、床に水溜まりができただけだった。ジンは笑いを堪えて震えている。

 

「何じゃ? 動かんぞ」

 

「当たり前でしょう。馬鹿ですか?」

 

「あーっ!! お主!! 嘘か!!」

 

 急に真顔になって前言を撤回したパリストンにネテロが食って掛かった。いくら機械に疎いとはいえ、パリストンとしては流石に今のは嘘だと気付いて欲しかった。

 

「冗談です。本当はここのスイッチを押して電源を入れるんですよ。できるだけ力強く!!」

 

「なるほどのう。こうじゃな!!」

 

 ネテロが音速を超える速度で電源スイッチを押した。

 

 オーラで守られた破壊不可能なジョイステを勢い良く突いてしまい、ネテロは危うく突き指になりかけた。

 

 ジンが吹き出した。

 

「痛った!! これ硬いのう!!」

 

「力が足りないんですよ。今時の子供達はみんなこれを簡単に押し込みますよ?」

 

「……何と……そこまでとは……。歳は取りたくないのう。しかし同時に今後の武の進化が楽しみだぜ」

 

「嘘です、本当はこんなに硬くありません。これはジンさんの罠です」

 

 パリストンが「信じられない……!!」といった風な深刻な顔をしてジンを睨み付けた。ネテロがすぐに反応する。

 

「なにっ!? ジン!! 貴様!!」

 

「はあっ!? ふざけんなパリストン!!」

 

 

 

 

 

 その時、パリストンが"練"をしてゲームの中へ逃げた。

 

 ジンは溜め息を吐いて、懇切丁寧にジョイステとゲームと、グリードアイランドはそれとはどう違うのかについてネテロに説明すると、ネテロは「よく分からん」と言い残して、そのままゲームの中へ消えて行った。

 

 

 

 

 

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 グリードアイランドのスタート地点"シソの木"の周りで、とある男を待ち伏せしていた7人の男達が、不意に上空から降り掛かった超重力によって敢えなく地面に縫い付けられていた。

 

 その後、地面から蛇のような姿をした念獣が現れたかと思うと、地面に倒れ伏す全員を自動的に縛り上げて行く。

 

「そりゃあ効率良くプレイしたいなら、まずはオレを待ち伏せすることを考えるよな。時間はたっぷりあったから準備させて貰ったぜ。

 

 放出系、強化系の複合。"シソの木の周りでジン=フリークスを待ち伏せしている人間に、強い重力をかけて拘束する、カウンタータイプの能力"だ。

 

 蛇の方は具現化、操作、変化、放出だな。"幻影旅団に所属する15歳以上25歳未満の男をターゲットにする、麻痺毒を体の表面から分泌する念獣"だ」

 

 ジンはそう言って、ポケットに手を入れたまま悠然と7人の間を通り過ぎると、こともなげに複雑なディティールの大型のバイクを具現化した。

 

「具現化、変化、強化系能力。"魔法都市マサドラ限定で、町に向けて超高速で走るバイクを具現化する。燃料は変化系、速度は強化系"だ」

 

 バイクに跨ったジンに向けて、身動き一つ取れないクロロはある一つの可能性に思い至ると、冷や汗を垂らしながら笑みを浮かべた。

 

 ジョネスから前に聞かされたことがある。"オレが考えた最強の念能力"。

 

 これが本当に実在するならば、自分の能力など子供の遊びでしかないし、先ほど通り過ぎて行ったネテロですら、ただ強いだけの男でしかない。

 

 クロロが思わず問い掛ける。

 

「ジンさん……、この拘束いつ解けるんですか?」

 

 ジンはバイクのエンジンをかけながらクロロに顔だけ向けると、いつも通り不敵な笑みを浮かべて答えた。

 

 相手がハンターでは無かったのと、世界一バレても問題が無い能力である故に。

 

 

 

 

 

「30分くらいだな。マサドラに着いたらどうせ作り直すし」

 

 

 

 

 

念遊白書(プレイステーション)

 

 

 

 

 

 ジン=フリークスはメモリに記録されたセーブデータを自由に弄ることができる。

 

 ジョネスが聞いたら恐らく嫉妬で狂ってしまうほど、無限に可能性があり、無限に遊べる能力である。

 

 

 

 

 

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 11月1日

 

 くじら島に逗留するビヨンド=ネテロは、彼にとって初めての弟子となった少年、ゴン=フリークスの精孔を無理矢理開いていた。

 

 ゴンくんが死んだらどうするんだ!? と思っただろうが、そんなことを気にする男ではないし、自分の弟子になるんならこれくらい軽々とこなしてくれないと困る。

 

 それに天然で"絶"を使うほどの才能だ。きっと大丈夫だと確信している。

 

「じゃあ開くぞ。自然体でリラックスしてオーラの流れをしっかり感じろ」

 

「押忍!!」

 

 島の外のことや先祖?の話を教えて貰って、すっかり怪し過ぎるおじさんに懐いてしまった善悪に頓着のないゴンは、元気よく気合いの籠った返事を返した。

 

 精孔の覚醒について事前に説明を受けているにも関わらず、少しもビビっていないその様子にビヨンドは満面の笑みを浮かべた。

 

 こいつは死よりも好奇心を選ぶのだ。クソ親父と馬鹿狼よりよっぽど彼が考えるハンターの資質に溢れている。

 

 その後、たった数秒でつつがなく"纏"に成功したゴンと、その才能に感嘆したビヨンドはお互いに顔を見合わせて楽しげに笑った。

 

「「イエーイ!!」」

 

 歳の差実に70歳以上の二人は、まるで同い年のように元気よくハイタッチした。ビヨンドは見ているスケールが違うので、全ての人間に平等に接するし、頭の中に差別などくだらない要素は皆無だ。

 

 そしてそれはゴンも同じだった。クレイジーな二人に取っては人類皆友達である。

 

 その後、祝賀会だと称して村の商店でゴンの好物を爆買いしたビヨンドは、ゴンに案内されて彼が住んでいる家へと向かう。

 

 家の前で洗濯物を片付けていたゴンの養母であるミトは、近付いて来る誘拐犯にしか見えない不審な男に極限の警戒を見せた。

 

 そんな男に愛する義息が楽しそうに肩車されているのだから、彼女としたら溜まったものではない。

 

 不審な男が遂にはミトの目の前で立ち止まると、そのまま顎髭をさすりながら、おもむろに用件を切り出して来た。

 

 

 

 

 

「お母さん。息子さんをオレに下さい」

 

 

 

 

 

 ミトはビヨンドを思いっ切りぶん殴った。

 

 ゴンが楽しそうにしている。好感度プラス10点。

 

 初対面で実の母だと思われた。好感度プラス10点。

 

 息子を誘拐しようとしているショタホモジジイ。好感度マイナス10000点である。

 

 

 

 

 

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 11月15日

 

 念能力者が激増するであろうこれからの時代。影響は犯罪社会にまで及んでいた。

 

 様々な組織の統廃合が繰り返された結果、それぞれ違う分野で名を馳せていた10人の強力な念能力者が集まって、最終的に新たな犯罪組織が発足することとなる。

 

 極悪非道の盗賊団[十人囃子]。

 

 発足して最初の大きな仕事として選ばれたのは、カキン帝国のさる要人から莫大な報酬を提示された一つの極秘依頼。

 

 

 

 

 

[世界七大美色の一つ。クルタ族の緋の目を入手せよ]

 

 

 

 

 

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 12月1日

 

 センリツのSCP財団としてのオカルトの調査、シーラの民俗学者としての活動、ボノレノフの少数民族保護活動。

 

 これら全てを兼ね備えた一つの仕事が始まっていた。

 

「クルタ族がこの街で目撃されたのね?」

 

「ああ、迫害を恐れて毎年のように住処を変えて隠れ住む彼らだが、全てが自給自足という訳にはいかない。この街で買い出しをしている所が目撃されている。全身を覆うコートを身に纏っていたが、彼らの民族衣装が一瞬だけ覗いたという証言がある……」

 

 資料を見ながら確認を取るセンリツにボノレノフが答える。

 

「裏社会の情報網で彼らに関する検索が格段に増えたわ……。明らかに何者かに件の目が狙われている。できるだけ早く見つけ出してメテオールで保護しないと、最悪の結果に繋がりかねないわ……」

 

 シーラが眉をひそめて懸念事項を改めて述べる。センリツもボノレノフも厳しい表情で唾を呑み込んだ。

 

 

 

 

 

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 12月14日

 

 とある街に3人の男女が降り立った。筋肉質な白髪の男がホテルの個室で息子達に確認を取った。

 

「今回がお前らの記念すべき初依頼だ。とは言っても殺すのはオレで、お前らはオレのやり方を見て学んでくれたらいいが……」

 

「えぇ〜!? オレだって殺すよ!! 親父の力になりたい!!」

 

「「お兄ちゃん(キルア)に同感!! 私お兄ちゃん(キルア)より強いし、役に立つよ!?」」

 

 父親と同じ色合いのモサモサの白髪が特徴的な少年は、尊敬する父に甘く見られていることを感じて不満げにそう溢した。

 

 何故か声が重なって聞こえる黒髪の美少女もそれに続く。

 

「あっ!? アルカとナニカ!! 言ったなあ!!」

 

「「キャ〜♡」」

 

 大好きな兄にくすぐられて、少女は顔を綻ばせて嬉しそうな声を漏らした。

 

(……かわい過ぎる……!!)

 

 愛おし過ぎる子供達が繰り広げる微笑ましい光景を見て、白髪の男は腕を組んだまま目をつぶって歓喜に打ち震えていた。

 

 だがプロとしていつまでもこうしてはいられない。にわかに真剣な表情を取り戻すと、覚悟を決めて改めて依頼の内容を語り出した。

 

「今回の依頼はSCP財団(ジョネス)からの依頼だ。この街に逗留するカキン帝国のさる要人の始末を行う。

 

 普段は自分の城に引きこもっている癖に、現在は自らがこの街に出張って来ているようだ。詳細はよく分からんがとある王族からの要請で絶対に失敗できないらしい。

 

 ある盗賊団を自分の手足として雇っているという情報もある。絶対にオレのそばを離れるな」

 

「「「はい!!」」」

 

(……かわいい……)

 

 同時にピシッと敬礼した子供達を見て、シルバは再び集中が途切れ始めたことを感じて、己の顔を両手で思いっ切り叩いて気合いを入れ直した。

 

 子供達は突然の父の奇行と、そのせいで真っ赤になった顔に唖然としていた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 同日12月14日

 

「どーしてダメなの!?」

 

 とある隠れ里に住む、一見すると女性と見間違えてしまいそうなほどに端正な顔立ちの金髪の少年が、何やら怒って里長に詰め寄っていた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

  12月20日

 

 クルタ族達には知る由もないが、里の近くには怪しげな風貌の男が、長い顎髭をさすりながら、ようやく見つけた"外側"の血を色濃く受け継いでいるであろう民族の里を、丘の上から愉快そうに眺めていた。

 

 さて、3()()()の弟子は見つかるだろうか?

 

 男は少し遅れてやって来たツンツンの黒髪が特徴的な少年と、股に届くほど伸ばした白い長髪が特徴的な、帽子を被った目付きの悪い青年に振り返った。

 

 ちなみにこの青年は自分をこの男の弟子だとは思っていない。豊かな自然に溢れるくじら島を、ゴルフ場やカジノや、いずれは倉庫や基地に変えようとしていた男に激怒して、説得する為にしばらく付き纏っているだけである。

 

 この男に挑んで実力を伸ばすついでに、敬愛する師匠の息子が、短い旅の中でこいつに完全に染められてしまわないようにする為の監視役である。

 

 

 

 

 





誰を参加させるか迷ったんだけどね。
お祭りや!! ほぼ全員参加させることにしました。
もちろん全員を扱い切れる訳ないので、ほぼジョネス視点になると思いますが。

グリードアイランドは真面目にクリアしようとするとクソゲー。
飽きたら離脱するくらいが丁度いいよ。

ジンのやべえ能力。
原作の描写を見るとね……。レオリオの能力をメモリ消費無しで使えるとか作者的には許されない。つまりこういうことだろ。
冨樫先生展の六性図で未登場だから全く記載されてない訳じゃなくて、わざわざ系統不明って書かれてるのが気になった。

ネテロ会長とパリストン大好き!! つい出しちゃった。
協会のトップ2がジョネスに誘拐されて行方不明です。

そして同時進行でゲームの外の世界編!!
なんか読み返したら作者はクラピカが好きなことに気付いて、急に幸せになって欲しくなった(光堕ち)。

クリストファーノーラン監督のダンケルク方式で、様々な人物の視点で時間軸がズレて、最後の12月24日クリスマスにクルタ族滅亡前夜に収束するという、無謀過ぎる描写に挑戦しています。

なんか結末を先に書いちゃった気がするけど、滅亡一歩手前の里にビヨンドとカイトが来てくれたよ!!

なんでこんな無茶な書き方をやりたがるかねえ……。
作者の趣味です。温かい目で見守ってやって下さい。
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